犬の肉球クリームの効果
肉球は、犬にとって重要な部分です。歩いている時の衝撃を吸収したり、肉球の触覚で情報収集をしたり、汗をかかない犬の唯一の汗腺があるのも肉球です。
本来、犬の肉球は土や草むらなどの柔らかい場所を歩くためのものでしたが、都市化した現在では、アスファルトやコンクリート、フローリングなどを歩くことが多くなりました。
夏の暑いアスファルトや冬の冷たいコンクリート、化学薬剤の塗られたフローリングを歩くことで、犬の肉球は私たち人間の想像以上のダメージを受けています。
ましてや、室内飼いされている犬では、エアコンによる乾燥のダメージ、散歩のあとの足拭きや洗うことによって肉球の脂肪膜がなくなって、角質化して硬くなってしまうのです。
犬の肉球クリームを使用してケアしてあげることで、角質化を防ぐだけでなく、さまざまな効果があるため、ここでご紹介していきますね。
ヘルニアや転倒による怪我や骨折の予防
犬の肉球には、滑り止めの役割もあります。
しかし、角質化して硬い肉球では滑り止めの役割を果たすことができず、フローリングなどの床で滑って転倒、なんてこともあり、怪我や骨折につながりかねません。
滑ってしまう床では必要以上の負荷が体にかかるため、関節トラブルやヘルニアにもなりやすくなってしまうのです。肉球クリームでマッサージしてあげることで硬い肉球を柔らかくしてあげることができ、関節トラブルやヘルニア、転倒による怪我や骨折を予防することができます。
ひび割れによる出血や感染症の予防
犬の肉球を触ると、ツルツルというよりはカサカサではありませんか?プニプニムニムニと気持ちいい触り心地のはずの肉球にささくれがあったり、カサカサしてきたらひび割れなどに気を付けなければいけません。
特にシニア犬になると、カサカサを通り越してザラザラで、肉球に白っぽく角質の厚い層ができてきます。そのまま放置してしまうと、あかぎれのように出血してしまったり、ひび割れた肉球から雑菌が入り込み化膿したり、何かの病気に感染してしまうことも。
肉球からの出血は止まりにくく、化膿しても治りにくいです。犬は肉球に違和感を感じれば舐めてしまい、ますます悪化することとなるので、そうなる前に肉球のケアをして予防することができます。
乾燥予防の保湿
冬になると、静電気が発生するくらい乾燥しますね。乾燥は犬の肉球にとっても大敵です。乾燥することで角質が硬くなってしまったり、ひび割れを起こすことにもつながりますので、しっかり肉球クリームで保湿をしてあげましょう。散歩のあとに足を拭いたり洗った場合も同様ですよ!
犬の肉球クリームの塗り方
肉球クリームの塗り方はとても簡単です。肉球を蒸しタオルで蒸してあげるか水道水で軽く湿らせたら、肉球クリームを指先に少しとって優しくマッサージするように肉球や指の間に塗り込むだけ!
肉球クリームが余ってしまったら、犬の皮膚がむき出しの部分に塗ってあげましょう。肉球クリームは肉球以外にも使えるため、問題ありません。
クリームを塗る際、同じところに塗り過ぎると犬が違和感を覚え、肝心のクリームを舐めとってしまうかもしれません。少量でも十分効果を発揮するため、念入りに塗らなくても大丈夫です。
基本的に流通している国内に流通している市販の肉球クリームは安全性が高いですが、念のため使用前に成分を確認されることを推奨します。個人が制作した物を使用する際は何が含まれているかを正確に把握してから愛犬に塗ってあげてください。
また、肉球は犬にとってデリケートな部分です。大好きな飼い主さんといえど、触られ続けることを嫌がるワンちゃんもいます。はじめは、少しずつ肉球に触れて慣れさせることからスタートしましょう。
犬の肉球クリームの代用ができるもの
肉球クリームは犬が舐めても大丈夫なものがほとんどですが、人間用のハンドクリームを使用することはおすすめできません。犬の肉球にニベアがいい、といった情報も中にはありますが、犬が舐めてしまうことを考えると、下痢や中毒症状などを引き起こす可能性がありとても危険です。
人間用のハンドクリームではなく、犬が舐めても大丈夫で肉球クリームに代用できるものもたくさんあるので、ここでは、犬の肉球クリームに代用できるものと使い方についてご紹介していきます。
白色ワセリン
犬の肉球ケアに、獣医師さんからもすすめられる「白色ワセリン」は、とっても万能です。赤ちゃんやアトピーなどの肌の弱い人にも使用できる保湿剤で、怪我や火傷にも対応できてしまいます。
ワセリンには「黄色ワセリン」もありますが、純度が高く不純物が限りなく少ない「白色ワセリン」を選んでください。
使い方はとっても簡単で、肉球クリームと同じです。肉球を湿らせてから、指先に少量をとって優しくマッサージしながら丁寧に塗り込むだけです。白色ワセリンは低刺激で犬が舐めても影響はないので安心です。
リップクリーム
人間用の「リップクリーム」は、化学成分が含まれていないものであれば肉球クリームとして代用することができます。リップクリームの中には、犬の肉球クリームと成分がまったく同じものもあります。
もともとリップクリームは人間の口に塗るために作られているため、精油と蜜蝋などの成分だけで作られているものであることを確認してくださいね!
リップクリームを使用する場合の使い方は、肉球を湿らせたあとにリップクリームを多めに塗って、指でマッサージしながら犬の指の間まで丁寧に塗り込むだけですよ!
オイル
犬の肉球クリームの代用に、「オリーブオイル」や「ホホバオイル」などの食用油、「馬油」も代用できます。オイルなので犬が舐めても大丈夫ですし、体内に良い効果をもたらしてくれます。ただし、安価なオイルは添加物などの成分に不安があるため、きちんと成分を確認してください。
使い方は犬の肉球を湿らせてから、オイルを数滴垂らして指で優しくマッサージしながら丁寧に塗り込んでいくだけですが、オイルは肉球が滑りやすくなるため、塗り込んでからしばらくの間は靴下をはかせるなど、犬が滑らないように気を付けてあげてくださいね。
また、靴下ははかせたままにすると蒸れてしまうため、必ず短時間で脱がせてください。
犬の肉球クリームの作り方は?
犬の肉球クリームは、市販で買うのが基本です。しかし、肉球クリームは材料さえ揃えばご家庭でも簡単に手作りできます。
手作り犬用肉球クリームの材料
- ホホバオイル:50g
- ミツロウ:10g
材料を耐熱容器に入れ、湯煎で溶かし混ぜ合わせます。それぞれが完全に溶け、よく混ざったら加熱を止めてお好みの保存容器に流し入れます。常温で置いておき、固まったら完成です。好みによって保湿性が優れたシアバターを加えるのもおすすめです。
手作りの注意点として、使い勝手などの品質は既製品に劣りやすいです。またアレンジと考え、アルコールなど犬に危険な成分を含む材料を加えるのもNGです。犬への安全性や利便性が不安な方は、手作りにこだわらず市販の既製品をおすすめします。
犬用肉球クリーム人気おすすめ5選!
犬の肉球クリームには容器に入ったクリームタイプから、オイルタイプやクリームスティックタイプ、乳液タイプなどさまざまな種類が販売されており、どれが安全でどれが使いやすいかがわからないと、選ぶのにも悩んでしまいますね。そこでここでは、人気の犬用肉球クリームで安全でおすすめなものをご紹介します。
ペットクール オーガニックシアバター
すばやく馴染んで長時間保湿します。
肉球保護/敏感肌などに。
「ペットクール オーガニックシアバター」は、厳選されたオーガニックシアバター配合の肉球保護クリームです。植物エキスやオリーブオイル、蜜蝋などが成分なので、犬が舐めても安心です。ベタつきなく滑らないので、犬にとってもストレスフリーでおすすめです。
みつばち本舗 みつろうクリーム
続いてご紹介するのは、「みつばち本舗 みつろうクリーム」です。植物由来のスクワレンオイルと椿オイルと蜜蝋のみで作られた、安心・安全な肉球クリームで、もちろん人間にも使用できます。少量で良く伸びるため、肉球だけでなく犬の皮膚にも使ってあげてください。あまり匂いもなく使いやすいですよ!
マッシャーズシークレット 肉球保護クリーム
「マッシャーズシークレット 肉球保護クリーム」は、犬ぞりを引く犬のためにカナダで開発された肉球保護クリームです。「見えないブーツ」の愛称で、世界中の愛犬家から支持を得ていますよ!100%天然成分で作られているため、犬が舐めても大丈夫です。しっかり肉球の保護ができて、犬の違和感も少ないためおすすめです。
DHC 肉球ケアクリーム
「DHC 肉球ケアクリーム」は、オリーブバージンオイルや米由来のセラミド、プレヒアルロン酸などの保湿成分が配合された肉球クリームです。食品に使用される成分だけで作られているので、犬が舐めても安心です。乳液のように柔らかいクリームなので、とても使いやすいですよ!
横濱馬油商店 生馬油 こうね100%
最期にご紹介するのは、肉球クリームではなく馬油です。「横濱馬油商店 生馬油 こうね100%」は、馬のたてがみ下の脂だけを精製して作られた貴重なこうね馬油です。
赤ちゃんにも使える馬油で、火傷やアトピー、皮膚病などにも使用でき、殺菌効果があるためニキビや肌荒れ、美白や髪に艶を与えるといったさまざまな効果があります。
もちろん犬が舐めても大丈夫で、犬の肉球ケアだけでなく、皮膚病や被毛の保護に効果のある万能オイルです。馬油は匂いが強いものが多いですが、こちらはほとんど匂いがなく犬に使用しても嫌がりません。
キゾウハニークリーム
キゾウハニークリームは天然ミツロウ100%で製造された肉球クリームです。肉球の保湿・軟化効果が期待されており、乾いて痛々しくなってしまった愛犬の肉球ケアに役立ちます。
品質もベタつかず、無香料であるため扱いやすいクリームといえます。無香料タイプ以外にもエッセンシャルオイルを配合したラベンダータイプも販売しています。犬のアロマセラピーに対する興味や愛犬の好みに応じて使い分けることをオススメします。
ちなみにキゾウハニークリームは、肉球保護以外にも、ペット用品などの汚れ落としにも役立ちます。
ドッグセーフティワン
ドッグセーフティワンは、オリーブオイルやアロエ、ダイコン発酵液など犬がなめても安心な食品由来成分で製造されている肉球クリームです。無着色・無香料なので舐めても味がなく匂いもしません。
べたつかないように製造されている点もドッグセーフティワンの魅力です。クリームを塗った直後に愛犬がフローリングを走り回っても跡がつかず、飼い主さんの手もべたつきません。
商品レビューにおいても飼い犬がクリームを嫌がらなかったと高い評価を獲得しています。ヒアルロン酸も2種類配合されているため、美容液のような感覚で使用できる肉球クリームです。
ハナ&肉球 ケア
ハナ&肉球ケアは、北海道に生息しているエゾ鹿精製油100%で作られた肉球クリームです。皮膚の品質改善に効果が期待されているパルミチン酸を多く含有しています。
エゾ鹿の精製油を原料にしていることから、人によってはクリームからラム肉に近い独特な匂いを感じるそうです。クリーム臭の感じ方には個人差があり、まったく気にならなかった、いい香りという口コミもあります。
保管場所によっては肉球クリームが硬く変質するケースもありますが、温めたり暖かい場所に置いたりすると塗りやすい硬さに戻ります。
ペットバーム
ハーブや果物、花など植物からとれる天然由来成分で製造された肉球クリームです。皮膚に潤いを与えることが期待されている成分が複数配合されており、肉球トラブルの改善・防止をサポートします。
肉球以外にも鼻のカサツキ対策として利用されている方もいるようです。防腐剤、化学香料、染料、界面活性剤などが使用されていない点も安心できるポイントです。人によってココナッツオイルの匂いを感じる方もいます。愛犬に合ったという口コミも多く見受けられ、飼い主さんからの評価も高い肉球クリームです。
パナズー
パナズーは水溶性ゲルタイプの肉球ケア商品です。ヒアルロン酸やアロエベラなど肉球の質改善サポートが期待されている成分を高濃度で配合しています。
速乾性となっているため、早いタイミングで乾きます。クリームがすぐ乾くため、愛犬が舐めとる心配やクリームに付着した埃を払う必要もありません。クリームの原料に香料・着色料・アルコールが使用されていない点も飼い主さん達から高く評価されています。
利用された方達からは肉球クリーム独特の匂いやベタつきが少ない設計である点も評価されています。中には飼い主さんのハンドクリームとしても活用されている方がいるようです。
NICURE
NICUREはヒューマングレードの素材を使用した肉球クリームです。シアバターの他にメドウフォーム油、ココナッツオイル、ヒマワリ油、ホホバ油などが使用原料として含まれています。犬がなめても大丈夫なように天然由来成分100%となっており、合成着色料・香料は不使用であるため安心して使用できます。
1個あたり半年分の容量であるため品質が劣化する前に使い切れる丁度いいサイズです。ほんの少しミツロウの香りを感じるかもしれませんが、無香料であるため基本的には匂いに悩まされる心配はありません。
▼「その他お手入れの基本」を知りたい方はこちら
最後に
犬の肉球クリームについてご紹介しましたが、いかがでしたか?犬にとって肉球はとっても重要なものなので、毎日のケアをしてあげることが大切です。
代用品でもいいですが、その犬によってどの肉球クリームが一番効果があるかは変わってくるため、いろいろ試してみてください。
市販されている肉球クリームは信用できない!と心配であれば、ホホバオイルと蜜蝋を湯せんしながら混ぜて冷ますだけで手作りすることもできます。
ご紹介した以外にも肉球クリームはたくさんありますが、どの肉球クリームを選ぶにしても、犬が舐めてしまっても安全なものを選んであげてくださいね!