犬の目やにの取り方
目やにの取り方を解説していきます。目やには放っておくと、大きな塊になっていきます。時間が経って固まってしまうと取れにくくなり、更に細菌が繁殖してニオイの原因にもなります。
酷いときには目の周りの脱毛や皮膚の炎症を引き起こし、犬が目を気にして自分で傷つける恐れもあります。大きな塊となった目やにを取るのは犬にとっても負担です。時間が経って固まる前に自宅で目やにを取ってしまいましょう。
目はデリケートな部分でもあるので、目やにを取るときは目を傷つけないように細心の注意を払ってください。また、ゴミや細菌を入れてしまわないように手を消毒して清潔にした道具を使用しましょう。
基本的な目やにの取り方
ぬるま湯で湿らせたコットンまたは蒸しタオルを使い、犬の眼球に触れないように優しく目やにを取ります。目頭から目尻に沿って拭いてください。犬用の目やに取りシートや目やに除去ローションを使用するのも良いでしょう。
医療用ガーゼもおすすめです。ティッシュやウェットティッシュは繊維の目が粗く硬いので、眼球を傷つける恐れもあり、目の周りの皮膚にも優しくないため使用は避けてください。
こびりついた目やにの取り方
塊になっている目やには、少しずつふやかしながらノミ取りコームを使って取ります。コットンかタオルに多めの水分を含ませて、トントンと軽く当てながら目やにをふやかしていきます。目やにがふやけたら、ノミ取りコームを使って、目頭から鼻先に向かって目やにを取ります。
このときに、犬の目を傷つけないようにコームの先端を眼球に向けないようにしてください。コームが引っかかる場合は、十分に目やにがふやかせていないということなので、無理に引っ張るようなことはせずに再度ふやかしましょう。
シャンプーに入れるタイミングであれば、目やにはふやかしやすいです。シャワーで直接目やにをふやかしてコームで取るか、シャワーをあてながら指でやさしく溶かして洗い流すと簡単です。
目の中にある目やにの取り方
目の中の目やには洗い流しましょう。犬のまぶたを優しく持ち上げるようにして洗い流していきます。犬用の点眼薬があればそれを使ってください。点眼薬がない場合は、スポイトやシリンジにぬるま湯を入れて洗い流します。道具の先端が目に触れないように気を付けましょう。
洗い流したあとは、目の周りをコットンやタオルで綺麗に拭いてあげてください。人間用の点眼薬は刺激が強くて害になるものもあるので、使わないようにしましょう。
犬が目やに取りを嫌がる時の対処法
- 高くて面積が狭いところに乗せる
- 後ろから目やにを取る
- タオルで包む
- 少しずつ慣らしていく
暴れないように高くて面積が狭い場所に乗せる
床で目やに取りをやると激しく暴れてしまう場合には、高くて面積が狭いところに乗せてみましょう。背の高いイスやテーブル、アイロン台、洗濯機の上に乗せても良いです。
「おすわり」や「まて」などコマンドを使って落ち着かせましょう。高くて面積が狭いところだと逃げ場がないので大人しくなる犬もいます。
高いところへ乗せるときは、犬が落ちないように細心の注意を払ってください。心配な場合は落下防止に、犬にリードをつけて飼い主が持っておくか近くにリードを結べるところがあると良いでしょう。
犬の後ろから目やにを取る
正面から手や道具を目に近づけると警戒したり怖がったりして嫌がる犬も多いので、犬から見えないように背中側にまわって目やにを取ります。
「おすわり」または「ふせ」をさせた状態で声をかけながら落ち着かせて犬の背中側にまわります。後ろから犬の顎を軽く持って、少し上を向かせるようにすると目やにが取りやすくなります。
タオルで全身を包む
子犬や小型犬であれば、バスタオルなどに全身を包んでから後ろから抱きかかえて目やにを取ってみましょう。タオルで全身を包んでしまえば、暴れにくくなります。
この方法は、犬に嫌な思いをさせてしまう恐れがあるので、強い力で押さえ過ぎないように気を付けてください。目やにを取った後はしっかり褒めて、好きなおやつなどご褒美をあげましょう。
少しずつ慣らしていく
少しずつ慣らして、目やにとりが平気な犬に育てていくのもひとつの方法です。お手入れするときは犬とのコミュニケーションも大切です。無理やり捕まえ、押さえつけて目やに取りをすると犬も嫌がります。
声をかけながら落ち着かせて短時間で目やにを拭き取りましょう。慣れるまでは、十分に目やにを拭き取れなくても短時間で終わらせ犬に嫌な思いをさせないことが重要です。
拭いた後は、たくさん褒めて、おやつなどご褒美を与えてください。目やに取りは怖くない、ご褒美がもらえると学習させましょう。根気が必要な方法ですが、犬にとっての負担は少ないです。子犬の時期から慣れさせる練習をすれば、すぐに覚えてくれるでしょう。
犬の目やにが出る原因とは?
目やには、新陳代謝で剥がれた古い細胞が涙と混じって出てきます。健康な犬でも目やには出てくるものです。犬は地面に近いところで生活しているので、ごみやほこり、砂などが目に入りやすく、目やにはこれらの異物を外に出す働きもしています。
また、顔の被毛が伸びて毛先が目に入った刺激で目やにが出ることもあります。特にトイプードルやシーズー、マルチーズなど顔の毛も伸びる犬種は目に被毛が入りやすいので、日頃からお手入れをしておく必要があるでしょう。
犬の目やにが出ている時に注意したい病気
正常な目やにの量は少なく、白色や灰色、黒色をしています。しかし、目やにの状態によっては目の病気が疑われるので、目やにが出ているときは以下の事に注意してください。
- 量が異常に多い
- 色が緑色や黄色で粘着性が強い
- 悪臭がする
1度目ヤニを取ってもすぐに出てきて量が多い場合や緑色や黄色をしている場合は、感染症を起こしている恐れがあります。悪臭を伴うケースも少なくありません。併せて結膜や眼球が充血していないか、腫れていないかも確認しましょう。
眼球に傷ができてこのような目やにが出ることもあります。目やにの異常が出る病気には、角膜炎や結膜炎、角膜潰瘍、ドライアイ、アレルギーなどが疑われます。治療が必要なので、自己判断せずに動物病院へ行きましょう。
また、目の病気が疑われるときは犬が目をこする、目をひっかこうとする、目をショボショボさせているといった目を気にする行動をします。犬が自分で目を傷つけてしまわないように注意してください。
こういった普段とは違う目やにの状態、犬のしぐさや様子で目の病気を発見できることがあります。普段から観察して小さな変化に気づけるようにしておきましょう。
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まとめ
犬の目やにの取り方、嫌がるときの対処法を解説しました。目は非常にデリケートな部分なので、コットンや蒸しタオルを使って優しくお手入れをする必要があります。ノミ取りコームを使うときは、目を傷つけないように注意しなくてはいけません。
目の中の目やにを取るときは、道具は使わず洗い流す方法が最も安全です。また、犬が目やに取りを嫌がる場合は、高いところに乗せたりタオルを使ったりして暴れないようにしましょう。
しつけのひとつとして慣らしていく方法が犬にとっても一番負担が少ないです。目やには健康な犬でも出てくるものですが、目やにの状態によっては目の病気が隠れていることがあるので日頃から観察、お手入れをしておくことが大切です。