チワックスの性格や飼い方、寿命や体重について

チワックスは人気のミックス犬種

チワックスとはチワワとダックスフントのミックス犬です。

アメリカで人気が出たことが始まりで、日本ではどちらも人気の犬種であることから、正式な犬種ではないにもかかわらずペットショップで見かけることも多くなり、人気も上位に入っています。

• １位 マルプー
• ２位 チワプー
• ３位 チワックス
• ４位 ポメチワ
• ５位 ポメプー

ミックス犬は親となる犬種の良さを引き出す事が出来るのも魅力の一つです。ミックス犬のなかでも、チワワのかわいい目とダックスフントの粋な長い胴をバランスよく取り込んだのが、「チワックス」です。

チワックスの特徴

チワックスの最大の魅力はなんといっても見た目の可愛さです。胴長なダックスの魅力とチワワのつぶらな瞳がポイント。特にチワックスの子犬は本当にかわいいですよ。

交配の方法としては、オスのチワワとメスのダックスフントを交配したF1(第一世代交雑)が普通で、逆の組み合わせは交配時にチワワがダックスの体重を支えきれないことと、生まれる子犬数がチワワの場合ひと腹で1−3頭と少ないので、行われることは少ないようです。

ミックス犬全体の頭数を見ると、チワックスはトップ3に入る人気種で作出数も多く、その見た目のユニークさ、デザイン性が売りになっています。デザイン・ドッグなどという部類の一種といえます。

アメリカでこのミックス犬種が登場したときに、これを健全な二重純血犬種として固定しようとする動きがありましたが、チワワとダックスフントの愛好家たちが猛反発して、作出が立ち消えになったという話があります。

イギリスでは、チワックスは単に雑種犬扱いで、アメリカや日本のような人気はありません。国柄がはっきり出ているようです。

大きさ（体重・体高）

• 体重：3～4kg
• 体高：21～22cm
• 分類：小型犬

チワックスの親犬となるダックスフントには、スタンダード・ミニチュア・カニンヘンと3つのサイズがありますが、交配では体格の大きなスタンダードダックスフントが用いられることはほとんどありません。

チワワとの交配には、小型犬サイズであるミニチュアダックスフントが用いられることが一般的で、まれに最小サイズのカニンヘンダックスフントが選ばれます。

どちらであっても小型犬同士の交配となるため、チワックスも体重が3～4kg程度の小さめの犬に成長することが多いでしょう。

また、ダックスフントの胴長に近い体型を受け継ぐことが多く、チワックスの体高は低めで、足も短く見える子犬が生まれやすい傾向にあります。

被毛（毛色・毛質）

• 毛質：ダブルコート（ロング・スムース・ワイヤーの3タイプあり）
• 毛色の種類：ブラック、ブラック＆タン、レッド、クリーム、チョコレート＆タン、パーティカラーなど

チワックスの毛質は上毛（オーバーコート）と下毛（アンダーコート）の二重構造であるダブルコートで、季節の移り変わりに合わせて保温性の高い下毛が抜ける換毛期があります。

毛の長さやタイプには、ロング（長毛）、スムース（短毛）に加えて、ダックスフントの毛質の1種であるワイヤーヘアー（硬く頑丈な被毛）もあり、親犬の毛質によって大きく変化します。

そして、チワワとダックスフントは、毛色のバリエーションがとても豊富な犬種です。そのため、チワックスではあらゆる毛色の子犬が生まれる可能性があります。

レッドやクリームといった単色から、眉毛のような模様が印象的なブラック＆タン、チョコレート＆タン、白ベースに他の色の大きな斑が入ったパーティカラーなど、個性豊かです。

チワックスの性格

• 人懐っこい
• 明るく活発
• 好奇心旺盛
• 家族に対して甘え上手
• 見知らぬ相手への警戒心が強い

チワックスの性格の特徴は、まず人懐っこさでしょう。個体によっては内弁慶外地蔵な子もいるようです。それに好奇心旺盛な所と自意識過剰の所もありますね。

ブリーダーの話では、チワックスは警戒心が強く出る場合もあるようですが、大方は飼い主に懐いて甘える犬だとのことです。

よく吠えると言われているチワワですが、穏やかなダックスフントの性格を受け継いだことから、チワックスの吠え癖はさほどありません。

チワックスを飼っている人の意見として、両親とも社交性があまりない犬種だから、チワックスにもそんな性格を受け継いでいるところがあるそうです。

それでも飼い主は大好きだという仕草を見せることは、社交性のない性格から他の犬や人間に飼い主を取られたくない、という感覚があるのではないか、という話です。これは大いにありそうなことですね。

チワックスの値段

チワックスの値段は、オスとメスでブレはないようです。

しかし、チワックスはミックス犬ブームの火付け役となったほどの人気があるため、親犬であるチワワとダックスフントと同等以上の価格で販売されることも少なくありません。

ペットショップやブリーダーからの場合は20万〜40万程度と、値段に幅があります。

ペットショップの場合は見た目のかわいらしさだけでなく、月齢が幼いほど高価になる傾向があります。ブリーダーの場合は、親犬の血統の良さなども含めて値段が決まることが多いです。

チワックスにはさまざまな毛色がありますが、今のところカラーによる値段の差はないようです。

チワックスを迎え入れる方法

チワックスを迎え入れるには、ペットショップやブリーダーから購入したり、里親になる方法が一般的です。

ペットショップやブリーダーからチワックスを迎え入れる場合は、子犬の頃から成長を見守ることができるのが大きなメリットです。また、ブリーダーからの購入では、親犬や犬舎の環境まで見ることができる場合もあります。

保護されているチワックスの里親になる場合は、迎え入れたいタイミングで確実に出会えるとは限りませんが、飼い主と家を探しているチワックスの家族になることができます。すでに成犬であることも多いため、性格や飼育の注意点などがわかりやすいのがメリットです。

十人十色ならぬ十犬十色で、チワワっ気が強いのからダックスっぽいのまでさまざまですから、家庭に合った方法で迎え入れてあげましょう。

チワックスの寿命

チワックスの寿命は13～15年と言われています。チワワの平均寿命が約14歳、ミニチュアダックスフントの平均寿命が約15歳ですから、子犬も同じくらいの寿命が予想されます。

小型犬全体の平均寿命である約14歳と比べてみても、チワックスの平均寿命は一般的な数字と言えるでしょう。また、快適な飼育環境での暮らしができたり、チワワやダックスフントの遺伝病を受け継いでいない場合には、チワックスの寿命もさらに延びるのではないかと考えられます。

チワックスの中には、子犬の頃からの社会経験の不足により怖がりであるなど、ストレスをためやすい性格から体調を崩してしまう繊細な犬もいるため、健康的に生活するには飼い主のフォローも大切です。

チワックスの飼い方

では、そのようなチワックスを飼うにはどんな心構えが大切か、という話になります。

その前に、純血種でも大人気のチワワとダックスですから、ミックス犬のチワックスの人気も上昇中で、出産前に予約してもなかなか入手できない状況です。ブリーダーの作出するチワックスを選んで買うのは事実上困難で、当然価格も上がり気味です。

飼うときの心構えに話を戻しましょう。なによりも前述したようにチワックスはデザインのユニークさで作出されたミックス犬ですから、両親がもっている遺伝的な弱点には目をつむっているところがあります。

だから、チワックスを飼う以上は、可愛さの裏に隠れた危うさに、注意を払ってください。以下、チワックスを飼うときの注意点をまとめて見ましょう。

散歩の仕方

チワックスは、疲れを溜めてしまうような運動のし過ぎはいけません。特にダックスフントから受け継いでいる胴長短足の体では、跳んだり、全力疾走を繰り返すような運動は足腰の負担になります。また、段差などにも注意しなくてはなりません。

ただし、散歩は毎日必要です。家の中だけでは感じることができない刺激を得て楽しむことは、チワックスのストレス発散になります。1回につき20分程度を目安にしつつ、年齢や性格、体力に合わせて1日の回数を調節してあげましょう。

また、チワックスは寒さが苦手な子が多いため、冬の散歩は服を着せたり、暖かい時間帯に連れて行ってあげることも大事です。

しつけ方

チワックスには、他の人や犬（動物）、さまざまな物や音の刺激に慣れる社会化トレーニングが必要です。

警戒心が強く、怖がりな性格の犬に成長してしまうと、チワワやダックスフントに現れやすい「吠える」行動が多い犬になってしまいます。

チワックスが幼い頃から子犬同士で触れ合えるパピー教室に参加してみたり、来客や外で出会う人からおやつをもらって、家族以外の人や犬と接することに「楽しい」「嬉しい」というイメージをつけてあげましょう。

車やバイク、風の音などに慣れるには、最初は子犬が安心しやすい抱っこ散歩から始めて、少しずつ地面を歩く距離を延ばしていくのがおすすめです。

食事

チワックスの食事は、「総合栄養食」の記載がある栄養バランスに優れたフードを与えましょう。

ただし、チワックスの中には、チワワでよくある食事への関心の薄さが現れる子犬もいるかもしれません。

フードのパッケージに記載されている給与量はあくまで目安のため、体型が標準的であれば問題はありませんが、食事量を増やすべきとなれば、小柄なチワックスでも食べやすい粒の大きさかどうかを確認したり、温かいスープをかけて香りをアップさせるなどの工夫をしてみましょう。

胴長の体型が多いチワックスは、肥満になると足腰への負担が増して、病気のリスクが高まるため、食欲旺盛な時にはカロリーオーバーに注意してください。

抱っこのやり方

チワックスは片手で胸を、もう一方の手で腰を抱えて抱きます。胸だけを抱えて腰を垂らすような抱き方をすると腰に負担がかかり、椎間板ヘルニアにかかる危険性が高まってしまいます。椎間板ヘルニアは下半身不随に進行します。子犬のときから、抱き方を習慣づけるようにしましょう。

遊び方

チワックスは活発に動き回りますが、ベッドに上がったり、階段の上り下りはさせないようにしましょう。高さのある場所から飛び降りるなどもできないように、遊び場の構造を考えてあげましょう。

接し方

チワックスはとても甘え上手な性格で、家族にたくさんの愛情表現をしてくれますが、甘やかし過ぎると我慢ができず、わがままが多い犬になってしまいます。

また、おねだりに負けておやつや人間のご飯のおすそわけを増やしたり、吠えられるままに構ってしまうと、チワックスとの信頼関係も崩れていきます。

飼い主は根気と強気を同時に持ち、ほめるところと叱るところのメリハリをつけなければいけません。豊かな愛情はもちろん、マメにお世話をすることが鍵になります。

チワックスがかかりやすい病気

• 椎間板ヘルニア
• 膝蓋骨脱臼
• 骨折などの怪我
• 外耳炎（垂れ耳の場合）
• 水頭症

見た目の魅力はともかく、チワックスはミックス犬にありがちな問題が多いのも事実です。

まず、足腰に掛かる負担です。ダックスの長い胴をチワワの細い足が支えるという、不自然な状況がさまざまなストレスを引き起こします。

椎間板ヘルニアなどの脊髄疾患もあり、関節や靭帯を痛める確率が高くなります。老犬になると骨折の心配もあり、脚が短いことから歩行が困難になるという、深刻な問題もあります。

チワックスの持つ問題点はまだ不明瞭な部分もあります。チワワ、ダックスフント両犬種の注意したい病気、かかりやすい病気、そして注意したいことなどを把握しておくことで、なにかあった場合に行動もとりやすくなるのではないでしょうか。

これらは、後述するチワックスの飼い方、育て方に関係するわけで、この種のミックス犬、とくにチワックスをことなく育てるには、それ相応の知識と心構えが必要なわけです。

まとめ

チワックスはミックス犬です。少しいじわるに言うと、両親の魅力を「つまみ食い」したものですから、遺伝的な弱点がどうしてもでてきます。

その一方で、チワワだけ、ダックスフントだけではない個性が見られるのも、チワックスの愛らしさです。見た目はもちろん性格においても、ミックス犬ならではの将来の楽しみが生まれることが、飼い主として一緒に暮らす上でのメリットの1つです。

チワックスを飼う以上は、犬の健康のために弱点をカバーしてあげる努力をしなければいけません。そうすることで初めて、くりくりの目と胴長のユニークな特徴を同時に楽しめるチワックスの魅力が生きるというものです。