犬の腹膜炎について 症状や原因、治療から予防方法まで

【獣医師監修】犬の腹膜炎について 症状や原因、治療から予防方法まで

犬の腹膜炎とは腹腔内(おなかの内臓のある場所)に炎症を起こす病気です。初めは激しい腹痛から始まるため、体を小さく丸める姿が目立ちます。犬の腹膜炎が進行すると、様々な合併症を引き起こし、意識不明や致命的となるショック症状が表れることがあります。犬の腹膜炎とはどういったものなのか、知識をしっかり頭に入れていざという時には早期発見できるようにしましょう。

はてな
Pocket
お気に入り登録
SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の腹膜炎の症状

丸まって眠る犬

犬が腹膜炎を発症すると耐えがたい腹痛が出るため、お腹に触られるのを嫌がり、その痛みを耐えるため背中を丸めるという行動が見られます。

そして発熱や震え、嘔吐、脱水症状、元気消失、食欲低下、お腹がパンパンに腫れたように見えるなどの症状が表れ始めます。

腹膜炎が進行すると犬のお腹には大量の腹水がたまり、意識消失、ショック状態に陥ることがあるため早急に対処することが必要となります。腹水の場合は原因を突き止め治療すると、治せる確率が高くなります。

犬の腹膜炎は急に激しい痛みが繰り返され、時間を追うごとにお腹全体まで広がっていきます。急に痛みを堪えるような行動を取るので、おかしいと思ったら極力負担をかけないようにし、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

犬の腹膜炎の原因

聴診器を当てられる犬

犬の腹膜炎は細菌で起こるもの、非細菌で起こるものに分けられます。

腹腔臓器の損傷や細菌が感染することによって腹膜炎を発症します。胃や腸に穴が開いたり、誤飲したもので損傷することによって腹腔内に内容物が流れ出し、その際に胃や腸にいた細菌が中から漏れてしまうことによって細菌感染することがあります。

他にも、急性胆のう炎や、急性膵炎など消化器疾患が重症化した犬の場合は特に腹膜炎になる可能性が高くなります。血流によって腹膜へ流れてくることもあります。

その他、腸閉塞やメスなら子宮内膜炎や卵巣炎、流産がきっかけで発症したり、過去に何らかの手術歴があったり、手術後の癒合不全や誤飲で何か刺さったりなどの外傷が原因で起こることもあります。

犬の腹膜炎の治療

エコーを当てられる犬

犬の腹膜炎の治療は、まず腹部のX線検査や超音波検査を行い、臓器に異常がないかを確認します。それから原因に沿った治療を行います。

犬が腹膜炎を発症した原因が何らかの感染の場合は、根源である微生物を殺滅するために、抗生物質の投与、点滴などを行って感染源を治療し、早期回復を目指します。原因によっては絶食し、発熱、嘔吐があればそちらの治療も並行して行っていきます。

腹膜炎が重症化した場合は開腹手術を行い、腹腔内洗浄、炎症を引き起こしている原因の外科手術をすることもあります。その後、抗生物質を投与し経過をみます。必要があれば注射器で腹腔内の腹水を抜き出すという治療も行われます。

犬の腹膜炎の予防方法

食べ物を見つめる犬

犬の腹膜炎は早期発見、早期治療が大切です。

普段大人しくお腹を触らせていたのが急に嫌がったり、食欲低下や動くとしんどそうにしていたりと、何かしらサインを発します。そういったサインを見逃さないよう普段から愛犬の様子を気にかけましょう。
また、動物病院でこまめに定期検診をすることは早期発見につながります。

犬が腹膜炎になる原因のひとつには、誤食により胃や腸を傷つけてしまうことがあります。
これらは普段の生活で防ぐことが可能です。破損したおもちゃがないか、爪楊枝や竹串など鋭利で飲み込める大きさのものが床に落ちていないか、もう一度部屋を見渡し、確認してみましょう。

また食事にも気遣う必要があります。高脂肪のものは胃腸に負担がかかりやすくなってしまうため、控えることで炎症や合併症予防に繋がります。
毎日の食生活の見直しや肥満に気をつけることも大事です。

犬の腹膜炎は免疫機能が低下することで引き起こしやすくなります。ライフステージに合わせた食事内容を心掛けましょう。

まとめ

飼い主と散歩をする犬

犬の腹膜炎はどの犬種でも起こりうる病気です。重症化すると、命にも関わる上に手術もすることになるので愛犬に大きな負担がかかります。熱や嘔吐などの症状以上に、腹部の痛みが愛犬を苦しめているということを知っておいてください。

犬の腹膜炎は早期発見、早期治療が必要です。「何だか歩きにくそうにしている」「キャンキャン鳴いて足をばたつかせている」「背中を丸めてうずくまっている」など、愛犬が出すどんなに小さなサインでも、見落とすことなく普段から愛犬の様子をしっかり観察しておきましょう。

体全身に触れて、上記の症状に当てはまるものではなくても、少しでも体調の異変を感じたらすぐにかかりつけの獣医さんに診てもらいましょう。愛犬を守れるのは飼い主さんだけです。

はてな
Pocket
はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい

あなたが知っている情報をぜひ教えてください!

※他の飼い主さんの参考になるよう、この記事のテーマに沿った書き込みをお願いいたします。

年齢を選択
性別を選択
写真を付ける
書き込みに関する注意点
この書き込み機能は「他の犬の飼い主さんの為にもなる情報や体験談等をみんなで共有し、犬と人の生活をより豊かにしていく」ために作られた機能です。従って、下記の内容にあたる悪質と捉えられる文章を投稿した際は、投稿の削除や該当する箇所の削除、又はブロック処理をさせていただきます。予めご了承の上、節度ある書き込みをお願い致します。

・過度と捉えられる批判的な書き込み
・誹謗中傷にあたる過度な書き込み
・ライター個人を誹謗中傷するような書き込み
・荒らし行為
・宣伝行為
・その他悪質と捉えられる全ての行為

※android版アプリは画像の投稿に対応しておりません。