犬のお留守番中、テレビはつけておいた方が良いの?

犬のお留守番中、テレビはつけておいた方が良いの?

犬の室内飼いが一般的となってきたことで、留守番中のいたずらや分離不安などさまざま心配も出てきています。犬の育て方の本やインターネットの情報では留守番中の愛犬の不安を減らすために色々な方法が紹介されていますが、「留守番中はテレビをつけておいた方がいい」というのは本当なのでしょうか?

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犬の留守番中にテレビをつける理由

水色の壁面に置かれたレトロなオレンジのテレビ

犬に留守番をさせる時、テレビをつけておいた方がいいと言われることがあります。その理由は、普段と同じ雰囲気をつくって留守番に不安を感じさせないためです。

これは飼い主が家にいる時にテレビがついていることが多い場合において特に有効で、まだ留守番に慣れていない犬の練習段階で用いられる方法です。

飼い主が家にいる時と留守番中の雰囲気があまりにも違い過ぎると、不安を強く感じてしまう犬もいるので「いつも通りだよ」という雰囲気づくりとして、テレビをつけっぱなしで留守番させると良いとされています。

また、家の中が静まり返っていると外から聞こえてくるほんのちょっとした音にも反応して、びっくりしたり吠えてしまったりすることもあります。

静かすぎる環境では緊張感が高まってしまうタイプの犬も、テレビをつけておくことで緊張を緩めてリラックスさせることができます。

犬の留守番中でテレビをつけない方がいい場合はある?

リモコンに手を乗せる犬の手

犬の留守番中にテレビをつけておくと「飼い主が家にいる時と同じような雰囲気になって安心する」というメリットがありますが、なかには「テレビをつけておくことで逆に不安になってしまう犬」や「トラブルを起こしてしまう犬」もいるので注意しましょう。

テレビに興味を示すタイプの犬の場合、留守番中にテレビをつけていて興味のあるものがテレビに映るとそれに対して吠えたり追いかけたり、最悪の場合テレビに突進して倒してしまったりすることがあります。

他の犬が好きではない場合など、テレビに犬が映ると過剰に反応して吠えかかるなどがいますが、一緒に過ごしている時テレビに強い反応を示す様子が見られたら、留守番中にテレビをつけておくことは避けましょう。

また、音に対して過敏なタイプの犬はテレビの中からどのような音が聞こえてくるかわからないので、つけておくことにより逆に不安を感じさせてしまうことがあるかもしれません。

実際、筆者の愛犬は花火や雷などの音がとても苦手でテレビから聞こえてくる花火の音にも反応します。
今ではだいぶ克服して聞こえてきても落ち着いて過ごせるようになりましたが、飼い始めた当初は苦手な音が聞こえてくるとパニックを起こしていました。

不安を感じてパニックをおこした時、頼るべき飼い主がいないと余計に恐怖を感じてしまうかもしれません。このような場合も、テレビ自体が不安要素となってしまうので留守番中はつけておかない方がいいと思います。

家庭犬トレーナー
辻本由香子

アメリカのマサチューセッツ州タフツ大学獣医行動学者のニコラス・ドットマン氏によると、犬にもテレビを見ている場合、見ていない場合があり、個々の性格や犬種が影響していると話しています。

そうした観点からも分かるように、犬は必ずしもテレビを見ているとは限りません。大切なのは、ご自身の愛犬の性格を見極め、普段愛犬がテレビに対してどんな反応を示しているのかといったことではないでしょうか。

犬の留守番中にやるべきテレビ以外の対策はある?

窓の外を眺める柴犬

留守番中にテレビをつけっぱなしにしておくことは、まだ犬が留守番に慣れておらず「飼い主がいない!」と緊張してしまったり、不安を感じてしまったりする場合におすすめの対策です。

普段が飼い主がいる時の雰囲気と家の様子があまりにも変わってしまうと、留守番に抵抗感を示す犬もいるので、それを回避するための手段となります。

テレビをつけておく以外にも「ラジオ」や「CD」をかけておいたり、照明をつけっぱなしにするなどにも同じような効果があると考えられています。

ただし毎日何時間も留守番をさせる場合には、テレビやラジオがついていなくても落ち着いて過ごせるように少しずつ慣らしてあげることも必要だと思います。

上記で紹介したように、テレビがついていることでのトラブルやデメリットもありますし、いつもガヤガヤと騒がしい状態で過ごしているとしっかりと休息が取れないということもあります。

飼い主がいない時には静かで落ち着いた時間をゆったりとした気持ちで過ごすことができるように、しっかりと留守番の練習をしてあげることが大切です。

家庭犬トレーナー
辻本由香子

犬のお留守番の時に、テレビ以外の効果的な方法として挙げられるものの他には、愛犬が夢中になって遊べるおもちゃやおやつが考えられます。

しかし中には、おもちゃに一切興味を示さず、飼い主様の姿が見えなくなった途端不安になってしまう犬も居るでしょう。そうした場合分離不安症が疑われるため、時間がかかることではありますが、獣医さんに相談するなどして徐々に改善してあげてください。

<まとめ>犬の留守番とテレビの関係

ソファでテレビを見る女性と振り返るプードル

留守番中にテレビをつけておくことは、犬がひとりで留守番をする時の不安感を取り除くために有効な手段だと思います。しかし、できることならテレビなどをつけておかなくても安心して過ごすことができるように慣らしていってあげるといいと思います。

テレビは時間帯によって何が映るか、どんな音が聞こえてくるかわかりません。そうした時に一人で過ごしている犬がどのような反応を示すかもわからないからです。

どんな場面でもテレビを気にすることなく落ち着いて過ごせる犬であれば問題ないと思いますが、そういった犬の場合はテレビがついていなくても大丈夫なのだと思います。

留守番中にテレビをつけておくことは犬の寂しさや不安を紛らわすことができますが、犬のタイプによっては不安やストレスになることもあります。

留守番中にテレビをつけておくかどうかは、一緒に過ごしている時のテレビに対する愛犬の反応をしっかりと観察して決めるようにしましょう。

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