犬が散歩中に歩かない理由7つ!
愛犬が散歩中に急に歩かなくなった、という経験はありませんか?単にわがままなこともありますが、「体が痛い」「散歩コースに飽きた」「何か怖いものがある」など、犬にとって不快になる理由があります。
ここでは、散歩中に歩かなくなる理由を紹介します。該当するものがあるかチェックしてみてください。
首輪やハーネスのサイズが合わなくなった
今までと違う首輪やハーネスに買い替えた途端に散歩を嫌がったからと、成犬になっても子犬の頃から使っていた首輪やハーネスをそのまま使っていませんか?
成犬になれば成長とともに首や胴周りも大きくなるため、子犬の頃と同じ首輪やハーネスではサイズが合わなくなります。小さくなった首輪やハーネスは歩く度に首や体を締めつけてしまい、犬は「苦しいから嫌だよ」と伝えたくて散歩で歩かなくなってしまうのです。
散歩コースに怖いものがあり歩かなくなる
散歩中に車やバイクが大きな音を立てて走っていると、怖くて歩けなくなることがあります。他にも、他の犬とすれ違うのが嫌だったり、登下校中の子供たちが苦手な犬もいます。
臆病な性格だったり警戒心が強い犬は「怖いもの・苦手なもの」に敏感です。超小型犬や小型犬は視線が低いため、外の世界を怖く感じがちです。また子犬や保護犬のように社会経験が少ないと、外に出ただけでも恐怖を感じることもあります。特に初めての散歩では、性格に関わらず歩きたがらないことが多いでしょう。
毎日同じ散歩コースで飽きている
散歩が好きな犬でも、毎日同じコースだと飽きてしまいます。
犬は、散歩によって視覚や嗅覚、聴覚などから外の情報をキャッチして新しい刺激を受けます。この刺激は犬の脳の活性化にとても大切で、老犬の認知症予防にも繋がると言われています。
特に好奇心が旺盛な性格の犬は、毎日同じルートばかりだと飽きてしまい、飼い主さんへの抗議の意味で歩かないこともあります。
飼い主さんに抱っこしてほしい
散歩中に抱っこしてほしいとアピールするために、歩かない場合もあります。甘えん坊な性格だとこうした傾向があるようです。
散歩中に抱っこしてしまうと、「歩かないといいことが起こる」と学習してしまいます。この抱っこ癖はなかなか厄介で、散歩中にどこでも抱っこアピールをするようになることも。体調が悪い、ケガをしているなど特別な事情がない限り、抱っこアピールに負けずに愛犬が歩くまでじっと待つようにしましょう。
ケガや病気にかかっている
散歩中にケガや病気による原因で歩かなくなっている場合があります。
道に落ちていたガラス片などで肉球を痛めてしまうこともあるため、急に歩かなくなって痛そうにしている様子があれば、傷や出血をしていないか確認しましょう。また、大型犬は股関節の変形や炎症の疾患にかかりやすく、痛みで散歩を嫌がることがあります。
また、肥満などで関節炎や内臓疾患により散歩が辛いと感じている場合もあるため、大型犬に限らずいつもと違う様子があれば、動物病院を受診しましょう。
暑い・寒いなどの気温の変化
犬種にもよりますが、一般的に犬は暑さに苦手な犬が多いです。犬は呼吸で体温調節するため、猛暑の中で散歩すると熱気を吸い込んで上手く体温調節ができずに熱中症にかかりやすくなります。
暑さによる影響で呼吸が苦しい、アスファルトで肉球をやけどしてしまうなどの理由から散歩を嫌がったり、立ち止まってしまうことがあります。また、凍えるほどの寒さや雪の日なども、寒さで歩かなくなってしまったり、家と外の温度差で体調を崩してしまうことなどが理由になることもあります。
散歩で疲れたから
いくら散歩が好きな犬だからといって、普段より長い距離を散歩すると疲れて立ち止まってしまうこともあります。散歩の序盤にはしゃぎすぎると、帰り道では疲れて歩けなくなってしまうこともあるでしょう。
特に小型犬は歩幅が狭い分たくさん足を動かすため、人間にとって大した距離でなくても疲れてしまいます。また、老犬になると加齢による筋力や体力低下などから若い時と比べて疲れやすく、いつも通りの散歩コースや時間でも息が切れやすくなり、歩けなくなることもあります。
犬が散歩で歩かないときの対処法
犬が散歩で歩かなくなると、飼い主さんは周りの目が気になったり焦ったりしてイライラしがちです。
抱っこして家まで連れ帰るにしても、中型犬クラスになると重くてひと苦労ですし、大型犬なら抱っこするのも難しいでしょう。ケガや病気などが原因でなければ、その日はおやつで気を引いて家まで歩くように促しましょう。ただし、おやつは一時的な対処法にすぎません。
根本的な対処法で事前に準備をすることが大切です。ここからは、犬が散歩で歩かないときの対処法をご紹介します。
体のサイズに合った首輪やハーネスに変える
体のサイズに合っていない首輪やハーネスを付けていると、体に食い込んでしまったり、締めつけることで犬は歩きづらくなってしまいます。また、散歩の時だけ首輪を付けている場合は特に違和感を感じてしまうことも少なくありません。
首輪やハーネスは愛犬のサイズに合ったものを選びましょう。首輪のサイズは、犬に首輪を装着した時に指が2本程度入るくらいの余裕を持たせるのが良いとされています。ハーネスは着用した際に指が1本入るくらいの余裕があると、締め付けて負担をかけることもなく、抜け出すことも防ぐことができます。
今まで使っていたものから新しく買い替えた時は、家の中で首輪やハーネスをつけて慣らしてから散歩に行くことも大切です。首輪やハーネスの違和感がなくなることで、快適な散歩をすることができるようになるでしょう。
散歩コースや散歩の時間を変えてみる
朝夕と1日2回散歩に連れていく飼い主さんが多いと思います。散歩で受ける刺激は、犬の好奇心をくすぐり脳を活性化させてくれます。
しかし、毎日朝夕と同じ散歩コースでは犬も次第に飽きてしまいます。また、散歩中に他の犬に吠えられたり、いつも大型のトラックが通るなど愛犬にとって怖い出来事が起きている場合もあります。
この「飽き」や「恐怖心」が歩かない原因の場合は、散歩コースや散歩の時間を変えてみるのが有効です。近くに安全な散歩コースが少ない場合は、いつものコースを逆回りするのもおすすめです。
ご褒美を利用して散歩を楽しいものにする
散歩で歩かなくなった犬を歩かせたり、散歩を好きにさせるには「ご褒美」を使うのもひとつの方法です。ご褒美を利用して散歩が楽しいものと学習できると、歩くのも嫌になりにくく散歩自体が楽しみになります。
ご褒美は愛犬のお気に入りのおもちゃやおやつなどがありますが、おやつを利用する場合は、与えるタイミングなどに注意が必要です。おやつ欲しさに散歩に行きたがったり、おやつがもらえるまで歩かなくなるなど逆効果になることがあります。
少し歩いたら褒める、さらに歩いたらおやつを与える、次のお散歩はおもちゃだけにするなど、メリハリをつけて上手におやつを利用しましょう。
外や散歩の環境に慣れさせる
子犬や保護犬など外の環境に慣れていないと、車や自転車、人の行き来や騒音などで散歩中に恐怖で歩かなくなることも少なくありません。そのため、刺激の少ない場所から慣れさせて、徐々に散歩のルートを長くしていくといいでしょう。
また、リードや首輪、ハーネスは家の中でもつけて歩かせることから慣れてもらうのも大切。まずは家の中で練習し、慣れてきたら短時間だけ外に出るを繰り返し、少しずつ慣れてもらいましょう。焦らずにじっくりと取り組むことがポイントです。
熱中症対策、防寒対策をする
夏や冬の散歩は、暑さや寒さによる影響で犬にとってはつらいものです。そのため、散歩を嫌がったり途中で歩かなくなることもあります。夏や冬だからといって散歩をしないという訳にはいかないため、それぞれの気温や気候に合わせた対策が必要です。
夏は涼しい時間帯を選んだり、散歩コースに日影が多いルートに変更するなどの工夫をしてください。冬はシングルコートの犬種や子犬・老犬は特に寒さに弱いので、防寒服などを着せるのも良いでしょう。また、雪の日などは隠れた枝などでケガをしやすいので犬用ブーツなどもおすすめです。
犬が散歩中歩かないときにやってはいけないこと
どんなに対策をしても、犬が歩かなくなることはあります。そんな時こそイライラせずに深呼吸しましょう。散歩は犬にとってとても大切なルーティンです。愛犬を散歩嫌いのままにしておくわけにもいきませんが、だからといって感情的に叱っても逆効果です。
ここでは、愛犬が歩かないときにやってはいけないことを紹介します。
犬の要求にすべて応えてはいけない
犬が歩きたがらないときに飼い主さんにさまざまな要求をしてくる場合があります。おやつをあげて歩くように促していれば、おやつ欲しさに歩かないということもあります。
帰り道に抱っこしがちであれば、すぐに抱っこを要求してくるでしょう。犬が求めるたびに飼い主さんが全て要求に応えてしまうと「要求すれば叶う」と学習してしまい、今後も歩かなくなってしまうこともあります。
「歩けない」フリをして要求を叶えようとさせないために、愛犬からの要求に全て応えてはいけません。ケガや病気などが原因で無い限り、歩き出すまで待ちましょう。抱っこやおやつは「たまに」というのがポイントです。
叱って恐怖心を与えてはいけない
歩かないからと感情的に叱ってしまうと、犬は恐怖を感じるだけです。叱っているつもりでも怒りの感情をぶつけているだけなので、愛犬との信頼関係も崩れてしまいます。> 犬が恐怖を感じてしまえば、自分を守るために吠えたり噛んでしまうこともあります。飼い主さんとの関係性が悪くなれば、散歩することもできなくなってしまうことも。
しつけの上で叱ることは、とても難しいことです。冷静に低い声で「ダメ」など短い言葉で言った後に「無視する」「その場を離れる」と言う方法が効果的と言われていますが、散歩中は無視したりその場を離れることはできないため、叱るのは効果的とは言えません。
大切なのは、飼い主さんと散歩することは楽しいことだと思ってもらえるように、愛犬と信頼関係を築けるよう、丁寧なコミュニケーションを心がける方が良いでしょう。
犬のリードを強く引っ張って無理やり散歩させようとしてはいけない
犬が散歩中に歩かないと、ついリードを強く引っ張てしまいがちですよね。その場所を意地でも動かないかのように座り込んだりうつ伏せになると、力づくで歩かせようと強引になりがちです。
リードを強く引っ張ると、首輪が食い込んで頸椎や背中を痛めてしまったり、呼吸器にも負担がかかるので注意が必要です。また、強くリードを引っ張られていると犬は散歩に悪い印象を持ってしまいます。
犬が歩きたがらないのには何らかの理由があります。そのため、リードを強く引っ張って無理やり散歩させるのではなく、周りに苦手なものや怖いものがないかチェックしたり、ケガなどしていないか愛犬の様子をしっかり確認することが大切です。
散歩を諦めてはいけない
散歩中に歩かなくなり、無理に連れていくのも疲れるからといって散歩に行かないというのは犬にとって好ましくありません。たとえ室内のトイレで排泄ができていても、散歩の目的は排泄だけではありません。
犬は群れで生活していた動物です。そのため単独で飼育していても社会性を身に着ける必要があります。散歩で人や他の犬と出会うことは、犬にとっては学びのあることです。こうした機会を犬から奪ってはいけません。
散歩で歩かなくなったら、原因を探して「犬が散歩で歩かないときの対処法」で説明した方法を試すようにしてください。病気やケガでなければ散歩を諦めないようにしましょう。
犬にもイライラは伝わる!明るく接することが大切
人間と犬との歴史は古く、1万年以上に渡ってお互いを知り学び共生してきました。こうした積み重ねのなかで、犬は人間の心を読み解くという特殊なスキルを身につけてきたのではと言われています。
犬は飼い主さんが喜んでいると嬉しくなり、イライラしていると不安を感じます。飼い主さんの「喜怒哀楽」がそのまま愛犬にも伝わってしまうのです。散歩で犬が歩かないと、イライラしてしまうことは仕方がないことかもしれませんが、その感情が伝わってしまうと、愛犬は散歩が楽しくないと感じてしまうでしょう。
犬は私たちが思っている以上に繊細で敏感な動物です。いつも明るく朗らかに、愛犬と接することが大切です。
▼「犬の散歩のしつけの基本」を知りたい方はこちら
まとめ
犬が散歩で歩かないのには理由があります。嫌がる理由に目を向けずに、自分の感情だけで叱ったり無理にリードを強く引っ張って歩かせることは逆効果。「散歩の不快さを取り除く」「散歩は楽しいものであると理解させる」ことが大切です。
犬は、散歩を通して社会性を学び心身ともに育っていきます。散歩は犬にとって重要なルーティンなのです。散歩中に歩かないからといって、イライラしたらその気持ちが愛犬にも伝わり散歩嫌いになりかねません。そんなときは愛犬を迎え入れたときのことを思い出して、笑顔で穏やかに接するようにしましょう。
愛犬との信頼関係を築いて、毎日の散歩を楽しいものにしてくださいね。