犬の散歩1日10kmは多い?少ない?理想の散歩距離と注意点を紹介

犬の散歩1日10kmは多い?少ない?理想の散歩距離と注意点を紹介

犬の散歩はどれくらいの距離が適正なのか、意外とよく知らずに散歩していると思います。この記事では、理想の散歩距離や散歩時の注意点についてまとめています。

犬の大きさ別に見る距離の目安

リードを咥えた犬

愛犬との毎日の散歩は、運動のためだけではありません。犬は、社会性を大切にする動物です。常に情報を吸収して他の犬との関係性や飼い主以外の人、住んでいる周りの環境などを学習していきます。

こうした学習のためにも毎日の散歩は欠かせないのです。また、室内飼育が増えてきているなか、一日中家にいるとストレスも溜まってきます。散歩は、日々のストレス解消のためにも欠かせません。

では、1日にどれくらいの距離を散歩すればいいのか知っていますか?必要な運動量は犬の体型や犬種によって大きく変わりますが、大きさ別にどれくらいの散歩の距離が必要なのかは、以下のとおりです。

  • 小型犬:1日の目安距離 約1~2km
  • 中型犬:1日の目安距離 約2~4km
  • 大型犬:1日の目安距離 約3~4km

あくまでも目安なのでわかりにくいかもしれませんが、小型犬よりも中・大型犬の方が長い時間と距離を歩く必要がありそうです。

ただし、小型犬も犬種によっては中・大型犬並みに運動量が必要になる場合もあります。

犬の散歩頻度と時間の目安は?

考える女性

犬の大きさによって、1日に必要な散歩の頻度や時間は異なります。特に散歩にかける時間は距離に連動しているため、どれくらいの時間と距離を散歩するかは事前に決めておかなければなりません。

ここでは「小型犬」「中型犬」「大型犬」に分類して、それぞれ目安となる散歩の頻度や時間について紹介していきます。

小型犬の散歩は1日1~2回、30分~1時間が理想

小型犬とは成犬体重10kg未満で、シーズー・柴犬・パグなどの犬種がいます。体が小さいので長距離を散歩すると疲れてしまいます。1日の散歩は朝夕の2回が理想ですが、1回にしても構いません。

また、1日の散歩は30分~1時間程度で距離にすると1~2kmが目安。さらに4kg以下の「超小型犬」の場合は骨・関節が強くはないため、体調を確認して散歩をするようにしてください。

中型犬の散歩は1日2回、30分~1時間が理想

中型犬とは成犬体重25kg未満で、フレンチブルドッグ・日本スピッツ・紀州犬などの犬種がいます。1日の散歩は朝夕の2回、30分~1時間程度が理想。距離にすると2~4km程を目安にするといいでしょう。

中型犬は10kg~25kgとサイズに幅があるので、目安の散歩時間や距離でも物足りなさそうにしていたら、週末にドッグランに連れていくなどして走らせてストレス解消するのがおすすめです。

大型犬の散歩は1日2回、1~2時間が理想

大型犬とは成犬体重25kg以上で、ゴールデンレトリバー・シベリアンハスキー・グレートデンなどの犬種がいます。1日の散歩は朝夕の2回、1~2時間程度が理想です。

距離にすると3~4km程を目安にするといいでしょう。ただし大型犬だからといって長距離を歩きすぎたり激しく運動すると、心肺に負荷がかかります。大型犬の場合は、時間をかけてできるだけゆっくりと散歩するようにしてください。

理想的の犬の散歩量の見極め方

座る犬と女性

犬のサイズに合わせた散歩量は、個体差もあるのであくまでも目安にすぎません。そこで、もう少し愛犬の状態に合わせた散歩量の決め方があります。

それは「呼吸」を確認する方法です。30分程度散歩に連れていき、ゆっくりと歩いてください。帰宅後、「ハッハッ」とリズミカルに短めの呼吸をしていれば、ちょうどいい散歩量だと言えます。

この「ハッハッ」という呼吸はパンディングと言い、体内の熱を放出して体温調節する行動です。口を開けずに「ハッハッ」とパンディングしていなければ、散歩量をもう少し増やしてもいいでしょう。

5~10分刻みで少しずつ時間と距離を増やして、どれぐらいが適量か確認しながら散歩量を決めましょう。また、パンディングが短めだったり舌が紫色になっていれば、散歩のし過ぎで疲れていると考えられます。

こうした場合は、5分刻みで散歩量を減らすようにしてください。片道5分程度の散歩でも疲れてしまうようなら、体調不良が原因とも考えられるので、かかりつけの動物病院を受診しましょう。

散歩がたくさん必要な犬種は?

散歩中のジャックステリア

ボーダーコリーやウェルシュコーギーなどの狩猟犬・牧羊犬の流れを汲む犬種は、高い身体能力とスタミナが豊富です。

普通の散歩程度の運動量ではなかなか満足しません。体力を持て余すとストレスにもつながりかねません。こうした犬種は個体差もありますが、中型犬であっても大型犬の散歩時間を目安にするといいでしょう。

ここからは、運動量が多く散歩がたくさん必要な犬について紹介していきます。

ボーダーコリー

トナカイ用の牧羊犬をルーツに持ち、コリーとの交配により生まれた犬種です。体重は14~20kg程度としっかりした体つきが特徴。

イギリスとスコットランドの国境沿いで飼育されていたため、ボーダー=国境の名が付けられているそうです。岩場が多く天候の悪い環境で育った分、足腰が丈夫で体力も豊富です。

作業意欲の高い性格で、注意力・洞察力に鋭く慎重。飼い主さんとの関係性も育みやすく、散歩中もあまりはしゃがず落ち着いて行動できるタイプです。

ウェルシュコーギー

イギリス王室にも愛される人気の中型犬。もともとは牧畜犬として牧場で牛を追うのが仕事でした。背中が長く、短めの足でがっしりとした体格が特徴。好奇心旺盛で活発な性格で賢く学習能力が高い犬種です。

知力が高いため子犬期に教育方針をブレさせず、丁寧にしつけをすることがポイント。体力が豊富で1時間程度の散歩量に満足しないこともあります。そういった場合は、定期的にドッグランに連れて行ってストレス発散させましょう。

ジャックラッセルテリア

イギリスでキツネ狩りのための狩猟犬として活躍していた犬種。体高23~30cm程度の小型犬ですが、筋肉質で俊敏に動き回れます。中型犬にも負けないくらいの体力を誇ります。

性格は頑固で負けず嫌いなため、初心者ではしつけがやや難しい犬種と言われています。子犬時代から飼い主さんとの深く綿密なコミュニケーションを育むことが大切です。

獲物の位置を知らせようとする本能の名残からか、「ワンワン」と飼い主さんに何かを伝えようとして吠えることがあります。

ゴールデンレトリバー

大型犬の中でもとくに人気の犬種。盲導犬としても活躍するほど賢く、学習能力・コミュニケーション能力は他の犬種と比べてずば抜けて高いのが特徴。

温厚で知的な大人の雰囲気ながらも、ボール遊びやロープ引っ張り合いなどで遊びたがる子どものような無邪気な一面もあります。散歩は1回につき1時間程度は必要でじっくりと歩きたがります。

基本的に、いつもと同じコースでの散歩を好みますが、突然違うルートをせがんだりすることもあります。飼い主さんとの関係が深まると、甘えてきたり時にわがままさが前面にでることもあります。

ミニチュアダックスフンド

ダックスフンドは、体のサイズによって3種類に分けられます。真ん中のサイズがミニチュアダックスフンドで、小型犬に分類されます。体長と体高の比が1:2で胴長短足体型が特徴。

ミニチュアダックスフンドは、その体型を活かしてアナグマの狩猟で活躍してきました。狭い穴だけでなく、水中でも狩りを行ってきたことから優れた身体能力を備えています。

運動量が豊富なため、小型犬ながらも1回30分程度のしっかり目の散歩が必要です。ただし、段差のある場所などは足に負担がかかりやすいので避けて散歩するようにしてください。

犬を散歩させる際の注意点

さんぽ影

愛犬との散歩は毎日のことなので、その積み重ねがケガのもとになることがあります。骨が細い小型犬の場合は、過度な散歩は体に負担がかかりすぎてしまいます。

大型犬の場合は、子犬期に激しい運動をさせると股関節形成不全になりやすく、歩くと痛みが出て歩行困難になる場合も。1歳前の過度な散歩は控えましょう。

ここからは、適切な散歩を楽しむための注意点について紹介していきます。

散歩のさせすぎに注意する

小型犬は、活発に見えても体の構造はとても華奢です。骨や筋肉、関節を痛めやすいため長時間・長距離の散歩は控えるようにしてください。また、足に負担がかかりやすいため、足を痛そうにしていないかよく観察するようにしてください。

大型犬は、体の大きさに比例して心肺機能が優れているわけではありません。あまりにも長時間散歩しすぎたり、走って散歩をするといった過度な運動は控えましょう。過度な運動をすると心肺に大きな負担がかかります。

また、大型犬は股関節形成不全のリスクがあるため、1歳になるまでは散歩中に走らせたりせず、できるだけゆっくりと歩くようにしてください。

散歩コースと時間帯に注意する

車だけでなく、自転車や歩行者など交通量が多いルートは、注意が散漫になり怪我もしやすいので避けるようにしてください。また、坂道・段差・階段など高低差のある場所は、足に負担がかかるので注意が必要です。

季節や時間帯についても注意が必要です。夏場は、朝夕の涼しい時間帯を選ぶようにし、どうしても気温が高すぎる場合は、無理に散歩に出かけないことも大切です。

雪の日は、肉球をしもやけなどで痛めてしまう可能性があるため、できれば散歩をお休みしてください。どうしても散歩に行く場合は、犬用の靴を履かせて肉球を保護するのが理想。同様に、雨の日も無理に散歩に行かないようにしましょう。

リードを引っ張らない

散歩は、飼い主さんにルートの決定権があります。愛犬が行きたい方向に歩かせると、主従の関係が変わりわがままな性格になりかねません。

散歩の決定権を示すため、飼い主さんが愛犬のリードを引っ張ることが多いと思いますが、飼い主さんが「こっちのルートだよ」と愛犬に促してリードを引っ張ると、首を痛めたり転倒してケガをすることもあります。

愛犬が突然、ルートを変えようとしてもリードを強く引っ張ってコントロールするのではなく、一旦立ち止まって声をかけて愛犬を制止するようにしてください。

また、散歩中に歩かなくなってもリードを引っ張るのはやめましょう。ケガをしていなければ、抱っこせずじっと待つことも大切です。

まとめ

散歩するゴールデンレトリバー

犬が必要とする散歩量は、体の大きさ、犬種、年齢、健康状態によって異なります。すべての犬が同じ散歩量ではなく、その犬の性質や特徴、健康状態に合わせて散歩量を決めることが大切。

小型犬、中型犬、大型犬それぞれの散歩の距離や時間の目安はありますが、どのサイズの犬も、過度な散歩は足や関節に悪い影響を与えてしまいます。毎日の負荷の蓄積によりケガにつながることもあります。

牧羊犬・牧畜犬・狩猟犬と言われる身体能力の高い犬種は、体のサイズ以上の散歩量を必要とすることも。毎日の散歩以外に、定期的にドッグランなどで思い切り走らせるなど、ストレスを発散させてあげましょう。

愛犬との散歩は、大切なコミュニケーションであり犬にとっては欠かせないルーティンです。適切な距離や時間を守って、心身健やかに毎日の散歩を楽しんでください。

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