ラブラドゥードルってどんな犬?
ラブラドゥードルは、ラブラドールレトリーバーとプードルを主軸とした他4犬種の掛け合わせにより生まれた雑種です。ラブラドゥードル(Labradoodle)の名前の由来は、「Labrador」と「poodle」の組み合わせからきています。オーストラリアで誕生したことから「オーストラリアン・ラブラドゥードル」とも呼ばれ、「ドゥードル」の愛称でも親しまれています。
ラブラドゥードル誕生の最初の目的は、動物アレルギーを持つ視聴覚者の盲導犬として活躍することでした。犬種改良を重ね、抜け毛の少ないアレルギーフレンドリーなオーストラリアン・ラブラドゥードルが誕生ました。現在は盲導犬などの介助犬をはじめ、性格や特徴を活かしてセラピー犬などとしても活躍しています。
ラブラドゥードルの特徴
大きさ(体高/体重)
ミニチュア
- 体高35~42cm
- 体重7~13kg
ミディアム
- 体高43~52cm
- 体重13~20kg
スタンダード
- 体高53~63cm
- 体重23~30kg
ラブラドゥードルの大きさは3つに分類されます。ミニチュアは小型犬、ミディアムは中型犬、スタンダードは大型犬程度の体格をしています。
ミニチュアはトイプードルよりひと回り大きく、柴犬などと同等で、ミディアムはダルメシアン、スタンダードはゴールデンレトリーバー程のサイズ感です。ミディアムやスタンダードの場合、オスはメスよりやや大きめになることもあります。
被毛
毛質
- フリースコート
- ウールコート
- ヘアーコート
毛色
- チョーク
- ゴールド
- チョコレート(茶色)
- カフェ
- クリーム
- ゴールデンクリーム
- キャラメルクリーム
- レッド
- ラベンダー
- シルバー
- ブラック
模様
- ソリッド
- パーティー
- ファントム
- ブリンドル
- マルチ
ラブラドゥードルの被毛は、3種類の毛質と、数種類にもなる毛色や模様があり、個性あふれる様々な組み合わせが生まれます。
毛質は、しなやかなウェーブやカール、羊のような巻き毛などがあり、毛の長さは10~13cmほどです。3種類ある毛質のなかで、ヘアーコートだけはアレルギーフレンドリーではないものの、ペットとして飼うことに問題はありません。
ラブラドゥードルの毛色は、レッド、チョコレート、ラベンダーなどが希少色とされています。模様のパターンは、単色のソリッドから、白色が50%以上含んだ2色のパーティー、様々な模様が入っているマルチまであり、組み合わさる色や割合により分類されます。
体の特徴
ラブラドゥードルの胴体は四角くコンパクトで、胸はバネが強く、丸めやすい体つきをしています。程よい骨格を持ち、腰は強く筋肉質なため、しなやかな動きまわります。両目は離れていて丸く、鼻は肉付きのある丸っ鼻、耳は垂れており、とても表情豊かで愛嬌があります。
優雅で可愛らしい容姿は、グッズや企業のキャラクターのモデルになるほどです。テレビドラマで活躍した警察犬のバブもラブラドゥードルです。他にも、フェイスブックやインスタなどにラブラドゥードルの可愛らしい姿を投稿している方もいるので、体の特徴や様子を目にする機会が多いでしょう。
ラブラドゥードルの子犬の値段
ラブラドゥードルの子犬の販売価格は、35~45万円前後が相場です。ワクチンやマイクロチップ代は別になることもあります。どこから迎えるかの他にも、血統書の有無やサイズ、毛色などにより値段は変わってきます。
ラブラドゥードルは日本で人気がありますが、出産頭数が少なく、希少性が高い犬種です。ペットショップで販売されていることはほとんどなく、入手方法はブリーダーからの購入が一般的です。
また、ラブラドゥードルという名前で販売されている犬の中には、ラブラドールレトリーバーとプードルの雑種第一代の犬もいるようです。しかし、雑種第一代のラブラドゥードルは、日本オーストラリアンラブラドゥードル協会が定める交配を重ねたラブラドゥードルとは異なる犬種なので注意が必要です。違いを理解した上でラブラドゥードルの子犬の購入を検討しましょう。
ラブラドゥードルをブリーダーから迎えるには
ラブラドゥードルを家族に迎える方法の1つに、ブリーダーからの購入が可能です。ブリーダーから入手する場合、国内のブリーダーから購入する他にも、オーストラリアなどの海外のブリーダーから個人輸入、または仲介業者を通して輸入することもできます。海外から輸入する場合は、手続きなどが英語など外国語になることがあるため、しっかりとした準備が必要でしょう。
国内のブリーダーは、関西や関東など全国に存在しています。購入前の子犬やその親犬に会わせてもらえるか、ブリーダーから飼い方などの詳しい話が聞けるかなどをポイントに、マッチングサイトなどを通してブリーダーを探してみましょう。
また、千葉にあるテーマパーク「レイクウッズガーデンひめはるの里」では、血統を徹底管理してブリーディングしている子犬の展示販売が行われています。飼育する上での困り事などの相談にも対応してくれるので、安心してラブラドゥードルを家に迎えられそうですね。
ラブラドゥードルの里親になるには
里親として、ラブラドゥードルを迎えることもできます。ラブラドゥードルの里親になる方法は、里親制度を利用する場合とFCHシステムに登録する場合の2通りあります。
里親制度とは、前の飼い主が飼育できないなどの理由で保護犬となった犬の新たな飼い主として、無償で譲り受けるシステムです。自治体によって里親募集の方法は異なる場合がありますが、動物愛護センターや保健センターが定期的に開催している譲渡会に参加したり、里親募集サイトを利用したりすることで、保護犬となったラブラドゥードルと出会うことができるかもしれません。
里親になるもう1つの方法、FCHシステムとは、ラブラドゥードルを里親として預かり、契約期間内のブリーディング活動に協力する仕組みです。このシステムを利用して里親になる場合、契約期間内のラブラドゥードルの所有権はニチイグリーンファームにあり、交配や出産時期はファームで、それ以外の時期は里親の家庭で飼育します。
契約期間が終了すると、ラブラドゥードルの所有権を里親に譲ります。FDHシステムを利用するとき、最初に保証金を支払いますが、トラブルなく契約を満了すると、支払った保証金は返金されます。
里親制度、FCHシステムのどちらを利用しても、ラブラドゥードルの飼い主になることに変わりありません。里親になるためには一定条件もあるため、里親として迎い入れる際は、よく調べておくことが大切でしょう。
ラブラドゥードルの性格
- 賢い
- 社交的
- 素直で従順
- 穏やか
- エネルギッシュ
- 人懐っこい
ラブラドゥードルの性格は、ラブラドールレトリーバーとプードルに共通する社交性や賢さ、素直さを兼ね備えています。他の犬に対して機嫌よくフレンドリーに接することや、とても人懐っこいことから、小さい子どものいる家庭でも安心して飼うことができます。
また、噛むことや吠えること、暴れることが少なく、穏やかで落ち着きもあります。賢く従順なため、しつけや訓練がしやすく学習能力にも長けているため、介助犬として活躍している犬も多くいます。
他にも、人の心を癒やすことや、人の感情を汲み取ることができるなどの性質を持ち合わせていることでも知られているラブラドゥードルは、セラピー犬としての需要も高まっています。ときにはエネルギッシュでコミカルな姿を見せることもあり、愛嬌のある犬として家族や周囲を癒やしてくれる存在でしょう。
ラブラドゥードルの飼い方
環境
ラブラドゥードルは室内飼いと屋外飼いのどちらも可能です。もともとアレルギーフレンドリーな犬でもあり、人と触れ合うことが大好きなので室内飼いがおすすめです。屋外飼育する場合も、家族とできるだけ近い場所にサークルなどを置くと、ラブラドゥードルも安心して過ごせるでしょう。
サークルやトイレなどグッズを用意するときは、犬の体の大きさに合わせて準備しましょう。ラブラドゥードルは学習能力が高いため、一度サークルからよじ登って逃げ出すことを覚えると繰り返すことがあります。身体能力にも合わせて、屋根を付けるなど工夫すると良いでしょう。
運動
ミニチュアやスタンダードなどラブラドゥードルの体格に関係なく、生活の中での運動は大切です。特に散歩は運動不足解消や気分転換になります。2~3回目のワクチン接種が完了した頃から、徐々にお散歩に行きましょう。
ミニチュアは15分、スタンダードは60分程度の時間で、1日2回ずつの散歩が目安となります。犬の体調や様子に合わせて散歩の頻度を調整すると良いでしょう。
他にも、ボールなどの犬用玩具を使った遊びも運動になります。ラブラドゥードルとコミュニケーションを取りながら、積極的に室内遊びもしましょう。
しつけ
ラブラドゥードルは穏やかで落ち着いた性格をしている一方、人懐っこさから「飛びつき」など相手の怪我につながる行為をしてしまうことがあります。犬そのものの持つ気質と、愛犬ならではの性格を理解しながらしつけをしていくことが大切です。しつけは、犬を迎い入れたその日から、毎日欠かさず行いましょう。
ラブラドゥードルは、高い知性や記憶力を持っているため、しつけや訓練がしやすい犬種です。一般的な生活面のしつけはもちろん、介助犬やセラピー犬としての特別な能力を育てることもできます。プロのドッグトレーナーから学ぶしつけ教室などを利用するのも1つの手かもしれませんね。
餌
ラブラドゥードルの餌は、プードルの胃の弱い性質とラブラドールレトリーバーの皮膚炎になりやすい性質を考慮して選びましょう。グレインフリーのものや、消化吸収しやすいものがおすすめです。
1歳頃まで与え続けると十分な栄養が補えるというラブラドゥードル専用のドッグフードもあるようです。犬の体重や体調、便の状態に合わせて餌の量や回数を調節しましょう。
お手入れ
アレルギーフレンドリーなラブラドゥードルの特徴に、抜け毛や体臭の少なさがありますが、健康を保つためには日々の手入れや定期的なトリミングが必要になります。お手入れ方法は、ブラッシングやシャンプー、カットや耳掃除などがあります。
ラブラドゥードルの毛はとても柔らかいため、すぐに絡んで毛玉になりやすい性質があります。毛のお手入れ頻度は、毛質のタイプによって違いはありますが、こまめなブラッシングを心がけましょう。フリースやヘアーコートの場合は毎日、ウールコートの場合は週に1度がブラッシングの目安です。
また、定期的なシャンプーやヘアカットも欠かせません。シャンプーは月に1度、ヘアカットは毛の伸び方や長さなどに合わせて1~2ヶ月に1度を目安に行います。自宅でもバリカンなどを使ってヘアカットはできますが、難しい場合はトリミングサロンを活用すると良いでしょう。
トリミングの料金は、犬の大きさやサロンなどにもよりますが1万円前後が相場です。トリミングサロンでヘアカットをする場合、サマーカットやライオンカット、テディカットなど犬の毛質や季節に合わせたヘアスタイルが相談できるでしょう。
ラブラドゥードルの寿命
ラブラドゥードルの寿命はおよそ15年前後とされていますが、ラブラドゥードルの日本での飼育実績が少なく、はっきりとしたデータはありません。ラブラドゥードルの大きさは小型犬程度から大型犬程度まで様々なため、ミニチュアの方が寿命が長く、スタンダードは寿命が短い傾向があります。
ラブラドゥードルがかかりやすい病気
運動誘発性虚脱
ラブラドールレトリーバーの遺伝子疾患の1つに、運動誘発性虚脱があります。運動をすると筋肉が硬直したり、倒れ込んだりするなど激しい虚脱状態となります。ラブラドールレトリーバーの血筋のあるラブラドゥードルもかかりやすい病気ですが、現在の獣医学では、効果的な治療方法が見つかっていません。
虚脱症状は時間が経つと治まりますが、慢性化したり症状が重くなったりしていないか注意深く確認しましょう。
股関節形成不全
股関節形成不全はレトリーバー系などの大型犬がかかりやすい病気の1つです。遺伝的な要因が大きく、骨盤と太ももの骨の連結部分に異常が起こる病気です。ラブラドゥードルの中では体の大きいスタンダードや、ラブラドールレトリーバーの系統が強い犬に症状が出やすいかもしれません。
病気になると、歩くときに腰が不自然に左右に揺れたり、スキップするような動きが見られたりします。また、座るときに後ろ足をうまく折りたためない様子を見せることがあります。歩き方や座り方の動作に違和感を感じたときは、早めに病院を受診しましょう。
進行性網膜萎縮症
進行性網膜萎縮症は、目の奥の網膜が萎縮し、徐々に視力を失っていく進行性の遺伝子疾患の病気です。プードルやラブラドールレトリーバーの両方でかかりやすいこの病気は、ラブラドゥードルにもあてはまるため注意が必要です。病気の初期段階では、暗い場所で目が見えづらくなり、症状が進行してくると、明るい場所でも徐々に周囲が見えなくなっていきます。
進行性網膜萎縮症には確実な治療方法がなく、最終的には失明する場合があります。物によくぶつかったり、動作がゆっくりになったりするなど、不自然な行動をするときは眼の病気を疑い、早めに検査を受けることが大切です。
ラブラドゥードルとゴールデンドゥードルの違い
ラブラドゥードルと名前や見た目がよく似た犬に、ゴールデンドゥードルがいます。どちらの犬もアレルギーフレンドリーな犬の作出を目的としてミックスされた犬ですが、二重純血犬種かどうかに違いがあります。
ラブラドゥードルは、「ラブラドールレトリーバー」と「プードル」の他にも、「アイリッシュ・ウォーター・スパニエル」、「カーリー・コーテッド・レトリーバー」、「アメリカン・コッカー・スパニエル」、「イングリッシュ・コッカー・スパニエル」の全6犬種を祖先に持つため、二重純血犬種ではありません。
一方、ゴールデンドゥードルは「ゴールデンレトリーバー」と「プードル」のみを交配させた二重純血犬種です。
どちらの犬も犬種としての世界的な認定がされていない雑種ですが、ラブラドゥードルは、オーストラリアンラブラドゥードル協会により犬籍登録と血統書の発行などが行われ、厳格な審査や基準の元で管理されています。
まとめ
ラブラドゥードルは、アレルギーフレンドリーな特徴と人を癒やしてくれる穏やかな性格を活かして、介助犬やセラピー犬としても活躍の場を広げています。人と触れ合うことが好きな犬なので家庭犬としても飼いやすく、動物アレルギーで犬を飼うことを諦めていた方や、癒やしを求める方にもおすすめです。
飼い方やかかりやすい病気などの知識を持ちながら、ラブラドゥードルを新たな家族に迎えてみてはいかがでしょうか。
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
あきらめていた犬飼いが実現出来るかもしれないですね。