犬を抱っこ紐で抱きかかえるのはかわいそう?
抱っこ紐の中で縮こまっている犬の姿を見ると、犬が嫌がっていてかわいそう、体の負担にならないの?と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、抱っこ紐は基本的には正しく使えば、犬と飼い主の両方にメリットがあります。
抱っこ紐の中で嫌がっている犬は、そもそも抱っこが嫌いか、抱っこ紐の素材や深さがあっていないのです。私たち人間も長時間同じ態勢でいると体に負担がかかりますよね。自分で体勢を変えられないと犬も苦痛に感じてしまいます。
購入の際は、犬種の体型に合った商品を選ぶことが大切になります。犬が自ら心地よい体勢が取れるものがおすすめです。
抱っこ紐にもメリット、デメリットがあります。抱っこ紐を正しく選び、使用すれば以下のようなメリットがあります。
- 一緒にお出かけできる範囲が広がる
- 飼い主に密着して抱えられて安心する
- 介護時の負担を軽減できる
逆にデメリットは以下の通りです。
- 抱っこ紐が重く飼い主の肩や腰に負担がかかる
- 犬が心地よい体勢を取れずに苦痛を感じる
- 犬が暴れた際に飼い主も転倒するリスクがある
実は、これらのデメリットは犬に合っていない商品を使っていることが原因。デメリットを理解し、改善すれば犬と飼い主の両方にメリットが生まれます。
抱っこの好き嫌いは犬によって違うので、それぞれの性格を見極めた対応も必要です。
犬に抱っこ紐を使うとかわいそうなシーン
十人十色というように、犬も十頭十色です。そもそも抱っこが嫌いだったり、持病を持っていたりする犬に抱っこ紐はおすすめできません。
せっかく抱っこ紐でお出かけしようと思ったのに、犬が嫌そうな表情をしていると見ていてもかわいそうになりますよね。ここからは、なぜ、抱っこ紐を嫌がるのかを紹介します。
抱っこされることが嫌いな犬に使っている
飼い主とコミュニケーションがとれていない時から抱っこすると、犬はストレスを感じてしまいます。
犬は、毎日のコミュニケーションの中で、飼い主に撫でられたり触られたりすることで安心や愛情を感じます。その信頼関係があるからこそ、飼い主に抱っこされるっことが徐々に好きになっていくのです。
まだ抱っこに慣れていない犬に抱っこ紐を使うと、抱っこ紐からの飛び出してしまう危険があります。また、抱っこ紐の中で犬が暴れて飼い主も転倒し、両方がケガしてしまう危険性もあるのです。
素材やサイズが犬の体に合わないものを選んでいる
収縮性のない素材や、サイズの合わないものは居心地の悪さに影響します。またサイズが大きすぎるものは、抱っこ紐の中で体が横向きにズレて不安定になります。
逆に、小さすぎるものは体が圧迫されて苦しく、苦痛やストレスを与えてしまいます。愛犬の大きさや体重に合った商品を選ぶことはとても大切です。商品を選ぶ際には、サイズや体重、犬種などを確認しましょう。
足や背骨に病気を抱えている犬に使っている
犬の足や腰の病気には、さまざまなものがありますが、代表的な病気には、 膝のお皿が外れやすい「膝蓋骨脱臼(パテラ)」や、脊椎が圧迫され痛みを伴う「頸椎・胸腰部の椎間板ヘルニア」などがあります。
これらを患っている犬に抱っこ紐を使うことは控えましょう。
パテラは足の関節疾患で、圧迫刺激により膝のお皿が外れる可能性があります。また、ヘルニアは首~背中、腰の神経を圧迫し触られるのも嫌がるからです。抱っこ紐を使うことで、更に負担をかけてしまう可能性があるので、使わないようにしましょう。
犬と飼い主が快適に抱っこ紐を使うためのポイント
抱っこ紐は、犬と飼い主の負担を減らすために上手に使いたいですよね。私も初めて抱っこ紐を使ったときは両手が空いてとても便利!と感動しました。
抱っこ紐を使うポイントは、愛犬の行動をよく観察し、苦しそうだったら体勢を変えてあげることです。
ここからは、抱っこが苦手な犬でも、徐々に抱っこに慣れる方法を紹介します。抱っこ紐に慣れれば抱っこ紐の中で気持ちよくお昼寝する姿も見られるかもしれません。
犬の背中から腰がまっすぐ縦になる姿勢では使わない
犬の腰に負担がかかるのは、地面に対して垂直になる姿勢だといわれています。理想的な抱っこは、犬が伏せやお座りをしているのと同じ姿勢を保てることです。
抱っこ紐の中でも、垂直姿勢はNGです。普段の抱っこと同じように伏せやお座りの姿勢が保てるようにしてあげましょう。
抱っこ紐の使用時間が長くなりすぎないようにする
どれくらいの時間なら抱っこ紐を使っていいの?と気になりますが、個体差があるのでいつまでならOK!とは言い切ることはできません。
また、抱っこ紐は飼い主の身体的負担を減らす商品ではありますが、長時間の使用では犬も飼い主も疲れてしまいます。
使用時間の目安は、犬の仕草や行動をみて判断するのがポイントです。ソワソワする、苦しそう、頻繁に鳴くなどの行動がでたら降ろしてストレッチさせましょう。
飼い主に抱っこされるのは嬉しいことですが、外出中ずっと抱っこしっぱなしはNGです。地面のニオイを嗅ぐ、マーキングする、歩くといった本能を満たすための行動も必要だということを忘れてはいけません。
抱っこに慣れていない犬は抱っこの練習から始める
信頼関係ができる前にいきなり抱っこしてしまうと、犬は安心感どころか恐怖を覚えてしまいます。
ここからは、抱っこの練習をするための4つのステップを紹介します。
- 犬の脇の下に片手を入れて落ち着いていたらオヤツをあげる
- 両手で犬の脇の下に手を入れ落ち着いていたらオヤツをあげる
- 両手で犬の脇を抱え、上半身だけ少し浮かせて落ち着いていたらオヤツをあげる
- 体を持ち上げて抱っこをする。落ち着いていたら褒めてオヤツをあげて、徐々に抱っこする時間を延ばしていく
ポイントは、嫌がったときに無理に力で抑え込まないことです。また、万が一暴れて床に落ちてケガしないように低い位置で練習するのも大切。
この練習をすることで、オヤツをくれて褒めてくれる飼い主のことも好きになるし、抱っこという行動も好きなってくれます。
犬の体への負担が気になる時は獣医師に相談する
散歩中に歩き方がおかしい場合や、病気の進行や再発リスクがあるなど持病を持っている犬は、獣医師に相談が必要です。
犬の介護用にに考えられた商品もあるので調べてみるのも良いかもしれません。ただし、獣医師に確認してからにしましょう。
お出かけで使うイメージトレーニングをする
初めて抱っこ紐でお出かけする前は、イメージトレーニングが役に立ちます。家では抱っこ紐に慣れていても、外では驚いて飛び出してしまう可能性が十分にあるからです。
そんな時の対策として、脱走防止トラップをつけておくのが有効です。やり方を知っておくだけで、とっさの時に役に立ちます。さまざまな場面の対処法をイメージしておきましょう。
犬の抱っこ紐おすすめ5選
抱っこ紐を使うと愛犬とのお出かけがさらに楽しくなります。
初詣に一緒に行ってお参りする、ショッピングモールで愛犬の服を一緒に選ぶ、病院の会計で両手が使える、他の犬とケンカしそうな時にすぐ避けられるなど、一緒にお出かけできれば、いつもは家でお留守番していた犬もさみしくなくなりますね。
抱っこ紐もデザインや機能性、価格はさまざまです。今回は、形状の違うおすすめ商品を5つ紹介します。
LAMOUR(ラムール)犬・猫用 ペットスリング
<おすすめポイント>
- まるで抱っこされているかのような優しく包まれる安心感
- 350g超軽量&13㎝の幅広肩紐で飼い主の肩への負担を軽減
- 小さくおりたためるから持ち運び楽々
ライトグレーとダークグレーの2色展開。シンプルでコンパクトなのでバックに入れて持ち運びやすいです。
全体的にシンプルなデザインで犬・猫の爪が引っかかりにくい。肩紐の長さを調節できないので男性で体の大きい人は圧迫感を感じるかもしれません。
FUNDLE(ファンドル)夏を快適に過ごせるメッシュ生地のキャリーバッグ
<おすすめポイント>
- 暑い季節でも蒸れることなく快適に過ごせるメッシュ生地
- クッション入りのショルダーベルトで肩の疲れを軽減
- 犬のアゴ乗せ用クッションが付いていて犬に優しい
メッシュ生地でできているので、頭まで入っても閉じ込められている感じがしません。インナーバック(別売り)を使えばオールシーズン使用できます。
また、本体とインナーバックの色の組み合わせは36通りあり、お洒落を楽しみながらお出かけができます。メッシュ生地の本体のみでは公共交通機関は利用できないので注意が必要です。
snowdropオリジナルペットスリング
<おすすめポイント>
- 肩紐の長さを36㎝も調整できて、家族で使いまわしが可能
- メッシュカバーで頭をカバーするので愛犬に圧迫感が少ない
- 男女関係なく使える11色の落ち着いたカラーバリエーション
想像以上に生地が薄かったという口コミもあります。そのおかげで飼い主と密着できるため寝てしまう子も。
ただし、薄いため噛み癖のある犬は向いていないようです。メッシュ生地は柔らかく圧迫感を与えません。メッシュ部分の紐はスッと絞るだけで愛犬の頭まで隠せるのが使いやすいポイントです。
肩紐が36cm調節できるので、小柄な人から大柄な人まで家族で一緒に共有できます。
erva(エルバ)多機能ドックスリング
<おすすめポイント>
- 15~20kgの中型犬に使用できる
- 小型犬なら2頭を一緒に抱っこ紐に入れられる
- フロントが大きく開き中型犬を入れやすい構造になっている
他の商品との違いは、抱っこを諦めていた重い子、中型犬、老犬のために開発された商品だということ。
フロントオープンシステムという愛犬の出し入れに負担をかけない構造になっています。ファスナーの耐荷重は45kgで、毛が挟まりにくい6.5cmの当て布があるのもうれしいポイントです。
丈夫でありながら畳めば20㎝×30㎝と、バックに入る大きさで簡単に持ち運びが可能。色はグレージュ、ダークブルー、コヨーテの3色で、大人の男性にもなじむシックな色合いです。
minime(ミニミー)FOR US BAG
<おすすめポイント>
- ボックス型で自立するためカフェの椅子に置ける
- 側面には小窓があり移動中の愛犬もそとの様子が確認できる
- ポケットが7つもあり収納力が抜群
見た目がガーリーでかわいいため、メスのワンちゃんにぴったりな商品です。かわいいだけでなく機能的。側面の小窓は全開、全閉、メッシュの3パターンを使い分けることができます。
外のポケットはペットボトルやお散歩用品を収納、中のポケットはチャック付きでワクチン証明書など大事なものを入れるのに適しています。撥水加工がされているので雨や雪の日も安心です。
こちらは予約販売です。到着時期は購入ボタン下を確認しましょう。
▼「犬の抱っこ紐」の基本を知りたい方はこちら
まとめ
抱っこ紐で抱っこするにはメリット、デメリットがあることが分かりました。 基本的には適したサイズ、素材を選べば犬と飼い主の両方にメリットが生まれます。
特に注意が必要なのは持病を持っている犬への使用です。普段から歩き方がおかしくないか、抱っこ紐の中で変わった仕草はないか?観察が必要です。
抱っこ紐を使用することで、今までお留守番だった犬が飼い主と一緒にお出かけできる機会が増え、良い関係作りができるようになります。しかし、長時間の抱っこは疲れてしまうため休憩を忘れず、少しずつ慣らしていくのが大切です。
抱っこ紐が苦手な子も徐々に慣れていくことで、飼い主との時間も増え信頼関係を築いていくことができますよ。焦らず、たくさん褒めて愛犬を楽しませてあげましょう。