犬の認知症の末期症状2つ

【獣医師監修】犬の認知症の末期症状2つ

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近年では犬の平均寿命も延び、老犬(シニア犬)の介護をしている人も珍しくありません。高齢化が進むにつれ、人と同様に「認知症」の犬も増加しています。では犬の認知症ではどのような症状が出てくるのでしょうか。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

「認知症」とは

顔が白い犬

高齢の犬には人間同様に身体の老化現象がみられます。筋肉が細くなったり、被毛の艶も失ってパサついた感じになったり白くなったり、食が細くなったり、逆に今までと同じ量を食べているのに太ってきたり、と老化の症状は様々です。
また加齢とともに脳細胞も変性していきます。人の場合も加齢により脳細胞が老化することで物忘れが起こったりしますが、犬の脳細胞の変性は人のアルツハイマー病と同様に神経細胞の変性や脱落などが発生することで起こります。
アルツハイマー病は脳の細胞自体が変化してしまうため、記憶障害から始まりさまざまな障害へと発展していく可逆性の無い病気です。犬の認知症の場合、アルツハイマー病と似た病変が見つかっていることから、進行性でありその進むスピードをゆっくりにすることはできても治すことができないと考えられています。

「認知症」の症状

犬とトイレ

人のアルツハイマー病の主な症状は「記憶障害」「判断力の低下」「言語理解力の低下」「時間・空間感覚の低下」が挙げられます。これが進行していくと、徘徊やせん妄、うつなどが起こったり、感情の制御ができずに激昂しやすい性格になってしまったりします。
犬の場合も同様で、認知症を発症すると徐々に今までとは違った行動をするようになります。
主な症状は

  • 睡眠障害(周期が変化)
  • 性格の激変
  • 排泄行動の変化

などです。これらが一気に現れるわけではなく、初期はぼうっとしていて名前を呼んでも反応が遅い、遊びに対する意欲が低くなる、ちょっとトイレを失敗するなど、ひとつふたつのささいな変化として現れます。

「認知症」の末期症状

歯を剥く犬

脳のどの部分に変性が多いかで顕著に表れる症状が異なりますが、末期では昼夜逆転が起こって夜泣きをしたり、徘徊(旋回)をしたりといった行動が出てきます。
ここでは末期に良く現れる症状についてまとめてみましょう。

睡眠障害

健康な犬は一日に12時間から14時間の睡眠をとると言われています。主に人が活動している日中に起きて、夜は熟睡するという睡眠リズムで生活していますが、認知症が進むとこのリズムが崩れてしまう場合がとても多いです。
睡眠のリズムが狂うと日中熟睡をしていて夜に目が覚めてしまう「昼夜逆転」の生活となっていきます。ただぼうっと起きていてくれるならまだ良いのですが、睡眠障害が出る場合は夜泣きもセットで現れることが多く対応がとても難しい状況に陥ります。
これを回避する(緩和する)ためには、日中になるべく多くの時間コミュニケーションをとったり日光浴をしてもらうなどして起きていてもらうしかありません。

徘徊

人間の認知症の場合も問題になりやすい「徘徊」ですが、犬の場合はただアテもなく歩くだけではなく、認知症が進行すると方向転換ができない状態に陥ってしまいます。障害物があっても後ずさって方向転換をすることができず、まっすぐ歩こうとして狭いところや部屋の隅っこにはまって動けなくなってしまうのです。
徘徊の症状は認知症が進行すると「旋回」という同じところをぐるぐる回り続ける行動に変化します。これは自分では止めることが出来なくなっている状態です。ベッドの位置や居場所へ誘導し、腰を落ち着けてあげましょう。
また室内の環境も、滑りにくい床材に変更してあげたり、隙間や角に入り込まないように柔らかい素材で柵などを作って侵入できないようにしたりしてあげましょう。
外出で目を離す際にはやわらかい素材のマット(バスマットや赤ちゃん用のコルクマットなど)でサークルを作り旋回を行っても怪我をしない、どこかへ迷いこませないといった工夫も必要です。転倒防止にマットのサークルの外側をベビーサークルなどで囲うと良いでしょう。

まとめ

年を取った犬

脳細胞の変性というのは知能、精神のみでなく運動能力をも低下させます。脳細胞の病変が脳全体に広がることで、体の各機能は徐々に失われ臓器の機能不全が起こり寝たきりになっていきます。
現在の医療では一度進行してしまうと、犬の認知症の状態を劇的に良くする方法はほとんどありません。早期に対処して進行を遅らせることが一番効果的とされています。末期症状ですと余命等の個体差もありますが、急速に症状が悪くなることもあるそうです。
しかし認知症が進行して体が辛そうになったとしても、飼い主さんの介護の工夫で犬の生活の質を向上させてあげることは可能です。犬にとっては飼い主さんがそばにいてくれることが何よりの幸せですから、日々のコミュニケーションや栄養管理を大切に、犬と一緒の生活を過ごしてくださいね。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 ララ

    うちの子は17歳9ヶ月です
    耳も聞こえてません
    視力も弱視
    私の休みの日は
    ベランダに出し
    太陽の光を浴びさせ
    自由にさせています
    やはり
    昼に起きていて欲しくても
    起きていたかと思えば
    眠ってしまいの繰り返しの末
    夜になると徘徊が始まります

    狭い所に入り込み
    ジッとして悲しい声で
    クスンクスン泣きます

    朝方までになると
    私も辛いですが
    抱き上げ沢山話しかけます

    聞こえてなくても
    私がわからなくても

    1人じゃない
    淋しくない
    怖くないと
    少しでも感じてくれたら
    幸せです
    この子を最後まで愛し
    大切に大切に大切に
    したいと心から
    思います

    1日でも長く
    一緒にいられる事を
    神様にお願いする毎日です
  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    柴犬17才5ヶ月去年から、昼夜逆転、夜哭き、旋回、全て認知症の症状が出て、介護が大変です。獣医さんの紹介で、サプリも飲ませています。効いているのかわかりませんが、やれる事は全てやってみよう。と頑張っています。毎晩一緒に寝ていますが、日によりよく寝る日や、一時間置きに起きて、旋回夜哭きする日もあります。辛い毎日ですが、獣医さんに相談しながらこれからも介護していくつもりです。でも犬の介護は、想像以上に大変です。同じような体験をされている方。お身体を大切に。
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