犬は頭を使うことで脳の老化が予防できる【研究結果】

犬は頭を使うことで脳の老化が予防できる【研究結果】

ペットの寿命が延びるにつれて、人間と同じように認知症など脳の問題も増えています。しかしトレーニングなどで脳を使うことで老化の予防ができることが研究で明らかになりました。

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犬の総合支援サイト「わんちゃんホンポ」を運営する編集部が、犬に関する国内外のニュースをお届けいたします。

トレーニングをすることで犬の脳の老化が予防できるという嬉しい研究結果

散歩中の老いた柴犬

年を取ると物忘れが多くなったり、若い頃よりも頭の回転が遅くなったりというのは多くの人間が感じることです。ペットの犬も同様で、飼い主の目から見ても若い頃よりも好奇心などが少なくなったなあと感じることもありますね。脳の老化がもっと進むと、徘徊や夜鳴き、飼い主が認識できなくなるなどの認知症の症状が出る場合もあります。

けれど、トレーニングなどで脳の様々な活動を保つことが、老化を予防したり遅くしたりするのに効果的だという嬉しい研究結果が発表されました。

実験に参加した犬たち

眠っているゴールデンレトリバー

研究を行ったのは、オーストリアのウィーン獣医科大学の研究施設のチームです。

研究のための実験や聞き取り調査に参加したのは75匹のボーダーコリーと110匹の他の犬種(雑種含む)の犬たちです。犬たちの年齢は6〜14歳で、年齢によって「6〜7歳」「8〜10歳」「10歳超え」の3つのグループに分けられました。

全ての犬の飼い主は聞き取り調査に回答しています。聞き取りの内容には過去に犬がどんな種類の訓練を受けたことがあるかというものも含まれていました。(例、子犬のためのしつけ教室、オビディエンス、アジリティ、サービスドッグ訓練、猟犬訓練、ノーズワーク、様々な芸を覚える、ドッグダンス、ハーディング、等)

実験の内容と結果は?

転がっている黒い老犬

犬たちは2種類の実験に参加して、その結果が観察分析されました。

第1の実験

最初の実験では「単純な刺激」と「社会的な刺激」に対して注意を向け始めるまでの時間と、注意が持続する時間が測定観察されました。

単純な刺激は、ワイヤーの先におもちゃを取り付け、犬の目の前で1分間上下させるというものです。
社会的な刺激は、人間が犬のいる部屋に入ってきて、犬に背を向けたままで壁に絵を描くようなジェスチャーを見せるというものでした。

結果は刺激に対して注意を向けるまでに「8〜10歳」「10歳超え」のグループはどちらも「6〜7歳」のグループに比べて時間がかかりました。これについては犬が過去に受けた訓練の種類やレベルは影響がなく「すべての8歳以上のシニア犬は刺激に対する反応が遅くなる」という結果でした。

一方、刺激に対する注意の持続時間は年齢とともに低下していき「10歳越え」のグループが一番低かったのですが、過去に高レベルの訓練を受けていた犬は高齢になっても注意の持続時間を長く保てることがわかりました。

またすべての犬が、おもちゃの単純な刺激よりも人間による社会的な刺激に長く注意を向けていました。

第2の実験

次の実験では、犬が注意を向ける対象を自分で選ばなくてはいけない時の切り替えの早さや反応が観察されました。

全ての犬は、まず5分間のクリッカートレーニングを受けました。トレーナーが犬の名前を呼び、犬がアイコンタクトをすることができるとクリッカーを鳴らし、次にトリーツを床に投げるというものです。犬はトレーナーとのアイコンタクトから、床の上のトリーツを探すことに注意の方向を切り替えなくてはなりません。

アイコンタクトの観察では、犬の年齢と注意力の間には影響が見られませんでした。当然ながら、以前にクリッカートレーニングの経験のある犬は反応が早くなり、過去に高レベルのトレーニングを受けたことのある犬もやはり高い注意力と早い反応を示しました。

床の上のトリーツへの注意では、年齢が上がるほどにトリーツを見つけるのに時間がかかりました。
トリーツを見つける時間の早さに最も影響したのは、過去のクリッカートレーニングの経験で、他の高レベルの訓練は影響が見られませんでした。

しかし特筆すべきは、すべての犬が5分間のクリッカートレーニング中にアイコンタクトの精度が高くなり上達を見せたということです。そして過去に高レベルの訓練を受けた犬ほど、上達の度合いが高かったとのことです。

また2つの実験の両方で、犬種による目立った違いは観察されなかったとのことです。

まとめ

ソファから覗いているミニチュアダックスフンド

ウィーン獣医科大学の研究チームの発表によると、過去に高レベルの訓練を受けた経験のある犬は年を取ってからも刺激に対する注意の持続力が衰えず、新しいことを学ぶ際にも上達が早いことがわかりました。けれど、そのような経験のない高齢の犬でも、適切な方法でトレーニングをすれば注意力がアップして学習ができることもわかりました。人間と同じで、犬の脳の活動にも生涯学習は有効で大切であるということですね。

また、単純な刺激よりも人間や他の犬が関わる社会的な刺激の方が、犬の注意をより惹きつけるようです。シニア期になった愛犬にも社会的、身体的、精神的な刺激を与えることが脳を若く健康に保つ秘訣のようです。

シニア犬になっても活き活きと元気に過ごしてもらうために頑張らなくては!と思わせてくれる研究結果でした。

《参考》
https://www.companionanimalpsychology.com/2018/01/dogs-attention-declines-with-age-but.html

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