元気な柴犬がご飯食べないときの理由と対策
柴犬は偏食になりやすい犬種だといわれています。原因はその子によって様々で、頭を悩ませている飼い主さんも多いでしょう。ただの好き嫌いなら問題ないのですか、病気やストレスが隠れている場合では重篤化することもあり放置できません。
また、普段から偏食で食べムラがあると、病気にかかったときに早期発見の手掛かりを失ってしまうことになります。そのため柴犬がご飯を食べない原因を解明し、対策することが重要です。
柴犬がご飯を食べない原因としては、以下のことが考えられます。
- わがまま
- 病気
- ストレス
- ご飯に集中できない
- ご飯に魅力を感じない
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柴犬がご飯を食べない理由:わがまま
頭がいい柴犬は実は少し頑固なところがあります。そのため飼い方次第ではわがままになることもあります。
柴犬がご飯を食べないとき、食べるまで食器をそのまま放置している飼い主さんは多いでしょう。さらにご飯が残っているのも関わらずおやつを与えていませんか?
柴犬は「ご飯はいつでも食べられるし、何なら食べなくてもいい」とわがままになり食事を食べなくなります。しかしそれでは必要な栄養素が足りません。
そんな柴犬がご飯を食べないときの対策方法は「時間内に食べなければ片付ける」です。このしつけは「今食べなければ食べられない」ことを理解してもらう目的で行います。
【しつけ方】
- いつも通り食事を準備し、30分経っても食べないようなら片付ける
- 次の食事まではおやつも与えない
<やってはいけないこと>
生後3ヶ月未満の子犬とシニア犬には行わないこと
- 子犬は低血糖になりやすく、食事を食べないだけでもダメージが大きい。
- シニア犬は食事を摂らないことで体に負担がかかるため。
健康な成犬であれば、1~2日食べなくても新鮮な水さえあれば問題はありません。まずは2日間を目安で行ってみましょう。
多くの柴犬は1度や2度ではうまくいかないと考えられます。愛犬の体調を見ながらあきらめずに続けてください。
柴犬がご飯を食べない理由:病気
柴犬がご飯を食べない理由で一番気を付けたいのが病気のサインです。多くの疾患においてご飯を食べない症状がみられます。
【内臓疾患(腎不全、肝炎 心疾患など)】
主な症状:食欲不振、元気喪失、咳、呼吸が早い、尿の異常、黄疸や震えなど
【口腔疾患(口内炎、歯周病など)】
主な症状:食欲不振、口臭、歯の汚れ、歯茎の腫れなど
【寄生虫による感染症(回虫症、フィラリア症など)】
主な症状:食欲不振、咳、チアノーゼや呼吸困難、下痢、嘔吐など
【消化器疾患(胃腸炎など)】
主な症状:食欲不振、元気がない、衰弱、下痢、嘔吐、血便など
ご飯を食べないことに加え、「下痢や嘔吐をしている」「食べ物を全く受け付けない」「元気がない」などが現れているのであれば、動物病院で診てもらう必要があります。
特にシニア期だと病気に気付かず重症化するケースが多くみられます。愛犬が老犬の場合は食欲に注意しておかなければいけません。
一方で元気がありうんちやおしっこもいつも通り、食欲も食べムラや全部食べないで少し残す程度であれば2~3日様子をみてもいいでしょう。
<対策方法>
病気による食欲不振を予防することはできません。ただし定期的な予防接種や投薬で寄生虫による感染症を防ぐことはできます。病気による食欲不振にならないよう、予防接種は忘れずに行いましょう。
<やってはいけないこと>
愛犬がご飯を食べなくて心配になる気持ちはわかりますが、食べたがらない犬に無理やり食べさせるのは危険です。原因が「腸閉塞」「胃捻転」「誤飲や誤食」である場合、命に係わる恐れがあります。
病気が疑われるような時には自己判断せず、獣医師に相談することが重要です。
柴犬がご飯を食べない理由:ストレス
柴犬は独立心が強く気難しいところがあります。そのためストレスをため込みご飯を食べなくなることがあります。柴犬のストレスの原因とならないために、やってはいけないこととして次のようなものがあげられます。
【過不足なスキンシップ】
柴犬は過度のスキンシップでストレスを感じるケースがあります。その子の性格にもよりますが、基本的に柴犬はべたべたされるのが嫌いです。
一方スキンシップが少なすぎることも寂しさや不安からストレスにつながります。愛犬に合わせたバランスでちょうどいい距離感を保ちましょう。
【環境や場所の変化】
柴犬は変化に対応することが苦手です。初めてのトリミングサロンやペットホテル、引っ越しや同居人が増えたなどの環境の変化は慣れるまでに時間がかかりストレスになります。
案外気づきにくいのですが、食事の場所や容器、寝床などを急に変えるだけでもストレスになることがあるので注意が必要です。
【初めてで長時間の留守番】
柴犬で耳にすることが多いのが留守番での問題行動です。初めてで慣れない留守番でのストレスが原因で起こります。
<対策方法>
環境の変化や留守番などでは最初に慣れさせておくことがストレスを軽減させることにつながります。
- 留守番はいきなり長時間ではなく、短時間から留守番の時間を延ばしていく
- 初めてのトリミングサロンではいきなりシャンプーやカットなど長時間コースではなく、爪切りや耳掃除など短時間から
- 長期で初めてのペットホテルを利用する予定があれば、1日だけの利用から徐々に延ばして慣らしておく
など時間をかけて慣れさせましょう。
柴犬がご飯を食べない理由:ご飯に集中できない
柴犬は神経質な一面があります。柴犬がご飯に集中できない理由として「騒がしい」「季節の変わり目」があげられます。
【集中できない理由1:騒がしい】
例えば玄関やテレビがある居間などは人の出入りが多い場所です。人通りが多く話し声やテレビの音が聞こえてきたら意識はそっちに持っていかれ、だらだら食いの原因にもなります。
【集中できない理由2:季節の変わり目】
すべての柴犬に当てはまるわけではありませんが、特に外で飼育されている子は季節によって食べないことがあります。
「春から夏」
寒い時期に蓄えた脂肪を落とそうとする
「春・秋」
メスの発情期の影響でホルモンの働きにより食欲低下
「夏」
暑いため夏バテが原因
<対策方法>
愛犬がご飯を食べるときの環境を見直してみましょう。騒がしいのが原因であれば、ご飯を食べるのは静かで人の出入りがない部屋にします。
部屋には安心できるケージやクレートを設置し、その中で食べさせてもいいでしょう。それでも集中できないようなら、ケージやクレートの周りをタオルなどで覆うと落ち着きを取り戻せます。
また老犬になると足腰が弱ることからご飯を食べるのも大変です。食べやすいように工夫することも大切です。
体高に合った食事台や、斜めに固定できるフードボウル、重心がかかる前足の下に滑り止めマットなど、使用すると、老犬でも集中してご飯を食べることができます。
<やってはいけないこと>
別の部屋だとご飯を食べたかどうか気になるところですが、出入りは禁物です。できるだけその部屋付近の行き来がないようにすると集中力も切れません。当然愛犬の食事中は声を掛けないようにし、ご飯を食べ終わるまでは集中させることが重要です。
柴犬がご飯を食べない理由:ご飯がそそらない・魅力を感じない
柴犬は食への興味が薄い子が多いといわれています。柴犬がご飯を少しだけ食べてやめてしまうような場合は、お腹がすいているけど食事が気に入らないということがあります。
この食べ渋りの要因には2つ考えられます。
【餌が大きすぎる】
餌が食べづらくてご飯を嫌がるケースです。食べづらい原因には餌の大きさが関係します。好みの餌の大きさには個体差がありますが、一般的には犬歯より小さいサイズの餌が食べやすいといわれています。また餌の大きさの他にも食感が気に入らない場合もあります。
【匂いが好みではない】
犬は匂いで判断します。実は肉が好きだけど魚のドッグフードが準備されたなど、使われている主原料が好みではない場合があります。
<対策方法>
ご飯を魅力的にする方法として「ドッグフードをふやかす」「ふりかけなどをトッピングする」「たくさん運動させる」があげられます。
【ドッグフードをふやかす】
シニアの場合、フードが固くて食べないことが考えられます。フードをふやかすことで食べるようになる可能性があります。
また味覚や嗅覚の衰えから興味がわかないこともあります。ふやかしたフードは温めることで香りが立つため、シニアで食が細くなった子には有効です。
【ふりかけなどをトッピングする】
匂いで判断するのであれば嗜好性が高い香りをフードに混ぜましょう。ささみや豚、チーズのふりかけもあり、愛犬が好む匂いで食欲をそそります。
その日によって使い分けてもいいですね。
【たくさん運動させる】
たくさん運動するとお腹がすくのは犬だって同じです。たくさん運動させておなかをすかせた状態だと、食に対する興味も強まるでしょう。くわえて飼い主さんとのコミュニケーションも取れてストレス値も下がり、いいことずくめです。
<やってはいけないこと>
急に運動をすることで関節に負担がかかります。特にシニア犬は関節炎にかかりやすいため、愛犬の様子を見ながら運動をしましょう。適正体重より重い柴犬でも同様に関節に負担がかかっています。無理をしないよう注意が必要です。
柴犬がご飯を食べないときはドッグフードを変えてみる
健康な柴犬がご飯を気に入らないという理由で食べないのであれば、同じフードを食べさせるようにするのは困難だと考えます。そんな時はドッグフードを変えるのも方法のひとつです。
以前は犬が好き嫌いをするようになるため、ドッグフードをこまめに変えることはNGとされていました。
しかし、現在ではアレルギー予防や食わず嫌い防止で、フードをこまめに変えたりローテーションすることがすすめられています。
最近は嗜好性が高いドッグフードが多く販売されていますので愛犬の好みのフードを選ぶことは可能でしょう。ドッグフードに手をくわえたりフード自体を変更などして、愛犬に合った方法が見つかるといいですね。