愛犬がドッグフードを食べない理由
わがまま
犬がドッグフードを食べない時は、不満を訴えている可能性が考えられます。犬は賢い生き物なので、わがままで食べ物の選り好みすることもあります。おねだりをすれば他の食事が出てくると思っているのかもしれません。
すぐに他のフードに変えたりおやつを与えたりすると、わがままが通ったと認識して、ますますドッグフードを食べなくなる可能性もあります。元気がある、おやつは食べるなど健康面で特に問題がなさそうな場合は、今までのドッグフードを根気強く与えてもよいでしょう。
おやつの食べ過ぎ
犬がおやつを食べ過ぎていると、ドッグフードを食べない場合があります。嗜好性の高いおやつに慣れて、通常の食事が物足りなく感じているのかもしれません。ドッグフードは食べないのにおやつを欲しがる時は、おやつの量を減らすか、与えないようにしましょう。
人間用の食べ物を犬のおやつとして与えると、味の濃さに慣れて犬用の食事を食べなくなる可能性が高まります。自分以外の家族が知らない間に与えてしまわないように、ルールを共有しておきましょう。
食事環境の問題
ドッグフードを食べる場所が、落ち着かない環境になっている可能性があります。出入り口の近くや、周囲の音が気になる場所では食事に集中しづらいものです。ドッグフードを食べない時には、愛犬が安心できる環境を作ってあげるのもよいでしょう。
犬の中には引っ越してしばらく食事量が減る子もいるようです。この場合、環境に慣れれば食欲は自然と回復します。食べない期間が長引く時には、ストレスなど他の原因を疑ってみましょう。
運動不足
十分に運動していないとお腹が減らず、犬がドッグフードを食べないことがあります。また、運動不足によるストレスを抱えている場合にも、ドッグフードを食べなくなります。運動はストレス解消にも効果的です。運動量と食事量が見合っているかを確認し、必要に応じて散歩や遊びの時間を増やしてみましょう。
老化
老犬になると味の好みが変わり、今までのドッグフードを食べないことがあります。これは年齢と共に、味覚や嗅覚の感度が低くなるためです。
犬は年を取るにつれて、食べ物を消化する機能も衰えていきます。犬種にもよりますが、老化のサインは7~9歳頃から現れると言われています。以前と同じ食事量を与えていると、体に負担がかかる可能性もあるので注意しましょう。
体調が悪い
犬がドッグフードを食べない時は、何らかの病気である可能性も考えられます。食欲がないことと合わせて下痢や嘔吐などの症状が見られる場合は、早めに動物病院を受診してください。
メスの場合、生理(ヒート)の期間は食欲が落ちると言われています。また、犬は暑さに弱い生き物なので、夏には食欲が落ちることもあります。体調に合わせて食べやすい食事に切り替えてあげましょう。
犬がドッグフードを食べない時に考えられる病気
急性胃腸炎
急性胃腸炎は、犬の胃の粘膜に炎症が起きる病気です。発症すると食欲不振によりドッグフードを食べない、吐く、下痢をするなどの症状が見られます。主な原因には、食べ慣れないものや脂肪分が多い食事の摂取、ストレス、感染症があげられます。
腎不全
腎不全は犬の腎臓機能が低下する病気です。腎不全になると嘔吐や下痢、けいれんなどの症状が現れ、ドッグフードを食べない様子が見られます。
腎不全が進行すると、尿として排出されるはずだった老廃物が体内に蓄積され、犬が「尿毒症」に陥ることがあります。最悪の場合は死に至る可能性もあるので、早急な治療が必要となります。
歯周病
歯周病を発症すると、口の中の痛みによって犬がドッグフードを食べないことがあります。成犬(3歳以上)の約8割は、歯周病または歯周病予備軍だと言われています。歯周病を放置していると、細菌が全身に広がり深刻な病気に繋がる可能性もあるので、早めに治療を行いましょう。
子宮蓄膿症
細菌感染が原因で、子宮内に膿が溜まっていく病気です。避妊をしていないメスの犬が発症しやすい病気だと言われています。腹部に膿が溜まることで、腹部の膨らみ、息切れ、食欲の低下などの症状が現れ、ドッグフードを食べないといった様子が見られます。また、大量の水分を欲するようになり、おしっこの量が増えることも特徴です。
犬がドッグフードを食べない時の工夫
食事の時間を決める
犬にドッグフードを与えてから20~30分が過ぎたら、一旦食事を下げることをおすすめします。食事の時間に区切りがないと、犬は「いつでも食べられる」と認識してしまいます。さらにドッグフードを出したままにすることは衛生面においても心配があります。
次の食事の時間まで間食もさせないよう徹底すれば「決まった時間に食べないと食事がなくなる」と、覚えやすくなるでしょう。
食事内容を変える
同じ食事に飽きている場合は、対処法としてドッグフードそのものを変えてみましょう。犬はにおいに敏感なので、いきなりドッグフードを変えると警戒して食べない可能性もあります。少量ずつ新しいフードを混ぜ、1週間~10日ほどかけて切り替えてあげてください。
調理を工夫する
犬がドッグフードを食べない時は、ふやかして固さを変えたり温めたりして、食べやすくなるよう工夫してあげましょう。犬は味覚より嗅覚が優れているため、香りで食べ物がおいしいかどうかを判断しています。温めると香りも出やすくなるので、同じドッグフードでも犬が食べてくれる可能性が高くなります。
食べた時には褒める
食事の時間が楽しいと思えるように、ドッグフードを食べた時には犬を褒めてあげましょう。食欲があまりない時に飼い主から叱られると、食事の時間自体に嫌なイメージを持つ可能性もあります。食べないことが心配な場合でも、おおらかな気持ちで見守ることが大切です。
犬がドッグフードを食べない時の選び方
愛犬に合ったフードを選ぶ
ドッグフードには、子犬用や成犬用、シニア犬用など様々な種類があります。食物アレルギーを持つ犬もいるので、愛犬の特徴に合わせた選び方をしましょう。犬は元々肉食なので、良質なたんぱく質を好みます。鶏肉や馬肉、魚肉など素材の旨味を活かしたドッグフードは、比較的食いつきが良い傾向があるようです。
ドライタイプを食べない犬に、ウェットタイプのドッグフードを与えたところ、食いつきが良くなったという飼い主さんの声もあります。犬によって味の好みが違うので、食べる様子を見ながら、好みに合うものを見つけていけるとよいですね。
おやつで栄養を補助する
犬がドッグフードをあまり食べない時には、栄養の補助を目的としたおやつを活用するのもおすすめです。犬用のおやつは嗜好性が高く作られているので、食事に関心を持つきっかけとなるかもしれません。おやつの与えすぎはドッグフードを食べない原因にもなるので、あくまで補助的な役割と捉えて与えすぎないようにすることも大切です。
まとめ
犬がドッグフードを食べない時には、まず体調を確認し、食事環境を変えるなどの工夫をしてみましょう。嘔吐などの症状が見られる時は、速やかに動物病院を受診することが大切です。
味の好みの変化や、わがままで食べなくなる可能性もあります。犬の様子を見ながら食事内容を変えてみるのもひとつの方法です。与え方を工夫する際には、今回ご紹介した是非試してみてください。