犬に使うブラシの選び方
ワンちゃんに使うブラシの選び方には、以下に挙げる2つの方法があります。
ブラシの特徴で選ぶ
犬用ブラシは、大きく分けて6種類あります。
それぞれブラッシングで使うことで得られる効果が異なるため、愛犬の被毛の状態などに合わせて選ぶ必要があります。
スリッカーブラシ
スリッカーブラシは大きな毛玉を少しずつほぐすことができます。そのため、抜け毛により毛玉ができやすい換毛期に使うことがおすすめです。
ただし、ブラシの先端が鋭いことから、強くブラッシングすると、皮膚を傷つけてしまうリスクもあります。
獣毛ブラシ
獣毛ブラシは、豚毛や馬毛でできた犬用ブラシです。
ブラッシングで使用することで、被毛の細かい汚れを除去し、被毛の艶出し効果があります。
ラバーブラシ
ラバーブラシは、ゴムシリコンでできた皮膚に優しいブラシです。
皮膚への刺激を抑え、柔らかいゴムで被毛をブラッシングすることで、毛並みを整えるだけでなく、マッサージ効果も期待できます。
ピンブラシ
ピンブラシはブラシの先端が丸くなっているため、ブラッシングで皮膚を傷つけてしまうリスクを抑えることができます。
ブラッシングを嫌がって暴れてしまうワンちゃんにおすすめです。
グルーミンググローブ
グルーミンググローブは、手袋にシリコン製の突起物がついている手袋型のブラシです。
手袋をはめた状態で、ワンちゃんの体を撫でてあげることでブラッシングすることができます。
コーム
コームは毛玉をほぐし、毛並みを整えることに適しています。
また、ブラッシングの仕上げに毛玉や絡まりがないか確認して全体を整えることもできます。
ブラシに対する警戒心が強い子には、手袋をはめた状態で撫でることでブラッシングができるためおすすめです。
犬種や被毛の種類で選ぶ
ワンちゃんの犬種や被毛の種類によって、適しているブラシは異なります。
愛犬の犬種や被毛の種類でブラシを選ぶ場合は、以下の内容を参考にしてみてください。
シングルコート・短毛種
被毛の種類がオーバーコートのみ(シングルコート)で、短毛種に該当する犬種では「獣毛ブラシ」「ラバーブラシ」「グルーミンググローブ」が適しています。
〈シングルコート・短毛種の犬種〉
- ショートヘアチワワ
- ミニチュアダックスフンド
- イタリアングレーハウンド
- ドーベルマン
シングルコート・長毛種
被毛の種類がオーバーコートのみ(シングルコート)で、長毛種に該当する犬種では「スリッカーブラシ」「ピンブラシ」「コーム」が適しています。
〈シングルコート・長毛種の犬種〉
- トイプードル
- マルチーズ
- パピヨン
- ヨークシャーテリア
ダブルコート・短毛種と長毛種
被毛の種類がオーバーコートとアンダーコート(ダブルコート)で、短毛種と長毛種に該当する犬種では「スリッカーブラシ」「ラバーブラシ」「ピンブラシ」「グルーミンググローブ」「コーム」が適しています。
〈ダブルコート・短毛種の犬種〉
- 柴犬
- ミニチュアシュナウザー
- ラブラドールレトリバー
〈ダブルコート・長毛種の犬種〉
- ロングコートチワワ
- ポメラニアン
- シーズー
犬にブラシをかける効果
愛犬にブラッシングすることで得られる効果は以下のものが挙げられます。
体の清潔が保てる
散歩などで被毛に付着しやすいノミやダニといった寄生虫、ほこりや花粉などの目に見えない細かい汚れを除去して体を清潔に保つ効果があります。
部屋に落ちる抜け毛を減らせる
ワンちゃんの被毛は犬種による違いがあるものの、基本的には休止期と成長期を繰り返し、絶えず生え替わって、抜け毛が落ちます。
そのため、定期的なブラッシングをすることで部屋に落ちる抜け毛の量を減らすことができます。
病気やケガの早期発見ができる
ワンちゃんにブラシをかけて、体の特定の部位だけ嫌がったり痛がったりする場合、愛犬の体に何らかの異常が起きている可能性があります。
ブラッシングをすることで、病気やケガの早期発見ができる効果があるのです。
愛犬とのコミュニケーションをとることができる
多くの飼い主さんは、愛犬に優しく声をかけて、体を撫でるようにブラッシングをするでしょう。
このような時間は、愛犬と飼い主さんのコミュニケーションの一つになります。
犬用ブラシのおすすめ人気商品10選
愛犬にぴったりなブラシの選び方をご理解していただいた後は、具体的におすすめの犬用ブラシをご紹介していきます。
WIDREAM ボタンを押して簡単に抜け毛が取れるスリッカーブラシ(短毛~中毛種用)
スリッカーブラシ は、名前の通りボタンを押すだけでブラシに付着した抜け毛を取ることができる短毛種から中毛種用のブラシです。またこの商品は、スリッカーブラシとしては優しい、ピン先端が丸形加工設計でワンちゃんの皮膚を傷つけにくいという特徴があります。
ペティオ プレシャンテ ソフトスリッカーブラシ(長毛種用)
長毛種の細い毛を優しくブラッシングして、抜け毛やもつれを除去できるスリッカーブラシです。愛犬が長毛種で、スリッカーブラシを探している方にはおすすめです。
ONS 高級豚毛ブラシ 中
天然の豚毛を使用した短毛種・長毛種のどちらにも使える獣毛ブラシです。こちらの商品はサイズが小・中とあります。愛犬が小型犬以上であれば、サイズは中の方がより広い範囲をブラッシングでき、使い勝手が良くておすすめです。
ONS 高級豚毛ブラシ 小
愛犬がチワワなどの体が小さいワンちゃんであれば、小さいサイズの獣毛ブラシがおすすめです。
ペティオ プレシャンテ ダブルラバーブラシ
ワンちゃんの肌にフィットするラバーブラシです。抜け毛取り用の短いブラシとマッサージブラシの2種類の機能があり、用途別に使い分けられます。
ペティオ プレシャンテ ピンブラシ
ピン先が球状になっているため、ワンちゃんの肌に優しいピンブラシです。ブラッシング嫌いで、スリッカーブラシなどでは暴れて肌を傷つけてしまう可能性があるワンちゃんにはおすすめになります。
DELAMU グルーミンググローブ
手にはめて、愛犬を撫でるようにブラッシングすることで抜け毛を除去し、マッサージ効果もあります。
ペキュート コームブラシ(小型犬・中型犬用)
小型犬・中型犬の被毛に付いた汚れや毛玉、抜け毛をステンレス刃でブラッシングすることで除去できます。握りやすいグリップのため、力を入れずに使えるコームブラシです。またブラシに絡まった抜け毛はワンタッチで取り除けます。
Hama zone コームブラシ(大型犬用)
こちらは先ほどのコームブラシとほぼ同じ特徴を持ちながら、大型犬のサイズのコームブラシになります。こちらの商品もワンタッチでブラシに絡まった抜け毛を除去できます。
ペティオ プレシャンテ 持ち柄付き粗め&細めコーム
粗めと細めのピンに上下分かれているコームです。粗めピンで毛玉のときほぐしや毛並みを整え、細めピンでブラッシング仕上げのもつれや毛玉を確認できます。
またワンちゃんの肌に優しい丸形ピンで、コームの持ち柄にはグリップ付いているため、ワンちゃんと人間の双方に優しい設計となっています。
犬にとって気持ちいいブラシの仕方
犬のブラッシングの頻度や手順をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
ブラッシングの頻度
ワンちゃんのブラッシングは、基本的には毎日することが望ましいです。愛犬の被毛の種類や状態に合わせてこまめなブラッシングを心掛けしましょう。
ちなみに、子犬の場合には生後2~3カ月頃からブラッシングを始めて慣らしていくことが大切です。
被毛の種類ごとのブラッシング頻度
〈長毛種〉
長毛種は毛が絡まりやすく、もつれや毛玉になりやすいです。そのため、できれば毎日ブラッシングしてあげましょう。
〈短毛種〉
短毛種は長毛種に比べると、もつれや毛玉になりにくいです。しかし、最低でも週に2~3回はブラッシングする必要があります。
また短毛種でも柴犬やラブラドールレトリバーには換毛期があり、抜け毛と新しく生えた毛の二重構造になることで蒸れやすく、皮膚炎を発症する可能性が高まります。
換毛期には、抜け毛処理として積極的なブラッシングをおすすめします。
ブラッシング手順
基本的なブラッシングの手順は以下のとおりです。犬用ブラシの取扱説明書に従ってブラッシングを行ってください。
1.ブラッシングを行う姿勢をとる
落ち着いてブラッシングを行えるように、テーブルの上に立たせるか、座って抱きかかえるような体勢をとります。
2.体をスリッカーブラシでブラッシングする
スリッカーブラシの柄を鉛筆持ちして、毛の根元にブラシを軽くあてて、そのまま毛先に向かってとかしていきます。
ちなみに、ブラシを握りしめずに鉛筆持ちをする理由は、余計な力が入って皮膚を傷つけてしまうことを防ぐためです。
3.手足をスリッカーブラシでブラッシングする
体と同様に足元から上に向かって少しずつブラッシングしていきます。
4.首周りと頭をスリッカーブラシでブラッシングする
顎下の毛を持って顔を固定しながら、首回りや頭をブラッシングします。
5.顔まわりをコームでブラッシングする
顔のまわりの毛はコームの細かい目の方でブラッシングします。
また目や鼻に近いところをブラッシングする際は怖がってしまうこともあるので、愛犬の状況に合わせてゆっくり行いましょう。
6.コームでブラッシングされていないところを確認する
毛をかき分けながら、根元からゆっくりコームで毛をとかしていきます。
毛をとかしている最中に、引っかかりを感じたところはブラッシングが足りない部分です。スリッカーブラシでブラッシングし直しましょう。
犬用ブラシの取り扱いに関する注意点
愛犬をブラッシングする際には、以下の犬用ブラシの取り扱いに注意して行いましょう。
ブラッシングを嫌がるときに無理に行わない
ワンちゃんによっては、被毛をブラシでとかす際の痛みや刺激がどうしても苦手な子がいます。
その場合には、よりブラッシング嫌いにならないように無理に行うことは避けてください。
まずは、ワンちゃんがブラシに慣れるようにブラシを見せることや触れさせて、ブラシが怖いものではないことを教えることから始めてみてください。
慣れてきたら、少しずつブラシで被毛を撫でるようにブラッシングを始めてご褒美のおやつを活用してみてもよいと思います。
皮膚の弱いところを傷つけないようにする
ブラッシングは適度な力加減で行わないと、ワンちゃんの皮膚を傷つけてしまう可能性があります。
ブラッシングを行うときは、飼い主さんも少し力を抜いてリラックスして行いましょう。
特にスリッカーブラシを皮膚の傷つけやすい部位に使う場合や、目元など皮膚が弱い部分をブラッシングする際は、注意が必要です。
犬用ブラシは使用後に必ずお手入れをする
犬用ブラシはワンちゃんの抜け毛や皮脂が付着するため、細菌が繁殖しやすいです。そのため、定期的なお手入れが必要です。
犬用ブラシのお手入れ方法
代表的な犬用ブラシの種類別の一般的なお手入れ方法をご紹介します。基本は購入したブラシの取扱説明書に従ったお手入れをしてください。
〈スリッカーブラシ・ピンブラシ〉
スリッカーブラシとピンブラシの使用後は、ブラシの毛に対して垂直にコームを当てて、抜け毛を除去します。その後、軽く水洗いしてからしっかり乾燥させてください。
〈ラバーブラシ・グルーミンググローブ〉
ラバーブラシの使用後は、絡めとった抜け毛を掃除機で吸引するか、水洗いして除去しましょう。
〈獣毛ブラシ〉
獣毛ブラシの使用後に付いたゴミや抜け毛は、専用の隙間ブラシや爪楊枝などを使い取り除いてください。
また獣毛ブラシのお手入れでは、なるべく水や洗剤は使わないようにしてください。
獣毛ブラシに水や洗剤が付くことで、特有の臭いの発生やブラシの毛や持ち手の素材が傷む可能性があります。
〈コーム〉
コームは絡まった抜け毛を取り除き、水洗いしてからよく乾燥させてください。
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まとめ
今回は犬用ブラシの選び方からブラシの使い方までを詳しくご紹介しました。
犬用ブラシを選ぶ基準は、大きく分けて6種類のブラシの特徴から選ぶ方法と犬種・被毛の種類をもとに選ぶ方法があります。
またワンちゃんにブラッシングすることは、体の清潔が保たれることや病気やケガの早期発見、愛犬とのコミュニケーションの時間になるといったたくさんのメリットがあります。
ぜひ愛犬に合うブラシを選んで、今回紹介した手順を参考に、注意点にも気を付けながら行ってみてくださいね。