犬にベッドが必要な理由
犬を飼っている家庭では、飼い主のベッドで愛犬と一緒に寝たりソファーに寝かせたりしている場合が多く、あえて犬用のベッドは置かなくても良いと思っている方も少なくないでしょう。犬専用のベッドは単に寝床として使うだけのものではなく、ストレスの軽減や暑さ・寒さの対策、床ずれの防止など、愛犬の健康を守りながら快適な生活を送るために重要なツールです。
犬が安心して落ち着ける場所になる
寝床にベッドを置くことで、犬がゆっくり眠りたい時に安心して休める場所を作ることができます。なぜ犬にとって落ち着く場所が必要かというと、犬は縄張り意識や警戒心が強い動物だからです。現在では室内で飼われるのが一般的で敵に襲われたりはしませんが、家の中と言えども犬にとっては広い縄張りなので気を張ってしまいます。
「縄張りに変わったことが無いか」と気になって落ち着けなかったり寝不足になってしまったりすると、情緒不安定・ストレスの原因となる可能性があるのです。自分のニオイがついたベッドがあることで気を張らずにリラックスできます。睡眠の質も上げられるので、心身ともに健やかな生活を送る助けとなるでしょう。
暑さや寒さ対策になる
季節ごとに合ったベッドを使うことで暑さや寒さへの対策ができ、犬の体温調節をサポートしてくれます。犬は汗をかけないため暑さを逃がす方法が限られてしまっている上、室内で生活していて外気に当たらないと寒さにも弱くなってしまうのです。体温の調整がうまくいかないと体の不調が出てくる可能性があります。
夏は体温を逃してくれる通気性の良い素材や涼感の生地が使われているベッド、冬はふわふわした素材や冷たい空気が入りにくく体温を逃さないベッドを選ぶと、一層快適に過ごせるのでおすすめです。暑さや寒さの対策をきちんと行うことで愛犬の健康を守ることにもつながりますよ。
寝姿勢を支えることで体への負担を減らせる
犬は睡眠時間が12〜14時間と長く、1日の半分を横になった状態で過ごすため、しっかりと寝姿勢を支えられる作りのベッドを使って負担を減らすことが大切です。
フローリングの床やケージの床など固いところで直に寝ていると体への負担が大きくなり、寝返りが難しくなるシニア犬などは関節の痛みや床ずれが起こるリスクが高まってしまいます。
犬が上に乗った時に沈み込むような柔らかさのものでは、寝返りを打つ時に体に余計な力が入ってしまうので、適度な固さと弾力があるベッドを使いましょう。
洗える犬用ベッドのメリット
犬用のベッドには洗えるタイプと洗えないタイプがありますが、皮脂汚れや抜け毛がついたまま使い続けると雑菌が繁殖して嫌な臭いが出たり、カビやダニなど愛犬の体調不良につながるリスクも生じます。清潔さを保ちながら長く使うためにも、洗えるタイプのベッドを選ぶと良いですよ。
常に清潔な状態を保つことができる
ベッドは毎日使うものなので、常に清潔な状態を保つのが大切です。目立つ汚れがついた時だけ洗う方もいるかも知れませんが、抜け毛や皮脂汚れがついたままでそのまま使い続けると雑菌が繁殖して臭いの元になったり、カビやダニが皮膚のかゆみ・かぶれの原因にもなりかねません。
また、寝具を洗わずに使っているとカビだけではなく大腸菌も付着します。大腸菌とは下痢や嘔吐、食欲不振などの原因となる腸炎を引き起こす細菌で、2週間を超えて使い続けるとどんどん増えていくため注意が必要です。洗えるベッドを選ぶことで、常に寝床を清潔な状態に保てて、愛犬が健康を害する可能性を減らせます。
同じベッドを使い続けることができる
季節を問わずに使えて洗えるベッドを選ぶことで、同じベッドをずっと使い続けることができます。シーズンごとや汚れ・臭いが気になるごとに買い替えているとコスパが良いとは言えませんし、せっかく自分のニオイがついて安心できるベッドだったのにまた一からになるので落ち着けなくなる可能性もあるのです。
人間に置き換えて考えてみると、毎日料理に使っていて手に馴染んだ包丁の切れ味が悪くなってきたので買い替えてみたものの、なんだかしっくりこない…というのと同じような感覚でしょう。寝床をあまり気にしなさそうな犬でも、やはりいつも使っていて馴染んでいるベッドのほうがぐっすり眠れてリラックスできるはずです。
洗える犬用ベッドの選び方
洗える犬用のベッドを選ぶ際には、以下のポイントを抑えましょう。
- サイズ
- 年齢
- ベッドの形
- 素材
- 丈夫さ
- 機能性
サイズや形が合わないベッドを選んでしまうと犬が落ち着けなくなってしまったり、丈夫さが足りないベッドだと壊されてしまったりと結局買い直しになることもあるので、よく吟味してから購入するようにしてください。
サイズで選ぶ
犬は狭い所が好きではありますが、ジャストサイズすぎても寝返りが打ちにくくなります。犬種が小型犬・中型犬・大型犬のどれなのか、また愛犬の性格によっても適したサイズ感は変わってくるので、体のサイズをちゃんと測った上でベッドを選ぶのが大切です。
犬の体の大きさを測る時は横になって足を伸ばしている時に行うのがベスト。前足〜後ろ足・頭〜前足の長さを測り、それよりも余裕のある一回り大きめのベッドを選びましょう。ベッドによっては適正体重が決まっているものもあるため、体重も併せて測っておくとスムーズに選べますよ。周りに縁があるベッドを購入する場合は、内径の大きさを確認してください。
犬の年齢に合わせて選ぶ
愛犬の年齢によっても合うベッドは変わってきます。例えばシニアや老犬の場合は、段差が高すぎると上り下りができなくなったり転んでしまうリスクがあるので、できるだけ段差が低くフラットなものがおすすめです。また、寝返りが苦手になるので、サイズ感は大きめで取手のついたものなら楽に寝返りを打たせてあげられます。
パピー期や子犬の場合はすぐにサイズが合わなくなることを考えて、高価なベッドではなく買い替えやすい価格帯のベッドを選んでおくと無難です。ベッドを掘ったり噛んだりすることもあるので、誤飲してしまわないようなものであることは必須でしょう。
ベッドのタイプで選ぶ
犬用ベッドは形の異なるいくつかのタイプに別れていて、
- ドームタイプ
- カドラータイプ
- クッションタイプ
- マットレスタイプ
- プラスチックタイプ
の5つが主に市販されています。ドームタイプは屋根付きで周りが囲まれ、出入口の穴が空いているベッドです。テント型やかまくら型など色々な形があり、寒さをしのぎたい冬や警戒心が強めの犬に向いているタイプです。
カドラータイプは周りに縁のあるタイプです。縁を枕のように使って寝たり、あごを乗せて休んだりできてリラックスできます。丸い形のものなら丸まって寝るのが好きな子にもぴったりですよ。
クッションタイプ・マットレスタイプは縁のないフラットなベッドです。クッションタイプはふかふかで柔らかいのが特徴で、マットレスタイプは広々と寝ることができてシニア期や老犬の介護時にも役に立ちます。
プラスチックタイプは周りがプラスチックになっていて、中に布団を敷いて使うベッドです。抜け毛がつきにくく掃除が楽になります。中の布団は洗えるタイプになっているものを選ぶのが重要です。
季節に合わせた素材を選ぶ
犬用のベッドには体温の調節をサポートする役割があるので、夏には夏、冬には冬に適した素材のものを選ぶことが大切です。夏は熱中症対策のためにひんやりとする冷感タイプや暑さを逃しやすいさらっとした素材のものを、冬は風邪を引かないようにボア素材や起毛素材などのふわふわ保温タイプのベッドを選びましょう。
1つのベッドで長く使っていきたい方は、オールシーズンタイプのベッドを購入して、その上に通気性の良い敷物や毛布を敷くことで買い替えずとも対応できます。ベッドが洗えるのか洗えないのかに関わらず、季節に合わせた素材を選択してくださいね。
噛んでも破れにくい丈夫なものを選ぶ
噛み癖がある犬や子犬など、ベッドを壊してしまう可能性がある場合はできるだけ破れにくい素材で丈夫にできているものを選びましょう。歯が生え変わる時期の子犬が歯のうずきを感じて噛んでしまったり、成犬がいたずらや遊び目的で噛むこともあります。
犬が噛んだ時に簡単に破れてしまうものだと、中の綿や糸が出て誤飲することにつながるかもしれません。どうしても噛んでしまうのであれば、噛んでも壊れないプラスチックタイプなど丈夫な素材でできたベッドに切り替えるのが有効です。破れにくい素材でできたベッドカバーを使うのも一手ですね。
機能性や洗いやすさをチェック
一口に洗えるベッドと言っても、手洗いしかできないものもあれば洗濯機で洗えるものもあります。ベッドそのものを丸洗いできるタイプか、中のクッションやベッドカバーだけを外して洗うタイプかによってもお手入れが違ってくるので、購入前にあらかじめよくチェックしておきたいポイントです。
換毛期でまめな掃除が必要になる時、夏場で皮脂汚れが付きやすい時期などは特に丸洗いできるとお手入れが楽になります。頻繁に洗っても型崩れしにくいベッドなら、予備のベッドと上手くまわしながら長く使っていけるのでおすすめです。あまり洗いすぎると犬のニオイが落ちてしまうので、週1回〜10日に1回程度を目安に洗うと考えて吟味してください。
犬用洗えるベッドおすすめ16選!
先ほど解説した犬用ベッドの選び方のポイントを踏まえて、ドームタイプ、カドラータイプ、クッション・マットレスタイプの3種類でおすすめの商品を16個紹介します。Amazonや楽天で販売されているものから、おしゃれなベッドや安いリーズナブルなベッドを集めましたので、ぜひ参考にしてもらえれば幸いです。
犬用ベッド洗えるドームタイプ
ペットベッド ドーム型 ペットハウス 2ウェイ
- 2つの使い方ができて通年使える
- ペット用ホットカーペット対応
- 手洗いでも洗濯機でも洗える
- 底面に滑り止めがあり通気性も良い
冬の寒い時期にはドーム型、夏の暑い時期には屋根を押し下げることでベッド型と2通りの使い方ができるベッドです。ペット用のホットカーペットにも対応しているので、体温調節の助けになります。底面の滑り止めに不織布を使っているため、床と全体が触れず湿気を防いでくれます。
STYRIA にゃんのおしり
- 中綿たっぷりでふわふわ温かい
- 寝袋型で包み込まれる安心感
猫のおしりをモチーフにした、小型犬も使える寝袋型ドームタイプのベッドです。中にもぐって寝るのが好きな子にぴったりの形になっています。中綿がたっぷり詰まっていて、しっかりと冷気を遮断してくれるので冬に重宝するベッドです。
ペット用ティピーテント
- 折り畳めて軽いので移動が楽
- お部屋のおしゃれなインテリアにもなる
お部屋のインテリアとしても馴染みやすいおしゃれなテント型のベッドです。フレームは天然木を使っているので安全です。中のクッションを取り出して単独でベッドとして使うこともできます。使わない時はコンパクトに畳んで置いておけるのが嬉しい点です。
アイリスオーヤマ ドームベッド
- ふわふわもちもちのクッションで快適
- あごが乗せやすい固めの縁
- ペット用カーペットに対応
寒さ対策にもってこいの小型犬用ドーム型ベッドです。中のクッションはフランネル生地・ファー生地のリバーシブルでふわふわもちもち。入り口の縁は少し固めになっていて、あごが乗せやすくなるよう作られてます。別売りのホットカーペットをつなぐとより温かくて快適に過ごせるようになります。
犬 ドーム ペットベッド
- 6種類の豊富なサイズ展開
- 耐久性に優れた丈夫な生地
- 縫い目が細かく縫製が取れにくい
S,M,L,XL,XXL,XXXLと6種類のサイズ展開がされていて、小型犬〜大型犬までマルチに対応しているドーム型ベッドです。耐久性に優れ縫製も取れにくいという丈夫さがありがたいですね。天を押し下げる使い方もできる2WAYタイプです。
犬用ベッド洗えるカドラータイプ
EMME 3DペットベッドM
- 高反発な素材で寝返りが楽
- 体圧を分散して床ずれ防止
- オールシーズン使える
- ファスナー部分を隠せる
人間用の素材・製法で作られていて、体圧を分散して体の負担を減らしてくれます。寝返りが打ちやすく床ずれにもなりにくいので、長く使い続けるのに向いているベッドです。季節ごとに敷物を変えることでオールシーズン使える優れもの。犬が噛みがちなファスナー部分を隠せるのも嬉しい点です。
ottostyle.jp ペットベッド カドラー
- リバーシブルのクッションで季節問わず使える
- 柔らかいシープ調の生地で心地よい
- 抗菌性が高く菌が繁殖しにくい
ふんわりしたシープ調の生地が心地よいベッドです。底面のクッションがボア素材とレザーもしくはコットンとのリバーシブルになっていて、季節ごとに使い分けられます。水洗いはできませんが拭き取ることができて、JIS規格に規定された抗菌性試験により、黄色ぶどう菌・大腸菌が繁殖しにくいことが実証されています。
エクスペディションボックスベッド L
- 厚手で丈夫な素材
- 洗濯機で丸洗い可能
- アウトドアでも活躍
ゆったりした寝心地のボックス型のベッドです。外側にはアウトドア用品にも使われる600デニールの厚手で丈夫な生地を使用。内側には撥水加工がされているので多少の水は弾いてくれます。汚れても洗濯機で丸洗いでき、形も崩れにくいのでお手入れが楽です。
ふんわりとろけるペットベッド 丸型
- 14色展開でインテリアに合わせやすい
- 保温性のあるシャギー素材を使用
- 包み込まれる形で安心感を与える
冬でもあたたかく寝心地抜群のシャギー素材を使用。夏の冷房対策にもうってつけのベッドです。14色もの色展開があるので、自宅のインテリアに馴染むものや好みに合わせて選べます。体を包み込んでくれる丸形で犬が落ち着いて眠ることができる形状です。洗濯機で丸洗いが可能。
シエスタ SIESTA DX 4
- 底面に穴が空いていて蒸れにくい
- 中のクッションを変えることで通年使える
- 汚れてもお手入れが楽
汚れても拭き取るだけでOK、お手入れが楽なプラスチックベッドです。別売りのクッションカバーを被せるとより快適な居心地になります。底面に通気穴を開けているので、暑い時期でも蒸れにくいのがポイント。クッションカバーは丸洗い可能です。
ペット用手編みベッド
- 通気性抜群のカゴ編みベッド
- 抜け毛がつきにくくお手入れがしやすい
- 中の敷物を変えれば通年使える
見た目が可愛らしくシンプルなカゴのベッドです。抜け毛やホコリが溜まりにくい素材で、粗相や泥などの汚れがついても簡単にお手入れができます。冬は毛布を敷いて、夏は冷感生地やメッシュ生地のシーツを敷けばオールシーズンで長く使うことができるものです。
GOKUMIN ペット 犬ベッド
- 低反発と高反発の面で使い分けできる
- 段差が低めで足腰が弱くても安心
- 替えのカバーが付属
寝心地の良さにこだわったマットレスや枕を販売しているGOKUMINが犬用に製作したベッドです。柔らかな寝心地の低反発面、しっかりした弾力性のある高反発面のリバーシブル構造になっています。ベッドの高さが低いので老犬や子犬でも上り下りしやすいです。
Bidason ペット ベッド
- 低反発と高反発の面で使い分けできる
- 段差が低めで足腰が弱くても安心
- 替えのカバーが付属
小型犬・中型犬に適した可愛らしい花型のベッドです。縁にあごが乗せやすく、犬がリラックスできる形状になっています。長めの毛足の生地を使用、中綿がたっぷり入っていて温かく、特に寒くなる秋冬に嬉しいベッドです。
犬用ベッド洗えるクッション・マットレスタイプ
ニトリ 【Nクール】 犬・猫用ペットごろ寝マット ブルー
- 接触冷感で夏でもひんやり
- 洗濯しても型崩れしにくい
- 抗菌防臭で衛生面も安心
人用の寝具でも人気の高い、ニトリのNクールのマットです。夏でも涼しくさらっとした接触冷感の素材でできています。表面と枕の生地に抗菌防臭加工がされていて洗濯も可能なので衛生面も問題ありません。
EMPSIGN 犬 ベッド
- リバーシブルで季節に合わせて使える
- 寝返りがうちやすい
- カバーを外して洗濯可能
裏表で夏用・冬用の面が分かれているリバーシブル構造になっていて、気温に合わせた使い分けが可能。夏用は通気性の良いキャンバス生地を使っていて、冬用は保温性に優れたソフト生地を使っています。中のスポンジは洗えませんが、外のカバーは外して洗濯機で洗えるので衛生的に保てます。
ペットベッド 犬 ベッド ふわふわ
- 起毛素材面とベロア素材面のリバーシブル
- 大型犬でも寝やすいサイズ感
ふわふわの起毛生地の面と、滑らかなベロア生地の面を使い分けられるベッドです。XLサイズは結構大きめに作られていて、大型犬でも余裕を持って寝ることができます。M、L、XLの3サイズ展開なので、愛犬の犬種や大きさに応じて選べるのが嬉しいですね。
▼「犬のベッドの基本」を知りたい方はこちら
まとめ
愛犬と飼い主と一緒のベッドで寝ているという家庭は少なくないと思いますが、愛犬の心身の健康のことを考えるなら犬専用のベッドを使ったほうが良いです。犬専用のベッドには、
- 縄張り意識の強い犬が気を張らずに落ち着ける場所になる
- 暑さ寒さの対策ができて体温調節の助けになる
- 適切な固さと弾力で寝ている時の負担を減らせる
- 床ずれの防止になる
といったメリットがあり、色々なことを気にしがちな犬にとっては自分のニオイがついた居場所がとても大切です。ベッドを選ぶ際には、サイズ感、犬の年齢、素材、ベッドのタイプ、機能性をチェックします。
犬用ベッドを洗わず使い続けると雑菌が繁殖して健康を害するので、洗えるベッドを選ぶのがベストです。快適な眠りのためにも、愛犬に合うものをよく吟味して、長く清潔に使い続けられるベッドを購入してくださいね。