犬の散歩時間はバラバラでもいいの?
犬の散歩は運動やストレスの解消、飼い主とのコミュニケーションにもなるとても大切なお世話の一つです。ほとんどの飼い主さんは、愛犬を毎日のようにお散歩に連れて行っていますよね。
ちなみに、みなさんは愛犬との散歩は何時に、もしくは朝昼晩どの時間帯に行くか決めていますか?
「毎日同じ時間に行っている」という人もいれば「行けるタイミングを見つけて行く」という飼い主さんもいるでしょう。
犬を飼い始めたばかりの人は「散歩の時間は決めた方が良いの?バラバラな方が良いの?」と悩んでいるかもしれませんね。
犬の散歩は決まった時間に行くのと、バラバラな時間に行くのとどちらが適切なのでしょうか?
意外かもしれませんが、実は散歩の時間は決めずにランダムにしたほうが良いといわれているんです。なぜ犬の散歩時間はバラバラにしたほうが良いのでしょうか?
犬の散歩時間をバラバラにしたほうがいい理由
ここからは、犬の散歩時間をバラバラにした方が良い理由をご紹介します。しつけ上の理由や、犬のストレスに関することなど、意外な理由を4つご紹介しますよ。
決まった時間に散歩することのデメリットも交えながらご紹介しますので、チェックしてくださいね。
散歩の要求吠えにつながるリスクが減る
散歩の時間をバラバラにしておくと、犬の「散歩へ行きたい!」という要求吠えのリスクが減ります。犬は時計を理解することはできませんが、体内時計によっておおよその時間は把握しています。
散歩を毎日同じ時間にしていると、犬はその時間になると飼い主に「散歩に連れて行って!」と要求するようになるでしょう。なかには散歩に連れ出してもらうまで吠え続けてしまう犬もいるはずです。
この時、飼い主が犬の要求どおりに散歩に連れて行くと、犬は吠えることで散歩に行けるという成功体験を得てしまいます。
そうなるとますます要求吠えはエスカレートし、飼い主も困り果ててしまうでしょう。一度要求吠えを覚えてしまった犬に、しつけをやり直すのは大変で時間がかかります。
要求吠えをさせないためには、最初から散歩の時間は決めずにランダムにしておくことが効果的です。散歩の時間をバラバラにしておけば、犬が要求吠えをするリスクは格段に減らすことができるでしょう。
待つストレスが減り犬が散歩時間までリラックスできる
犬の散歩はできれば毎日行くのが理想ですが、365日かかさず行くというのは現実的ではありません。悪天候の日や、飼い主が体調不良になった時には散歩に行くのが難しくなりますよね。
もし散歩の時間を決めていたら、犬は「散歩の時間なのにどうして行けないの!?」とストレスを感じてしまいます。
「今日は台風だから散歩はやめようね」と言い聞かせて犬が理解してくれるのなら良いのですが、そうはいきません。
習慣になっていることができないとなると、犬はストレスを溜めてしまいます。このような状況にならないためにも、犬の散歩は時間をバラバラにしておきましょう。
時間を決めずにいれば、犬はたとえ散歩に行けなくても落ち着いて待つことができます。犬のストレスを軽減するためにも、散歩の時間はバラバラにしておくのがおすすめです。
散歩でトイレをする習慣を予防できる
犬は毎日決まった時間に散歩に行きトイレをしていると、外でトイレをするのが習慣になってしまうことがあります。
そうなると散歩の時間になるまでおしっこを我慢してしまい、泌尿器系のトラブルが起こることも少なくありません。
犬が外でしかトイレをしない場合、おしっこをさせるために天気の悪い日でも散歩に行かなくてはいけませんし、介護が必要な犬でも外に連れ出す必要があるため飼い主にとっても大きな負担です。
また、以前は犬のトイレは散歩の時にさせるのが一般的でしたが、最近は家の中でおしっこをさせるのがマナーに変わりつつあります。
散歩での犬のトイレはトラブルになることもあるので、散歩中ではなく家の中でトイレができるようにしつけておきましょう。
散歩の時間を決めず、犬がトイレをしたタイミングで散歩に行くようにすると、外でトイレをする習慣がつくのを予防することが可能です。
人のペースに合わせられる犬になる
散歩の時間を決めずにバラバラにしておくと、犬は人間のペースに合わせて生活できるようになるメリットもあります。
前述のとおり、散歩の時間を決めてしまうと犬が飼い主に散歩を要求するようになってしまいます。この状態は、犬と飼い主の関係として良い状態ではありません。本来は人が散歩の時間を決め、犬がそれに合わせなくてはいけないのです。
日頃から散歩の時間をバラバラに行くようにしておけば、飼い主が仕事で遅くなり散歩が夜になっても犬は受け入れやすいでしょう。もし犬を誰かに預けた時でも、散歩の時間は預け先に任せることができます。
犬が状況に合わせて柔軟に対応できるようにしておけば、犬自身もトレスを感じにくくなり、飼い主も安心で生活がしやすいのです。
犬の散歩時間をバラバラにする時のポイント
犬の散歩時間をバラバラにする時、飼い主が知っておくべきポイントがいくつかあります。このポイントを押さえておけば、愛犬にとって負担にならず満足感の高い散歩をすることが可能です。
散歩に行けない時の対処法についてもご紹介しますので、参考にしてくださいね。
散歩の時間帯は季節に合わせて変更する
犬の散歩の時間帯は、季節に合わせて変更するのが大切なポイントです。
四季がある日本では、季節によって気温が大きく変化します。春や秋であればどの時間帯でも散歩がしやすいですが、夏と冬は時間帯に注意しましょう。
夏は気温が高く、熱中症の危険性や高温になったアスファルトで犬が足の裏を火傷する恐れがあります。できるだけ涼しい早朝や日が暮れた夜の時間帯に散歩するようにしてください。
一方、冬の時期は寒さが強いため、日光で暖かさを感じる昼間に散歩に行くのがおすすめです。特に寒がりな犬の場合、冬は散歩を嫌がってしまう可能性もあるので、できるだけ暖かい時間を選ぶよう配慮してあげてください。
散歩デビューしたての子犬は、周囲が暗いと怖がってしまうので明るい時間帯に。関節に痛みを抱える高齢犬は、冷えて痛みがでないようポカポカと暖かい昼間に散歩に行きましょう。
気温や愛犬の状態を考え、季節によって散歩時間を変えると快適に散歩をすることができます。
散歩コースは日によって調整する
犬の散歩は、時間だけでなくコースも決めずにランダムにするのがおすすめです。毎日同じ散歩コースでは、刺激が少なく犬は退屈してしまいます。
日によってコースを変えれば、犬は新鮮な気持ちで散歩することができ脳にも良い刺激を与えることができます。
いつものコースを逆回りに歩くだけでも景色が変わりますし、飼い主も色んな道を歩いたほうが楽しいですよね。「今日はどんな道を歩くんだろう!?」と犬のワクワク感も増すでしょう。
基本的に飼い主がコースを選ぶのが良いのですが、時々犬に散歩コースを選ばせてあげるのも面白いですよ。
散歩を行う1日の回数もランダムにする
散歩に行く回数も、1日に1回と決めずにランダムにしてみましょう。
飼い主の時間に余裕がある日は散歩の時間を増やしてみてください。散歩が好きなワンちゃんであれば、きっと大喜びしてくれるはずです。サプライズ的な喜びを与えると、犬の脳にも良い刺激になります。
忙しい時には1日に1回、余裕がある時は1日3回などランダムにしておけば、犬も「今日は1回なんだな」「今日はまた行けるんだ!」と飼い主に合わせて対応してくれるようになるでしょう。
犬によって散歩にかける時間を変える
犬は犬種や年齢によって、必要な散歩時間が短い犬と長い犬に分かれます。
そのため散歩の時間帯やコースを選ぶ時には、愛犬はどのくらい散歩に時間をかけるべきなのかも一緒に検討しましょう。その際は体の大きさだけでなく、愛犬がどんな犬種なのかも考慮してください。
小型犬でもテリアなど狩猟のために使われていた犬と、シーズーなど愛玩犬として飼育されていた犬では、必要な運動量は全く違います。
おおよその目安として、トイプードルやチワワなどの小型犬…15分~30分程度を1日1回~2回、フレブルや柴犬などの中型犬…30分~45分程度を1日2回、ラブラドールレトリーバーなどの大型犬…60分以上を1日2回。
このくらいの時間は歩くようにしましょう。
時間は愛犬の犬種や体格によって調整してください。高齢犬や子犬は長時間の散歩が負担になりますので、愛犬の様子を見て無理のない範囲で散歩させてくださいね。
時間がなくて行けない日は室内遊びの日にする
犬の散歩は毎日行くのが理想的ですが、「時間がなくてどうしても行けない」ということもありますよね。飼い主の体調不良や悪天候の場合にも散歩には行けません。
こういった事態に備えて、犬には「散歩に行けない日がある」ということは分かってもらっておきましょう。
散歩に行けない日は代わりに家の中で楽しい遊びができると教えておけば、犬のストレスも軽減できます。犬が楽しく遊べるように、オモチャやおやつを使って遊んであげましょう。
室内でできる犬との遊び
- ロープの引っ張りっこ
- 持ってこい遊び
- コングなどの知育玩具遊び
- ノーズワーク
- 新しい芸を教える
ノーズワークとは、おやつをマットなどに隠して犬に探させる宝探しのような遊びです。嗅覚を使って物を探すことでストレスを発散させ、脳への刺激にもなるのでおすすめですよ。
室内遊びをする時のポイントは、犬にひとりで遊ばせるのではなく飼い主も一緒に犬と遊ぶことです。犬に体を動かせて運動をさせることも意識しましょう。
散歩に行けなくても楽しいことがあることを、愛犬に覚えてもらうようにしてください。ただし、飼い主の仕事や体調不良で散歩に行けない日が続く場合には、知人に散歩を頼んだり散歩代行業者などを利用するようにしましょう。
▼「犬の散歩の時間・距離・回数の基本」を知りたい方はこちら
まとめ
『犬の散歩時間は決めずにバラバラにしたほうが良い』ことについて解説しました。
散歩の時間をバラバラにしておけば
- 要求吠えのリスク軽減
- 犬のストレスを減らす
- 散歩でトイレをする習慣の予防
- 犬が人に合わせられるようになる
上記のようなメリットがあります。
「犬は同じ時間に散歩に行く方が落ち着く」という専門家もいますが、決まった時間に毎日欠かさず散歩に行くのは難しいのが現実です。
「違う時間に行くこともある」「散歩に行かない日もある」ということは、犬に理解してもらいましょう。そのほうが飼い主も犬もストレスなく生活することができます。
愛犬にとってどんな散歩の仕方が良いのか、この記事を参考に考えてみてください。散歩に行けない日は、愛犬と家の中で一緒に遊んでストレスを発散させてあげてくださいね。