体のケアだけでなく、シニア犬へ心のケアを

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体のケアだけでなく、シニア犬へ心のケアを

シニア犬には身体的ケアと精神面でのケアが若い時期よりも更に必要になります。身体的ケアはもちろん大切ですが、心のケアも同様に大事になって来ます。ここでは心のケアに重点を置き、その必要性をお話しして行きます。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

シニア犬のための心のケア

シニア犬

プライドを傷付けず心を癒してあげる

犬もシニア期を迎えると、今まで楽々出来ていた階段上りや車への飛び乗りを失敗する様になったりします。
そんな時犬も少なからずショックを受けます。
そしてその仕草を見て笑ったりすると、犬にもプライドがありますので大いに傷つきます。
また逆に飼い主が哀れんだりオロオロすると、犬は不安になり今まで出来ていた事をしなくなってしまいます。
最初の失敗はたまたまだったかもしれませんが、今まで出来ていた事をしなくなることで、いざやろうとしても本当に出来なくなてしまいます。
そうならない様にするためにも、犬に自信を持たせる『心のケア』をしなければなりません。
何度か試みて成功したら、いつもの様にたくさん褒めてあげて下さい。

段差に踏み台やスロープを設置するのも良いのですが、それと共に『やったぞ、また出来た、嬉しいなぁ!』と言う心理的なフォローをしてあげる事が重要です。
シニア犬になってもプライドと自信を持たせ、今までと同じ様に過ごすためにはどうしたら良いのか、愛犬を良く観察して工夫する様に心掛けましょう。

散歩をして気分転換させる

散歩

大好きな飼い主との散歩は、犬にとってこれ程楽しい事はありません。
それに好奇心が満たされて気分転換にもなりますから、
『年をとっているから歩くのが大変そうだ』
『散歩はするのはもう止めよう』
と勝手に思い込んで、散歩を無理やりやめてはいけません。
最大の楽しみが奪われてしまうのですから、これは犬にとって大変なショックです。

ただし、愛犬の方が散歩を拒否しているのなら、散歩時間や距離、散歩方法などを考え直さなければなりません。また、老化に伴い関節が悪くなることもありますので、歩く場所が凸凹になっていないか、砂利などで足元が悪くないかなども考えましょう。
しかし、家に閉じこもってばかりいると、刺激のない生活を送る事になりますので、それによって老化が進むと言われます。

例え足もとがフラフラしたり寝たきり状態になっても、愛犬自身が散歩に行きたがっているうちは、獣医師のアドバイスを聞いて様子を見ながら散歩に連れて行って下さい。
最近では、介護用として【足腰のサポート用吊り上げ式ベルト】や【専用ハーネス】なども市販されていますので利用するのも良いでしょう。

専用ハーネス

自力で歩けない場合、小型犬なら抱っこをしたり、キャリーバッグやリュックに入れての散歩が良いと思います。
中・大型犬は、カートや台車に乗せて近所を一周するだけでも犬にとっては良い気分転換にはなるのではないでしょうか。

愛犬に触れて心を癒してあげる

健康チェックを兼ねながら、愛犬に触れてスキンシップの時間を多くとりましょう。
大好きな飼い主に撫でられるのは、愛犬にとって最高の癒しになります。
若い頃から愛犬の体に触れていると、筋肉の衰えや爪の伸び方や減り方、或いは皮膚の病気など、シニア犬にありがちな変化にも直ぐに気づく事が可能です。

もう一つはアイコンタクトをとりながら、優しく声をかける事も必要です。
『年をとっても〇〇〇ちゃんは大切な家族の一員」と言う事を知らせ、ボディタッチをしながらコミュニケーションをとり、愛犬に心の安らぎを与え癒してあげましょう。

ボディタッチ

我が家の場合

私の愛犬も8歳を過ぎた頃から、玄関から廊下に上がるのに段差(約30cm)の飛び乗りが1回で出来なくなり、散歩時の歩くスピードも落ちて来ました。
少し前、昇り降り用にスロープを買ってあげたのですが、プライドが邪魔しているのでしょうか?
未だに使おうとはしません。

段差昇りをしている最中、私は愛犬に声を掛けます。
五木ひろしさんの様に片手で拳を握りながら『頑張れ、頑張れ』と言います。
そして成功すると『上手だね』と言って頭を撫でてやります。
最近は愛犬の努力により、何とか1回で成功する様になっています。

若い頃、活発だっただけに私自身ショックを受けましたが、『こいつ、根性があるな』と思いながら見守っていました。
おかげ様で食欲は未だ衰えていませんので、愛犬が歩きたいと思うのなら好きなだけ歩かせてあげげたいと思っています。
ゆっくりですが現在でも2㎞は歩いています。

その他の心のケアとして行っているのはボディタッチとマッサージです。
その時に話し掛ける言葉が我が家にはあります。
各部位ごとに話し掛け、その際に『可愛い』と言う言葉を付け加えています。
それらの言葉は次に通りです

腹 部:【ポンポン可愛いなぁ】
後ろ足:【あんよ可愛いなぁ】
前 足:【おてて可愛いなぁ】
背 中:【あーお可愛いなぁ】この言葉は私の思いつきです。
尻 尾:【チッポ可愛いなぁ】
肉 球:【プヨプヨちゃん可愛いなぁ】

見ての通り赤ちゃん用語が多いです。
そして終了する時は【みーんな可愛いやぁ】と言って締めます。
こんな場面は恥ずかしくて人に見せられませんが、自宅でこれを毎日実行しています。

マッサージ中は気持ち良さそうに目をつぶり横たわっていますので、たぶん癒されているのだと思います。
またブラッシングも癒し効果があると言われていますので、これも毎日実行しています。

ブラッシング

まとめ

犬と生活を共にすると言う事は、家族と一緒に暮らすのと同じです。
家族の誰かが年をとり、自力での生活がままにならなくなったら介護が必要になります。
私は長い間両親の介護をして来ましたので、愛犬も家族の一員ですから、もちろん最後まで暮らし易い様に精一杯してあげるつもりです。
大事なのは、ただ介護するのではなく相手の気持ちになって介護してあげる事です。

人間は言葉が喋れますので会話によって気持ちが伝わります。
しかし犬は人間の言葉が喋れません。
だから意思を伝達するにはコミュニケーションをとりながら愛犬の心を癒してあげる事だと思うのです。
そうすれば間違いなく気持ちは伝わるはずです。

皆様も、特にシニアになった愛犬のために精一杯心のケアをしてあげて下さい。

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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