犬が喜ぶブラッシングのポイント
被毛の長さや質に合わせて、「適切なブラシを選んであげること」「適切なブラッシング方法で行ってあげること」「ブラッシングが必要な頻度を見極めること」が重要なポイントになります。また、“なぜ、犬にはブラッシングが必要なのか”ということについても考えてみると良いと思います。
犬のブラシの種類
- スリッカーブラシ
- ピンブラシ
- 獣毛ブラシ
- コーム
主に、このようなブラシがあります。あなたの愛犬に必要なブラシは、どのブラシなのか、ご存知でしょうか。犬種によっては、ひとつのブラシを持っていれば、良いブラッシングをしてあげることができる場合もありますし、複数のブラシを持っておくことで、より良いブラッシングをしてあげることができる場合もあります。
ブラッシングが必要な頻度
ブラッシングは、基本的には毎日行ってあげることが望ましいです。普段からこまめに行ってあげることで、ブラッシングを好きになってもらうことができます。飼い主さんと愛犬とのスキンシップやコミュニケーションにもなります。被毛や皮膚の異常にも気づきやすくなります。お散歩の後は、砂埃などが付着しています。ブラッシングを行ってあげる良いタイミングなのではないでしょうか。とくに、換毛期には毎日のブラッシングが必要ですし、毛量や抜け毛の多い犬種である場合、一日に複数のブラッシングを必要とすることもあります。
監修トリマーによる補足
犬のブラッシングは汚れやもつれ・死毛などを取り除き被毛を綺麗に保つだけではなく、コミュニケーションの一貫としてとても大切です。毎日行ってあげることをお勧めします。
また、ブラッシングの際に必要なブラシは様々ありますので愛犬の犬種や体格、被毛の長さなどにあう物を使用しましょう。スリッカーブラシ1つとっても大きさやピンの硬さなど様々です。
体の小さい子には小さいブラシを使用したり、力を入れすぎてしまう心配がある場合には、ピンが柔らかいものを選びましょう。
『短毛種』の犬が喜ぶブラッシングのポイント
抜け毛を取り除いてあげたいときは、獣毛ブラシやラバーブラシを使うと良いです。短毛種の場合は、皮膚を傷つけてしまったり、ブラシの一部分だけに力が入りやすくなってしまう、スリッカーブラシは好ましくありません。ブラッシング中、皮膚に違和感や痛みを感じることがあり、犬が嫌がってしまう傾向にあります。ブラッシングをするときは、毛の流れに沿って行います。上の方から下の方へ向かってブラッシングすると良いです。優しくブラッシングすることで、マッサージ効果があります。また、そのマッサージ効果によって、皮膚の血行促進にもなり、皮膚の炎症やフケ、皮膚病などの予防にも良いです。
『長毛種』の犬が喜ぶブラッシングのポイント
まず、ピンブラシを使い、毛並みに沿ってブラッシングを行います。もし、ブラシが通りにくいことがあれば、毛先の方からブラッシングをし、少しずつ根本に方にずらしながら、数回に分けてブラッシングをすると良いです。ブラシが通りにくいからといって、グッと力を入れて無理にブラッシングをしようとすると、被毛や皮膚が引っ張られて痛みが起こります。ブラッシングを嫌がる原因にもなってしまうので注意しましょう。
ほんの少しでも被毛や皮膚が引っ張られることを嫌がるようであれば、被毛の根本をつかみながらブラッシングをしてみてください。長毛種は被毛が絡まりやすかったり、毛玉ができやすかったりしますよね。抜け毛と被毛が絡まりやすい犬種でもあります。
抜け毛を取り除いてあげたいときや、毛玉を解してあげたいときは、スリッカーブラシを使います。絡まりの強い毛玉は、ブラッシングでは解してあげることが難しいです。無理に行わず、自宅でカットする、もしくはトリマーさんや獣医さんにカットしてもらいましょう。最後に、コームを使って仕上げます。被毛にツヤを与えてあげたいときは、獣毛ブラシで仕上げるのも良いです。油脂分のある豚毛のブラシがおすすめです。
『ワイヤー種』の犬が喜ぶブラッシングのポイント
ワイヤー種のブラッシングの始めには、スリッカーブラシを使います。被毛や皮膚に付着してしまったホコリを取り除いたり、抜け毛を取り除くことができます。被毛がクルンと巻いているため、皮膚や被毛の間にホコリなどが付着したままでいると、どんどん溜まってしまい、不衛生な状態を作ってしまうことがあります。
とくに、お散歩の後はホコリなどが付着しやすいですので、しっかり取り除いてあげましょう。スリッカーブラシは、力加減がとても難しいブラシです。力加減や使い方がよくわからないでいると、皮膚の傷つけてしまう可能性がありますので、十分に注意して使いましょう。不安なのであれば、無理にスリッカーブラシを使う必要はありません。スリッカーブラシでのブラッシングを終えた後は、コームを使って整えてあげましょう。換毛期などの抜け毛が多くなる時期には、ラバーブラシを使うのも良いです。
監修トリマーによる補足
愛犬の犬種によってブラッシングの方法も異なります。短毛種は特に皮膚を傷つけてしまう可能性がありますのでラバーブラシを使用し、マッサージを行うように死毛を取り除いてあげましょう。
長毛種やワイヤー種は、被毛が長くもつれやすいです。毛先から行いしっかり根元までブラシを入れましょう。
表面だけ行っていて、内側がもつれだらけになってしまう場合も多いです。しっかり内側までブラッシングを行いましょう。もつれている場合は、無理に引っ張ると痛みが伴いますので、根元を持ち少しずつ優しく解いてあげましょう。もつれが酷い場合は、病院やサロンで処理してもらいましょう。
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まとめ
犬が喜ぶブラッシングのポイントについて、
- 適切なブラシを選んであげること
- ブラッシングが必要な頻度を見極めること
- 適切なブラッシング方法で行ってあげること
この3つのテーマで解説しました。全ての犬種に共通することは、飼い主さんが愛情を持って愛犬のブラッシングを行ってあげるということです。面倒だなと感じながらブラッシングを行うと、犬に伝わってしまいます。スキンシップやコミュニケーションの良い時間だと考え、毎日行ってあげてくださいね。