犬を自転車に乗せる時の注意点
以下は、主に前カゴに乗る小型犬を前提としています。
ゆっくり走る!
何はおいてもコレ!スピードには要注意です!
慣れて来るとついスイスイと行きたくなりますが、急に人や自転車が飛び出してきた時、急ハンドルを切った拍子に、バランスを崩してカゴから犬が転げ落ちたり、自転車ごと転倒のおそれもあります。
段差はさらにスピードを落として!
ごく小さな段差でも、体重の軽い犬なら弾みでポンと跳ねた拍子に落下することもあります。素のまま犬を前カゴに乗せる時には、いつでもすぐ停まれるよう「ゆっくり慎重に」を心がけて下さい。もちろん、リードはハンドルに固定すること。
集中する!
自転車をこぎながら、「夕ご飯は何にしよう」とか、意識はあちこちにさまよいがち。
でも、愛犬を乗せている時は絶対ダメ!
自分だけなら障害物も瞬時によけられますが、予測しない動きをするイキモノを乗せていることを忘れずに!
犬がモゾモゾ動いただけで重心が偏ってハンドルを取られることもあります。
とにかく路面に、周囲に、そして愛犬に集中してください。
前に乗せる
時々、前カゴに自分の荷物、後ろカゴに犬を乗せている人を見かけますが、犬の様子をしっかり見守り、飛び出しそうになったら即座に押えられるよう、前に乗せましょう。
リードを自転車に固定
飛び出し防止。訓練用やドライブ用のシートにつける短いリードが販売されていますが、自分で作ることもできます。
または散歩用の普通のリードをハンドルに結びつけたり、カラビナを利用するのも良いでしょう。
ただし、その場合、カラーではなくハーネスにリードを装着。万が一、飛び降りた時に首吊り状態で頸椎を損傷しないようにするためです。
カゴの大きさ、形
体形に合った大きさや形でないと、中で犬が揺れ動いて安定しないため、犬の体にストレスがかかります。
深さも重要。上半身がカゴのフチから大きく出るようだと落下の危険性も高まります。できるだけ体かすっぽり収まる深さが安全です。
カゴのふちに前肢をかけさせて乗せると、背骨、腰に負担がかかるのでやめたほうが無難です。カゴの目が粗いと、犬の足や爪がはみ出て骨折などの危険もあります。
犬用自転車おすすめ3選
基本的に小型犬を対象としていますが、耐荷重が8キロまでのものもあります。
値段は普通の自転車より高めですが、犬乗せ前提での、安全と機能を重視して作られているので、安心です。
ペットポーター
子ども乗せ自転車のパイオニア、丸石サイクルが開発しただけあり、前カゴに犬を乗せた時の安定性は信頼できそう。ハンドロック、LEDオートライトなど機能も充実。フレームはXとWの2種類、カラーも選べる。専用ペットバッグは内部の居住性に気を配り単独でも使用できるつくり。
ペット乗せ・自転車 SHOPPER [ショッパー]|【K32】
女性のための自転車ブランドK32の商品。前車輪を小さくすることで低重心にし、さらにハンドル回転軸上にペットや荷物の重量が載る構造でふらつきを抑え、安定感が高い。フレームカラーは10種。カラーバリエーション豊富な専用バッグ、クッション、飛び出し防止フック、種類が選べるリアバスケットは別売り。
TOTE BOX(トートボックス)
国産メーカー「ブリヂストン」製のペット用自転車。専用のBOXバスケットを装備し、見た目もおしゃれ、かつ安全にペットが運べるように設計された犬の飼い主さんに優しい自転車です。
また、ウッド仕様で大き目なバスケットには、ペットはもちろん買い物の際にも大活躍。カスタマイズを前提に設計されているため、ライフスタイルに合わせた使い方が出来る自転車です。
犬と自転車に乗る時に役立つグッズ
犬用のクッション
路面の振動を和らげ、愛犬の体の負担を軽減するため。100均で売られている座布団なども利用可。低反発マットならなお良し。自転車用ではないが、ペット用の様々なサイズが販売されている。
飛出し防止リード
いつも使っているリードをハンドルに結びつけても可。その他、トレーニング用のショートリードやドライビングリードなども利用できそう。自作も可。
自転車用キャリーバッグ
マットや固定リードが付属しているバッグも。カゴの形状・サイズとの相性をはかる必要はるが、バッグごとカゴに入れられるので、飛び出しや落下、手足のはみ出しの心配もなく安心。
自転車以外の外出にも、マルチに使用できるタイプもあるので、自転車で愛犬と行動することが多い飼い主さんは一つあると重宝しそう。
スリングキャリー
チワワなどの極小犬ならスリングに入れて走ることも可。自分の体に密着するので安心。
ただし、斜め掛けなので重みが体の片側に偏るため、走る時はハンドル操作がグラつかないように気をつけましょう。やはり落下防止のためにリードはスリングに固定すること。
犬と自転車で並走すると罰金5万?!
片手走行の禁止と罰則
2008年以降、自転車の走行マナーに関する見直しが始まり、東京都をはじめ各公安委員会の道路交通規則が改正されました。
中でも「自転車と犬」に関わる事として押えておかなければならないのが、「物を持つなど安定を失うおそれのある自転車の運転」の禁止。
「物を持つなど」は、要するに「片手走行」を含み、傘やケイタイ以外に、リードを片手で持ち、犬を自転車と並走させることも違反となります。リードとハンドルを一緒に握っていても「安定を失うおそれ」はあるので、違反対象となります。
これに対する罰則は自治体により「3ヶ月以下の懲役」や「5万円以下の罰金」と定められています。ご自分の居住自治体の規則を改めて確認してみましょう。
愛犬も自分も、そして他人をも巻き込む怖さ
重要なのは、自転車の片手走行は法規上の問題というより、むしろ大切な愛犬を危険にさらすと共に、自分自身も大ケガを負うおそれがある点です。
特に、他者を巻き込んでケガさせた場合、ことはいっそう深刻です。治療費など損害賠償も生じますし、その他者が幼い子どもやお年寄りだと、より大きな事態になりかねません。
フレキシブルリードは危険です!
ただでさえ犬の並走は危険なうえ、扱いが良いとはいえないフレキシブルリードを長く伸ばして走らせているという、非常に危険なケースも目にします。
歩行者からするとフレキシブルリードは遠目には見えづらく、また、急に現れた危険に対して、走りながらではロックなどの手元操作は追いつきません。
規則だから・・・ではなく、真の安全のために
残念ながら、規則が定められた現在も、自転車のカゴに乗らない大型犬を、片手はリード、もう片手でハンドルを握って並走させている飼い主さんを、たびたび見かけます。確かに大型犬は多くの運動量を必要とし、自転車で走らせるのは飼い主にとってはラクですが、事故を起こしてから悔やんでも遅い!
もしかしたら規則自体をご存知ないのかもしれませんが、規則があってもなくても危険に変わりはないので、改めていただきたいものです。
犬を自転車に乗せた時に起きた事故事例
私自身、自転車派なだけに、その「怖さ」をすでに味わっています。実は、前半で挙げた注意事項は、私の経験から学んだ内容を盛り込んでいます。。
自転車に犬を乗せるということは、普通に歩いて散歩する数倍の危険を伴うという自覚が必要です。実際に犬を乗せて自転車に乗っている時に起こりがちな事故をご紹介します。
事例1『小さな段差で起きた事故』
例えば「段差」。
ほんのわずかなくぼみを通り過ぎようとした時、ガタンとした反動で体重4キロの愛犬がポーンとカゴから跳ね上がり、放物線を描いて落下。とっさに片手で犬を受け止めましたが、傾く自転車を支えきれず横倒しになりました。
どうにかこうにか犬が下敷きになることは免れましたが、倒れて空回りする車輪に後肢が引っかかり、すさまじい悲鳴!
落ち着いたところで、そっと歩かせてみたら跛行したので、その足で近くの獣医さんに飛び込みました。軽い捻挫で済み、3日目には普通に歩けるようになったので胸を撫で下ろしましたが、ゆっくり走っていたにもかかわらず、「こんなこともあるんだ!」と肝を冷やしました。
それ以来、小さな段差もいったんブレーキをかけ、両足をついて越えるようにしています。
事例2『暗い時間の歩道で起きた事故』
また別のケース。暗い時間帯に歩道を走っていた時、信号が青になったので反対側に渡ろうと車道へ。
その時、少しうわの空だったため、反射塗料で光る縁石がただの線に見え、普通に通ろうとして転倒。
この時も前カゴから落下しそうになった犬を片手で受け、倒れる自転車は体で支え、自分が擦り傷を負っただけで愛犬は無事に済みましたが、あの時、犬が車道側に落下してそこに車が来たら・・・と思うと、今でもゾッとします。
まとめ
ご紹介した事故のケース以外にも、実際にあった話として、小型犬を自転車に並走させていて、犬が自転車側に寄ってきた時、車輪に犬の毛が絡まり・・・という身の毛もよだつ事故や、私のケースのように前カゴから落ちた犬を前輪がひいてしまい、アゴを骨折したという事故も起きているそうです。
愛犬を乗せて安全に走るためのグッズも大切ですが、何よりも「ゆっくり」と「集中」が欠かせないこと、強調しておきます!
ユーザーのコメント
40代 女性 グーグルぽち
車の中から窓を開けて風になびかれ、外のにおいを嗅ぐことが好きなのです。
しかし自転車に乗せるときは別です。なにより転倒が怖いですし、なにかの障害物で犬がカゴから飛び出しても私はハンドルを握っているのでうまく支えられないと思い、どんな時でもゆっくり走行です。とくに段差などではさらに慎重になります。
わたしは遠出のサイクリング用として自転車に取り付け可能な犬用のシートのようなタイプを購入しました。犬用に出来ているため、しっかりしていて安定感があり愛犬も心地よさそうです。マットはサイズがぴったりな物が欲しかったため、わたしの自作です。
また自転車は既に持っていてバスケットだけをお探しでしたら、私自身いろいろ悩んでいた時に検討していたKARLIEやTRIXIEというドイツのブランドからドッグサイクルバスケットが販売されています。
どちらもバスケットにワイヤーの蓋が付いているので、犬からも飼い主さんの顔や外が見れて安心するのかなと思います。このタイプは自転車への取り付け方法が引っかける感じの簡単なものですので、バスケットを度々外す必要がある方や近所に犬を連れて行く程度の距離がいいかもしれません。
今はいろいろな犬用自転車グッズがありますが、飼い主さんはもちろん愛犬にとって心地よく安全なものを選んであげたいですね。
女性 aoi
子犬の頃なら自転車のかごに乗せたことがあります。座るところが痛くないように、厚めのシートを敷き、その上にマットを引いて座らせました。ハーネスもロックもつけていなかったので、段差のないフラットなアスファルトの道をゆっくり走りました。気が付くと愛犬は前足をかごのふちに掛け、上手くおすわりをしているようでした。妙に安定しているのでどうやってるんだろうと前へ回ると、かごの網目から後ろ足がぴょこぴょこと出ていました。
この時は安定して座っていてくれたのでいいのですが、興味があって立ち乗りをしていた場合は何かの拍子に落ちてしまう可能性も高いです。
もし自転車に乗せるのなら専用のかごに入れるか、ハーネスとかごをロックするものを用意すると良いと思います。
ちなみにこういう場合、首輪は避けた方がいいと思います。万が一落ちた場合首に全体重がかかってしまうのでとても危険です。
女性 モアナ
40代 女性 匿名
ミニチュアダックスの男の子と暮らしています。
車に乗せれば窓を全開にし風を感じながら外を観察するのが大好きなため、自転車もよく乗せています。
ダックスなので、腰の負担を考え前かごには乗せず、愛犬のサイズでオーダーしたキャリーバックを使っています。
我が家の場合、猫を見たら追いかけてしまう狩猟犬気質が高いため、サイズにあった前かごがありリードフックを付けられたとしても、怖くて乗せられません。
パトロール気分で前傾姿勢をとり緊張感を持って自転車に乗るのであれば、ストレスをかけるだけで逆効果になってしまいます。
キャリーバッグであれば、斜めがけにして身体に密着させることがで出来るので、猫が横切ったとしても声をかけて止めることが出来ます。愛犬にとっても飼い主とくっついているので、ここ曲がるよとか、もう少しで着くよなど、会話も出来るため安心感を与えられます。
キャリーバックの底には、床擦れ防止目的で作られている弾力性のあるスポンジをカットして敷いています。東急ハンズなどで販売されているものです。
どんなに気を付けて運転していても、多少揺れてしまうので、出来るだけ腰に負担がかからないように気を付けています。
また、スポンジの上には夏場は冷却効果のあるマット、冬場はブランケットを敷き、横のポケットには凍らした保冷剤やホッカイロを入れられるように作りました。
我が家の愛犬は人混みが苦手で特に走ってくる子供は大嫌いです。
このバッグは自転車以外にも使うため、「ワンちゃんだ!」と駆け寄ってこられてバッグに嫌な関連付けを認識してもらわないように、出来るだけ目立ちにくく、一見、普通のバックに見えるような柄を選びました。クリームの毛色のため、バッグもベージュにし頭を出していても気づかれないことが多いです。公共交通機関利用の際は、閉められるようチャックをつけ、閉めても息苦しくないように開閉可能なメッシュ部分も設けました。
犬を自転車に乗せることは事故も多いです。でも上手に使えばワンコにとっても世界が広がるし、飼い主さんとの絆も深まります。
我が家ではキャリーバックのため、肩にズシッときて肩凝りはすごいものがありますが、それには代えられない笑顔のために・・・頑張っています。
10代 女性 てとめる