高齢犬の食事
犬は、高齢になると体の様々なところに老化が現れるものです。
「うちの子は元気だからまだまだ大丈夫」と思っていても、やはり、その犬によって個体差はあるものの、年をとるのは避けられないことです。
特に、高齢犬の食事については、飼い主が気を付ける必要があります。
残さず食べるなら、「若い頃と変わらないものを与え続けて良い」というわけではないのです。
高齢犬になると消化能力も低下するので、飼い主の知らないうちにわんちゃんの負担になっているかもしれません。
ですから高齢犬の場合には、体調が悪くなってから食事を見直すのではなく、それ以前に、わんちゃんの体に無理のない食事内容を考えていくことが大切なのです。
これまでの食事内容を見直す
まず、これまでの食事の習慣が適切なものだったかを、見ていく必要があります。たいていの場合、成犬では食事はドックフードを中心にしたもので、1日1回が基本です。
その他に、おやつ程度の量を与えることもあるでしょうが、犬は、出されたものはあるだけ食べてしまうという性質を持っているので注意が必要です。
それは、犬の本能のようなものなので、仕方がないともいえます。食欲があるということは良いことでもあるのですが、まだ食べるからといって、おやつの与え過ぎは危険です。
中には、人間が食べるものをわんちゃんにも与えていたという場合もあることでしょう。
たしかに、わんちゃんは人間のたべるものは喜びます。
しかし、人間の食べ物は犬にとっては決して良いものとはいえません。塩分や油分、糖分など、いずれも多く含まれている傾向があるので、そのままわんちゃんに食べさせてしまったのでは、特に高齢犬の体に悪影響を及ぼす可能性が高いのです。
若い頃からそのような食生活を送ってきた場合には、高齢犬になる頃には、肥満になっていたり、体調にも影響してくるでしょう。
高齢犬の体重が標準より重い場合には、早急に食生活を改善すべきといえます。
けれども、これまで人間の食べ物を与えられてきたわんちゃんにとって、急にドックフード中心の生活になってしまうとストレスに感じてしまうことでしょう。
そのような場合には、わんちゃんの好きな食べ物の中で、比較的、健康に害のなさそうなものは排除しないでおくのも良いかもしれません。
例えば、犬にとって、野菜は特に必要がないといわれていますが、ブロッコリーやトマトなどが好きなわんちゃんも多いようです。
もしそういった野菜が、おやつの代わりになるようであれば、高齢犬の体にもやさしい食材であるともいえるでしょう。
しかし、野菜であっても与え過ぎは禁物です。もちろん、たまねぎなどの、犬にとって有害なものについては、くれぐれも気を付けなくてはなりません。
食が細くなった時には
高齢犬は、しだいに食が細くなっていくことも多いものです。
特に、何か病気が原因で、突然食べる量が減ってしまうこともあるかもしれません。そのような時に、食事をどう考えるか、飼い主さんにとっては本当に辛いところであると思われます。
もちろん、わんちゃんの健康を考えるのなら、犬に合った食事内容が大切です。しかし、もし、食欲のないわんちゃんが、唯一喜んで食べるものが、ドックフードでない場合には、たとえ犬には本当はあまり良くないと分かっていても、食べてくれるだけでもありがたい、と思ってしまうことでしょう。
人間の食べる食材でも、与え過ぎに注意し、調理方法を工夫すれば、わんちゃんに与えても大丈夫なものも多いはずです。
塩分、油分、糖分を少なくすれば良いのです。ですから、例えば、お魚が大好きなわんちゃんの場合には、塩漬けされていないものやお湯などに浸して塩分を抜いたりして与えると良いでしょう。小骨には注意が必要です。
また、チーズが大好きなわんちゃんも多いことでしょう。ドックフードでも、「チーズ味」というのはよく目にしますし、チーズの匂いが特に食欲をそそるのかもしれません。
しかし、チーズは塩分が強い傾向にあるので、注意が必要です。
モツァレラチーズは比較的塩分が低いので、もしわんちゃんが食べるなら、そちらの方が良いかもしれません。
大好きな食べ物でも、毎日食べると飽きてしまうものです。いざという時のために、とっておきの食材を残しておくのも良い方法かもしれません。
高齢犬にとって、「食べる」とは
高齢犬にとって、「食べる」とは、どのような意味を持つのでしょうか。
人間の場合以上に、生きる楽しみの中で、大きな部分を占めているものといえるのかもしれません。多くの場合、ペットとして飼われているわんちゃんは、自分で食べ物を選ぶことはできません。
いつも、与えられたものを食べるしかないのです。
それでも、わんちゃんにとって、食べることは大きな楽しみであることに変わりはありません。お散歩やお出かけの機会が減ってしまった高齢犬にとっては、なおさらです。
飼い主は、わんちゃんの食事に関して、配慮してあげることが大切なのです。たとえ、体の衰弱が激しくなって、流動食のようなものしか食べることができなくなったとしても、きっと、わんちゃんは食べることを楽しみにしているはずです。
ですから、高齢犬になって寝たきりの状態だったとしても、食事のときは、楽しくなるような雰囲気作りをしてあげたいものです。
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ユーザーのコメント
40代 女性 momo
その後回復してからも、やはりシニアで消化には気をつけたかったので、シニア用のドライフードに成分無調整豆乳をかけてふやかしてあげています。無調整の豆乳はシニア犬によく出来る脂肪腫の抑制効果もあるそうです。日々の食事が消化の良いものなので、便の調子もよく元気に過ごせています。若い時とは消化力も変わってきますので、飼い主がきちんと注意して今まで大丈夫だった果物などのおやつも量を減らすなど工夫してあげてほしいです。