「寒暖差」が犬に与える影響とは?気をつけたい病気から対策まで

【獣医師監修】「寒暖差」が犬に与える影響とは?気をつけたい病気から対策まで

秋から冬にかけての時期は、朝、昼、晩でかなりの寒暖差があります。地方によっては、昼夜の気温差20度にもなることもあります。人間でも風邪をひいたり、体調を崩す人が多くなるこの時期、犬たちの健康にはどんな影響があるのでしょうか?また、寒暖差のある季節を迎えるにあたって、どんな対策を立てればよいかを考えてみたいと思います!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

寒暖差の大きな季節は、犬の体調が崩れやすい?

冬服のチワワ

犬は寒くても庭を駆け回るのは本当?

日本人なら、ほとんどの人が歌えるだろう、「雪やこんこ、あられやこんこ」で始まる童謡「雪」。
この歌では、「犬は喜び庭駆け回る、猫はこたつでまるくなる」と、犬は寒さに強いように歌われていますよね。
実際、ミニチュアピンシャーや、ヘアレスドックなどの極端な短毛種の犬種でなければ、暑さよりも寒さに耐性があります。
けれども、犬は寒さには強くても、寒暖差が大きい気候は苦手です。
なぜなら、気温の上昇とともに体温が上がっても、人間のように汗をかいて体温を下げることができないからです。
特に10月中頃から12月初旬にかけて、朝晩と昼間の温度差が大きい時期なので、注意が必要です。
そのうえ、この時期は台風が来たり、長雨が続いた後、夏日のように気温が急上昇する時もあって、数日のうちの温度差が10度以上も開く時もあります。
そんな時は、人間も体調を崩す人が多くなりますが、体調を崩す犬が多くなるのも、この季節です。
では、寒暖差が大きくなる時期、どんな病気に気を付ければよいのでしょうか?

ノミ、ダニによる病気

体を掻く子犬

ノミやダニは、基本的にはあたたかい季節に発生が多くみられますが、ノミはお部屋のカーペットなどにも生息している場合もあるので、冬でも発生することもあります。
特に、寒暖差が大きくなると、窓を開けて換気したり、犬の寝床などの掃除や洗濯も洗濯物がよく乾く夏に比べると、どうしても回数が減ってしまいがちです。
少し、掃除や洗濯をおろそかにしていると、犬の寝床がノミやダニの棲み処になってしまうことも考えられます。
また、秋になると散歩するのも心地よく、山や森、あるいはドックランに出かけることも多くなります。
そういった場所に出かけて、ノミやダニが犬の体にくっついてくることを完全に防ぐことはできません。

おそろしいダニ感染症

診察をうける犬

ノミよりもずっと恐ろしいのがダニです。
ダニの種類によっては、咬まれると、犬の命に係わるような重大な病気に感染することがあります。
30年以上前の話ですが、当時私の家で飼っていたアメリカンコッカースパニエルのゴールディは、山に散策に行き、マダニに咬まれて、バベシア症で命を落としました。
まだ、8歳でした。
当時は、ダニに対する予防やダニに刺されることがどんなに恐ろしいことか、全く知識がありませんでした。
薬で予防することも知らず、無防備にゴールディを山に連れて行ってしまったことを、私は今でも悔やんでいます。

ノミによる皮膚炎、下痢

具合が悪い犬

ノミに咬まれると、まず、かゆみから皮膚炎になります。
また、ノミの体の中には「瓜実条虫(うりざねじょうちゅう)」という寄生虫が生育されていることがあり、ノミに咬まれた傷口を犬が口を使って、舐めたり、搔きむしったりすると、その「瓜実条虫」が犬の体の中に入り込みます。
何の症状もおこらない場合もありますが、大量に犬の体の中で「瓜実条虫」が発生すると、下痢を引き起こしたり、体の中から栄養を奪われるために短期間に体重が減少したりといった症状が起こることがあります。

心臓病

肥満気味の犬

外気と室内の温度の差が大きいと、シニア期に差し掛かった犬や、肥満気味の犬にとっては、心臓にも大きな負担がかかります。

僧帽弁閉鎖不全症という病気を知っていますか?

診察台にのるダックス

この病気は、先天性の病気ではなく、なにかの原因で心臓の中の弁が変形して、心臓の中の血液の循環がうまくいかなくなる後天性の病気です。
初期症状はなく、咳が出る、散歩に行きたがらない、心雑音が聞こえる…などの症状が出て初めて、獣医さんを受診すると、心臓疾患だった、ということもあります。
安静時に何かを吐き出すような咳をしてたら要注意ですし、冷え込んだ朝や、気温が下がる夜に咳が出やすくなる場合、この病気の可能性もあるので、獣医さんに診察してもらいましょう。

関節疾患

老犬

冬になって、気温が低くなると、人間のお年寄りも手足の関節に痛みを感じることがありますよね。シニア期に差し掛かった犬も同じです。
また、シニアでなくても、もともと関節になんらかの問題を抱えている犬であれば、寒暖差が大きい時期にも、気温が下がる朝晩に痛みを感じているかもしれません。

犬にもあるヒートショック

ブランケットにくるまる犬

ヒートショックとは、温度差が体に及ぼす影響のことです。
冬になると、健康を扱った番組などでよく耳にしますよね。
暖かい部屋から、暖房が入っていない脱衣場、風呂場、トイレなどに移動すると、高齢者の体に大きな負担が掛かり、心筋梗塞や脳梗塞が起こって、命を落とす危険があると、今では、多くの人に知られています。
実は、この現象は人間だけに起こるのではなく、同じ哺乳類である犬にも同様のことが起こる場合があります。
気温が下がる真冬だけでなく、寒暖差の大きな時期でも、暖かい部屋から寒い場所へ移動する時にヒートショックが起こることも考えられるので、シニア期、心臓に問題のある犬は特に注意が必要です。

寒暖差対策

ニット帽をかぶる犬

ダニ、ノミの投薬は獣医さんの指示に従う

今は、ダニやノミを体内から駆除する飲み薬や体につけるスポットタイプのものなどがあります。
季節が秋から冬にかけても、地域や気候によってはダニやノミは発生する場合がありますので、飲み薬やスポットタイプのものなど予防薬で予防、駆除するのも効果的です。

犬の身の回りのものは、清潔に保つ

寒くなると、ケージの掃除や、ベッドの洗濯などがおっくうになりがちですが、定期的に日光に当てたり、洗濯して、清潔に保ちましょう。

徐々に温度差に体を慣らす

ケージの場所を冷気が入りやすい窓から離したり、布で覆ったりして寒さに備えます。
また、暖かい部屋から急に寒い部屋に行かないように、扉やドアの開け閉めも注意しましょう。
あまりにも部屋が暖かいと、散歩で外に出る時の温度差で心臓や呼吸器に大きな負担がかかります。
散歩に出る前にいったん暖房を切って、徐々に外気の温度に近づけ、玄関や廊下などで数分過ごした後に出かけると、かなり体に対する負担が軽減されます。
もちろん、犬用の防寒着を着せて外出するのも、良い方法です。

外飼いの犬への対策

そもそも、お外で暮らしている犬なら、室内で暮らしている犬よりも寒暖差に対してはある程度の耐性があると思います。
それでも、朝夕の寒さと、昼間の暖かさで温度差に開きがあると、過ごし辛いこともあると思います。
例えば、昼間の温度に合わせて、犬小屋の中に毛布など防寒対策ができるものが用意されておらず、風が犬小屋の中に吹き込んでくるような場所で、冷え込んでくる夜に、ゆっくりと体を休めることが出来るでしょうか?
人間の体感で、「朝晩、寒くなってきたな」と感じたら、犬小屋の中に寒さをしのげる布を敷いたり、夜風が入らないように犬小屋を移動させたり、段ボールなどで風よけを作ってあげましょう。

まとめ

犬の鼻

秋から冬にかけての季節の変わり目は、人間でも体調を崩しやすいものです。まして、犬は言葉で体の不調や不快を訴えることが出来ません。ですから、私たち飼い主は、寒暖差の大きな季節から、寒さが厳しくなっていくこの時期に、愛犬が体調を崩さないように、環境や生活習慣などに気を配ってあげましょう。

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