ペット関連の福利厚生について、先進的な取り組みを行っている2社のご紹介。
日本初「最高動物福祉責任者(CAO)」を役職として新設
株式会社SARABiO 温泉微生物研究所
温泉プロバイオティクス研究による機能性食品やペット用品などの製造販売を行う株式会社SARABiO 温泉微生物研究所(大分県別府市)は、先日、「最高動物福祉責任者(CAO)」という役職を新設した。
CAO「Chief Animal-welfare Officer(チーフ・アニマルウェルフェア・オフィサー)」は、働きながらペットと暮らしやすい就業環境の創出と啓蒙を目的とした役職で、このような役職を作ったのは日本初という。
また、CAO新設と同時に、新たなペット関連の福利厚生制度として「ペット忌引休暇、ペットの病院付き添い、介護による有給休暇取得制度、ペット関連資格の取得支援制度」を新たに導入。
資格の取得支援制度は、ペット関連の資格だけではなく、同社の事業に関わる資格であればすべてを支援対象とし、ペット飼育者だけが受けられる福利厚生ではなく、飼っていない人にとってもQOLの向上やスキルアップできる制度になっているという。
ペット同伴出勤・オフィスに保護猫を迎え入れる、その他ペット関連制度の導入
マース ジャパン リミテッド
グローバルでペットケア、食品など4事業を展開する米マース インコーポレイテッドの日本の拠点であるマース ジャパン リミテッドでは、17年前から社員がオフィスにペットの同伴(3匹まで)を許可しており、東京オフィスでは移転した6年前からオフィスに保護猫を2匹迎え入れている。
「親会社マースのペットケア事業は、使命(Purpose)として、『ペットのためのより良い世界(A BETTER WORLD FOR PETS)』の実現を掲げており、体現する一つの施策として犬・猫と一緒に過ごせるオフィスをグローバルで推奨しています。日本では、2005年にオフィスを移転する際に、ペットフレンドリーオフィスを実現できるオフィスに決め、犬・猫との同伴出勤が可能なオフィスに決定し、その後の移転先でもペットフレンドリーオフィスを継続してるという。(広報担当者)
オフィスにいる保護猫たち
・その他のペット関連制度
その他にも、社員がペットを飼いやすい環境づくりとして社員向けの福利厚生制度を導入。
慶弔関連では、ペットを新しく飼い始めた社員は1日有給休暇とお祝い金支給、ペットを亡くした社員は1日有給休暇とお見舞金支給制度がある。
また、出張の多いペットオーナー社員の声が元になり実現したのが、ペットホテル・ペットシッター費用補助制度。出張や、オフィス出社時など、ペットが家で留守番をするのが心配な際に、ペットホテルに預けたり、ペットシッターに家にきてもらう場合に会社が費用(上限あり)を支給してくれる。
これらの取り組みは、「SDGs」にも貢献するという。
「SDGsでは『誰一人取り残さない持続可能で多様性と包摂性のある社会』の実現を目指していますが、当社では『誰一人』の中にペット(特に犬と猫)も含まれると考えております。ペットと一緒に過ごすことのできるオフィスを通じて、人とペットが共生できる社会の素晴らしさや、飼い主としての責任を感じるきっかけになったり、保護犬や保護猫がペット迎える際の選択肢となるように、認知度を上げることで、すべてのペットに温かいおうちがあるような世界を実現したいと考えています」。