犬のNGしつけ①体罰、即効性を求める
まず、犬のしつけで絶対にしてはいけないのが体罰を用いたしつけです。感情的になって怒って叩いたり蹴ったり、怒鳴りつけたりすることは犬に恐怖心を与えるだけで正しい行動を教えることは出来ません。
体罰を使って犬をしつけると、確かに一時的に問題行動が落ち着いたり言うことを聞くようになるかもしれません。しかし、体罰によって強い恐怖心を感じた犬は自信をなくし、常に委縮して飼い主さんの反応にビクビクしながら生活をしていくことになります。そしてむやみに犬の心身を傷つけることで、恐怖を与えるだけでなく飼い主さんへの信頼や愛情を失うことにもなってしまいます。
そうしたストレスからまた別の問題行動を引き起こしたり、飼い主さんとの関係性が悪化したりしてしまうため、お互いに幸せな生活が送れるとは言えないでしょう。
また、緊急性の高い危険な問題行動をしつけなければならない時や犬の性格によっては、体罰を用いた厳しいしつけが必要なこともあるかもしれません。犬に痛みやショックを与えることで、問題行動を制御することが出来るということはありますが、それは一般家庭の飼い主さんが簡単に出来るものではありません。
強制訓練の方法をしっかりと学び、的確なタイミング・適切な強さで罰を与え、正しい行動に導くということが出来なければならないのです。もしも、飼い主さんでは手に負えないような問題行動を抱えている場合にはむやみに体罰を与えるのではなく、訓練士やトレーナーなど専門家の手を借りるようにしましょう。
犬のNGしつけ②甘やかし(しつけ放棄)
愛犬可愛さから「厳しくするのはかわいそう」「犬が欲しがるもの・したがることは何でも叶えてあげたい」と考える飼い主さんも少なくありません。確かに犬が喜んでいる姿を見るのはうれしいですし、しつけで厳しく接するのはつらいという気持ちもわかります。
しかし、犬に社会性を身につけさせたり、人間社会で生活するためのルールを教えてあげることはとても大切なことです。一時的にお互いしつけで苦労することはあるかもしれませんが、ルールを教えることで周囲に迷惑をかけることなく快適に暮らしていくことが出来るからです。
犬が喜ぶ顔が見たいからと犬が食べたがるものばかりを与えたり、散歩中すぐに抱っこしてしまったり、必要なしつけをしなかったりすると心身の健康を害してしまう可能性があります。
栄養バランスが乱れて肥満や栄養不足になったり、他の犬や人とうまく接することが出来ず外に出た時強い不安やストレスを感じてしまうようになったりするのです。健康的な食事と適度な運動は、犬と飼い主さんの幸せのために大切なことです。
犬のNGしつけ③飼い主の理想を押しつける
犬と生活する上で多くの飼い主さんは「愛犬とまったりくつろぎたい」「ドッグカフェに行きたい」「犬と一緒に旅行を楽しみたい」など、色々な夢や希望を抱くことでしょう。そのために必要なしつけをしたり、環境を整えたりすることはとても素晴らしいことだと思います。
しかし、愛犬の気質や性格を無視して理想にこだわりすぎたり、飼い主さん希望ばかりを圧しつけてしまうと犬にとっては大きなストレスになってしまうことがあります。希望や理想を叶えるために過剰なしつけを行ったり、その犬が持つ気質や性格を押し込めるような形で生活させることは犬にとって幸せとは言えないでしょう。
また、理想通りのドッグライフが出来ないことで犬にイライラをぶつけたり、感情的なしつけをしたりするようになってしまうこともあると思います。最悪の場合、「思っていたのと違う」という理由で犬を手放してしまう人も。
犬との生活に夢や理想を持つことはとても楽しいことですが、もしもその理想に合わないと感じることがあればそれを軌道修正しながら愛犬に合った楽しみを見つけていきましょう。
まとめ
犬のしつけで絶対にしてはいけないことは、愛犬の気質や性格を考えず一方的な理想を押しつけるようなしつけをすることです。また、言うことを聞かないからと感情的に怒鳴りつけたり、体罰を与えて恐怖で問題行動を抑制しようすることも絶対にNGです。そのような接し方はしつけとは言えず、飼い主さんと犬の関係性をただ悪化させてしまうだけでしょう。
犬の問題行動や困った行動をしつけるためには時間と根気が必要です。即効性を求めて焦りすぎると、ついイライラしてしまい適切なしつけが出来なくなってしまうので、愛犬とじっくり向き合うようにしてくださいね。