犬をクレートで留守番させるメリット
狭くて光が遮断されているクレートは「狭くて窮屈なのでは?」「自由がなくて可哀相」と感じてしまう飼い主さんもいるかもしれません。そんなクレートの3つのメリットをご紹介します。
巣穴を連想して犬が安心できる
犬は、野生で暮らしていた昔、巣穴のような狭くて暗い場所に身を隠して身体を休めていました。人間と生活するようになった現代でもその習性は残っており、光が遮断され、身体がすっぽりを囲われているクレートは居心地の良い空間となります。
クレートを安心できる居場所だと認識すると、身体を休めたいときや安心したいとき、自らクレートに入るようになります。安心できる自分だけの居場所となるので、留守番の時間も落ち着いて過ごすことができるでしょう。しかし、クレートにも大きさがあり、愛犬に合ったサイズ選びが重要になります。
奥行:犬が伏せをしたとき、前足まですっぽり入る
高さ:クレート内で立ち上がることができる
幅:クレート内で体が反転できる
以上を満たしたサイズのクレートを選びます。子犬のときからクレートを使用する場合は、成犬時の大きさを考えて購入するか、成長後の大きさに合わせて買い替えましょう。
犬のイタズラや誤食による事故を防げる
クレートで留守番をすると扉を閉めた状態なので、部屋での破壊行動や誤飲、危険な場所での事故を防ぐこともできます。留守番をすると、飼い主さんと離れることの不安や、ひとりで過ごす退屈から、普段はしないいたずらをしてしまうこともあります。クレートで留守番をすることで、物理的に困った行動を防ぐことができることも飼い主さんにとって大きなメリットでしょう。
来客や移動時にも落ち着くハウスになる
犬は警戒心の強い生き物です。見慣れない来客があると、吠え続けてしまう犬もいるでしょう。あまりに吠え続けていると来客の方へ申し訳ない気持ちになりますよね。
そのようなときにもクレートが活用できます。可能であれば上からタオルをかけて視界を遮断すると刺激が減り、愛犬も落ち着きます。ただし、まだクレートに慣れていない場合や、閉鎖的な空間が苦手な犬は、よりパニックになってしまう可能性もあるので愛犬の様子を見ながら使用しましょう。
移動時にもクレートを活用すると、愛犬の安心できる居場所をそのまま持ち運ぶことになるので、愛犬の不安な気持ちを軽減することができます。
愛犬と公共交通機関を利用する場合も、扉付きのクレートが必要となります。愛犬と一緒に旅行や帰省をする場合、頑丈で扉が付いているクレートは必須アイテムとなるでしょう。
また、災害時も扉付きのクレートがないと避難所へ連れていけない可能性が高いです。近年、自然災害が多くなっていることからも、普段からクレートに慣れておくと、いざというときにとても安心です。
犬がクレートでお留守番できるのは何時間?
クレートが安心できる居場所とはいえ、何時間留守番ができるのか気になりますよね。犬にも個体差があるため、一概には言い切れませんが、トイレの時間を基準に考えるといいでしょう。
成犬であれば、5~7時間排泄せず過ごすことができるので、7時間以内であればクレートでの留守番も可能になります。しかし、その場合は必ず給水機をつけ、水分補給ができるようにしましょう。トイレが近い犬や、排泄回数の多い子犬や高齢犬の場合はクレートでの留守番時間を短くするなど、愛犬の様子を観察することが重要です。
犬をクレートで留守番をさせるためのしつけ方
クレートを活用した留守番をするには、愛犬が自らハウスに入り安心して寝ることができ、扉を閉めた状態でも落ち着いて待てるようになることが理想です。いきなりクレートで留守番をしたり、無理やりクレートに入れると、苦手意識がついて二度とクレートに入らなくなることも。少しずつクレートに慣れ、クレートを好きになる練習をしましょう。
ご褒美を用意し、クレートに興味を持たせる
フードやおやつを使ってクレートの中まで誘導しましょう。誘導後、クレート内に入ったら新たにご褒美を追加し「クレートに入ると良いことがある」と犬がしっかりと感じることが大切です。
クレートの中にいる楽しみをつくる
愛犬がクレート内にいるときに、ずっとフードを追加し続けることは難しいため、中にいる楽しみを用意しましょう。おすすめなのは、フードやおやつを詰めることができる知育玩具や、長く楽しめる固いガムです。
クレートに慣れたら扉を閉める練習をする
クレートに慣れ、楽しい場所と認識するようになったら、扉を閉める練習を少しずつ行いましょう。愛犬がご褒美に夢中になっている間にそっと扉を閉めます。扉を閉められることが苦手な犬もいるので、半分だけ閉める練習をしてから、完全に扉を閉めていくなど、少しずつ無理のないペースで行うことが大切です。
このとき、扉をガリガリとかいたり、吠えたりしているときには扉を開けないことが重要です。大人しくしているときに扉を開けてしっかりと褒めましょう。
寝床としてる使っているベットやマットをクレートに入れる
留守番時にぐっすりと寝てくれると安心ですよね。そのため、クレートを寝床として使うこともおすすめです。今寝床として使っているベットやマットをクレート内に入れると安心して眠るようになります。その場合、普段よく寝ている場所や気に入っている場所にクレートを置くと、より居心地良く感じるでしょう。
犬にクレートで長時間の留守番をさせるときの対策
飼い主さんの仕事や都合によっては、長時間の留守番になることもあると思います。少し工夫するだけで、長時間でもクレートを活用した留守番ができるようになりますよ。
ケージやサークルを併用する
クレート内では、トイレをすることができません。そのため長時間の留守番になる場合は、柵でサークルを作り、安全を確保したスペースの中にトイレ、扉を開けたクレートを設置して、自由にクレートへ出入りできるようにしておくのもおすすめです。
ただし、クレートの上に乗り、柵から脱走してしまう可能性があるため、サークルやケージには必ず屋根をつけておきましょう。クレートを自分の居場所と理解している場合は、サークル内であっても落ち着きたいときに自らクレートに入るようになりますよ。
事前に運動してから犬をクレートに入れる
クレートでの留守番に限らず、長時間の留守番になる場合は事前に散歩など運動をして、しっかり発散してから留守番するといいでしょう。飼い主さんの都合上、散歩が難しい場合は、室内で引っ張り遊びやボール遊びをするのもおすすめですよ。
運動した後に食事を与えると眠たい状態を作ることができ、留守番の間に眠ってくれるので、いたずらなど破壊行動が減り、留守番の成功率が上がりやすいです。
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まとめ
移動時にはよく使うクレートですが、工夫次第で室内で日常的に活用することもできます。人と暮らしていると、愛犬のお留守番時間はどうしても長くなってしまうため、留守番の時間が少しでも快適に過ごせるようクレートを活用してみてくださいね。