雨の日は犬を散歩に連れていく?
愛犬の健康管理やストレス解消にもかかせない散歩。毎日行うことが大切だとわかっていても、天候が悪いとついつい面倒になってしまう方もいるのではありませんか?
実際には、どれくらいの人が雨の日に散歩へ行っているのでしょうか?また、散歩に行くときの注意点や行かない日の過ごし方などについてご紹介します。
雨でも犬の散歩に行くかどうかは分かれる
ペット保険会社が315人にアンケートを実施したところ、散歩に連れて行く飼い主さんは4人に1人、約7割が雨の日は散歩を断念するとの結果だったそうです。
雨の日に散歩に行かない理由は「ペットの汚れ防止」が6割以上と最多で、その他は愛犬が嫌がるなどペット自身を尊重する回答も多いようです。
また、雨の日に散歩に行く理由は、室内でストレス発散や排泄ができない場合、雨の強弱に左右されずに連れて行く飼い主さんもいることがわかりました。
では、雨の日に散歩に行くメリットやデメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
雨の日に犬を散歩に連れていくメリット・デメリット
小型犬の飼い主さんに比べて、中・大型犬の飼い主さんが雨の日も散歩に連れていく方が多いようです。
〈雨の日に犬の散歩をするメリット〉
- 雨の日の社会科トレーニング
- 愛犬のストレス解消
- 愛犬の運動不足解消
- 愛犬の排泄目的
雨の日の社会科トレーニングは、レインコートや傘、雨自体に慣れることが出来たり、日頃と変わらない行動をすることで、愛犬へのストレス軽減にもつながります。
〈雨の日に犬の散歩をするデメリット〉
- 散歩後のお手入れが大変
- 肉球が傷んでしまう
- 風邪を引いてしまう可能性
- 愛犬が嫌がる
犬の肉球は、雨に直接濡れることでふやけたり、擦れてしまうことで怪我の原因になります。また、風邪を引く可能性や、愛犬自体が嫌がる場合は無理に連れて行くことがデメリットになることがあります。
雨の日には普段使用しない雨具の必要性や湿気による皮膚炎の危険性、年齢による代謝の違い、泥汚れをしっかりと取り除かないことによる感染症の可能性などが考えられます。
濡れると犬の体が冷えるためいつもより短時間で行う
子犬はワクチンが終了する生後3ヶ月から散歩を始めます。また老犬になっても体が動く限り散歩に連れて行くのが良いとされています。
ただし、雨で体が濡れてしまうと、子犬や老犬は体温調整が難しく、低体温や風邪を引く可能性が高いので、いつもより短時間で散歩を終わらせることが大切です。
肉球や皮膚へのダメージを防ぐため対策やケアを万全にする
雨具(かっぱや長靴等)を着させることにより、肉球や皮膚の汚れなどを防ぐことが出来ますが、雨具によって蒸れてしまうこともあるので、散歩後は体を拭いてあげるなどのケアを行うことが大切です。
また、愛犬が雨具自体を好まない場合は、ストレスになるので無理に着せるのは避けたほうがいいかもしれません。
視界不良で事故が起きやすいので安全確認を忘れない
雨の日は視界が悪く、足元が滑りやすくなっているため事故などには気をつける必要があります。
いつも以上の安全確認を忘れず、愛犬のカラー(首輪)やハーネス以外に、光る首輪を付けたり、飼い主さんの雨具もなるべく目立つような蛍光色を選ぶなどの心がけも大切です。
水溜まりには注意!危険な細菌が潜んでいる場合も
水溜りには、ネズミなどの尿を通じて感染するレプトスピラ細菌が潜んでいる場合があります。
この細菌は、ネズミの尿の中では短期間しか生存しないようですが、汚染された水や湿った土壌の中では数ヶ月間生存する可能性があると言われています。
この細菌に感染して起こるレプトスピラ症は、混合ワクチン接種(7種、8種、10種)によって予防が可能なので、散歩デビュー前のワクチンが重要かを認識しましょう。
雨の日の犬の散歩を快適にするための準備や工夫
雨の日の散歩を快適にするためには、どんな準備や工夫があるのでしょうか?
雨の日専用のお散歩ルートや場所を作っておく
雨の日の犬の散歩には、いつもと違う散歩コースや場所を作っておくのがおすすめです。
水溜りや滑りにくい道を選んだり、いつもより時間を短くするなどの工夫をしたり、雨の日でも愛犬が嫌がらず、楽しく感じてくれることも大切です。また、飼い主さん自身の負担軽減にもつながります。
雨から犬を守る犬用レイングッズを使う
犬用のレイングッズには、従来の被せるタイプや、オーバーオールタイプ、ポンチョタイプなどがあります。
雨の日の視界の悪さを考慮して全身黄色や赤色といった原色だけでなく、柄などもかわいいものが多く、デザイン性に優れているだけでなく、視界の悪さも軽減している商品も豊富です。
服を嫌がる子は、頭や足を通さずに使えるポンチョタイプ、全体を雨の飛沫や泥汚れから防ぎたい場合は、オーバーオールタイプなど、愛犬や用途に合わせて選びましょう。
散歩後のお手入れ用品は玄関に準備しておく
雨の日の散歩後は、早めにお手入れができるように清潔なタオルなどのお手入れ用品を玄関に準備しておくと、時短にもなり手間が省けます。
愛犬の汚れがひどい場合は、足の汚れを拭いてすぐにシャワーなどで泥を洗い流してあげることで、雨で冷えた体を温める効果と体を清潔に保つことが出来ます。シャワー後はよく乾かすことも忘れないでください。
雨の日に犬を散歩に連れて行かない時の過ごし方
雨の日に散歩に行かない場合、お家の中で運動不足解消やストレス発散、トイレトレーニングなどが必要になります。
トイレを我慢しないよう室内やベランダで行う練習をする
雨の日に散歩に行かない場合、室内やベランダでのトイレトレーニングの練習方法をご紹介します。
子犬の頃にトイレトレーニングを教えていたとしても、成犬になり外で排泄している場合は、再度トイレトレーニングをする必要があるかもしれません。
トレーニング方法は基本的に子犬期のトレーニングと同じ手順です。
決められたトイレの場所で排泄できたら、すぐに褒めてあげるのを繰り返し、「ワン・ツー、ワン・ツー」と掛け声をかけながら排泄を促してあげるのも効果的です。
ただし、何も言わなければ出来るのに、掛け声をかけると出来なくなる子の場合は、静かに見守ってあげましょう。
また、中にはいくら練習しても頑なにトイレは外でしかしないという子は、無理にトイレトレーニングは行わず、雨の日でも散歩に連れて行きましょう。
運動不足やストレス解消のため室内遊びを取り入れる
続いては、運動不足やストレス解消のための室内で遊びを取り入れる方法です。
梅雨時期などは、室内トイレトレーニングが完璧なわんちゃんであっても、散歩に行けないことによる運動不足やストレスが溜まってしまいます。
そこで活用したいのがおもちゃです。とくに頭を使うようなノーズワークがおすすめです。
ノーズワークとは、犬の嗅覚を頼りにおやつを探す宝探しゲームのようなおもちゃです。人と同じく、犬も頭を使うことで実際に体を動かした時と同じように体力を消耗すると言われています。
室内ではボール遊びなど激しい遊びが難しい場合も多いと思いますので、ノーズワークなどの頭を使うおもちゃを取り入れることで運動不足やストレス軽減につながるかもしれません。
外で散歩できない日が続く時は屋内ドッグランもおすすめ
長雨で散歩に行けない場合は、屋内ドッグランもおすすめです。
大型ショッピングモールなどの商業施設には、ペットショップと併設された屋外ドッグランだけでなく、屋内ドッグランがあるところも増えてきているので利用するのはおすすめです。
雨の日の散歩で愛犬を思って、屋内ドッグランに来ているわんちゃんたちとも遊ぶこともできて、良いストレス発散になるかもしれません。
▼「犬の散歩の基本」を知りたい方はこちら
まとめ
犬の雨の日の散歩は行かない方が多いのが現状のようですが、愛犬自身を尊重している方や、自分の都合で行かない場合もあるかもしれません。
犬種によって散歩の時間や重要度は多少異なるかもしれませんが、犬にとって散歩は、運動不足解消だけでなく、ストレス軽減や他の犬との交流など私達が思う以上に大事なものなのです。
雨で面倒だったり、お手入れなどの手間が増える、愛犬の体調の心配などもあるかもしれませんが、大切な家族として迎え入れた愛犬が楽しく健康に過ごせるように工夫することで、飼い主さん自身も楽しめるといいですね。