ドッグフードをふやかすには?適切な時間や温度、量から与え方まで
ドッグフードをふやかす方法は簡単で、まず適量のドッグフードをボウルに入れます。
次に、30~40度のお湯または常温の水をドッグフードに加えます。水・お湯の量はドッグフードの量や犬の好みによって調整できますが、一般的にはドッグフードの1.5倍から2倍の量の水を加えることが多いです。
水・お湯を加えたら、水分がドッグフードに吸収されるまで数分間放置します。通常、5分から10分程度で十分ですが、ドッグフードの種類や水の量によって異なる場合があります。十分に柔らかくなるまで待ってから、犬に与えるようにしてみてください。
ドッグフードをふやかす必要がある時
- 消化器官や歯が未発達な子犬の時期
- 消化器官や歯が弱っているシニア期や病気の時
- 食欲のない時
歯がそろそろ生えてきた離乳期の子犬、10歳以上のシニア期の犬がドライタイプのドッグフードを食べにくそうにしていたら、ドッグフードをふやかして食べさせてみましょう。
ドッグフードを水でふやかして与えるメリット
消化を助ける
ドッグフードをふやかすと柔らかくなり、消化吸収されやすくなります。
そのため、ふやかしたドッグフードは内臓にかかる負担が軽くなり、硬いまま与えるよりも、体に優しい食事になります。
食べやすい
シニア期になって歯周病や老齢が原因で歯が抜け、噛む力そのものが弱くなっている時でも、ふやかしたドッグフードは柔らかく、スムーズに食べることができます。
水分の摂取ができる
離乳期の子犬やシニア期の犬でなくても、夏場に食欲が落ちる場合があります。そんな時にドッグフードを水でふやかすと、栄養と同時に水分も摂取することができます。
フードの香りで食欲をそそることができる
犬はニオイで食べ物の味を感じる動物なので、ふやかすとニオイが強くなるドッグフードの特性を利用して、犬の食欲をかきたてることができます。さらにレンジで少し温めるとより一層匂いがたちます。
ドッグフードを水でふやかす方法
基本ドッグフードは栄養価を考えて作られています。
また何かのアレルギーや病気のための療養食として、特別なフードを与えているのであれば、ミルクなどでふやかすとドッグフードの栄養バランスを損なうことも考えられるので、ドッグフードをふやかす時は水もしくはお湯を使うようにしましょう。
ドッグフードをふやかすために必要な温度
「水」と言っても、冷水を使うとドッグフードが冷えてしまいます。犬の内臓が冷えると、お腹を壊してしまうこともあります。
また熱湯を使うと早くふやかすことができますが、ドッグフードに含まれている栄養素が場合によっては損なわれてしまう可能性があります。そのためドッグフードをふやかすために使う水は、50℃以下のぬるま湯ぐらいがちょうどいいかもしれません。
ドッグフードをふやかすために必要な時間
ドッグフードの製品の品質によって差異があります。50℃くらいのお湯をドッグフードに注ぎ、ある程度時間を見て、指でつまんで潰せる程度の硬さになるのを確認して、適切な時間を把握しましょう。
ドッグフードをふやかすために必要な水の量
ドッグフードを一食分の量が入る容器に入れ、全体に浸る程度の水を使います。
ふやかしたドッグフードを与える時に注意すべきこと
作り置きはせず、食べ残しは捨てる
ドッグフードは空気に触れると酸化しやすくなるので、作り置きは止めましょう。また食べ残しも、冷蔵庫の中に入れたとしても腐敗する恐れがあります。
ふやかしたドッグフードは離乳期の子犬や、体力の衰えたシニア期の犬に食べさせるためのものと考えると、酸化の恐れがあったり、食べ残しを「もったいない」、と冷蔵庫に保管して腐敗の可能性のある危険な食事を与えるよりは、毎回、食べきれるだけの量をふやかして、作りたてを与えるようにした方が良いでしょう。
歯石が付きやすいので歯磨きをする
固いドッグフードを食べることより、歯垢が溜まりやすくなります。
そのため口臭も強くなってくることがあるので、歯磨きを習慣づける必要があります。
排泄物の様子を見ながら、水分調整をする
ドッグフードは指でつまんで潰せる程度の柔らかさに調整して与えますが、ふやかしたドッグフードを与える時は、うんちが緩くなりすぎていないかなどその子の状態をよく観察しながら与えましょう。
ふやかしたドッグフードを与える量
犬種、体重などから摂取カロリーを計算
犬の摂取カロリーの計算式は、ネットなどで検索すると必ずヒットします。
愛犬の体重、年齢などのライフステージ係数と言われる数字を当てはめて、愛犬が一日にどのくらいのカロリーを摂取すればよいか具体的に数字を出します。そこから愛犬に食べさせているドッグフードの量を割り出します。
ふやかしたドッグフードの与え方
子犬、シニア期
湯冷ましでふやかしたドッグフードをフードボールに入れて、自分から食べるように与えます。
介護食として
ふやかすだけでなく細かくすり潰し、団子状、あるいはペースト状にします。
団子状であれば、舌の上に乗せて飲み込むのを待ちます。ペースト状にしたものは、シリンジ(注射のような形の道具)に入れて、口の横から口内へ流し込みます。
子犬の餌をふやかして食べさせるのはいつまで?
子犬の餌をふやかすのは生後3〜4ヶ月ごろまでとされています。
その理由には以下のようなものがあります。
- 乳歯が生えそろうのが3ヶ月ごろだから
- 永久歯の生え方に影響があるため
- 消化器官が未発達で消化不良を起こすから
歯が生えそろわないうちに硬い餌を与えると、丸飲みしてのどに詰まらせたり、歯茎を傷め、永久歯の生え方に悪影響を与えることがあります。そのため、乳歯が生えそろう3ヶ月ごろまでは、ふやかした餌を与えるようにしましょう。
また、子犬の消化管は未発達なため、ドライフードを硬いまま与えると消化不良を起こすことがあります。カリカリご飯に切り替える時も、うんちの様子を見ながら少しずつ切り替えるようにします。
なお、カリカリご飯に切り替える時期は3ヶ月を目安にしますが、成長度合いには個体差があるため、愛犬の様子を見ながらはじめましょう。その際は、体格の差は考慮しないため、ラブラドールレトリーバーのような大型犬でもチワワやトイプードルといった小型犬でも時期に差はありません。
子犬の餌をふやかすメリット・デメリット
餌をふやかすことには様々なメリットやデメリットがあります。
成長中の子犬にとっては、食べやすいというだけではなく、体への負担や健康のためにも餌をふやかすことは大きな意味があります。
では、子犬にとってはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?それぞれ詳しく見ていきましょう。
子犬の餌をふやかすメリット
子犬の餌をふやかすメリットには以下のことがあります。
- 消化がしやすい
- 同時に水分を摂取できる
- 満腹感がえられる
子犬の消化器官は未発達のため、ドライフードを硬いまま与えると消化不良を起こすことがあります。ふやかすことで、消化器官への負担を減らすことができるので、嘔吐や下痢といった消化不良の症状を防ぐことができます。
また、ぬるま湯でふやかすため、餌を食べると同時に水分を摂取をすることができるのです。水分をしっかりと摂取することで、尿路結石症などの泌尿器系の疾患の予防にもつながるため一石二鳥ですね。
水分をいっしょに摂取することでかさ増しにもなるため、満腹感をえることができます。
子犬の餌をふやかすデメリット
一方で、餌をふやかすデメリットもあります。
- 手間と時間がかかる
- 歯垢がつきやすい
食事の度にぬるま湯を用意しふやかすという手間がかかります。大した手間ではないとはいえ、毎日数回ふやかすとなると少し面倒に感じてしまいますよね。
また、ドライフードをふやかすことで、水分量が増えやわらかくなるため、ウェットフード同様に歯垢がつきやすくなり歯肉炎の原因になると言われています。
子犬の餌のふやかし方
餌のふやかし方には2つの方法があります。
- ぬるま湯注いで時間をおく
- 水を注いで電子レンジで加熱する
どちらの方法も基本は、ひたひたになるくらいの量の水分を入れ、指で簡単に潰せる状態になるまでしっかりとふやかすことです。
ぬるま湯を注いでふやけるまで待つ
ドライフードをふやかすのに使うぬるま湯は人肌程度(30〜40度ぐらい)が適温です。
普段使っている器にドライフードがひたひたになる量のぬるま湯を注ぎ、蒸らすためラップを掛けて15〜30分ほど置きます。
ご飯を与え忘れたりしないように、キッチンッタイマーなどをセットしておくのがおすすめです。
粒の表面がコーティングされているフードは水分を吸いにくいので、時間がかかりすぎるようならミキサーやフードプロセッサーで砕いてからぬるま湯を注ぐとよいでしょう。砕くことでふやけやすくなるので時短になりますし、口の小さな子犬でも食べやすくなります。
フードの粒が十分にやわらかくなっているかどうか指でつぶして確認してから与えてください。
電子レンジで加熱してふやかす
電子レンジを使えばぬるま湯よりも短時間かつ手軽にふやかすことができます。
電子レンジでふやかす場合は、必ず耐熱性のある器を使いましょう。
水の量はドライフードがひたひたになる程度にし、ラップを掛けて500〜600wで20秒ほど加熱します。レンジから出したら十分にふやけていることを確認してください。まだ芯が残っているようならラップを掛けなおして数分置きます。
電子レンジを使うと温めすぎたり、温めムラができたりする場合がありますので、食べさせる前に必ず熱くないかどうか確認してから与えましょう。また、与える時は、温かさにムラが出ないようにしっかりと混ぜてください。
子犬の餌をふやかす時の注意点
ドライフードをふやかす際には注意したい点がいくつかあります。
大切なのはフードに含まれる栄養分をそこなわないようにすること、子犬の健康に配慮すること、食べやすさを意識することです。
では、どのような点に注意してふやかしたらよいのでしょうか?
熱湯や冷水を使うのは避ける
餌をふやかす際に使用するぬるま湯の温度は「30〜40度程度」の人肌くらいが適切です。熱湯を使うと早くふやけますが、50度以上のお湯を使用するとタンパク質やビタミン類などの熱に弱い栄養素が破壊されたり変質したりする原因になります。
また、冷水を使うとふやけるまでに時間がかかったり、子犬の胃腸に負担をかけるという意見もありますので、避けるようにするのが賢明でしょう。
ミネラルウォーターを使わない
餌をふやかすときはミネラルウォータを使わないようにしましょう。
ミネラルウォーターにはたくさんのミネラルが含まれているため、餌をふやかすのに使うと、栄養バランスを崩すことになります。また、ミネラルを摂りすぎると尿路結石の原因になる場合もあります。
ふやかす時に使った水分は捨てない
餌をふやかすのに使用したぬるま湯には、ドッグフードの栄養素が溶け出しているため捨ててはいけません。捨ててしまうと、栄養バランスが崩れてしまう可能性があるので、そのまま与えるようにしましょう。
また、ふやかすときに使ったぬるま湯を摂取することで食事と同時に水分補給にもなります。
ただし、水分量が多いといやがる子もいるので、その場合は入れるぬるま湯の量を調整し捨てないようにしてください。
作り置きは避け、食べ残しは捨てる
水分を足しているため、ふやかした餌は雑菌が繁殖しやすい状態になっています。また、温めることで脂肪分の酸化が進みやすい状態にもなります。そのため、作り置きや食べ残しを保存しておくのは絶対にやめましょう。
餌をふやかす際は、面倒でも食べさせる直前に作るようにしてください。
食べる直前に温め直すと食欲UP!
子犬がふやかした餌を食べてくれないときは、冷めてしまったことが原因かもしれません。食べる直前に電子レンジで人肌程度(40度くらい)に温めてみましょう。
ドライフードを温めることで餌の香りがたち食べてくれることがあります。
まとめ
子犬の餌をふやかすのは、乳歯が生えそろう生後3ヶ月ごろまでです。多くの子犬は3〜4ヶ月ごろになるとふやかした餌から徐々に硬いままの餌へと切り替えていきます。
しかし、カリカリご飯に切り替えるタイミングは、子犬の成長により個体差がありますので、3ヶ月がすぎたからといって一概にカリカリご飯にしなければいけないわけではありません。愛犬の様子を見て判断してくださいね。
もし、切り替えるタイミングに悩んだら、獣医師に相談することをおすすめします。
愛犬が安心してカリカリご飯に移行できるように、正しい知識を身につけ、しっかりとサポートをしていきましょう。