トイプードルは関節に注意!「膝蓋骨脱臼」早期発見と予防法【獣医師監修】
2017年12月08日更新
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記事の監修
- 獣医師
- 平松育子
- (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )
獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。
先天性、外傷性共にトイプードルに多く見られる病気の1つです。外傷性の症状は飼育環境の管理で防ぐことが出来ます。早期発見出来る症状の説明から、適した飼育環境をご紹介します。
膝蓋骨脱臼とは
「膝蓋骨」膝のお皿のことを言います。
細いトイプードルの膝のお皿は普段の生活で外れてしまう事も多いようです。
先天性のもの、外傷性のものがあります。
家族を迎える時に信頼できるブリーダーさんから迎える事が一番ですが、ペットショップなど等から迎えた場合のほとんどが、親犬の状態を聞く事が難しく家族に迎える前に遺伝の多い病気を親犬が持っていたかどうかは分かりません。
ジャンプ力も高く、軽やかに走り回るトイプードルですがこの病気の症状が出た場合には、膝に負担をかけさせないよう注意が必要です。
初期症状
まずは、初期症状に早く気が付いてあげる事が大切です。
定期検診などでは必ず「膝のお皿の状態」を診てもらう事が大切です。
予防用のサプリメント等もあるので、信頼できる獣医師に相談してみましょう。
痛みが無い初期の場合でも、
- 片足を地面につけづらそうにしている
- びっこをひいている
- 後ろ足を伸ばす仕草が多い
- 歩きづらそう
- 骨が鳴る音がする
等、
症状に気が付かずに重症化してしまうと、ある日突然後ろ足は伸びきったまま、前足だけで歩いて来て心臓が止まるかと思った。
という飼い主さんもいらっしゃいます。
予防方法
まずは、毎日愛犬の身体全身を触ったり、気にかけて様子を見ましょう。
ワンちゃん自身が違和感を感じている場合には小さなサインが出ます。
痛がる様子が無くても、加齢によって症状が悪化する場合もあるので体重管理や、飼育環境を整えるなどケアが必要です。
トイプードルの飼い主さんからどこでも飛び乗ってしまう。
落ち着きが無くいつもピョンピョンしているというお話をよく聞きます。
注意して整えて頂きたいのが、「床」です。
何もしていないフローリングの床は滑りやすく、どのワンちゃんにも言える事ですが、環境としてはお勧めしません。
ソファーや椅子からピョンっと飛び降りた時に滑りやすい床にうまく力が入らず腰や膝を痛めてしまう場合が多いのでペット用のフロアマットやじゅうたん等、滑らない様に環境を整えてあげましょう。
また、階段などの上り下りも注意が必要です。
階段用の滑り止めを敷き、一気に駆け上がる事の無い様にワンちゃんに覚えさせる事も必要です。