犬の便秘について
人間にとっても犬にとってもウンチは健康のバロメーター。色、形、硬さ、におい、回数などから健康状態を知ることができ、便秘は体からのSOSと言えます。
個体差はありますが、健康な犬の排便の回数は食事の回数+1回程度とされています。犬の場合、2日間排便がなければ便秘です。
また、排便はあっても「コロコロしている」「絞り出したように細い」「量が少ない」「なかなか出ない」などといった場合も便秘と言えます。
丸1日排便がなくても心配ありませんが、2日以上排便がない場合は放置してはいけません。
老犬が便秘になりやすいのは?その原因とは
便秘は老犬に限らずなるものですが、
- 筋力の低下
- 消化機能の低下
- 運動量の減少
- 飲水量の減少
などが原因で老犬は便秘になりやすくなってしまいます。加齢による肉体的な衰えが老犬の便秘の主な原因と言えるようです。
筋力が低下すると自力での排便が難しくなりますし、運動量の減少にも繋がります。運動量が減少すればますます筋力が低下し、腸の蠕動運動も促されず便秘になりやすくなります。
飲水量の減少は、老犬になると喉の渇きを感じにくくなることや運動量の減少に起因しています。
老犬の便秘を解消する3つの対処法
寝たきりの犬や老犬で足腰が弱くなってしまった犬に運動させて排泄を促すのは難しいので、運動以外にできる便秘解消方法をご紹介します。
食事の改善
老犬は消化機能が低下するので、消化の良い食事を意識する必要があります。
もし与えているドッグフードがシニア用でないのならシニア用に変えると良いでしょう。成犬用よりも消化吸収が良いように工夫されているのはもちろん、カロリーも控えめです。
ドライフードの場合、水やぬるま湯でふやかしてあげると飲水量を増やせます。
整腸作用のある食べ物をドッグフードにトッピングするのも、便秘解消に効果があるでしょう。
- バナナ
- リンゴ
- キャベツ
- サツマイモ
- 大根
- プレーンヨーグルト
などが、犬に与えてもOKな整腸作用のある食べ物です。バナナとリンゴは皮をむき、生で与えます。バナナは筋を、リンゴは種と芯を取り除くのをお忘れなく。
キャベツと皮をむいた大根は生か加熱し、サツマイモはゆでたり蒸したりして加熱したものを与えましょう。大根はすりおろしてもOK。ヨーグルトは無糖のものを与えます。
便秘解消に効果があるからといって与えすぎると軟便や下痢を引き起こしたり、肥満の原因になるので与える量には十分気を付けましょう。ヨーグルトはカルシウムが豊富なので、与えすぎると尿石症の原因になることがあります。
乳糖不耐性の場合は、ヨーグルトで下痢を起こすこともありますので、初めての場合は注意してください。
どの食材も初めてのものは少量から与えてアレルギーに注意しましょう。また、喉に詰まらせないためと消化しやすくするために細かく刻むなどのひと手間を忘れずに。
マッサージ
便秘解消のため、便秘に効く背中やお腹のツボをマッサージしてあげるのも良いです。マッサージは、犬とのコミュニケーションツールにもなります。
正確なツボの位置が分からなくても、大体の場所をゆっくりと優しくマッサージしてあげるだけでもOKですのでぜひ試してみて下さい。
背中のツボ
「大腸愈(だいちょうゆ)」と「小腸愈(しょうちょうゆ)」というツボが便秘に効きます。大腸愈は背骨と骨盤が交差するところの少し上、第4腰椎と第5腰椎の間の左右両側にあります。小腸愈は大腸愈の少し下、第6腰椎と第7腰椎の間の左右両側にあります。
お腹のツボ
「中脘(ちゅうかん)」「天枢(てんすう)」「関元(かんげん)」というツボが便秘に効きます。おへその周りに便秘解消のツボが集中しているので、まずはおへそを確認しましょう。
お腹の中央付近の毛をかき分けると毛のないところがあり、そこが犬のおへそです。触ると少し盛り上がっています。
中脘は胸椎とおへその中間にあり、天枢はおへそから左右1~1.5センチのところ、関元はおへそから犬の指4本分下にあります。
おへそを中心にして、これら3つのツボを通るように手のひらでお腹を時計回りにゆっくり優しくなでます。反時計回りにすると逆効果になりますので注意しましょう。
マッサージを嫌がる犬もいるので無理強いはせず、嫌がったらすぐにやめましょう。
綿棒で刺激する
綿棒を使った便秘解消法もあります。
綿棒は乾いたままだと肛門を傷付けたり擦れて出血するおそれがあるので、ぬるま湯やベビーオイルまたはオリーブオイルなどを含ませて柔らかくします。その綿棒を犬の肛門に少し入れ、小さく回すなどすると肛門が刺激されて排便が促されます。
綿棒での刺激は最終手段!
綿棒を使った便秘解消法は簡単ですがこの方法を常用すると癖になり、綿棒での刺激がないと排便できなくなってしまう可能性があります。
ですからやむを得ない場合を除き、なるべく食事やマッサージなど別の方法で便秘を解消できるようにしてあげましょう。あくまでも綿棒で刺激して排便を促すのは最終手段であることをお忘れなく。
▼「老犬のトイレの基本」を知りたい方はこちら
まとめ
人間も犬も年を重ねると肉体的な衰えから不調が出てきます。便秘もそのひとつ。老犬になると、筋力や消化機能の低下や運動量と飲水量の減少などが原因で便秘になりやすくなってしまいます。
お散歩などで運動量を増やせば腸の蠕動運動が促されて便秘解消に繋がりますし、筋力もアップしますが、老犬は寝たきりであったり足腰が悪い場合が多いため運動によって便秘を解消するのは難しいです。食事の量の減少や繊維分の不足も便秘の原因になります。食物繊維を増やすことで便秘が解消されることもあります。
犬が慢性の便秘である場合は病気が潜んでいたり、巨大結腸症という結腸内に便が溜まって結腸が巨大化してしまう病気を招いてしまうこともあります。
ですから「たかが便秘」と軽視してはいけません。2日以上便秘が続いた場合は動物病院で診てもらいましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 かえで
獣医さんに相談しましたが、あまり強い薬は使えないので、水分をよく摂らせて、繊維の多いさつまいもを食べさせてあげましょう。と言われさつまいもを湯がきました、若い頃から好きなさつまいもなので喜びました。
どうしても出ないときには肛門にオイルを塗ってあげたりしました。
少しずつですが出ました。獣医さんに綿棒の使い方を教えていただきましたが最初は、怖かったのですがたしかに、便が出るのでなかなかでない時には、使っていました!
若いときは便秘しなかったので、便秘が辛いみたいでした。かわいそうなので、マッサージをしたり色々試してみました。
若い時とは違い、運動があまりできないので、便秘にどうしてもなりやすいですので対処法を勉強しておきたいですね。
20代 女性 みるふぃーゆ
便や尿は書かれているように健康のバロメーターですよね。
食事の回数+1回が理想なんですね、確かに2日排便がない日は、思い出して見てもほとんど記憶にないです。
うちのこは、ここ最近1日1回〜2日に1回ペースですが理由は、1日分食事の量を取れていない、運動不足や筋力の低下などが当てはまるかなあと思いました。
水分に関しては、放っておくとそんなに飲まないのでお湯で溶いたヤギミルクをあげたり、お水をちょこちょこ口元にやってみて飲ませたり、お水が美味しくなるウォーターボールというものを使ったりしてるので水分不足はないかな?と思います。
指摘されたフードがないなら、便秘に良いフードや手作りご飯などは良いんじゃないでしょうか。
水分不足が気になるならフードに水分を足してあげると良いと思います。ささみの茹で汁やヤギミルクなどおすすめです。
マッサージのツボは場所がいまいち分かりづらく出来るか不明ですが、効果がありそうですね。
綿棒に関しては不安がありますので選択肢にはないかなぁ。そこまで便秘なら一度病院に相談した上で便秘改善をはかりますかね。
うちの愛犬は、なるべく食事を取れるように工夫はしていますがムラがあるときは食べてくれるだけで充分なのでその時食べるものをあげてます。便自体は健康的なので今のままでもと思ってますが。
シニアになり病気などになると、筋力の低下や運動不足は避けられなかったりしますから、若いうちからシニアに向け筋力をつけておくと良いと思います!
シニアでも、動けるならば愛犬にあった量で運動まではいかなくとも少しだけ歩かせるなど出来る範囲で必要かなと思います。筋肉が弱ると衰えは早くなっちゃいます。
女性 オオハシ