ボーダーコリーの性格
- 賢い
- 甘えん坊
- 作業意欲が強い
- 愛情深い
- 人見知り
- 警戒心が強い
- 人間が好き
ボーダーコリーといえばとても頭が良く、人間のいうことであればなんでも聞いてくれるようなイメージがありますが、実はそのような賢いボーダーコリーに育つかどうかは飼い主次第という、気難しい性格をしている犬種でもあります。
そのため飼い主はボーダーコリーを満足させてあげられる賢くリーダーシップのある人物ではないと飼育が難しいのです。もし、飼い主がボーダーコリーを満足させられる運動に付き合ってあげられなかったり、リーダーシップがなく、しつけやトレーニングや遊びを満足にさせてもらえない場合は、飼い主を見下して言うことを全く聞かない困った犬になってしまう可能性も。
しかし、ボーダーコリーが満足するくらいの遊びやトレーニングに付き合い、しっかりとした指示をだせる知性的な部分を見せることができれば、とても従順で賢い犬に育てることができます。
また、ボーダーコリーは人間と共に行動をするのが大好きで逆に犬同士で遊ぶことをそこまで好みません。犬のお友達と遊ぶ時間があるならば、飼い主様と思いっきり遊びたい!なんて考える子が多いのも特徴です。
ただし、ボーダーコリーは飼い主以外の人に対しての興味が薄いとも言われています。そのため、人間ならば誰でも好き!というわけではなく、時には知らない人に対して警戒心をむき出しにすることも。
また自立心も強く、人間の指示がたとえないとしても持ち前の行動力と頭の良さで自ら状況を把握して行動をする場面もあります。そんな行動がときには思いもよらない事故を引き起こすこともありますので十分に注意をしましょう。
ボーダーコリーの特徴
大きさ(体重、体高)
ボーダーコリーはがっしりとした筋肉質な体をしています。そんなスレンダーで美しい体の大きさは体高50~55cm、体重は14~20Kg程度となっています。この大きさはやや大きめの中型犬に分類されます。とても美しい体のラインと、たくましい体が人々を魅了する秘訣となっています。
被毛(毛色、毛質)
ボーダーコリーと言えばブラック&ホワイトというイメージが強いかもしれませんが、実はあらゆるカラーが認められているバリエーション豊かな犬種です。主にこのようなカラーが見られます。
- ブラック&ホワイト
- ブルーマール
- レッド
- トライカラー
- チョコマール
これらの他にも、ボーダーコリーの被毛パターンは全部で35種類も認められています。ただし、さまざまな被毛カラーと被毛パターンが認められていますが、ホワイトの割合が多すぎる見た目はあまり好ましくないとされています。
基本的には顔、胸、腹、手足のポイントごとにホワイトが入ります。そんなボーダーコリーは長毛のイメージが強いかもしれませんが短毛のスムースタイプも存在しています。また、ボーダーコリーは抜け毛が多い犬種としても知られています。そのため、ブラッシングは定期的に行うようにしましょう。
体の特徴
がっしりとした体が特徴的なボーダーコリーは運動神経が抜群で体の一つ一つのパーツが大変すばらしく、牧羊犬として古くから愛されてきた犬種だというのがうなずけるほどの体つきをしています。折れた耳とマズルの長い顔がとてもシャープで洗礼された見た目をしているのも、ボーダーコリーならではの特徴といえます。
ボーダーコリーの飼い方
運動
ボーダーコリーはドッグスポーツによく用いられるほど、人間と運動をするのが大好きな犬種です。そのため、飼い主様とも十分な運動をすることがもっとも楽しく、もっとも信頼を高める方法だといえます。
逆に満足できるほど運動に付き合ってくれない飼い主だと、言うことを聞かなくなってしまったり、自分勝手に行動をしてしまう可能性もあります。ボーダーコリーを家族に迎えるのであれば、朝晩の散歩はもちろんのこと一日最低でも1~2時間ほどの運動に付き合ってあげましょう。
作業意欲を満たしてあげる
ボーダーコリーの飼い方として重要なポイントはもう1つ、何かをする、何かの目的を達成するといった作業意欲を満たしてあげることです。
ボーダーコリーは大変働き者で古くから牧羊犬として働き続けてきた犬です。そのため、何もせずにボーっと生きるということが苦手という一面もあります。もし、何も指示を出さずただそこにいるだけという飼い主だった場合、自分よりも下だと見下してしまい言うことを聞かない犬になってしまう可能性も。
そんなボーダーコリーの作業意欲を満たしてあげるために、日々訓練を行ったり、ボーダーコリーの知性を満たしてあげるハイレベルなトレーニングを行うようにしましょう。ドッグスポーツに挑戦して目標に向かって二人三脚で取り組むというのもおすすめです。
お手入れ
ボーダーコリーは大変抜け毛の多い犬種であるため、ブラッシングは毎日行う必要があるほか、換毛期には1日2回ほどのブラッシングが必要になることもあります。もし、ブラッシングを怠ってしまうと皮膚病を発症したり、毛玉ができてしまうこともあります。抜け毛が多いためブラッシングをするのも大変でしょうが、大切な家族の健康のためにも小まめなお手入れを欠かさないようにしてくださいね。
ボーダーコリーのしつけ方法
毅然とした態度を心掛ける
ボーダーコリーのしつけを行ううえで必ず守らなければならないことが、中途半端な態度を取るのではなく駄目だと教えるときは毅然とした態度を取るという点です。
大変頭が良く、人の態度もよく見ているボーダーコリーはしつけに置いて中途半端な態度をとられると飼い主を見下してしまい言うことを聞かなくなります。逆に、いつでも毅然とした態度を取りリーダシップを取ってくれる飼い主に対しては、深い忠誠心を持って接してくれます。
「まぁこれくらいいいか!」「今回だけはいいか」なんて中途半端で甘い態度をとっていたら、ボーダーコリーから見下されてしまうので「ダメなものはダメ」「いいものはいい」というハッキリとした態度で接しましょう。
飼い主が先に行う
とても忠誠心が強く、自分が認めた相手の言うことは何があっても守るボーダーコリーだからこそ、普段から飼い主の方が上だというのを示しておく必要があります。そのためボーダーコリーと接するときは、必ず飼い主が先にすべてを行うようにしましょう。部屋に入るときも食事をとるときも、どこかへ行くときも必ず飼い主優先にして主従関係をしっかりと築くことが、ボーダーコリーのしつけを上手に行うポイントです。
しっかりと褒める
大変頭のよい犬種であるボーダーコリーは、上手にできたときやしっかりと指示を守ったときに飼い主に褒められることでさらにやる気を見せてくれます。甘やかしすぎるのはよくありませんが、上手にできたのに褒めたりせず、ないがしろにしてしまうと、逆にやる気をなくして言うことを聞かなくなってしまいます。ボーダーコリーのしつけは褒めるときと叱るときの差をハッキリさせて使い分けることが重要です。ぜひ、上手にできたときはたくさん褒めてあげるようにしましょう。
ボーダーコリーがかかりやすい病気
ボーダーコリーがかかりやすい病気についてご紹介します。ボーダーコリーはいくつかの遺伝性疾患にかかりやすいことが分かっています。
遺伝性疾患とは遺伝子に突然変異が起きて引き起こされる病気のことです。普段の生活でなにか異常が現れないか、注意深く観察するようにしましょう。
セロイドリポフスチン症
セロイドリポフスチン症(以下CL)は神経細胞を侵す病気で、進行性の運動障害・知的障害・視力障害を主とする致死性疾患です。1歳以降に発症することが多いですが発症しても生後15カ月頃までは正常に見えるようです。
症状としては、筋肉が過剰に無意識のうちに動いたり、錯乱した行動をとるようになります。CLは一旦症状があらわれると急速に進行しほとんどは2歳頃までに発症し亡くなってしまうので長くは生きられません。発症した場合、残念ながら有効な治療法はないようです。
コリーアイ症候群
ボーダーコリーなどのコリー種に多く見られる遺伝性眼疾患です。眼球のいちばん外側にある胸膜の一部が外側に拡張することで眼内出血や網膜剥離などを起こす病気です。多くの場合、予後が悪く病状が進行すると失明することもあります。
遺伝性難聴(先天性難聴)
生まれたときから耳が聞こえない状態で遺伝により発症することがあります。生後3~4週ごろから症状があらわれ始めます。これは鼓膜の奥の内耳にある骨が未完全だったり不適切に形成されることにより起こり、大きな音にも無反応だったり過剰に吠えるなどの症状がでます。遺伝性難聴は治療法がありません。
股関節形成不全
股関節は骨盤と寛骨臼と大腿骨頭が連結している関節です。この関節が形成過程で過度にゆるんだり構造不良から関節軟骨や靭帯などに異常を起こし炎症が起こる病気です。股関節を後ろに伸ばす時や外に広げるときに痛みが出ることが多くなります。前足に比べ後ろ足の左右の幅が狭く見えるような姿勢をとるのが特徴です。完治するのは難しく、発症すれば一生涯この症状と付き合うこともあります。
進行性網膜萎縮
進行性網膜萎縮(以下PRA)は網膜が変異する疾患で暗い所での視力低下が発症し数カ月から数年かけて明るい日中の視覚消失まで進行します。最終的には全盲になってしまいますが効果的な治療法はありません。PRAが進行した後に白内障を発症することが多いため、飼い主は白内障で見えなくなったものと誤解するケースも多くなっています。
ボーダーコリーの寿命
ボーダーコリーの寿命は健康状態、生活環境、持病の有無にもよって異なってきますが平均で見ると10~15年ほどと言われています。健康状態が良ければそれほど長生きをしてくれますので、日頃から健康管理には十分に気を付けましょう。
ボーダーコリーの値段の相場
相場
被毛カラーや血統書付きかなどによって価格は変わってきますが、相場としては10~25万円程度と言われています。血統によっては30万円近い値段がつくことも珍しくありません。また、オスのボーダーコリーよりもメスの方が相場は少し高くなる傾向にあるようです。
ペットショップから迎え入れる
ボーダーコリーは大変人気の犬種で、日本のペットショップでも比較的みかける犬種ではありますが中型犬であるためか、取り扱いがない場合もあります。その場合は近隣の店舗を回ってみるか、事前にペットショップに問い合わせてボーダーコリーを取り扱っているのか確認をしましょう。
ブリーダーから迎え入れる
ボーダーコリーほどの人気犬種の場合、利益だけを考えて無理な繁殖を繰り返させる悪徳ブリーダーが存在しています。劣悪な環境で生まれ育った子犬は先天的な疾患を抱えていたり、何らかの感染症を患っていることもあります。
そのような悪徳ブリーダーは基本的にペットショップに卸していることが多く、何も知らずにペットショップから迎え入れたら疾患を持っている子犬だった!なんてこともあります。
せっかく家族として迎え入れるならば、快適な環境で健康に育った子犬を迎え入れたいですよね。そんな方におすすめなのが、優良なブリーダーから迎え入れる方法です。
ブリーダーから直接子犬を迎え入れるならば、そのブリーダーがどんな人物か会って確かめることもできますし、実際に子犬が生まれ育った環境を見学できるだけではなく、母犬の状態も確認できます。大切な家族だからこそ、健康な子犬を迎え入れたいという方はぜひ最寄りのボーダーコリーのブリーダーを探して実際にコンタクトをとってみましょう。
ボーダーコリーの歴史
ボーダーコリーはその昔、トナカイの牧畜犬として働いていた犬が祖先となっており、8世紀頃に北欧スカンジナビアからスコットランドに渡ったときに、その地域にいた牧羊犬と交配されたことにより今のボーダーコリーの形になったと考えられています。
それからは、大変優秀な作業犬として重視されていたため、ボーダーコリーという名前が採用されてから、原産国のイギリスで犬種として登録されるまでに50年もの月日がかかりました。
その後、欧米を中心に牧羊犬として人気が出てくるとの同時にドッグスポーツや訓練協議犬としても採用されるようになりました。その結果、大変頭がよく運動神経もずば抜けていたボーダーコリーが各大会の上位を独占するようになり、一気に世界中に広がっていくのです。
今まで能力を重要視されていたボーダーコリーはドッグショーに出場するまでになりましたが、現役の牧羊犬として働いている犬種がドッグショーなどという見世物のような扱いをされることに反感を持った人々の抗議によって、アメリカンケネルクラブへの登録は大変遅くなったという逸話があります。
そんなボーダーコリーが優秀な犬種となったのには、こんな歴史があります。1873年に開かれた牧羊犬の競技会において、ギャラリーの目を釘付けにしたのがヘンプという名の一匹のボーダーコリーでした。ヘンプは家畜を誘導するときに、通常であれば吠えたり噛み付いたりして誘導をするところを、吠えることもなく低姿勢で家畜をにらみつけることでまとめあげてみせたのです。
吠えることも、攻撃することもなく睨みつけるだけで家畜をまとめあげるこの技は当時話題となり、ヘンプはたちまち人気者に。その結果、ヘンプの優秀な遺伝子を引き継がせるために亡くなるまでに種牡犬として200頭以上もの子犬の父親になりました。
さらにその後、睨みつけるだけで羊をまとめあげるケップというボーダーコリーも現れ、連戦連勝を重ねていったのです。もちろんケップもたくさんの子犬の父親となりました。このヘップとケップという大変優秀なボーダーコリーが礎となっているからこそ、大変頭のよい聡明な犬が多いのです。
まとめ
ボーダーコリーは日本でも人気が高く、さまざまな場面で活躍をする姿を目にしたことがあるのではないでしょうか?そんなボーダーコリーを飼いたいのであれば、聡明なボーダーコリーに釣り合う飼い主でないといけません。飼いやすい犬とは決していえませんし、初心者向けの犬種ではありませんが、しっかりとしつけを行えば頼れるパートナーになることは間違いないでしょう。