老犬がトイレを失敗する理由
老犬がトイレを失敗するのには必ず理由があります。理由次第では、トイレのしつけができないこともあるかもしれません。
筋肉が衰えるから
老犬がトイレシートではない場所でトイレをしてしまうのは、老化による筋肉の衰えが原因かもしれません。犬自身はトイレを我慢しているつもりでも、膀胱の筋肉の衰えによりトイレの失敗をしてしまいます。
また、トイレに行きたくても足腰が弱くなりトイレシートにたどり着く前に漏らしてしまうこともあるでしょう。トイレの姿勢がつらくてよろけてしまう老犬もいるはずです。
病気
今までトイレをきちんとできていた犬が何度も失敗するようであれば、病気を疑う必要もあるでしょう。粗相の回数が増えたのであれば、膀胱炎や慢性腎不全の可能性が考えられます。
また、トイレシートの上でトイレができなくなった時は、認知症を疑わなければなりません。認知症は、深夜の遠吠えや同じ場所をぐるぐると回るなどの症状もあります。
老犬のトイレを失敗する時の対策
トイレのしつけができている老犬がトイレを失敗するようになった場合は、いくつかの対策をすると良いでしょう。
まずは老犬がお漏らしをしてしまう前に、トイレシートの上に連れて行きましょう。トイレシートのまわりにサークルを設置することで、トイレを失敗しにくくなります。また、おしっこなどで汚されたくない場所には柵などを設置することもおすすめです。
老犬のトイレのしつけ方法
ここからは、老犬のトイレのしつけ方法をご紹介します。外でしかトイレできない犬は、早いうちにしつけをすることで解決するでしょう。
コマンドを設定する
老犬がわかりやすいように、しっかりとしたコマンドを設定しましょう。コマンドとは、犬のしつけで使用する「おすわり」や「お手」などの指示をする際の合図です。
老犬のトイレのしつけをする際のコマンドは、聴力衰えた老犬でも聞き取りやすいように、「しーしー」などのわかりやすいものにしましょう。おしっことうんちでコマンドを分けても良いです。
犬のトイレ開始時にコマンドを言い続ける
犬がトイレの姿勢になった時に、「しーしー」などのコマンドを言いましょう。コマンドは犬がトイレを済ませるまで言い続けます。
はじめのうちは「しーしー」と言われても何のことか理解できませんが、トイレをするたびに「しーしー」と言われ続けることで、徐々に飼い主の「しーしー」という合図でトイレに行きたくなります。これを外で行うことで、犬のトイレの失敗で室内が汚れることを予防できるでしょう。
トイレをしたら思い切り褒める
犬がトイレを終えたら、思い切り褒めてあげましょう。犬のしつけは老犬に限らず、褒め続けることが大切です。
犬がトイレの姿勢になったときにコマンドを出して褒め、実際におしっこやうんちが出たら褒めます。またトイレが済んでからもきちんと褒めましょう。それを続けることで老犬はコマンドが出されると「トイレをしても良いんだ!」と理解して、抵抗なく喜んでトイレに励むようになります。
老犬の後ろ足をトイレシートの上に乗せる
老犬がコマンドに反応するようになったら、きちんとトイレシートの上でトイレができるように強化していきましょう。
老犬にトイレシートの感触に慣れてもらうためには、トイレが終わった後に老犬の後ろ足をトイレシートの上に乗せましょう。トイレシートを老犬の後ろ足に滑り込ませるようにすると、抵抗なく足を乗せてくれるはずです。それを何度も繰り返して行うことで、室内でもトイレシートの上でトイレをしてくれるでしょう。
室内では絶対にトイレを失敗できない環境を作る
室内では、老犬がトイレを失敗できないようにトイレトレーや大きめのサークル一面にトイレシートを敷くなどの工夫をします。老犬に限らず、犬のトイレのしつけは失敗させないことが大切です。
老犬がトイレをしそうなタイミングになったら、トイレシートの上に誘導して「しーしー」などのコマンドを出しましょう。その際は、老犬が失敗しないようにサークルの中で行うことがおすすめです。
老犬がうまくトイレシートの上でトイレができた場合は、思い切り褒めてあげましょう。恥ずかしがらずに大げさに褒めてあげるのがポイント。犬は何歳になっても飼い主から褒められることを最大の喜びとするため、飼い主に褒められることでトイレのしつけに対するモチベーションが高くなります。
老犬のトイレのしつけをする際の注意点
老犬のトイレのしつけをする際は、いくつかの注意点があります。体力や判断力が鈍くなる老犬に負担がかからないように、これらのことに気を付けてしつけしましょう。
絶対に叱らない
老犬のトイレのしつけをする際は、絶対に叱ってはいけません。犬のしつけには叱らなければいけない時がありますが、それは成犬に対してです。
老犬は体力がなく精神的にも不安定なことがあるため、最愛の飼い主に叱られることはしつけに対するモチベーション低下にも繋がります。また、当然ながら老犬のしつけは、成犬以上に難しいです。
老化による判断力の低下で、飼い主のコマンドに対する反応も成犬に比べると遅くなります。年齢に関係なくトイレトレーニングは時間がかかりますが、老犬はさらに体調の変化を確認することや根気と諦めないでトレーニングをすることが大切です。
ゆっくりと行う
成犬のしつけはにはスピード感が必要です。特に訓練協議会などに参加している犬は、飼い主のコマンドに対する正確さやスピードが求められます。
しかし、老犬は筋肉や認知機能の衰えから、さまざまなことに対してスピード感がありません。そのため飼い主自身も老犬に寄り添って、何事もゆっくりと行うことをおすすめします。
老犬のトイレの介護
老犬になると、足腰が弱くなったり認知症になったりしてトイレのしつけができなくなる場合があります。そんなときには、どのような介護をすれば良いのでしょうか?
オムツを使用する
老犬の筋肉が衰えてしまいしつけをしていても失敗が多くなった場合は、犬用オムツを使用しましょう。
犬用オムツを使用していれば、老犬はいつでもどこでもトイレを済ませることができるので精神的なストレスを感じにくくなります。また、飼い主も老犬の粗相の掃除をする手間を省けるでしょう。
さらに、老犬が寝たきりの状態になった時は、トイレシートの上に寝かせてあげると良いでしょう。トイレシートは柔らかいため寝心地も良く、またトイレをした時にもすぐに気が付くことができます。
犬の体が汚れたらぬるま湯で洗い流す
犬の体が排泄物で汚れてしまった時は、ぬるま湯で汚れたところを洗い流してあげましょう。老犬にとって全身を洗うことは、ドライヤーなどが体の負担になるためおすすめしません。
汚れがひどい場合は、部分的にシャンプーで洗い流すことで汚れやにおいを落とすことができます。犬用のウェットティッシュなどは肌の弱い老犬の皮膚を傷めることもあるため、ぬるま湯や犬用シャンプーで優しく洗い流すほうが良いでしょう。
▼「犬のトイレのしつけ」をもっと知りたい方はこちら
まとめ
老犬になっても認知症や寝たきりでなければ、トイレのしつけは可能です。しかし、成犬の頃のようにスムーズにはいかないでしょう。
老犬のトイレのしつけは、はじめにコマンドと行動を結びつける必要があります。「しーしー」などのコマンドに対して、老犬がトイレをするようになれば成功です。
老犬のトイレのしつけで大切なのは、思い切り褒めて絶対に叱らないこと。叱ってしまうとしつけに対するモチベーションが低下するのはもちろんですが、飼い主のことを怖いと感じてしまいます。
飼い主も老犬に合わせて何事もゆっくりと根気強く行うことで、必ずトイレのしつけは成功するでしょう。