ミニチュアシュナウザーのしつけ方は?いつから始める?トイレ・無駄吠え・甘噛み・留守番まで解説【獣医師監修】

ミニチュアシュナウザーのしつけ方は?いつから始める?トイレ・無駄吠え・甘噛み・留守番まで解説【獣医師監修】

ミニチュアシュナウザーのしつけはいつから始める?子犬期に身につけたい基本ルールや社会化、トイレ、留守番、無駄吠え、甘噛みへの対処法を分かりやすく解説します。しつけがうまくいかないときの見直し方や、しつけ教室・トレーナーへ相談する目安も紹介します。

SupervisorImage

記事の監修

2009年麻布大学獣医学部獣医学科を卒業。
2015年から横浜市内で妻と動物病院を営み、犬、猫、エキゾチックアニマルの診療を行なっています。
2024年現在、犬10頭、猫3頭、多数の爬虫類と暮らしています。
愛犬家、愛猫家として飼い主様に寄り添った診療を心がけています。
内科(循環器、内分泌など)、歯科、産科に力を入れています。

ミニチュアシュナウザーのしつけは難しい?

屋外で首を傾げながら座っているミニチュア・シュナウザー

ミニチュアシュナウザーは、極端にしつけが難しい犬種ではありません。利口で周囲の状況をよく観察する傾向があり、飼い主とのやり取りを通して家庭内のルールを身につけていくことができます。

一方で、もともと小型害獣の駆除などで活躍してきた背景があり、警戒心や周囲の刺激への反応が強く表れる個体もいます。

物音や来客、外を通る人や犬などに敏感に反応し、吠えにつながることもあるため、性格や生活環境に合わせた対応が必要です。

また、同じミニチュアシュナウザーでも性格や反応の強さには個体差があります。
「この犬種だからしつけにくい」と考えるのではなく、愛犬がどのような場面で興奮しやすいか、何を苦手としているかを観察しながら、その犬に合った方法で教えていくことが大切です。

しつけのしやすさは犬種だけで決まるものではなく、日々の接し方や生活環境によっても変わります。
ミニチュアシュナウザーの特徴を理解しながら、一貫した対応を続けていくことが、家庭で暮らしやすい習慣を身につけることにつながります。

ミニチュアシュナウザーのしつけを始める時期

ソファに並んで伏せる子犬と成犬のミニチュア・シュナウザー

ミニチュアシュナウザーのしつけは、子犬を家に迎えた日から少しずつ始められます。

「生後○か月になってから」と待つ必要はなく、新しい環境に慣れることを優先しながら、発達段階に合わせて生活に必要なことを教えていきましょう。

子犬期は家庭での生活習慣を身につけるだけでなく、人や犬、音、場所などさまざまな刺激に慣れていく大切な時期です。

一方、成犬になってからでも新しいことを学ぶことはできるため、年齢に関係なく愛犬の状態に合わせて取り組めます。

子犬の時期に優先したいしつけ

迎えたばかりの子犬には、最初から多くのことを覚えさせようとせず、まず新しい家や家族の存在に安心して慣れてもらうことを優先します。

生活に慣れてきたら、名前を呼ばれたときに飼い主へ意識を向けることや、決められた場所で排泄すること、安心して休める場所を覚えることなど、毎日の暮らしに必要な習慣から身につけていきます。

また、人の手や家具などを噛んでよいものと区別することや、体を触られることに慣れておくことも大切です。

ミニチュアシュナウザーは定期的な被毛のお手入れが必要になるため、顔まわりや耳、足先などに触れられる経験も子犬のうちから少しずつ増やしておくとよいでしょう。

社会化で人・犬・生活環境に慣らす

子犬の生後3か月頃までの時期は、さまざまな刺激に慣れる社会化に特に重要な期間とされています。

この時期に家族以外の人やほかの犬、生活音、外の景色などを無理のない範囲で経験させておくことが、その後の生活への適応につながります。

ワクチンプログラムが完了する前でも、感染症のリスクに配慮しながら抱っこで外へ出るなど、安全な方法で外の環境に触れさせることはできます。

ほかの犬と接触させる場合は、健康状態や予防医療の状況が確認できる相手を選びましょう。

車やインターホン、掃除機などの音、さまざまな足場の感触、人に体を触られることなども、強い恐怖を感じさせない範囲で経験させていきます。

社会化は生後3か月頃で終わるものではないため、その後も新しい刺激に無理なく触れる機会を続けることが大切です。

成犬からのしつけ直し

ミニチュアシュナウザーは成犬になってからでも、新しい生活習慣や行動を学び直すことができます。子犬期に十分なしつけができなかった場合でも、「もう遅い」と考える必要はありません。

ただし、長期間続いてきた習慣を変える場合は、新しい行動が定着するまで時間がかかることがあります。

特に、吠えや噛みつき、留守番時の強い不安などが長く続いている場合は、単に年齢の問題と考えず、その行動が起こる状況や原因を確認することも必要です。

成犬から取り組む場合も、現在できることを確認しながら、無理のない段階から学び直していきましょう。

ミニチュアシュナウザーをしつけるときのポイント

おやつで誘導されているミニチュア・シュナウザー

ミニチュアシュナウザーのしつけでは、犬が理解しやすい方法で一貫して教えることが大切です。望ましい行動をしたときにすぐ褒め、成功しやすい環境を整えながら少しずつ覚えさせていきましょう。

うまくできないときに無理に続けたり、強く叱って行動を抑えたりするのではなく、練習方法や難易度を見直すことも重要です。愛犬の反応を見ながら、無理なく続けられる方法を選びます。

できた直後に褒める

犬が望ましい行動をしたときは、できるだけその直後に褒めることがポイントです。時間が空くと、何を評価されたのか犬に伝わりにくくなるため、行動とご褒美を分かりやすく結びつけます。

ご褒美にはフードやおやつだけでなく、優しい声かけ、撫でること、おもちゃを使った遊びなども活用できます。愛犬が喜ぶものを選び、正しい行動を繰り返したくなる経験につなげていきましょう。

短時間の練習を繰り返す

長時間続けて練習するよりも、犬が集中しているうちに切り上げ、短い練習を繰り返すほうが取り組みやすくなります。集中が切れている状態で何度も同じことを求めると、犬が混乱したり練習を嫌がったりすることがあります。

うまくできない場合は、周囲の刺激を減らす、飼い主との距離を近づけるなど、成功しやすい条件に戻してみましょう。簡単な課題を達成したところで終えると、次の練習にもつなげやすくなります。

家族でしつけのルールを統一する

家族によって合図の言葉や許可する行動が異なると、犬はどの対応が正しいのか分かりにくくなります。同じ行動にはできるだけ同じ言葉を使い、家庭内でのルールをそろえておきましょう。

たとえば、飛びつきを許すかどうか、家具に上がってよいかといった日常の決まりも家族で統一しておくことが大切です。誰が対応しても基準が変わらない環境をつくることで、犬がルールを理解しやすくなります。

叱るときの注意点

大声で怒鳴る、体罰を与える、力で無理に押さえつけるといった方法は、犬の恐怖や不安を強めるおそれがあるため避けましょう。

望ましくない行動が起きた場合は、まず同じ行動を繰り返しにくい環境を整え、安全に中断したうえで、代わりにしてほしい行動へ誘導します。適切な行動ができたら褒めることで、犬に分かりやすくルールを伝えていきます。

また、吠えたり逃げたりする行動には、要求だけでなく恐怖や不安などが関係していることもあります。すべての行動に同じ対応を当てはめず、愛犬がどのような状況でその行動をしているのかを確認することも大切です。

ミニチュアシュナウザーに日常生活で教えたい基本のしつけ

飼い主の真横でおすわりして待つミニチュア・シュナウザー

家庭で安全に暮らすためには、日常のさまざまな場面で使える基本的な合図を教えておくことが大切です。

特別な芸をたくさん覚えさせるよりも、飼い主の合図に意識を向け、必要なときに行動を切り替えられるようにしておくと生活しやすくなります。

まずは刺激の少ない室内で練習し、できるようになってから場所や状況を少しずつ変えていきましょう。

「おすわり」「まて」「おいで」の教え方

「おすわり」「まて」「おいで」は、家庭内だけでなく外出時の安全確保にも役立つ基本的な合図です。それぞれの意味を犬が混同しないよう、ひとつずつ分かりやすく教えていきます。

「おすわり」

「おすわり」は、いったん動きを止めて待機してほしいときに使いやすい合図です。食事を用意するときや玄関で待つときなど、日常のさまざまな場面で活用できます。

最初はおやつを鼻先から頭の上へゆっくり動かし、犬が自然に腰を下ろした瞬間に褒めます。動作が安定してから「おすわり」という言葉を結びつけていきましょう。

「まて」

「まて」は、その場で動かずに待つための合図です。玄関からの飛び出しを防ぎたいときや、散歩中に一時停止してほしいときなどに役立ちます。

はじめは1〜2秒ほどの短い時間から始め、待てたらすぐに褒めます。慣れてきたら少しずつ待つ時間や飼い主との距離を伸ばし、難易度を上げていきます。

「おいで」

「おいで」は、飼い主のもとへ戻ってくるための大切な合図です。室内の短い距離から始め、明るい声で呼び、近くまで来られたらしっかり褒めましょう。

呼び戻した直後に叱ったり、犬が嫌がることばかりをしたりすると、「呼ばれると嫌なことが起こる」と覚える可能性があります。「おいで」で飼い主のもとへ行くことを、犬にとって良い経験にしておくことが大切です。

「ハウス」の教え方

「ハウス」は、合図に合わせてクレートやケージなど自分の居場所へ移動し、そこで落ち着いて過ごすためのしつけです。来客時の待機や通院、災害時の同行避難など、さまざまな場面で役立ちます。

最初は扉を開けた状態で、内部におやつやお気に入りのおもちゃを置き、自分から入るように促します。中に入れたら褒め、クレートやケージを安心できる場所として覚えさせていきましょう。

慣れてきたら短時間だけ扉を閉め、落ち着いていられる範囲で少しずつ時間を延ばします。嫌がっている犬を無理に押し込んだり、叱ったあとの罰として閉じ込めたりすることは避けましょう。

なお、扉を閉めた際に強い不安やパニックを示す場合は、無理に練習を続けず、扉を開けた状態など安心できる段階まで戻して進めます。

散歩で落ち着いて歩くためのしつけ

散歩では、犬がリードを強く引き続ける状態ではなく、飼い主と無理なく一緒に歩けることを目標にします。リードが緩んだ状態で歩けたときや、飼い主へ意識を戻せたときに褒めることで、望ましい歩き方を覚えやすくなります。

ミニチュアシュナウザーは、小型害獣の駆除などで活躍してきた歴史を持つ犬種です。そのため、小動物などの動く対象に強く興味を示す個体もいます。

また、犬種にかかわらず、自転車やほかの犬など周囲の刺激に反応して急に進もうとすることもあります。

前へ強く引っ張ったときは、リードを力任せに引き返すのではなく、いったん立ち止まります。リードが緩み、飼い主へ注意を戻せたら再び歩き始めるなど、「落ち着いて歩くと前へ進める」ことを少しずつ教えていきましょう。

刺激の多い場所では難易度が上がるため、最初は静かな場所で練習し、安定して歩けるようになってから少しずつ環境を変えていくことが大切です。

ミニチュアシュナウザーのトイレのしつけ方

トイレケースの上に伏せるミニチュア・シュナウザーの子犬

ミニチュアシュナウザーのトイレトレーニングでは、失敗してから叱るのではなく、排泄しそうなタイミングを予測してトイレへ誘導し、成功した経験を積み重ねることが大切です。

特に子犬のうちは排泄の間隔が短く、自分でトイレまで戻ることが難しい場合もあります。最初は行動できる範囲を広げすぎず、排泄のタイミングを飼い主が把握しやすい環境を整えましょう。

トイレを覚えさせる基本の手順

子犬は、起床後、食事や水を飲んだ後、遊んだ後、昼寝から起きた後などに排泄しやすい傾向があります。

床のにおいを嗅ぎながら歩き回る、落ち着きなく同じ場所を行き来するといった様子が見られたときも、トイレへ誘導するタイミングです。

排泄しそうなタイミングでトイレへ誘導する

排泄のタイミングが近づいたら、あらかじめ決めたトイレへ連れていきます。最初のうちはサークルなどを利用し、寝床とトイレの位置を分かりやすくしておくと管理しやすくなります。

排泄前に室内を自由に歩かせすぎると、トイレへ戻る前に別の場所で排泄してしまうことがあります。成功が安定するまでは、飼い主が様子を確認できる範囲で過ごさせましょう。

トイレで排泄できたらすぐに褒める

決められた場所で排泄できたら、排泄が終わった直後に声をかけたり、ご褒美を与えたりして褒めます。トイレで排泄すると良いことがあると覚えられるよう、成功したタイミングを逃さないことがポイントです。

成功する回数が増えてきたら、少しずつ室内で自由に過ごせる範囲を広げていきます。急に行動範囲を広げるのではなく、失敗が増えないことを確認しながら段階的に進めましょう。

トイレを失敗するときの見直し方

トイレの失敗が続く場合は、犬を叱る前に環境や誘導のタイミングを見直します。トイレまでの距離が遠すぎないか、設置場所が落ち着いて排泄できる環境か、トイレシートの広さが体格に合っているかを確認しましょう。

また、排泄のタイミングを逃していないか、自由に動ける範囲を広げすぎていないかも確認します。

失敗した場所ににおいが残っていると、同じ場所を排泄場所として覚えることがあるため、排泄物のにおいが残らないように清掃することも大切です。

失敗した後に大声で叱ったり、排泄物のそばへ連れていって叱責したりすることは避けましょう。

犬が「この場所で排泄してはいけない」ではなく、「飼い主の前で排泄すると怒られる」と受け取る可能性があります。失敗は静かに片づけ、次に成功しやすい環境を整えます。

それまで問題なくトイレができていた犬が急に粗相をするようになった場合や、排尿回数や飲水量の変化、排尿時のいきみなどが見られる場合は、しつけだけでなく体調不良が関係している可能性もあります。

こうした変化があるときは動物病院を受診しましょう。

特に、何度も排尿姿勢をとるのに尿が出ない、またはごく少量しか出ない場合は、尿路の異常など緊急性の高い状態も考えられるため、早めに動物病院を受診してください。

ミニチュアシュナウザーの留守番のしつけ方

犬用ベッドに入ってくつろぐミニチュア・シュナウザー

ミニチュアシュナウザーに留守番を覚えさせるときは、いきなり長時間ひとりにするのではなく、飼い主と離れても落ち着いて過ごせる時間を少しずつ延ばしていくことが大切です。

留守番できる時間には年齢や性格、生活環境などによる個体差があるため、一律の時間を目標にする必要はありません。愛犬が不安や強いストレスを感じていないかを確認しながら進めましょう。

短時間からひとりで過ごす練習をする

最初は、飼い主が同じ家の中で少し離れることから始めます。犬が安心できる場所で過ごしている間に飼い主が別室へ移動し、数秒から数分程度で戻るなど、短い時間から練習してみましょう。

落ち着いて待てるようになったら、愛犬の様子を見ながら少しずつ離れる時間を延ばします。途中で激しく鳴く、落ち着きなく動き回るなど不安が強くなった場合は、無理に時間を延ばさず、問題なく過ごせていた段階まで戻します。

実際に外出する練習では、短時間の外出から始めます。出かける前には排泄や水分補給など必要な世話を済ませ、室温を調整したうえで、誤飲やけがにつながるものを片づけて安全に過ごせる環境を整えておきましょう。

外出前や帰宅時は飼い主も落ち着いて行動します。帰宅時に愛犬が興奮している場合は、少し落ち着いてから穏やかに声をかけたり触れ合ったりするとよいでしょう。

留守番中に吠える・物を壊す場合

留守番中に吠え続けたり、家具や身の回りのものを壊したりする場合は、叱るだけでは改善につながりにくいため、留守番中に何が起きているのかを確認することが大切です。

外から聞こえる音や窓の外を通る人などに反応している場合は、カーテンを閉める、外の刺激が少ない場所で過ごさせるなど、環境を調整します。退屈している様子がある場合は、安全にひとりで遊べる知育玩具などを活用する方法もあります。

一方、飼い主が出かけると激しく吠え続ける、呼吸が荒くなる、多量のよだれを垂らす、落ち着きなく歩き回るといった様子が見られる場合は、単なる退屈やしつけ不足ではなく、飼い主と離れることに強い不安を感じている可能性があります。

特に、クレートやケージから激しく脱出しようとする、体を傷つけるほど暴れるといった行動がある場合は、無理に閉じ込めたまま留守番させたり、練習を繰り返したりしないでください。

けがにつながるおそれがあるため、早めに獣医師や犬の行動に詳しい専門家へ相談しましょう。

ミニチュアシュナウザーの吠え・噛みなどの問題行動への対処法

兄弟犬にじゃれて噛もうとしているミニチュア・シュナウザーの子犬

ミニチュアシュナウザーの吠えや噛みへの対処では、行動だけを止めようとするのではなく、なぜその行動が起きているのかを見極めることが大切です。

同じ「吠える」「噛む」という行動でも、要求や興奮、警戒、恐怖、不安など背景は異なります。原因に合わない対応を続けるとかえって行動が強まることもあるため、起こりやすい状況や直前の出来事を確認しながら対応しましょう。

無駄吠え・吠え癖への対処法

ミニチュアシュナウザーは周囲の変化に反応して吠える個体もいるため、まずは「いつ、何に対して吠えているのか」を確認します。要求による吠えと、警戒や恐怖による吠えでは対応方法が異なります。

要求して吠える場合

ごはんがほしい、遊んでほしいといった明確な要求で吠えている場合は、吠えている最中に要求を叶えると、「吠えると望みがかなう」と覚えることがあります。

排泄したい、体調が悪い、不安を感じているといった理由ではないことを確認したうえで、吠えている間には要求に応じず、静かになって落ち着いたタイミングで対応しましょう。

来客や物音に吠える場合

インターホンや来客、家の外の物音などに警戒して吠える場合は、叱って静かにさせるよりも、刺激との距離や音量を調整しながら落ち着いていられる経験を増やします。

たとえば、インターホンの音を小さく流し、吠えずにいられたらご褒美を与えるなど、弱い刺激から少しずつ慣らしていく方法があります。窓の外に反応する場合は、カーテンを閉めるなど刺激そのものを減らすことも有効です。

散歩中に人や犬へ吠える場合

散歩中にほかの犬や人へ吠える場合は、吠え始めてから無理に近づけるのではなく、愛犬が落ち着いていられる距離まで離れます。その距離で飼い主へ意識を向けられたら褒め、少しずつ経験を重ねていきましょう。

恐怖や強い警戒心から吠えている犬を無理に相手へ近づけると、不安が強まることがあります。距離を確保し、吠えずにいられる範囲から練習することが大切です。

甘噛み・噛み癖への対処法

子犬の甘噛みと、恐怖や防御による強い噛みつきは分けて考える必要があります。子犬期には遊びや探索、歯の生え変わりなどに伴って人の手や物を噛もうとすることがあります。

子犬の甘噛みには噛んでよいものを用意する

人の手や足を噛もうとしたら、安全に噛めるおもちゃへ誘導し、「人の体ではなくおもちゃを噛む」経験を増やしていきます。手をおもちゃ代わりにして遊ぶと、人の手を噛んでよいものと覚えることがあるため避けましょう。

遊びの途中で人の皮膚を強く噛んだ場合はいったん遊びを中断します。落ち着いたら再びおもちゃを使って遊ぶことで、強く噛むと楽しい遊びが止まることを少しずつ学ばせます。

強い噛みつきは甘噛みと同じ対応をしない

体を触られたときに強く唸る、体を硬直させる、食べ物やおもちゃを守ろうとして噛む、皮膚を傷つけるほど強く噛むといった行動は、一般的な子犬の甘噛みとは異なります。

こうした行動が見られる場合は、無理に口元へ手を出したり、力で取り押さえたりしないことが大切です。まずは噛みつきが起きる状況を避け、飼い主や周囲の人がけがをしないよう安全を確保しましょう。

ミニチュアシュナウザーのしつけがうまくいかないときに見直すこと

屋外で飼い主になでられているミニチュア・シュナウザー

しつけが思うように進まないときは、「覚えが悪い」と決めつけるのではなく、愛犬がどこでつまずいているのかを一つずつ確認することが大切です。

室内ではできるのに外ではできない、昨日まではできていたのに急に失敗が増えたなど、状況によって原因は異なります。できない場面を具体的に整理すると、見直すべきポイントを判断しやすくなります。

以前できていた段階まで戻る

新しい場所で練習する、飼い主との距離を離す、待つ時間を長くするなど、条件を一度に難しくすると、覚えていた行動でもできなくなることがあります。

うまくいかなくなった場合は、以前問題なくできていた条件まで戻してみましょう。そこで成功できることを確認してから、一つずつ難易度を上げていくと学習を進めやすくなります。

生活環境や心身の状態を確認する

周囲に人や犬、音などの刺激が多い場所では、飼い主の合図に集中しにくくなります。また、運動不足でエネルギーが余っているときや、反対に疲れているとき、眠気が強いときなども練習に集中できないことがあります。

しつけだけを繰り返すのではなく、十分に休めているか、適度な運動や遊びができているか、練習する場所に気を取られるものが多すぎないかなど、普段の生活環境も見直してみましょう。

急な行動の変化があるときは体調を確認する

これまで問題なくできていたことを突然嫌がるようになった場合は、しつけ以外の原因も考える必要があります。

急に攻撃的になる、体を触られることを嫌がる、階段やジャンプなど以前できていた動作を避けるようになるといった変化が見られる場合は、痛みや体調不良が関係している可能性もあります。

普段と異なる行動が続いている場合は、無理に練習を続けるのではなく、まず動物病院で健康状態を確認しましょう。

しつけが難しいときはしつけ教室やトレーナーに相談する

悲しげな表情で伏せているミニチュア・シュナウザーの子犬

家庭でしつけを続けても思うように改善しない場合や、どのように教えればよいのか分からなくなった場合は、しつけ教室やドッグトレーナーなどの専門家に相談する方法があります。

専門家に相談することは、飼い主の代わりに犬をしつけてもらうだけではありません。愛犬の行動を客観的に見てもらい、家庭での接し方や練習方法を飼い主自身が学ぶことにもつながります。

早めに専門家へ相談したいケース

家族や周囲の人を傷つけるおそれがある強い噛みつきや、散歩中に制御することが難しいほどの興奮、日常生活に支障が出るほどの恐怖や警戒が見られる場合は、家庭だけで解決しようとせず早めに相談しましょう。

また、留守番時に強い不安を示すなど、しつけだけではなく心身の状態が関係している可能性がある場合は、ドッグトレーナーだけでなく獣医師や犬の行動診療に詳しい専門家への相談が必要になることもあります。

しつけ教室・トレーナーを選ぶポイント

しつけ教室やトレーナーを選ぶ際は、犬を強く叱る、力で押さえつける、痛みや恐怖を与えて行動を止めるといった方法ではなく、望ましい行動を褒めながら伸ばしていく方針かどうかを確認しましょう。

さらに、なぜその方法を行うのかを飼い主にも分かりやすく説明してくれるか、愛犬の性格や生活環境に合わせて方法を調整してくれるかも大切なポイントです。

実際の生活で困っている場面を改善するには、教室だけでなく自宅での練習を続けることも必要です。専門家から教わった方法を家族で共有し、日常生活の中で無理なく継続していきましょう。

まとめ

飼い主とハイタッチしているミニチュア・シュナウザー

ミニチュアシュナウザーのしつけでは、犬種の特徴だけで判断せず、愛犬の性格や反応を見ながら無理のない方法で教えていくことが大切です。

子犬を迎えたら家庭での生活に慣れることから始め、成長に合わせて必要な習慣を身につけていきましょう。うまくできないときは、叱って行動を抑えるのではなく、環境や教え方、課題の難しさを見直すことが改善につながります。

また、急な行動の変化や強い不安、周囲にけがをさせるおそれのある噛みつきなどが見られる場合は、しつけだけの問題と決めつけないことも重要です。

必要に応じて獣医師や犬の行動に詳しい専門家の力も借りながら、愛犬と家族の双方が安心して暮らせる関係を築いていきましょう。

はてな
LINE
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい