愛犬はどう?トリミングに時間がかかる犬種ランキング

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現役トリマーが出会った、トリミングに時間のかかる犬種TOP5を上げます。

トリミングに時間のがかかる犬種

そもそもトリミングとは、ハサミやバリカン等で被毛を切ったり、刈ったりしてその犬種らしい姿かたちを作ることを指します。そのため、ここでは犬種基準に照らし合わせて、切ったり刈ったりする必要のある犬種を上げます。
また、カットだけではなく飼い主さんからお預かりしてから、お返しするまでの大体の目安の時間から、時間のかかる犬種とさせていただいております。

スタンダード・プードル

毛並みの特徴

体高(地面から肩までの高さ)45~60センチ(FCI基準)。被毛はふわふわの羊のような毛。巻きが強かったり、直毛だったりの プードル種の一番大きな種類です。

普段のお手入れが時間短縮に

とにかく大きいので、シャンプー、ブロー、カットとやっていくとかなりの時間がかかります。毛玉がないのが理想ですが、一般家庭で飼われているとなかなかそういうわけにもいかず、毛玉があるとそれをほどくのにまた更に時間がかかります。この犬種だけではないのですが、 飼い主さんの普段のお手入れが時間短縮に繋がります。

飼い主さんの希望の毛足の長さ、カットのスタイルにもよりますが、バリカンでばりっと全身カットしてしまえば、そこまでかかりません。ですが、バリカンで表現できないカットスタイルの場合、全身ハサミでカットしていきます。この場合、ものすごく時間が必要です。全体のカットのバランスを見たりするのも大型犬ですと、一苦労です。私のところでは目安として 5~6時間かかります。

ゴールデンドゥードル・ラブラドゥードル

毛並み・犬の特徴

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバ×スタンダード・プードルのMIX犬は、ゴールデンドゥードルとかラブラドゥードルなどと呼ばれているMIX犬です。
大型犬同士のMIX犬なので、大体大型です。特にゴールデンドゥードルの方が大きいと言われています。
また、プードルの血が入っているので、被毛はふわふわですがスタンダード・プードルと比べると少し硬い毛質の子もいます。カールも純血のプードル種よりきつい気がします。
そして、その被毛は一生伸び続けるタイプのものが多いです。そのため、 定期的なトリミングが必要になります。

大型犬は時間がかかる

スタンダード・プードルと同じように、こちらも毛玉があるとほどくのに時間を要します。なにせ大きいので、なかなかに重労働です。こちらも飼い主さんの協力は必要不可欠で、日常のお手入れがものをいいます。
MIX犬なので犬種基準や決まったスタイルのカットがありませんので、飼い主さんの希望や生活のしやすさを重視してカットします。こちらもスタンダード・プードルと同じように、全身バリカンですと時間がかかりませんが、全身ハサミでカットするとかなりの時間を要します。 大体5~6時間かかります。

アメリカン・コッカー・スパニエル

毛並み・犬の特徴

体高オス38.1センチ、メス35.6センチと小型と中型の間くらいの大きさの犬です。フルコート(ドッグショーに出すように被毛を長く伸ばしている状態)は飾り毛が非常に絡みやすく、毛玉のできやすい犬種です。

フルコートの犬種のトリミング

また、フルコートの場合、足先のカットはすり鉢状にするのですが、毛量がとてもあるため、きれいに切りきるまで時間がかかります。
元々はスィニングシザー(すきバサミ)でカットしていた犬種なので、スィニング犬種と言われることもあります。ただ現在はバリカンで形を作っていくことが主流です。
また、耳の飾り毛もとても多く、飲食や散歩時にスヌードのようなもので保護してもらわないと、 耳の飾り毛はすぐに毛玉だらけになってしまいます。
フルコートでバリカン使用すると 3時間程度 かかります。ペットカットで全身短くしてあれば、そこまではかかりません。

ビション・フリーゼ

毛並み・犬の特徴

体高30センチの小型犬に分類される犬です。純白のふわふわとした被毛に、パウダーパフのようなまん丸に大きく作る顔が特徴です。 こちらもふわふわの被毛なため、毛玉ができるとかなり厄介な犬種です。

トリミングをする時は

今まで上げた犬種も毛玉ができると厄介ですが、ビションは気質が難しいことがあります。嫌なものは嫌とばかりに、トリマーをてこずらせる事も多々あります。
ペットカットにする場合、バリカンで刈ってしまうと時間短縮になりますが、ハサミで仕上げるとこちらも時間がかかります。ハサミで仕上げると 3時間くらいです。

ベドリントン・テリア

毛並み・犬の特徴

体高41センチの小型と中型の間にある大きさの犬です。一度見たら忘れられない、インパクトのあるカットスタイルとなっています。 テリアという名前が付いていながら、ごわごわのワイヤー状の被毛ではなく、絹糸状なふわふわの柔らかい被毛です。 これがまたお手入れを怠ると毛玉になりやすい毛質となっています。

経験のあるトリマーさんが少ない

ハサミで仕上げる場合と、バリカンで仕上げる場合があり、好みで仕上げます。日本では登録頭数が少ないため、トリミングできるトリマーさんが少ないです。
ハサミで仕上げると 3時間くらいかかります。

まとめ

どの犬種も、飼い主さんの協力なしには時間もやたらかかってしまいます。トリミングするにあたって、時間を取られるのは 毛玉の処置です。 毛玉は自宅で定期的にブラッシングすれば、ある程度は防げるものです。愛犬とのコミュニケーション手段として、ブラッシングしていただけるとトリマーとしてとても助かります。

また、カットの手法もバリカンかハサミによって、かかる時間が変わってきます。大抵のトリマーがバリカンでカットするのは時間短縮のためです。
犬の性格、大きさ、毛量、年齢にもよって時間が変わります。
自宅でのお手入れと、月1回のトリミングで、かかる時間はだいぶ変わってきます。 愛犬のトリミングにかかる負担を減らしてあげるために、こまめにお手入れお願いします。

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執筆ライター
トリマーとして10年以上働いているため、トリミングに関する専門知識は豊富にあります。また、飼い主さんの役に立つそわんちゃんのケア方法も紹介出来ればいいなと思い…