台風の日でも犬の散歩に行くべき?
散歩に連れていく理由としては大きく「運動のため」「排泄のため」の二つに分かれます。
大雨の日だと散歩に連れ出すべきか、飼い主さんは迷ってしまうでしょう。多くの飼い主さんは雨の日の散歩は避けるのではないでしょうか。
そんな大雨や台風の日にでさえ散歩に出かける人を稀に見かけることがあります。あるニュースでは台風の日に柴犬の散歩に出かけている男性の姿が映し出されました。
ネットでは「こんな日でも散歩に行くんだ」といわんばかりのコーギーが話題になり、コーギーに同調する人、犬の事情があるのだろうと察する人で賛否両論でした。
それではこの男性と柴犬のように台風の日にいつも通りの散歩に出かけるべきかと聞かれると、答えはNOです。特別な理由がなければ自宅で過ごすことをおすすめします。
おそらくですが、この柴犬は散歩でしかトイレをしない子なのではないかと考えられます。
このように排泄など特別な理由がなければ散歩に行くのは危険です。台風の日に散歩に行くのは多くのリスクがあります。
台風の日に犬の散歩に行く場合のリスク
台風の日には「風」「雨」「雷」に注意しておかなければいけません。
そんな日に散歩に行くのは
- 風での転倒や飛散物
- 視界不良
- 犬の肉球が濡れてふやける
- 雷や雨音に対する犬の恐怖心
のリスクがあります。
突風で転倒や物の飛散が起きてケガをする
台風の時には急に強い風が吹く突風が発生することがあります。台風時には突風にバランスを崩され、転んでケガをしてしまう事故が多発します。当然人だけでなく犬も危険です。
また風に飛ばされた物が散歩中に当たったり、風で物が落下する危険があります。例えば飛ばされたのが軽いプラスチック製のごみ箱であっても、その衝撃は相当なものになります。
このように強い風によってケガをする可能性があり、それをすべて回避するのは難しいといえるでしょう。
視界不良によって交通事故の危険が増す
台風では強風や豪雨で視界が悪くなります。それは車やバイク、自転車を運転しているドライバーも同じです。散歩では歩道がない道路を歩かなければいけないこともあるでしょう。
台風でドライバーの視界が悪くなると歩行者の存在が見えづらくなるうえ、歩道がないことから接触するリスクが高まります。
くわえて散歩をしている側も傘やレイングッズなどで視界が狭くなり、回避判断が遅れてしまいます。台風は風と雨でいつも以上に見えにくいため、台風時の散歩が特に危険なことがわかります。
犬の肉球がふやけて傷つきやすくなる
案外忘れがちなのですが、台風時の散歩中は常に水分と肉球が接触しているため、肉球はふやけます。これは雨の日の散歩でも同様です。
人の指がふやけた時を思い出してみてください。とても柔らかく、傷つきやすい状態です。犬の肉球がふやけた状態でアスファルトを歩くと傷ついて出血してしまう恐れがあり、非常に危険です。
雨風や雷の音に犬が強い恐怖を感じる
台風では強い雨風と共に雷など、普段耳にしないような大きな音が鳴ります。たとえ室内でなら雷の音が平気な犬でも、屋外では室内以上に大きく聞こえるため怖がるのも無理はないでしょう。
大きな音を体験して台風がトラウマになるケースもあるため注意が必要です。
また雷が鳴っていないからと散歩に出かけたのはいいものの、急な雷でパニックになった犬の首輪が抜けてしまい迷子になる事故も発生しています。
実は犬の迷子の件数は7月~9月が圧倒的に増えます。その理由は雷や花火の大きな音に驚いての脱走です。
脱走してしまうと見つけるのは困難である上、事故にあったり野犬に襲われたりする可能性も考えられます。脱走のリスクを考えると、台風が完全に過ぎ去るまで散歩は控えるべきでしょう。
台風でも犬の散歩に行く必要がある時の対処法
安全のためには台風時の散歩は避けたほうがいいことがわかりました。しかし様々な事情で台風でも散歩に連れて行かなければいけないこともあります。
台風時の散歩では犬と飼い主の両方の安全をできるだけ確保できて、愛犬の健康状態を悪化させずに散歩するための方法が重要となってきます。
濡れずに歩ける場所を選んで散歩する
台風など雨が降る日の散歩で気を付けたいのは犬をできるだけ濡らさないことです。
そのためには道路の高架下や雨よけになる大きな樹木がある公園など、雨を遮るものがある場所を選んで通ると最低限で済ますことができるでしょう。
また商店街のアーケードがある通りもおすすめです。屋根があるおかげで雨に濡れる心配がありません。さらに風でものが当たるリスクも少ないといえます。
ただし、トイレはアーケード内ではNGです。迷惑になってしまいますのでアーケードの外で排泄をさせましょう。
飼い主と犬のどちらもレインコートを着用する
雨よけがある場所を通っても、ダックスやコーギーなどの足が短い犬種だとどうしてもお腹が汚れてしまいます。
愛犬が濡れないようにレインコートや肉球保護のレインブーツを着用しましょう。お散歩後のお手入れ時間を短縮させるのにも役立ちます。
その際には飼い主さんもレインコートを着ることをおすすめします。傘だと風にあおられる危険があるからです。
また仮に愛犬がパニックになった時などいざというときにリードを両手でコントロールできます。そのため台風時の散歩にはレインコートが便利です。
散歩後は濡れた体のお手入れを入念に行う
散歩から帰ってきたら愛犬の体をしっかりと拭いてあげましょう。濡れたままだと風邪をひいたり皮膚病の原因になることがあります。必要ならドライヤーでしっかり乾かしてあげることが重要です。
その際肉球と肉球の間も乾かし忘れがないようにしましょう。同時に肉球に傷がついていないかチェックしておくと安心です。
台風で犬の散歩に行けない日の過ごし方
台風で散歩に行けないとき愛犬は「退屈感」「雷や雨音などによるストレス」「運動不足」を感じているかもしれません。飼い主さんはそれを解消してあげる必要があります。
愛犬にあった方法で台風が通り過ぎるまでの時間をリラックスタイムや楽しい時間に変えてくださいね。
室内遊びで楽しむ時間を増やす
愛犬が退屈しているようなら室内で遊んであげましょう。コミュニケーションを取ることにもつながります。
犬はロープなどの引っ張りっこが大好きです。またボールを使うと遊びと同時に「持ってこい」のトレーニングを行うことができます。
ほかにも「椅子などの障害物を設置してジャンプしたりくぐらせたりする室内アジリティ」「飼い主さんがおやつを隠すおやつ探しゲーム」など、工夫すると室内でもできる遊びはたくさんあります。愛犬との特別な遊び方を発見してもいいですね。
マッサージや音楽でリラックスさせてあげる
雷の音やいつも以上に強い雨音などに怖がる犬もいるでしょう。そんな時は愛犬に不安や緊張が伝わらないよう、まずは飼い主さんが平常心を保つことが重要です。
愛犬が音に驚いたら優しくマッサージを行います。マッサージといっても特別な知識がなくても大丈夫です。大好きな飼い主さんが頭をなでてあげるだけで十分なマッサージ効果があります。
ただし愛犬を触る手が冷たいと驚いてしまうかもしれません。前もって手は温めておきましょう。同時に犬がリラックスできる音楽をかけるとさらに効果が期待できますよ。
室内ドッグランに連れて行く
近隣に室内ドッグランがあるようなら連れて行ってあげると思いっきり走り回ることができてストレス解消になります。
室内型だと雨や風の心配もなくたくさん遊べますね。もしかしたら同じように退屈で遊びに来たほかのワンちゃんと仲良くなれるかもしれません。
まとめ
台風の日には過ぎ去るまでできるだけ室内で静かに過ごしましょう。一緒に遊んでコミュニケーションを増やすチャンスです。それでも退屈するようなら室内ドッグランを利用するのも方法のひとつです。
一方でどうしても散歩に出なければいけない事情もあります。台風の日に散歩に行く理由として一番大きいのは「屋外でしかトイレをしないから」だと考えられます。
台風が一向に収まらないような緊急時には、トイレシーツの上に草や土を置いて設置しておくと、においにつられてトイレをしてくれることがあります。
台風の日だけに限らずシニアになって足腰が弱くなった時のことも考え、室内でも排泄ができるようにトイレトレーニングをしておくことをおすすめします。
台風の日の散歩事情はそれぞれのため、愛犬にあった対処法を見つけておきましょう。