犬に歯磨きが必要な理由と行うタイミング
- 歯垢を除去して白く健康な歯を保つため
- 口臭と歯周病の予防
歯垢を除去して白く健康な歯を保つため
人と同じく犬の歯にも歯垢がつきます。歯垢は歯磨きをすることで除去することができますが、歯磨きをしないと唾液に含まれているカルシウムなどが沈着して、歯垢が硬い歯石になってしまいます。
犬は歯垢が歯石になるスピードが速く、3〜5日で歯石になります。さらに、歯磨きを怠ってしまうと色素沈着をして、白い歯が黄色っぽく変色したり、歯石の蓄積が原因で茶色や黒色になることがあります。犬はあまり虫歯になることはありませんが、歯が黒くなってしまうと、歯磨きだけでは除去できないこともあります。
動物病院で歯石の除去をする場合は、暴れて治療ができない可能性があるため、全身麻酔をして行われることが多いです。歯石になってしまうと取り除くことに労力がかかるので、しっかりと歯磨きをして白く健康な歯を保つことが大切です。
口臭と歯周病の予防
犬の口臭が気になるとき「歯周病」を発症している可能性があります。歯周病は、シニア犬だけではなく、室内で飼われている小型犬によくみられます。
歯周病は、口臭、歯茎の腫れや出血、歯がグラグラするなどの症状のほか、進行すると歯槽膿漏になってしまったり、さらに酷くなると下顎を骨折してしまうこともあります。また、口内の細菌が血液の中に入ることで全身に回り、心臓、肝臓、腎臓などの臓器に影響ができることもあります。
歯磨きをすることで、このような口臭と歯周病を予防することができるのです。
歯磨きを始める年齢
- 乳歯が生え始めた頃から行う
子犬は乳歯が生後3週間頃から生え始めて、生後2〜3ヶ月頃までに28本の乳歯が生えます。そして、生後4ヶ月頃から乳歯が抜けて永久歯が生え始めて、7ヶ月頃までに42本の永久歯が生えます。
歯磨きに慣れてもらうためにも、乳歯が生え始めた頃から行っていきましょう。
歯が生え変わる生後2〜3ヶ月頃は、歯がムズムズして気になるのか甘噛みをする時期です。歯が生え変わる時期も無理のない範囲で、口周りを触ることに慣れさせたり、歯を磨く感覚に慣れさせてあげると良いです。
犬の歯磨きの頻度
- 毎日1日1回
- 最低でも2日~3日に1回
犬の歯磨きは、毎日行うことが理想です。毎日が難しい場合は、最低でも2日~3日に1回は歯磨きするようにしましょう。
歯磨きは磨き残しがないように注意して、1回ですべての歯を磨くことができないときは、1日2回に分けて上の歯と下の歯を磨いてあげてください。
散歩から帰ってきた後やおもちゃで遊んだ後のタイミングを狙うと、愛犬の体力が消耗しているので、大人しく歯磨きが行えることも多いです。
犬の歯磨きの正しいやり方
- 口の周りを触ることに慣れてもらう
- 歯磨きシートを指に巻き付けて歯1本ずつ磨く
- 歯ブラシで磨けるようにする
口の周りを触ることに慣れてもらう
歯磨きをしっかり行えるようにするためには、段階を踏んで愛犬が嫌がらないように練習をしていくことが大切です。
いきなり歯ブラシを持って歯を磨くとびっくりしてしまうので、まずは口周りを触っても嫌がらないように、スキンシップとして口を触ったり、歯を触ってみましょう。
口や歯を触らせてもらえたら、おやつをあげて褒めてあげてください。大人しくしていると、ご褒美がもらえるとわかると愛犬も励みになります。
歯磨きシートを指に巻き付けて歯1本ずつ磨く
初めて歯磨きをするときは、歯ブラシよりも「歯磨きシート」の方が、抵抗なく口の中に入れさせてもらえるので活用してみてください。歯磨きシートの代わりに「ガーゼ」でも代用できます。
まずは愛犬に歯磨きシートを見せて、匂いを嗅いでもらい安全であると確認させます。歯磨きシートで口を触っても落ち着いていれば、指に巻き付けて歯を1本ずつ磨いていきましょう。
すぐに歯の表裏をすべて磨く必要はないです。犬が嫌がって暴れてしまう前に歯磨きを終えて、おやつをあげて大げさに褒めてあげてください。
初めは前歯から磨いていき、徐々に奥歯を磨けるようにしていきましょう。慣れるまでには1ヶ月ほどかかることもあるので、長い目で練習が必要です。
歯ブラシで磨けるようにする
歯ブラシのほうが汚れも落ちやすいので理想的です。歯磨きシートから歯ブラシに移行するときも、まずは愛犬に見せて匂いを嗅いだりかじったりして、安全なものだと確認してもらい、歯を1本ずつ磨いていきましょう。
歯ブラシは、犬用の歯ブラシを使用してください。人間が使っている歯ブラシは大きく硬さもあるので、犬の歯磨きには向いていません。
もし、愛犬が歯ブラシが苦手だったり飼い主さんが扱いにくいようであれば、歯磨きシートの歯磨きでも大丈夫です。
犬が歯磨きを嫌がる時の対処法
- 歯磨きガムを使用する
- 歯磨きおもちゃを使用する
歯磨きガムを使用する
歯磨きガムは、噛むことで歯垢を絡め取ることができます。小型犬用や大型犬用など体の大きさに合ったサイズがあったり、味や硬さも種類が豊富なので、愛犬の好みに合ったものを探してみましょう。
どうしても歯磨きを嫌がってしまう犬におすすめです。
歯磨きおもちゃを使用する
牛皮や鹿の角、ロープなどの噛むおもちゃは、遊びながら歯磨きをしたいという子犬や成犬におすすめです。
プラスティックでできているおもちゃは、噛みすぎるとボロボロになってしまうので、食べてしまわないよう定期的に確認して、壊れかけていたら交換するようにしてください。
▼「犬の歯磨きの基本」を知りたい方はこちら
まとめ
犬に歯磨きが必要な理由や歯磨きの頻度とタイミング、歯磨きの方法と嫌がるときの対処法について紹介しました。
歯磨きを嫌がってしまう犬は多いと思いますが、歯磨きシートや歯磨きガム、愛犬が好みの味の歯磨き粉などを使って、徐々に歯磨きができるように根気強く練習していきましょう。
歯磨きをすることで歯を健康に保ち、口臭や歯周病などの病気を予防できるので、小さい頃から積極的に歯磨をする習慣をつけてください。