9月に入り、首を垂らして歩くようになってからは、顔面を床にぶつけたり、蹴躓くことがどんどん増えていったてん。
もういつ歩けなくなってもおかしくないだろう、と思っていました。
歩けなくなることは可哀想だけど、いつかは訪れるもの。何より、歩くことで晒される危険からてんを守れるなら、その方が良いのかも知れない、とも思っていました。
寝たきりの子の介護は初めてじゃない。てんには私がついてる、何があっても大丈夫！
…そう思っていたのですが、歩けなくなったてんが想像以上にもがく姿を見て、胸が張り裂けそうなほど悲しくなってしまいました。
『歩きたい』という意志に旋回が相まって、歩けていた時より一層もがいてしまうてんですが、そんなてんの気持ちに寄り添い、もっと包んであげねばと、心に強く強く思うのでした。
作者：Mika
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