犬に階段の昇り降りをさせてもいいの?
家の中やお散歩の途中など、階段に出くわすことはよくある話。中には人間と一緒に元気に昇り降りするワンちゃんも見かけますが、本当にさせてもよいものなのでしょうか?
犬の階段の昇り降りに潜むリスク
階段はあくまで人間が昇り降りするために作られたもの。その階段を犬が昇り降りすることは、実は大きなリスクや思わぬ危険が伴います。
1.腰への負担
まず挙げられるのが、犬の腰への大きな負担。どんなに低い段差の階段でも、犬の腰には大きな負担がかかります。
まず上の段に脚を置き、後ろ脚を上げている際には前脚のみで踏ん張り体を支える状態になり、これが身体の中心部である腰に大きな負担をかけることになってしまいます。下りは大きな負担がかかりますので、できる限り避けた方が良いでしょう。
特に一軒家などのいわゆる普通の階段は、人間の歩幅には合っていますが犬にとっては幅が狭すぎるため、1段に対して前後の足どちらかしかつくことができないことがほとんどだと思います。その場合、公園などにある犬の体が1段にきちんと入るような幅の広い階段に比べて足腰への負担がかなり大きくなると考えられます。
胴長体型の犬は特に注意!
ちなみにこういった腰への負担から、発症が危惧される病気として代表的なものが腰の椎間板ヘルニアです。特にダックス系の犬やコーギーのように胴長の体型の犬は負担がかかりやすいので、階段はもちろん小さな段差にも注意が必要です。
実は筆者の飼い犬(ミニチュアダックス)も、重度5という最も重い症状の椎間板ヘルニアを経験しました(泣)。幸いにも我が家の飼い犬は手術と長期のリハビリで回復しましたが、状態によっては一生下半身不随になってしまう可能性も決して低くはない恐ろしい病気です。
できる限りそういった病気を引き起こす可能性を少なくするためにも、犬の腰への負担は飼い主の手で防いであげたいものです。
2.犬が階段から転げ落ちる危険性
テレビなどで見かけるような、思わず笑ってしまうレベルのものばかりではありません。犬が階段から転げ落ちたことによって、後日障害が残るような大きなケガをしてしまう子もいます。
犬が階段から落ちた!といって動物病院に駆け込んでくる飼い主さんも少なくないとのこと。。。 大好きな飼い主さんの足元をチョロチョロと走り回ったり、人間でもあり得ることですが、急いで昇り降りすることで脚を踏み外してしまうことがあるのは犬も一緒です。
下りで落ちる可能が高い
こちらも腰への負担でご紹介したのと同様に、下半身に比べ重い上半身を下にしてバランスをとろうとするため、下りのほうが転げ落ちる可能性が高くなってしまいます。実際、犬が階段を昇るのに降りられないという話もよく聞きますが、おそらくこういった理由からバランスが取りづらいために降りを苦手とする子が多いのでしょう。
また仮に転げ落ちて幸い無事だったとしても、痛く怖い思いをした階段自体がトラウマとなって残ってしまうワンちゃんもいますので、よほどの必要がない限りは避けたほうが良いでしょう。
3.身体に衝撃を与えてしまう
これは人間にもいえることですが、犬が階段を昇り降りすることによって関節や骨、筋肉などに衝撃が加わります。特に小型犬は人間サイズの階段を昇り降りする際、身体を反らせるような姿勢になってしまうため、そこに加わる衝撃もその分大きく吸収しやすいものになります。
犬を階段のリスクから守る工夫
それでは犬の階段の昇り降りに関して、どのような対処をすればよいのでしょうか?
できる限り飼い主さんが抱っこしてあげるのが最良の手段ですが、家の中などではなかなかそうもいかないことも。そういった時、こんな工夫をしてみてはいかがでしょうか?
階段前にゲートを置く
そもそも犬が階段に立ち入ることができないように、階段前にゲートを置く方法。
サイズや開閉の手段など、様々な種類の室内用ゲートが販売されていますので、置く場所の状況や犬のサイズによって手頃なものを選びやすいかと思います。基本的に犬が生活するスペースをリビングなどがある階に限定し、それ以外の階に行く場合は飼い主が抱っこで連れて行くという手段を取ります。
絨毯や滑り止めマットを置く
家の中などでどうしても犬の階段への立ち入りを止めさせることができない場合や抱っこで会談の昇り降りをすることがむずかしいサイズの犬がいる場合などは、転落防止と身体への衝撃をやわらげるための滑り止めマットや絨毯などを敷いてあげましょう。
特に下りの際に大きな負担がかかりやすく、最下段(廊下などにあたる部分)では勢いがついていることなどから身体にかなりの負荷がかかると考えられます。そのため、階段を下りきった部分には犬の体長と同じくらいのサイズの滑り止めマットを敷くといいでしょう。
また逆に犬自身の肉球に滑り止め効果のある肉球保護剤を塗布したり、脚の裏の毛をまめにカットしてあげるのも良いかもしれません。
スロープを設置する
これは階段というよりは、ソファなどの少し高い場所に乗りたいワンちゃん用になってしまうかもしれませんが、段差解消グッズとして角度を変えることができる犬用のスロープというものが市販されています。
少し高いところへ昇りたくて、身体に負担をかけるようなジャンプを繰り返してしまう子や、室内の小さな段差、段数の少ない階段などがある場合にはこういったグッズを設置することで日常の負担を軽減することができます。
しつけをする
少しハードルが上がるかもしれませんが、階段=立ち入ってはいけない場所、または飼い主に抱っこしてもらって移動する場所というルールをしつけによって覚えさせる方法です。
少し時間と労力が必要な対処法にはなってしまいますが、きちんと覚えさせることができれば家の中でも外でも安心ですね。
まとめ
毎日一緒に遊んだり、ご飯をあげたり、何かとケアするのも飼い主としての役割ではありますが、愛犬のケガや病気を、可能な限り未然に防ぐのも飼い主の大切な役目ではないでしょうか。
大事な家族の一員には、いつまでも元気でいてもらいたいものです。
そのためにも正しい知識を身につけて、小さなことから対処していくことが大事です。
一度犬と同じ目線になって、危険な箇所は?身体の負担になるような場所は?犬にとっても飼い主にとっても安心できる我が家を、もう一度あらためて見直してみてはいかがでしょうか...?
ユーザーのコメント
40代 女性 鴫原己佳
階段を降りる時は必ず抱っこです。
本人は平気で独りで降りようとするので、必死にとめます。
外の散歩の時はハーネスのリードを引っ張って足腰への負担を気持ちかけないようにしています。
30代 女性 匿名
どうしても階段を昇り降りしなければならない状況があるのであれば、抱っこして昇り降りします。
自宅の階段はとても滑りやすいので抱っこして昇り降りしています。
事故やケガが心配なので階段の昇り降りはさせたくありませんので、15kgのワンコも抱っこして昇り降りしています。
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 テンママ
50代以上 女性 さな
50代以上 女性 匿名
小さな頃から階段のあるところは行きません。小型犬ならば抱っこもできますが大型犬はスロープのある部分を歩かせます。
40代 女性 ルシアン
この子がウチにきてからしているのは
上り階段は上らせますが、下り階段は必ずだっこをします。
上りよりも下りの方が腰の負担は大きいので、老犬になってからのことを考えたら長く足腰丈夫でいて欲しいと考えてそうしています。
40代 女性 山口優子
40代 女性 匿名
お外でも階段は抱っこ。
50代以上 女性 ハナタン
50代以上 女性 ハナタン
40代 女性 匿名
40代 女性 匿名
当然抱っこ出来ません。
スロープがない公園などでは仕方なく階段を使う時があるのですが、下りはどうしても怖いです...。
犬も自分では大丈夫!と思っているのでしょうが、重いぶん転げ落ちそうになるし、飼い主も怪我したくありません。
なので、リードが張る前に「マテ」で止め、飼い主が前に出てから「ユックリ」「オイデ」と指示。
また犬が前に出たら「マテ」で止め、それをひたすら繰り返します。
こんな感じで時間がかかるので、通行人がいなくなるまで階段を使えません。
普段リーダーウォークが出来ていても、下り階段はどうしても勢いがつくのでこうしています。
最終手段として大好きなジャーキーを用意していつでも制止が効くようにはしていますが、最初から見せてしまうと喜んで余計に暴れる危険性もあるので本当に最終手段です。
30代 女性 匿名
女性 ベル
散歩先では、階段がある場所では「危ないから抱っこしようね」と、毎回同じ声掛けをしてから抱っこをし、家の中でも「危ないから・・」と同じように言葉をかけて繰り返し抱っこをしていたら、すぐに自分では昇り降りをしなくなりました。今では、飼い主が昇り降りをしていても、愛犬は我慢をして座って待っていられます。
犬は賢いので、階段に限らず、同じシチュエーションで同じ言葉のをかけていれば理解してくれるようになるそうです♪
40代 女性 ショコラ
生後2か月頃我が家に来た当初から階段に近づくと「危ない 危ない」と教え 抱っこして上り降りしていました。いつの間にか 自然と自宅の階段は上り降りしなくなりましたよ。
でも 外では階段を平気で上り降りするので 「危ないのは家の階段だけ」と認識しているみたいです
40代 女性 裕子
40代 女性 匿名
女性 白川
犬は階段を昇る時に勢いがあるので、一段踏み外すと思いのほか派手に転がってしまいます。超小型犬や小型犬など足の骨が細い子は骨折してしまう可能性もあります。薄暗いと階段の境目が見えづらいので転がり落ちてしまうこともあり得ます。我が家の愛犬は、夜中に階段半分くらいまで落ちてしまったことがありました。幸いにして特に怪我もなく済みましたが、これが二回目三回目ともなると、と思うと怖くて階段には近づけさせられなくなりました。
ある時は、愛犬が階段で転んだ時、足にあったイボが角に触って破裂してしまったことがありました。階段で滑ってしまったことが原因だったので、この時は滑り止めマットを敷くことで対策をしました。
老犬になると特に後ろ足の踏ん張りが効かなくなります。蹴る力が弱まるので階段も途中で疲れてしまいます。老犬になると比較的発症しやすい心臓病などの疾患を抱えている場合は、瞬間的に息を止める運動はさせない方がいいので、階段は昇らせないようにしておく必要があります。
女性 ペロリ
女性 コロン
まだ5カ月くらいの子犬だったときに、ケージにいないため探したら、家の階段の真ん中まで頑張って登ったのか、その位置でピーピー泣いていました。
とても体の小さな子なので、まさか階段に登れるとは思わず驚いたのですが、よほど不安な思いをしたのでしょう。それ以来階段や段差は一切登らなくなりました。
30代 女性 じゅん
女性 鶴