犬用スロープの選び方
ペットのために販売されているスロープは、様々な種類があります。階段式や角度が変えられるもの、折り畳み式、車の昇降用など、大きさや高さも様々です。また、愛犬に合わせて、DIYでオリジナルのスロープを作る飼い主さんもいます。
我が家では、愛犬ダックスフントの年齢と運動能力に合わせて、スロープを変えていきました。ヘルニアの予防的な使い方ではなく、シニアにさしかかり、ソファーやベッドに昇るときに失敗が多くなったことがきっかけです。犬用スロープを設置したのは、10才くらいの時でしょうか。とはいえ、まだまだ元気で、失敗しながらも飛び乗り飛び降りはできるときもありました。
まずは、階段式の犬用スロープを、ソファーに横付けして使用してみました。何度か犬と練習して、昇るときは階段を使うようになりましたが、降りるときは階段を使わず、ソファーから飛び降りていました。よく見ると、階段の幅が狭く、胴の長いダックスフントには、やや使いづらい印象を受けました。
その様子を見て、次にスロープ式で、座椅子のリクライニングのように高さを自在に変えられるものを購入しました。これは横幅も適度にあり、高さも変えられることから、置きたい場所に合わせることができました。愛犬は、躊躇なく昇り降りに使用していました。
その他に、ベランダに出るときの段差で転ぶようになってから、自作でスロープを作りました。
これは、一枚の板に足下駄をつけ、板には人工芝を貼り付けて、フックで止めただけのものです。これも、今までも使っていたかのように、愛犬が自然に使い始めました。
犬用スロープは、形やデザインだけでなく、愛犬が普段どんなところにジャンプして昇るのか、愛犬がどのくらいの運動能力なのか、どんな体格なのかを考慮して、選んだり作成したりすることをおすすめします。
購入して使ってみたら、傾斜がありすぎて転げ落ちた、階段式にしてみたが胴が長いため、昇り降りが危なっかしい、低すぎてスロープを使わず飛び越えるなど、せっかくのスロープが無駄になってしまうこともあります。購入するときは、愛犬の動きをよく見て、合ったものを選んであげてください。
犬用スロープの使い方
犬はジャンプ力に優れていて、自分の体高よりはるか高いところまでジャンプをします。
例えば、サークルやケージの屋根のないタイプは、軽々ジャンプで乗り越えて脱走したり、飼い主の腰の辺りまでジャンプして、喜びを表現したりします。そんな優れた跳躍力ですから、若い犬がソファーやベッドを乗り降りする時のジャンプなどは、いとも簡単です。
犬は人間と違って、腰を痛めるからこの動きは控えようとか、昇り降りで痛めたから気をつけようなど考えず、今を全力で生きています。だからこそ、将来の足腰の不安を軽減するために、犬用スロープを使ってみてはいかがでしょうか。
特にダックスフントやコーギーなどの胴長犬は、腰に負担がかかりやすく、ヘルニアになりやすいため、飼い主が気をつけていかなければなりません。犬用スロープは、シニア犬だけでなく、犬の体を健康に保つために必要なものでもあります。
犬用スロープの必要性(シニアの場合)
シニアになると足腰が弱るだけでなく、白内障などから目が見えづらくなります。犬はもともと視力が弱く、臭覚や聴覚がすぐれています。そのため、多少目が見えづらくても、生活に支障がないと言われています。犬は家の中の間取りや、家具の位置などは記憶できていると言われているため、シニアになってたとえ目が見えなくなっても、家の模様替えをしなければ、不自由なく生活ができます。
しかし、家の中にある段差は、大小合わせると意外に多いのではないでしょうか。たとえ生活に支障がないと言っても、小さな段差でつまずいたり、段差があるのがわかっていても、位置感覚が合わず転んだりするものです。
だからといって、段差を乗り越えるとき、ソファーやベッドに乗りたがっているときに抱き抱えてしまっては、今ある筋力を衰えさせることになり、老化を進行させることになってしまいます。
愛犬がシニアになって足腰が弱ったとき、目が見えづらくなったとき、犬用スロープを設置することで、安全な歩行をサポートすることができます。できるだけ今ある能力を使いながら、怪我なく安全に生活ができるようにするために、犬用スロープは欠かせません。
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犬用スロープについてのまとめ
人間にも、バリアフリーでシニアや障害者がより暮らしやすい生活空間が考えられています。犬も人間と同じで、年をとっていきます。犬は生活のしづらさを言葉で表現することはできません。しかし、何気ない犬の行動を見ていると、何か不自由そうな部分が見えてくるときがあります。その時が、犬にとっての生活環境を考える時なのかもしれません。犬用スロープは、犬の生活のしやすさを支える一つの道具なのです。
ユーザーのコメント
40代 女性 SUSU
階段を使ってしまうのであれば、階段よりもスロープの方が使いやすいと思ってもらえる状況にすれば良いのではと考え、階段下に100均で売られているワイヤーネットを置いてみることにしました。階段を上ろうとするとメッシュ状のネットの上を歩かないと階段に行けないという環境です。ワイヤーネット犬は基本的にグレーチングのような網目の物の上を歩くことは苦手です。愛犬もお散歩中にグレーチングの箇所があっても避けて通っています。ワイヤーネットを階段下に置くことによって、飼い主もまたネットをまたいで階段を上り降りしなければなりません。少し面倒ですが愛犬がスロープに慣れてくれるまでの一時のことと考え、数ヵ月、そのままにしていました。
愛犬にはこの方法が合っていたようで、階段を使おうとしてもワイヤーネットを見てスロープを使うようになりました。なお、スロープ部分にはソファーや椅子の脚などに使う滑り止めシートを何枚も巻いて脚が痛くないように、肉球で踏ん張りがきくように工夫をしました。また、下りの着地部分にはスロープ途中から飛んで下りてしまっても衝撃を吸収出来るようにジョイント式のマットを敷いていました。3か月後くらいにワイヤーネットを置くのを止めましたが、特に問題なくそのままスロープを使っていました。
スロープの使い方を覚えてしまえば、お散歩で土手に行った際も何も言わなくても階段脇のスロープを上手に使えるようになると思います。そうなってくれるととても助かります。
現在、寝室のベッド脇にもスロープが置いてありますが、特に教えることもなく上手に使っています。
愛犬がスロープの使い方を覚えたのは成犬になってからです。大人になってからでも覚えることは出来ると思います。スロープを使った方が楽に上り降りが出来ると思ってもらえること、そして使用中にスロープが動いてしまったりといった怖い思いをさせないということが大切になってくるのかなと思います。
記事にもあるように、ダックスやコーギーなどの胴長短足犬種は特に、段差の上り降りは厳禁と言われていますね。その他の犬種もシニアになると段差は脚への負担が大きくなってしまいます。大人になってからでもスロープを覚えてもらうことは可能ですが、出来れば若いうちから予防の意味でも段差はスロープを使うという習慣を付けておくとシニアになってから少しラクなのかなと思います。
40代 女性 匿名
13歳あたりからジャンプ力が徐々に衰えてきて、以前はお出掛けの際に車に簡単に乗り込めたのですが、だんだんと補助をしてあげないと乗れなくなってきました。車に取り付けるスロープも様々な種類があるのですが、我が家は大型犬で体重が重いのでちょっと不安で、まだ躊躇して購入に踏み切れていません。記事にありますように、家の中も意外と段差はあって、特に毎日の散歩で出入りする玄関のたたきに降りる段差は気になっていましたので、通販で下に靴も収納できる踏み台を購入して段差をなくすよう置いてみました(写真あり)。これは結構役に立っていて、愛犬も怖がらずに降りてくれるようになりました。
シニアになると、人も犬も今までは気にならなかった段差を躊躇するようになると思います。
なるべく事故を防ぐためにも、スロープや踏み台など工夫して生活しやすくしてあげたいですね。
女性 もふころ