子犬の飼い主がやりがちな「やってはいけない!」こと
子犬の社会化期には、生後3週齢から14週齢の間にしか学ぶことができない、犬として犬社会で生きるための基本、犬として人間社会で生きるための基本を学びます。生後5週齢までの間を第一次社会化期と言い、親犬から犬同士の接し方を教わり、兄弟姉妹犬と一緒に学びます。
その後、生後14週齢までの間を第二次社会化期を言い、人間と暮らし、人間に慣れ、犬として人間社会で幸せに暮らすための基本を学びます。これは、飼い主さんや家族、周りの環境によって大きく影響されます。
あなたが子犬を迎えたとき、第一次社会化期を終え、これからあなたと一緒に第二次社会化期を学ぼうとしているところです。しっかり学び、生涯を幸せに暮らすためには、飼い主さんや家族のサポートが必要です。「子犬の社会化期にやってはいけないこと」について一緒に考えてみましょう。
1.他の犬と接しないようにする
子犬は、か弱い存在です。他の犬と一緒に遊んでいて、ぶつかって飛ばされたり、転倒したり、ときには痛みを伴うこともあります。“ケガをさせられては大変だ!”と、他の犬と接することをしないようにしてしまう飼い主さんがいます。他の犬と接している間、しっかり見守ってあげる必要があり、これ以上は危険だと感じたときは、接することをやめさせなければなりません。
しかし、全く他の犬と接する機会を与えないでいると、犬社会で生きることを学べないまま成長してしまいます。そうすると、成犬になっても他の犬との接し方がわからず、他の犬から煙たがられてしまったり、危害を加えてしまったり、上手に遊ぶことができなくなってしまいます。新しく二匹目を迎えようかな、なんて夢も叶わないかもしれません。
2.他の人と接しないようにする
人間社会で暮らすためには、人間社会のルールを知り、人間との接し方を知り、人間に慣れなければなりません。その相手は、飼い主さんや家族だけではいけません。見ず知らずの他人とも上手く接することができなければ、いざというときに困ってしまいます。
たとえば、動物病院へは必ず行くことになります。獣医さんの診察を受けなければなりません。しかし、人との接し方がわからず、人と触れ合ったことがあまりない犬は、獣医さんにも噛みつくなど攻撃をしてしまうことがあります。
たとえば、災害に遭い、飼い主さんや家族とはぐれてしまったとき。他人を威嚇し、他人と上手く接することができない犬は、安全に保護してもらうことができません。人間社会のルールを学ぶことができなかった犬は、ドッグカフェや犬同伴OKのお店にも入ることができません。吠える、威嚇する、暴れる、危害を加えるなどし、周りの人に迷惑をかけてしまうからです。
3.室内だけで過ごし、外に出さない
子犬の頃は、つい過保護にしてしまいがちです。お散歩デビューは1歳を過ぎてからで良い、と考える飼い主さんもいます。子犬の時期をずっと室内で過ごし、1歳になったから外(お散歩)へ出よう!としても、出ることができなくなってしまいます。外の世界を全く知らずに育ったため、外の世界に不安や恐怖を感じてしまうからです。
お散歩へ連れて行こうとしても全く歩かない、玄関から動かない、すれ違う他の犬や人から逃れようとするなどします。子犬の頃は、外の世界を怖がることがあります。安全にお散歩をすることができないことがあります。
そんなときは、抱っこでのお散歩でも良いですし、キャリーバッグやカートでのお散歩でも良いです。ドッグランへ行き、抱っこで他の犬や人を見ているだけでも良いです。外の世界に慣れることができるよう、少しずつステップアップしていきましょう。
まとめ
子犬の社会化期にやってはいけないことには、
- 他の犬と接しないようにする
- 他の人と接しないようにする
- 室内だけで過ごし、外に出さない
主にこのようなことがあります。この3つは、はじめて犬と暮らす人、はじめて子犬と暮らす人が、ついやってしまいがちなことです。子犬が社会化期に学ぶ、犬社会の基本、人間社会の基本を知らずに育ってしまった犬は、問題行動を起こしやすく、他の犬や人とのトラブル、近隣トラブルの原因にもなりやすいです。二度と訪れない子犬の社会化期、大切にしましょう。