子犬の噛み癖を直す方法6つ!噛む原因やしつけの注意点とは?

子犬の噛み癖を直す方法6つ!噛む原因やしつけの注意点とは?

遊んでいると興奮して噛みついてくる子犬。そのまま放っておくと「噛み癖」になってしまうことも。噛む原因や正しいしつけについて学んで子犬の頃に噛み癖を直しましょう。

子犬のひどい噛み癖はいつまで続く?

椅子を噛む子犬

手を出したら子犬が甘噛みしてくる、おもちゃ代わりに強めに噛んでくる、この噛み癖いつまで続くんだろうそんな悩みはありませんか?

たとえ子犬が本気でなくても、ちょっとした噛み癖は次第にエスカレートしがちです。強く噛まれて怪我をするなんてこともあると思います。

この噛み癖は、子犬期の甘えだからそのままにしておいても自然に直ると思っている飼い主さんもいるでしょう。実際はどうなのでしょうか?

ここからは、子犬の噛み癖は自然に直るのか、放置しておくとどんなトラブルにつながるのか、などについて説明していきます。

しつけをしないと成犬期以降も続く

子犬が人の手や足に噛みつく「噛み癖」は、自然には直ることはありません。甘噛みだからとそのまま放置しておくと、ひどい噛み癖になってしまうことも。

できるだけ子犬のうちにしつけを行なうことが大切です。人を噛むのは「いけないこと」だと理解させる必要があります。ただし、「いけないこと」という概念は犬には理解しにくいので、噛むことは「楽しくない」「いいことが起こらない」と理解させましょう。

子犬の噛み癖は将来のトラブルにつながる

子犬の噛み癖は、飼い主さんと愛犬とのコミュニケーションのとり方が原因で引き起こされがちです。

しつけを怠って噛み癖を直さないと習慣化してしまいます。成犬になっても噛み癖が残ってしまうと、以下のようなトラブルにつながることがあります。

  • 散歩中に興奮して近づいてきた子どもや他の犬を噛んで怪我をさせる
  • 飼い主さんも日常的に噛まれて怪我をする
  • 爪切りやシャンプーなどのお手入れができない
  • キャリーバッグに入れて病院に連れていくことができない
  • リードがつけられず散歩に連れていけない

子犬のうちから噛み癖を直す必要がある

犬の噛む力は相当強く、本気で噛まれると指を切断することもあります。そうでなくても傷口に唾液が入り込むことで感染症にかかることも。

皮膚が化膿するだけでなく、呼吸器系疾患、敗血症や髄膜炎を引き起こし、重症化すると命の危険も。それほど噛まれるということはリスクのあることなのです。

成犬になってから噛み癖を直すのは、専門家に頼まないと難しいこともあるので、できるだけ子犬の頃から噛み癖を直すことでトラブルを引き起こさずに済みます。

しつけをする際は「叱る」「怒る」「叩く」などしてはいけません。適切なしつけの方法は、あとから説明する「子犬の噛み癖の直し方」を参考にしてください。

子犬の噛み癖がひどくなる原因

人の親指を噛む子犬

甘噛みだったはずの子犬の噛み癖が、次第にエスカレートして噛み跡がついたり出血したりしてしまう、と悩んでいる飼い主さんも多いと思います。

子犬の噛み癖は、しつけで直していかないと「噛むこと=楽しい」「遊んでもらっている」と誤って覚えてしまいます。

ここでは、子犬の噛み癖がひどくなる原因をいくつか紹介します。思い当たる原因があるかチェックしてください。

人の体や物をおもちゃだと思っている

犬には、無意識に目の前で動くものを捕まえて噛みつく「狩猟本能」が備わっています。そのため犬の目の前で人の手や足などが動いていると、捕まえて噛みつきたくなるのです。

手をおもちゃ代わりにして、甘噛みさせて遊んでいると噛み癖が付きやすくなります。また字を書いているとおもちゃと勘違いして、ペンに飛び掛かってくることもあります。

モップやほうきで掃除をしていると、おもちゃと思って噛みつきがちです。これは犬にしつけができておらず、噛んでいいおもちゃと噛んではいけないおもちゃの区別がついていないのです。

噛めば注目してもらえると学習している

犬に噛まれると、逃げたり大声を出したり、騒いだりしがちです。その積み重ねで、子犬は噛めば飼い主さんから「構ってもらえる」「注目してもらえる」と間違った学習をしてしまいます。

飼い主さんが逃げると、追いかけっこしてもらっていると思い噛むことが楽しい体験になります。また、人が大声を出したり騒いだりすると犬は楽しくなって興奮し、さらに狩猟本能が刺激されまた噛みつこうとします。

こうした誤った愛犬とのコミュニケーションにより、噛むことは楽しいことだと思ってしまうのです。愛犬の狩猟本能や学習傾向を理解しておくことは、とても大切です。

遊びや触れ合いの時間が不足している

犬は、飼い主さんへの忠誠心が高く、積極的にコミュニケーションを求めてくる動物です。朝晩たっぷり散歩しているからといって満足するとは限りません。

散歩以外にも、飼い主さんとの遊びや触れ合いを求めてきます。一緒に遊びたいのにいつも忙しそうにして構ってもらえないのは犬にとって退屈です。こうした退屈な時間が増えてくると、飼い主さんの足に噛みついて遊ぼうとおねだりしてきます。

このおねだりのあとに遊ぶと「足を噛むと遊んでもらえる」と学習をしてしまいます。超小型犬はとくに甘えん坊な傾向があるので「遊ぼうおねだり」をしがちです。

遊びや触れ合いを愛犬からおねだりされる前に、飼い主さんから愛犬と遊ぶことが大切です。普段から触れ合いの時間をたっぷりと作ることで、愛犬を心身ともに満たしてあげましょう。

警戒心が強い

狩猟犬のようにチームで行動するのではなく、飼い主と1対1で狩猟をしてきたのが柴犬や秋田犬に代表される日本犬です。この犬種は、飼い主にはとても忠実ですが、見知らぬ人には警戒心が強いのが特徴です。

知らない人に目の前に手を出されると、警戒心から威嚇で噛みつくことがあります。散歩中に出会った犬に対しても、つい吠えたり噛んだりすることも。子犬の頃から社会性を身につけさせて、噛まないように学習させることが重要です。

歯茎がムズムズと痒い

子犬は、生後4~10ヶ月になると歯の生え変わり期になり歯茎がムズムズとしてきます。歯茎のムズ痒さは、何かを噛むと解消されるため手あたり次第噛むようになります。

ソファーやテーブルの脚、雑誌や新聞、人の手や足などを噛んだりします。しつけをしないと乳歯から永久歯に生え変わっても、噛み癖が残ってしまうことがあるのです。

子犬の噛み癖の直し方

おもちゃを噛む子犬

子犬の噛み癖は、放っておかずに早めに直しておくことが大切です。習慣化すると成犬になってからしつけで直すのは難しくなります。ここからは、子犬のうちに対処できる噛み癖の直し方について紹介していきます。

噛んでもいいおもちゃで遊ぶ

家の中にあるものを何でも噛んでしまう場合は注意が必要です。飼い主さんが黙認していると、さらにエスカレートして「これは噛んでもいいんだ」と学んでしまいます。

歯茎が痒い場合もあるので、噛むこと自体をやめさせるよりも、まずは噛んでも良いおもちゃを与えるようにしましょう。

噛み応えのあるロープをおもちゃとして与えるのがおすすめです。また、噛まれてはいけないものは愛犬の目に入らないところに隠しておきましょう。

興奮する前に遊びをやめる

噛み癖を直すには、愛犬と時間をかけて遊んだり触れ合って退屈させないようにすることが大切です。 しかし、遊びすぎると犬は興奮して噛んでしまいます。これを繰り返すと、「遊び=噛んでも良い」と認識してしまうことも。愛犬の様子を確認しながら興奮してヒートアップする前に遊びをサッとやめるのがポイントです。

ハウスリードを使う

子犬は、興奮するとつい噛んでしまいます。噛み癖を直すには、興奮させないことが最も重要です。「興奮する前に遊びをやめる」だけでなく、普段から興奮しないように取り組んでください。

特に家の中を走り回って興奮しがちな場合は、「ハウスリード」がおすすめです。家の中でもリードを付け、走り回りそうになったらリードを引くというしつけです。

ただし、愛犬を放置した状態でハウスリードを付けておくと、家具やドアに絡まって怪我をしてしまうことがあります。ハウスリードは必ず飼い主さんが側にいる状態で付けるようにしてください。

手や足など体の一部をおもちゃにしない

子犬に噛まれてもあまり痛くないからといって、手や足をおもちゃ代わりにして遊ぶ飼い主さんがいます。犬は狩猟本能があるので、目の前で動いているものを捕まえて噛む習性があります。

体の一部をおもちゃ代わりにすると、手や足を差し出しただけで噛みつくようになります。また、飼い主さん以外にも手を見れば噛みつくようになってしまいます。

愛犬とのコミュニケーションのつもりでも、今後のトラブルのもとにもなりかねないので、手や足をおもちゃ代わりにするのはやめましょう。

噛まれないように椅子に座る

ゴロゴロと床に寝転がっていると、子犬が構って欲しくて噛んでくることがあります。寝転がっていないにしても、床に座っているだけでも犬と目線が近くなり、顔や手を噛まれることも。また、近づいてきた子犬を払いのけようとして手を噛まれることもあります。

子犬が興奮している状態なら、椅子に座って犬を見下ろす位置に移動しましょう。飼い主が普段から噛まれない行動を取ることも、噛み癖を直すのに有効です。

目線から近いところで構いたい気持ちもわかりますが、子犬のうちにしつけすることの大切さを意識するようにしましょう。

柑橘系スプレーで噛んではいけないものを覚えさせる

犬の嗅覚は人間の何千倍も優れており、臭いで考え行動する動物とも言われています。

噛んではいけないものは子犬の目の届かないところにしまっておけばいいのですが、ソファーやテーブル、カーテンなどは片づけようがありません。このような場合には、犬の優れた嗅覚を利用して、苦手な柑橘系のスプレーをかけておく方法があります。

人間が好きな柑橘系の香りは、嗅覚の鋭い犬にとっては刺激的な臭いに感じるため、近寄ったり噛んだりしにくくなるので、犬のしつけ用スプレーを繰り返して吹き付けておくと、噛んではいけないものを覚えることができるでしょう。

子犬の噛み癖のしつけを行う時の注意点

チワワの子犬

子犬の噛み癖のしつけを6つ紹介しましたが、どれも噛まれないようにすることが大前提です。

噛まれてからしつけても、噛み癖改善にはあまり効果がありません。ここでは、噛み癖のしつけをする際にやりがちなこと、注意点について説明します。

間違った方法でしつけをすると噛み癖が直らないだけでなく、飼い主さんとの信頼関係も崩れかねません。しつけをしてもうまくいかないと悩んでいる飼い主さんは、同じことをしていないかよくチェックしてください。

子犬を叩いたりマズルをつかまない

犬を叩くのはもってのほかですが、マズルをつかんでしつけをすることもやめましょう。叩いたりマズルをつかまれると「ハンドシャイ」といって人の手に恐怖心を覚えます。

また、子犬も怪我をしてしまいます。ハンドシャイで恐怖心が出ると手を見るだけで防衛本能が働き、さらに噛みつく原因にもなります。恐怖心が強いと、犬歯が突き刺さるほどきつく噛まれて大きな怪我につながりかねません。

ほかにも、グーの手を犬の口に押し込むような暴力的なしつけも逆効果です。犬を体罰や恐怖心でコントロールすることは、愛犬との信頼関係を放棄していることでもあります。

そのような中でしつけをしても、お互いにとって幸せな将来にはつながりません。愛犬には、いつでも愛情をもって接するようにしてください。

噛まれた時に子犬を構ったり騒がない

子犬に噛まれた時に抱っこして「ダメでしょ」と言ったり、いけないことをわからせようとして「イタイイタイ」と大きな声を出したり、追いかけたり逃げたりする行動はNGです。

噛まれた後に子犬に構うと、飼い主さんに遊んでもらっていると誤解されます。この状態が積み重なると噛み癖が直らないどころか、どんどんエスカレートしていきます。

無理やりお腹を上に向けて叱る

犬は、服従のサインとして自らお腹を相手にみせます。ここで大切なのは「自ら」ということです。しつけの際に無理やり子犬のお腹を上にむけて、「ダメでしょ」と叱ることがあると思います。

無理やり服従の姿勢をさせられると、ストレスがかかり飼い主さんへの信頼も損なってしまいます。噛まれた時は低い声で「ダメ」とだけ言って、その後しばらく無視するといった叱り方が効果的です。

まとめ

指を噛む子犬

子犬の噛み癖は、放っておくと成犬になっても続きます。

成犬になってからのしつけは難しく、大きなトラブルに発展するかもしれません。噛み癖は子犬のうちからしつけをすることが大切です。

噛み癖がひどくなる原因は一つではありません。何が原因なのかをしつけの前に正しく理解しておきましょう。愛犬には噛むと遊んでもらえるといった、誤った学習をさせないことがポイントです。

噛み癖は、噛まれた後にしつけをすることは難しく、もし噛まれた場合は「楽しくないこと」と愛犬に学習させることが重要です。また、叩いたり大騒ぎしたりすると、「噛むことは楽しいこと」と覚えてしまうので注意しましょう。

噛み癖がひどい場合やしつけが難しいと感じたら、飼い主さんだけで抱え込まずにドッグトレーナーなどの専門家に相談することも大切です。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい