子犬の餌をふやかして食べさせるのはいつまで?
子犬の餌をふやかすのは生後3〜4ヶ月ごろまでとされています。
その理由には以下のようなものがあります。
- 乳歯が生えそろうのが3ヶ月ごろだから
- 永久歯の生え方に影響があるため
- 消化器官が未発達で消化不良を起こすから
歯が生えそろわないうちに硬い餌を与えると、丸飲みしてのどに詰まらせたり、歯茎を傷め、永久歯の生え方に悪影響を与えることがあります。そのため、乳歯が生えそろう3ヶ月ごろまでは、ふやかした餌を与えるようにしましょう。
また、子犬の消化管は未発達なため、ドライフードを硬いまま与えると消化不良を起こすことがあります。カリカリご飯に切り替える時も、うんちの様子を見ながら少しずつ切り替えるようにします。
なお、カリカリご飯に切り替える時期は3ヶ月を目安にしますが、成長度合いには個体差があるため、愛犬の様子を見ながらはじめましょう。その際は、体格の差は考慮しないため、ラブラドールレトリーバーのような大型犬でもチワワやトイプードルといった小型犬でも時期に差はありません。
子犬の餌をふやかすメリット・デメリット
餌をふやかすことには様々なメリットやデメリットがあります。
成長中の子犬にとっては、食べやすいというだけではなく、体への負担や健康のためにも餌をふやかすことは大きな意味があります。
では、子犬にとってはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?それぞれ詳しく見ていきましょう。
子犬の餌をふやかすメリット
子犬の餌をふやかすメリットには以下のことがあります。
- 消化がしやすい
- 同時に水分を摂取できる
- 満腹感がえられる
子犬の消化器官は未発達のため、ドライフードを硬いまま与えると消化不良を起こすことがあります。ふやかすことで、消化器官への負担を減らすことができるので、嘔吐や下痢といった消化不良の症状を防ぐことができます。
また、ぬるま湯でふやかすため、餌を食べると同時に水分を摂取をすることができるのです。水分をしっかりと摂取することで、尿路結石症などの泌尿器系の疾患の予防にもつながるため一石二鳥ですね。
水分をいっしょに摂取することでかさ増しにもなるため、満腹感をえることができます。
子犬の餌をふやかすデメリット
一方で、餌をふやかすデメリットもあります。
- 手間と時間がかかる
- 歯垢がつきやすい
食事の度にぬるま湯を用意しふやかすという手間がかかります。大した手間ではないとはいえ、毎日数回ふやかすとなると少し面倒に感じてしまいますよね。
また、ドライフードをふやかすことで、水分量が増えやわらかくなるため、ウェットフード同様に歯垢がつきやすくなり歯肉炎の原因になると言われています。
子犬の餌のふやかし方
餌のふやかし方には2つの方法があります。
- ぬるま湯注いで時間をおく
- 水を注いで電子レンジで加熱する
どちらの方法も基本は、ひたひたになるくらいの量の水分を入れ、指で簡単に潰せる状態になるまでしっかりとふやかすことです。
ぬるま湯を注いでふやけるまで待つ
ドライフードをふやかすのに使うぬるま湯は人肌程度(30〜40度ぐらい)が適温です。
普段使っている器にドライフードがひたひたになる量のぬるま湯を注ぎ、蒸らすためラップを掛けて15〜30分ほど置きます。
ご飯を与え忘れたりしないように、キッチンッタイマーなどをセットしておくのがおすすめです。
粒の表面がコーティングされているフードは水分を吸いにくいので、時間がかかりすぎるようならミキサーやフードプロセッサーで砕いてからぬるま湯を注ぐとよいでしょう。砕くことでふやけやすくなるので時短になりますし、口の小さな子犬でも食べやすくなります。
フードの粒が十分にやわらかくなっているかどうか指でつぶして確認してから与えてください。
電子レンジで加熱してふやかす
電子レンジを使えばぬるま湯よりも短時間かつ手軽にふやかすことができます。
電子レンジでふやかす場合は、必ず耐熱性のある器を使いましょう。
水の量はドライフードがひたひたになる程度にし、ラップを掛けて500〜600wで20秒ほど加熱します。レンジから出したら十分にふやけていることを確認してください。まだ芯が残っているようならラップを掛けなおして数分置きます。
電子レンジを使うと温めすぎたり、温めムラができたりする場合がありますので、食べさせる前に必ず熱くないかどうか確認してから与えましょう。また、与える時は、温かさにムラが出ないようにしっかりと混ぜてください。
子犬の餌をふやかす時の注意点
ドライフードをふやかす際には注意したい点がいくつかあります。
大切なのはフードに含まれる栄養分をそこなわないようにすること、子犬の健康に配慮すること、食べやすさを意識することです。
では、どのような点に注意してふやかしたらよいのでしょうか?
熱湯や冷水を使うのは避ける
餌をふやかす際に使用するぬるま湯の温度は「30〜40度程度」の人肌くらいが適切です。熱湯を使うと早くふやけますが、50度以上のお湯を使用するとタンパク質やビタミン類などの熱に弱い栄養素が破壊されたり変質したりする原因になります。
また、冷水を使うとふやけるまでに時間がかかったり、子犬の胃腸に負担をかけるという意見もありますので、避けるようにするのが賢明でしょう。
ミネラルウォーターを使わない
餌をふやかすときはミネラルウォータを使わないようにしましょう。
ミネラルウォーターにはたくさんのミネラルが含まれているため、餌をふやかすのに使うと、栄養バランスを崩すことになります。また、ミネラルを摂りすぎると尿路結石の原因になる場合もあります。
ふやかす時に使った水分は捨てない
餌をふやかすのに使用したぬるま湯には、ドッグフードの栄養素が溶け出しているため捨ててはいけません。捨ててしまうと、栄養バランスが崩れてしまう可能性があるので、そのまま与えるようにしましょう。
また、ふやかすときに使ったぬるま湯を摂取することで食事と同時に水分補給にもなります。
ただし、水分量が多いといやがる子もいるので、その場合は入れるぬるま湯の量を調整し捨てないようにしてください。
作り置きは避け、食べ残しは捨てる
水分を足しているため、ふやかした餌は雑菌が繁殖しやすい状態になっています。また、温めることで脂肪分の酸化が進みやすい状態にもなります。そのため、作り置きや食べ残しを保存しておくのは絶対にやめましょう。
餌をふやかす際は、面倒でも食べさせる直前に作るようにしてください。
食べる直前に温め直すと食欲UP!
子犬がふやかした餌を食べてくれないときは、冷めてしまったことが原因かもしれません。食べる直前に電子レンジで人肌程度(40度くらい)に温めてみましょう。
ドライフードの表面は嗜好性を高めるためにオイルコーティングがほどこされているため、温めることで餌の香りがたち食べてくれることがあります。
まとめ
子犬の餌をふやかすのは、乳歯が生えそろう生後3ヶ月ごろまでです。多くの子犬は3〜4ヶ月ごろになるとふやかした餌から徐々に硬いままの餌へと切り替えていきます。
しかし、カリカリご飯に切り替えるタイミングは、子犬の成長により個体差がありますので、3ヶ月がすぎたからといって一概にカリカリご飯にしなければいけないわけではありません。愛犬の様子を見て判断してくださいね。
もし、切り替えるタイミングに悩んだら、獣医師に相談することをおすすめします。
愛犬が安心してカリカリご飯に移行できるように、正しい知識を身につけ、しっかりとサポートをしていきましょう。