犬のシャンプーの頻度は「月に1~2回」
健康な犬の場合、一般的に、シャンプーの頻度は月に1~2回です。月に1~2回の頻度が良い理由は、ノミやダニ、皮脂、フケなどが溜まり、臭いの原因になり不衛生だからです。また、皮脂や汚れを洗わないで放置すると、アトピー性皮膚炎、脂漏症、膿皮症、真菌症(皮膚糸状菌症)などの皮膚病を発症する可能性もあります。
ただし、皮膚トラブルによって痒みや炎症を起こしている場合は、動物病院で診察を受け獣医師の指示に従って、シャンプーの頻度を調整しましょう。また、犬種や年齢によっては、月1~2回の頻度だと体に負担がかかってしまうこともあるので、愛犬の状態に合わせてシャンプーを行う必要があります。
毎日シャンプーする人間にとっては、月1~2回では少なくないの?と思うかもしれません。しかし、洗いすぎると、犬の皮膚を守るために必要な皮脂まで洗い流してしまう可能性があります。また、シャンプー剤に含まれる薬剤によって、痒みや炎症、肌荒れを引き起こすこともあります。基本的に、犬のシャンプーの頻度は月に1~2回で、愛犬の状態に合わせて行いましょう。
年齢による犬のシャンプー頻度の違い
犬のシャンプーの頻度は、基本的に月に1~2回ですが、年齢によっては洗いすぎで体に負担をかけてしまうことがあります。そのため、愛犬の状態に合わせて頻度を変える必要があります。ここでは、子犬、成犬、老犬に分けて、シャンプーの頻度の違いを紹介します。
子犬のシャンプーはワクチン接種が終わってから
子犬の体にとってシャンプーは大きな負担となるので、生後2ヶ月頃までは控えましょう。体がひどく汚れている時は、その部分だけお湯で素早く洗ったり、濡れたタオルで拭き取ったりしてあげると良いです。生後3ヶ月頃にワクチンを打ちますが、1回目のワクチンを接種した後に、体が濡れることに少しずつ慣れさせて、シャンプーを始めていきます。
子犬のシャンプーの頻度は、成犬と同じで月に1~2回です。ただし、ワクチンを接種した直後は体調を崩しやすくなるので、様子を見るためにも、1週間程度はシャンプーを控えてください。また、トリミングサロンでシャンプーを受けるのは、3回目のワクチンの接種が終わってからにしましょう。
成犬のシャンプーは月に1~2回
生後7ヶ月~6歳頃までの成犬のシャンプーの頻度は、基本的には月に1~2回程度です。あまり頻繁に洗うと、必要な皮脂まで落としてしまい、乾燥しやすくなります。そうすると、外的な刺激に弱くなり、皮膚の状態がかえって悪くなってしまうので、シャンプーは1ヶ月に1~2回を目安にしましょう。ただし、汚れ具合や皮膚の状態、短毛種や長毛種など犬種によって、シャンプーの回数を調整してください。
老犬のシャンプーは2ヶ月に1回
7歳以上の老犬のシャンプーは、2ヶ月に1回程度の頻度で行いましょう。老犬になると、体力や筋力が衰えてくるので、長時間シャンプーしたりドライヤーをかけたりすると、体に大きな負担がかかってしまいます。
そのため、それほど体の汚れが気にならない場合や体調が悪い場合は、シャンプーしなくても濡らしたタオルで体を拭くだけでも問題ありません。ただし、高齢犬でも健康に問題なく元気な場合は、成犬と同じように、シャンプーを月1回程度行っても大丈夫です。
犬種によってシャンプーの頻度は違う?
犬のシャンプーの頻度は、犬種によっても違ってきます。ここでは、犬種別のシャンプーの頻度やシャンプーする際の注意点を紹介します。
長毛種
マルチーズ、ミニチュアシュナウザー、ポメラニアン、トイプードル、ゴールデンレトリバーなど被毛の長い長毛種は、シャンプーの頻度を多めにしましょう。なぜなら、汚れが長い毛に絡まりやすいので、日頃からブラッシングを行っていても、簡単には取り除けないからです。また、シャンプー後にドライヤーで乾かす時は、毛玉にならないようにブラッシングしながら行いましょう。
短毛種
ミニチュアダックスフンドやミニチュアピンシャーなどの短毛種は、シャンプーの頻度を少なめにしましょう。皮膚を守る被毛が短くて皮膚トラブルにかかりやすいため、刺激の少ないシャンプーを選ぶことも大切です。
ダブルコート
柴犬、コーギー、シーズー、チワワなどのダブルコートの犬種は、換毛期があるため、抜けた毛を除去する目的で、シャンプーの頻度を少しだけ多くしても良いでしょう。ただし、洗いすぎると皮膚が乾燥してしまうので、多くても月3回程度に抑えましょう。
また、シャンプーの泡が根元までしっかりと行き渡るように、シャンプーする前にはブラッシングを行って、不要なアンダーコートを取り除きましょう。シャンプーする際も、皮膚と毛の間に泡が十分に届くように、よく濡らしましょう。
短頭種
フレンチブルドッグやパグなど鼻が短い短頭種は、他の犬種と比べて、皮脂の分泌量が多く、顔に深いしわがありその数も多いため、シャンプーの頻度は多くなります。皮脂を洗い流すためには、洗浄力の高いシャンプーを使いましょう。
ただ、顔のしわには、皮脂や汚れ、ホコリなどが溜まりやすいですが、鼻が低いため洗うのを嫌がる子も多いです。コットンやガーゼ、スポンジなどにお湯を含ませて、シャンプーを拭って洗い流すと良いです。
犬の上手なシャンプーの仕方6ステップ
犬のシャンプーは、汚れや臭いを取り除くために必要ですが、正しいやり方を知っていないと、皮膚トラブルの原因になる可能性もあります。ここでは、上手なシャンプーのやり方を注意すべきポイントを織り交ぜながら紹介します。
ステップ1:ブラッシングして体を濡らす
シャンプーを皮膚にしっかりと浸透させるために、シャンプー前にスリッカーブラシでブラッシングして、毛に付いた汚れやもつれを取っておきます。全身ブラッシングできたら、シャワーで濡らしていきます。お湯の温度は、夏場は35~36℃程度、冬場は37~38℃程度です。
愛犬が動かないように体を片手で支えます。シャワーの音をできるだけ抑えるために、体に軽く押し付けてお湯をかけましょう。シャワーで濡らすのは、顔から遠いお尻や後ろ足から行い、背中→胸→前足→顔の順番でかけていきます。被毛だけでなく、地肌までしっかりと濡らしましょう。
顔周りを嫌がる場合も、シャンプーの前にしっかりと濡らしておかないと、固まった目ヤニをきれいに取り除けません。シャワーを嫌がるようなら、タオルやスポンジにお湯をたっぷりと含ませて、絞りながら濡らすと良いです。
ステップ2:シャンプーをする
シャワーで濡らしたのと同じ、お尻から顔の順番にシャンプーしていきます。シャンプー剤は、犬の体に直接塗るのではなく、手で泡立てたり洗面桶の中で泡立てたりしてから使います。洗う時は、指の腹で優しく地肌をマッサージしながら馴染ませます。使用するシャンプーは、必ず犬用のシャンプーを使ってください。犬用の中にも、全犬種用、長毛種用、短毛種用などがあるので、愛犬に合ったシャンプー剤を選びましょう。
ステップ3:洗い流す
シャワーで洗い流す際は、シャンプーで洗う順番とは逆に、顔から後ろ足、お尻に向かって洗っていき、できるだけ顔に泡が付いている時間を短くしてあげましょう。顔を洗い流す時は、顔を少し持ち上げて、シャワーヘッドをピッタリと密着させると、鼻にお湯が入りません。
シャンプーが顔に残ると、目にシャンプーが入って赤くなったりしょぼついたりしてしまいます。全身を洗い流した後に、もう一度目をすすいでおきましょう。また、脇、お腹、足の裏、お尻の周りなどは、流し忘れやすいのでしっかりと流しましょう。皮膚にシャンプー剤が残っていると、皮膚トラブルの原因になります。
ステップ4:リンスも行う
リンスは、シャンプーによってアルカリ性になった皮膚や被毛を弱酸性に戻す効果があり、静電気防止にも繋がります。洗面桶の中にリンスを入れてお湯で薄め、体全体にゆっくりとかけていき、指の腹でマッサージしながら浸透させます。リンスは顔にかけなくて良いので、顔以外にかけたらシャワーで洗い流します。
ステップ5:タオルで水分を拭き取る
濡れた体をバスタオルで拭きますが、その前に、愛犬にブルブルと身震いさせると、ある程度水分が飛んでタオルで拭くのがラクになります。身震いしない場合は、耳に息を吹きかけると、くすぐったくてブルブルしてくれます。その後、タオルでしっかりと拭きます。
ステップ6:全身しっかと乾かす
全身の水分をタオルで拭き取ったら、ドライヤーで乾かします。まず、内臓を冷やさないようにお腹からドライヤーを当てます。そして、背中→体→四肢→顔→耳→尻尾の順に乾かしていきます。ドライヤーで乾かす時に、ドライヤーを動かしたり手櫛をしたりするだけでは、半乾きや毛玉になってしまいます。半乾きだと、皮膚炎になったり臭いの原因になったりしてしまいます。
しっかりと乾かすためには、スリッカーブラシを使い、一ヵ所ずつ根元から毛先に向かって乾かしていきましょう。長毛種は、フワフワできれいな毛に仕上がります。顔を乾かす時は、ドライヤーを近づけすぎるとヤケドをしてしまうので、風量を弱めてください。風が当たるのを嫌がる場合は、愛犬の正面からではなく後ろから当てると良いです。
一通り乾かしたら、ドライヤーの温度を下げて、乾かし残しがないように全体に風をあてたら終了です。犬にとってシャンプーとドライヤーは、体力が消耗し緊張感もあるので、ゆっくりと休ませてあげましょう。
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まとめ
犬のお手入れは、日頃のブラッシングに加えて、定期的にシャンプーを行う必要があります。シャンプーをしっかりと行わないと、臭いの原因になったり皮膚病につながったりしてしまいます。また、間違った方法でシャンプーを行うと、愛犬の健康を害してしまう可能性もあります。愛犬に合ったシャンプー剤を使って、正しい方法でシャンプーを行いましょう。
シャンプーを行う頻度も大切です。基本的に月に1~2回程度ですが、犬種や年齢によって違ってくるので、愛犬に合った頻度を確認しましょう。逆に、シャンプーをしすぎると、大切な皮膚バリアまで洗い流してしまい、乾燥や痒みの原因になります。愛犬がいつも快適で清潔に過ごせるために、正しいシャンプーのやり方を覚えましょう。