犬のトイレトレーニングの必要性
「うちの犬は外できちんとトイレができるから大丈夫」と考えている人であっても、室内でトイレをさせることの大切さを知っておかなければなりません。
今回は、室内でトイレができるようにする犬のトイレトレーニングの必要性について解説します。
愛犬の健康管理がしやすくなる
犬のトイレトレーニングをすることで健康管理がしやすくなります。犬が外でしかおしっこをしない場合、おしっこの色やにおいをチェックすることは難しいからです。
きちんと室内のトイレシートの上でしてくれると、おしっこやうんちに血が混じっていないか、においに異常がないかなどにいち早く気が付くことができます。
シニア犬になったときにトイレが楽
どれだけ元気な犬であっても、高齢になると徐々に運動能力が低下します。足腰の弱くなったシニア犬は、今まで通りに散歩に行くことができなくなるかもしれません。
そんなときに外でしかトイレができない犬だと、抱きかかえて外に連れて行く必要があります。小型犬であればそこまで苦労はしないかもしれませんが、大型犬を抱きかかえるのは大変です。室内でトイレをしてくれれば、シニア犬になった後でもトイレの処理が楽な点もメリットとして挙げられます。
愛犬と旅行に行きやすい
旅館やホテルでは、愛犬といっしょに泊まれるプランが用意されていることがあります。しかし、トイレトレーニングができていない犬は断られたり、粗相で汚してしまえば追加料金を請求されることも。
トイレトレーニングができていれば、旅館やホテルの部屋を汚すことはないですし、愛犬との楽しい旅の思い出が作れますよ。
成犬のトイレトレーニングに必要なもの
次に、成犬のトイレトレーニングに必要なものをご紹介します。子犬のトイレトレーニングとは少し異なるため、成犬のトイレトレーニングにチャレンジする前に必ずチェックしておきましょう。
サークル
サークルは成犬に限らず、全ての犬のトイレトレーニングに必要です。
まずは、犬に「トイレシートの上でトイレをする」ということを覚えてもらわなければなりません。しかし、何も教えてもらっていない犬がいきなりトイレシートの上でトイレを成功することはないでしょう。
犬にトイレシートの上でトイレをしてもらうには、トイレシートのまわりを囲うようにサークルを設置して、トイレトレーニングの失敗を防ぐ必要があります。
トイレシート
犬のトイレトレーニングには、トイレシートが必須です。トイレシートはさまざまな種類があるので愛犬のサイズに合ったものを選ぶ必要があります。
最初は大きなトイレシートからはじめましょう。小さなトイレシートでは、完璧にトイレトレーニングが済んでいないとぐちゃぐちゃにして遊ぶこともあるからです。大きなトイレシートで上手にできるようになってきたら、小さなサイズのトイレシートを数枚重ねるように設置することで、汚れたトイレシートだけの交換で済むので掃除も楽になります。
トイレトレー
トイレトレーニングが済んでいない成犬や子犬には、トイレトレーを用意することをおすすめします。トイレトレーは、トイレシートがずれないようにする、犬の肉球におしっこなどの汚れがつかないようにするなどの役割があります。
犬は、その場でぐるぐると回ってからトイレをすることが多く、その際にトイレシートがぐちゃぐちゃになってしまうことがあります。トイレトレーがあれば、それらを防ぐことができ、トイレトレーニングがスムーズになります。
成犬のトイレトレーニングの方法
ここからは、成犬のトイレトレーニングの方法を解説します。しつけ方次第ですぐに覚えることもあるため、手順を間違わないようにしましょう。
サークル全面にトイレシートを敷く
サークル全面にトイレシートを敷きましょう。はじめのうちはサークル内に寝床とトイレを分ける必要はありません。
サークル全面に敷いたトイレシートの上に犬を乗せてしばらく様子を見ます。犬が飼い主のことを気にしないように少し遠くの物陰から犬を観察しましょう。
犬がトイレをしたら思い切り褒める
しばらくすると、犬は全面に敷かれたトイレシートの上でトイレをするようにあります。その際に犬を思い切り褒めてあげましょう。犬を褒めるタイミングは、トイレをしている最中です。
犬のトイレが済んだ後は、速やかに汚れたトイレシートを片付けて、犬をサークルから出してあげましょう。いつまでもダラダラと褒め続けると、犬はなぜ褒められているのかがわからなくなってしまいます。
犬がソワソワしたらサークルに入れる
犬は、トイレをする前にソワソワと床のにおいを嗅いだり、その場をぐるぐる回ったりします。それらは犬からのトイレの合図なので、犬がソワソワしたらサークルに入れましょう。
それを何度も続けることで、犬はトイレの存在を認識するようになります。
徐々にトイレシートの面積を狭くする
犬が前面に敷かれたトイレシートの上でトイレができるようになってきたら、徐々にトイレシートの面積を狭めていきましょう。犬がトイレシートの上でトイレをすることを認識できていれば、トイレシートの面積が狭くなっても問題なくできるようになります。
犬のおしっこがトイレシートからはみ出してしまうのであれば、再びトイレシートの面積を広くします。これを何度も繰り返してトイレトレーニングの強化をしましょう。犬の大きさによってトイレシートのサイズも変わりますが、きちんとトイレシートから漏れずにトイレをすることができるようになったら、犬のトイレトレーニングは完了です。
成犬のトイレトレーニングのコツ
最後に、成犬のトイレトレーニングのコツを紹介します。コツさえつかんでおけば、成犬になってからでもトイレトレーニングは必ず成功しますよ。
失敗しても叱らない
成犬のトイレトレーニングは、失敗しても絶対に叱ってはいけません。トイレの失敗で叱ってしまうと、犬は「トイレシートの上でトイレをしなかった」ことではなく、「トイレをした」こと自体を叱られていると認識してしまいます。
そうすると、トイレを我慢するようになったり飼い主に隠れてするようになってしまいます成犬がトイレトレーニングに励むためには、失敗しても叱らずに褒めて伸ばすことが大切です。
トイレシートの近くにカーペットを敷かない
成犬がトイレトレーニングを完璧にこなせないうちは、トイレシートの近くにカーペットを敷かないようにしましょう。カーペットは、トイレシートに感触が似ているため、犬がトイレシートだと間違えてしまう可能性があります。
コマンドを出す
コマンドとは、「座れ」や「伏せ」などの犬に指示をする際に使用する言葉です。
成犬になるとコマンドに対する認識も強くなっているため、犬がトイレシートの上でソワソワした時に「トイレ、トイレ」などのコマンドを繰り返し言うことで、徐々に飼い主の「トイレ」のコマンドに反応して犬がソワソワしだすようになります。
特に、今まで外でしかトイレをしない犬に対しては、「トイレ」のコマンドは効果的です。
根気強くしつけを行う
成犬のトイレトレーニングは、子犬より難しいことに間違いありません。しかし、根気強くトイレトレーニングを行えば、成犬でも必ず成功します。
何度失敗しても犬を叱らずに、成功した時にきちんと褒めることが大切です。
▼「犬のトイレのしつけ」をもっと知りたい方はこちら
まとめ
成犬になっても、トイレトレーニングは可能です。
はじめのうちは、サークル全面にトイレシートを敷いて犬がトイレトレーニングを失敗しないようにしましょう。そして、徐々にトイレシートの面積を狭めていくことでしつけの強化をしていきます。
外でしかトイレをしない犬に対しては、「トイレ」のコマンドを設定することで室内でも徐々にトイレを覚えてくれるでしょう。また、トイレシートの近くにカーペットを敷かないことで、カーペットの上でトイレを間違えてしまうことの予防に繋がります。
犬のしつけは、根気強く諦めないことが大切。上手にできたらたくさん褒めてあげることでトイレトレーニングの成功の近道となるでしょう。