犬が食べ物を噛まずに丸呑みしてしまう原因と対策

犬が食べ物を噛まずに丸呑みしてしまう原因と対策【獣医師監修】

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犬が食べ物を噛まずに丸吞みしてしまうことはありませんか。もっとしっかり噛まないと…と心配になったりしますが、なぜ犬は噛まずに丸吞みしてしまうのでしょうか。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬が丸吞みをする原因

ドッグフードを食べる犬

基本的に犬は「早食い」の傾向にあります。これは犬の体の構造や本能といった性質に関係しています。

犬の体のつくり

早食いをする一つの理由を考えるにあたって、犬のメインの食事が何かを考える必要があります。「犬の祖先はオオカミだから犬は肉食である」、「犬は肉以外にも食べるから雑食である」なんて言われますが、犬は肉食なのでしょうか雑食なのでしょうか。最もよく言われるのは「雑食性」つまり「雑食に近い肉食」です。

犬が肉食ではなく雑食に近い肉食になったのは、犬が人間と暮らしてきた中で、野菜や米などの植物や穀物を摂取してきたことによるものだと考えられています。

このように犬は雑食性だと言われますが、その歯はメインの食事である肉を噛み切るためにギザギザした形をしています。基本的にこのギザギザした歯を使って「肉を噛み切った後は丸吞みする」というのが犬の習性です。

しかし、植物や穀物は消化しづらいため、本来は飲み込む前にしっかりと噛む必要があります。ところが犬の歯は食べ物をすり潰すといった機能をもっていません。そのため犬の歯が肉食に適しているのと同時に、植物や穀物をある程度消化できるように消化器官が発達しました。犬の体はまさに「雑食に近い肉食」用のつくりをしているのです。

野生の本能

もう一つの食べ物を丸吞みをする理由として、野生の本能があります。犬が野生で生活する場合、そこには常に獲物を横取りさせる危険があります。そのため、犬は捕まえた獲物を横取りされる前に、できるだけ早く食べる必要があるのです。

「野生の頃の本能」の名残によって、早食いをしているのです。また、多頭飼育をしている場合、野生で敵に獲物を横取りされる状況と似ているため、他に犬に自分の食事を食べられまいと早食いする傾向があります。

丸吞みをする4つの危険性

大きなエサを食べる犬

犬が丸吞みをするのは「体のつくり(習性)」や「本能」が関係していることが分かりましたが、丸吞みをすることは推奨されるべきことではありません。いくつか注意したい点をご紹介します。

1.誤飲

まず犬が食事を丸吞みするにあたって注意したいのは「誤飲」です。犬は口に入れたものを全て丸吞みしようとします。そのため本来は食べるべきものではないなどを口にした際に、丸吞みしてしまい危険な状態に陥ることもしばしばあります。

2.喉へ詰まらせる

口を大きく開ける犬

誤飲と同じように怖いのは丸吞みによって喉へ詰まらせることです。普段から早食いでむせ返っているような犬は特に注意が必要です。喉に詰まらせる可能性のあるものは与えないように注意しましょう。

3.消化器官への負担

犬の消化器官が雑食性に合わせて発達したとはいうものの、犬のそれはやはり草食性の消化器官とは異なります。そのため丸吞みや早食いは胃腸への負担がかかってしまいます。犬用のドライフードだとしても、全く噛まずに飲み込むと消化器官への負担は大きなものとなってしまうのです。特に消化器官がまだ発達していない子犬や、消化器官が衰えてた老犬は注意が必要です。

4.胃捻転(いねんてん)

早食いで怖いのは「胃捻転」を引き起こすことです。食べ物を早食いしたり、食後に運動したり激しく遊ぶことで、胃がねじれて胃捻転の原因となってしまいます。胃捻転は血流を悪くするばかりか、胃の周辺臓器が壊死する原因となります。特に大型犬は胃捻転になりやすいといわれるため、注意が必要です。

丸吞み対策

野菜をくわえる犬

犬の丸吞みは体のつくり(習性)や本能によるものなので、人間ほど問題にならないともいわれます。しかし、前述したような注意点もあるため、できれば丸吞みや早食いには対策をしてあげたほうがいいでしょう。

食事の回数を増やす

丸吞みによる胃腸の負担を減らすために、食事の「回数を増やす」というのがあります。与える食事の量は変えずに回数を増やすことで、一度の食べる量を減らし、消化器機関への負担を減らすのです。また、こまめに食事を与えることで満腹感を与えることができるため、早食い防止にもなります。

ドライフードをふやかす

「ドライフードをお湯でふやかして与える」ことで、消化に優しくなります。また食べにくくなるため、早食いの防止にもなります。消化に優しくなるのと同時に、水分も同時に取り込めるため、満腹感も感じやすくなるのだそう。なお、フードをふやかした場合は劣化も早くなるため、1回の食事で食べきれる量のみふやかすようにしましょう。

落ち着いて食べる事の出来る環境

安心して落ち着いて食べる事の出来る環境にすると焦って食べる必要がなくなり、かきこむような丸呑みが減るかもしれません。

まとめ

舌を出す犬

犬が丸吞みをするのには体のつくり(習性)や本能が関係していることが分かりました。人間と暮らすうちに肉食性が雑食性に変わったこともあり、丸吞みは必ずしも推奨されるものではありません。また、胃捻転といった怖い病気も関係してくるため、愛犬に丸吞みや早食いの癖がある場合はぜひ対策をしましょう。

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