犬の免疫系の病気5選 症状や原因から治療・予防法まで

犬の免疫系の病気5選 症状や原因から治療・予防法まで

犬にも免疫系の病気が多く存在します。免疫系の病気は対処の難しいものが多く、一生付き合っていかなければならない病気なので、早期発見できるようにどんな病気があるのか知っておくのは良いことです。この記事では犬の免疫系の病気を5つまとめています。

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1.甲状腺機能低下症

元気なくうなだれている犬

甲状腺機能低下症とは、体の代謝をよくする甲状腺ホルモンの分泌量が減ってしまう病気です。

症状

  • 元気消失
  • 体温の低下による震え
  • 食欲減退
  • 体重増加
  • 毛艶が悪くなり皮膚が黒ずんで分厚くなる
  • 左右対称の脱毛

甲状腺ホルモンが減少してしまうと、毛の新陳代謝も悪くなってしまうので、首や耳、胸やお腹としっぽや足などの毛が左右対称に脱毛してしまいます。皮膚もむくんで分厚くなり、口元やまぶたや下がってしまうことで悲しげな表情に見えることもあります。また、食欲はないのに体重が増加するのも症状の一つです。

原因

本来なら体内の異物を攻撃するはずの免疫系が、自分体内の甲状腺を異物と判断してしまい攻撃することによって炎症が起こり、甲状腺ホルモンが減少してしまうことが原因です。甲状腺の腫瘍が原因となっていることもあり、老犬になってから発症することがほとんどですよ。

治療・予防法

予防法は特になく、好発犬種である柴犬・ゴールデンレトリーバー・ラブラドールレトリーバー・ダックスフンド・ミニチュアシュナウザー・シェットランドシープドッグなどは、健康診断で定期的に甲状腺ホルモンを測定してもらい、早期発見できるようにしてあげてください。

治療法は、完治はできない病気なので人工の甲状腺ホルモン製剤を投与することで、体内で不足している甲状腺ホルモンを正常なホルモン濃度まで高める投薬治療が行われます。投薬によって症状を改善して維持することができますが、止めてしまうと再びホルモンが低下してしまうので一生投薬を続ける必要がありますよ。

2.クッシング症候群

山盛りのドッグフードの前に伏せる犬

クッシング症候群とは、副腎から分泌されている「コルチゾール」というホルモンが過剰に分泌されることによって引き起こされる病気です。

症状

  • 多飲多尿
  • 食欲増進
  • 腹囲膨満
  • 左右対称の脱毛

多食・多飲多尿や腹囲膨満は多くみられる症状ですが、食欲がありよく食べることもあり、お腹がポンポンになっていても肥満なだけと思われがちです。

原因

クッシング症候群の原因は主に、薬として副腎皮質ホルモンを過剰投与されたことによる医原性クッシング症候群・下垂体腺癌・副腎皮質腺癌・腺腫などです。約8割強が脳の下垂体の腫瘍でACTHというコルチゾールを分泌する指令を出す物質の過剰分泌で、約1〜2割が副腎の腫瘍によってコルチゾールが過剰分泌することで発症します。

治療・予防法

予防法は特にありません。5歳以上の犬に多く見られ、プードル・ダックスフンド・シュナウザー・ビーグル・シーズーなどが好発犬種で、若干メス犬に多く見られます。

治療法は、内科療法と外科療法、放射線治療になります。下垂体腫瘍の場合は、外科療法や放射線療法などの手術の難易度が高いため危険が伴います。そのため、主に内科療法が行われますが、症状を緩和するための治療方法で、完治を目指した治療方法ではありません。

副腎の腫瘍が原因の場合は外科治療が第一となります。ですが、転移や重度の癒着が起きて摘出困難な場合は内科療法を行います。副腎の腫瘍は、下垂体の腫瘍に比べて薬でのコントロールが難しいので、死亡する場合が多くあります。

3.免疫介在性多発性関節炎(関節リウマチ)

レントゲンを一緒に見ている獣医師と犬

免疫介在性多発性関節炎とは、本来なら外敵から自分自身を守るために働く免疫機能が、自分の関節を敵とみなしてしまい攻撃することで、関節炎が多数発生する病気です。

症状

  • 39.5℃以上の発熱
  • 元気消失
  • 食欲低下
  • リンパ節の腫れ
  • 関節が腫れて熱を持つ
  • 足を引きずる

関節が溶けることにより亜脱臼が起こると、本来なら地面に着かない手首やかかとが地面に着いた状態になります。関節の曲げ伸ばしを嫌がったり、関節があまり曲がらなくなったりします。

原因

免疫介在性多発性関節炎には、レントゲンを撮ったときに骨が溶けたように見える「びらん性」とそのような変化が起きない「非びらん性」があります。びらん性の関節炎とは関節リウマチのことです。非びらん性の関節炎が起きる原因は、特発性多発性関節炎・全身性エリテマトーデス・多発性関節炎・筋炎症候群・犬種特異的多発性関節炎・リンパ球形質細胞性関節炎などがあります。

原因は正確に判明してはいませんが、関節内で自己免疫が関節を攻撃したことが確認されているので、免疫抑制剤が効果的なことから自己免疫疾患だと考えられています。

治療・予防法

予防法はありませんが、過度な運動や肥満は関節炎の症状を悪化させるので注意が必要です。治療方法は、免疫抑制剤を投与して関節に対しての免疫反応を抑える内科療法です。

非びらん性多発性関節炎はこの治療が効果的で、長期間良好に管理ができることが多くあります。びらん性多発性関節炎の場合、多少の改善は見られますが、数年かけて徐々に症状が進行する場合が多くあります。

4.全身性エリテマトーデス

犬用のブラシと抜け毛を持った人

全身性エリテマトーデスとは、免疫反応の異常によって自分の身体を攻撃してしまう、自己免疫疾患です。犬のエリマトーデスには「全身性エリテマトーデス」と、部分的に症状が発生する「円板状エリテマトーデス」があります。

症状

  • 全身の脱毛
  • 皮膚が赤くなる
  • 水疱
  • 肉球部分の潰瘍
  • 発熱
  • 多発性関節炎
  • 腹水

様々な症状がみられ、薬による合併症や腎不全、肺炎や敗血症などの全身性の二次感染によって亡くなってしまう場合もあります。

原因

はっきりとした原因は不明ですが、遺伝的なものやレトロウイルスへの感染などが発症の原因とされています。ワクチンやストレス・感染症・紫外線で症状が悪化してしまうと考えられています。免疫複合体と呼ばれるものが形成され、これが皮膚や血管など体内の様々な場所の細胞組織を攻撃することで炎症が起こります。

治療・予防法

予防法は特になく、副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)・免疫抑制剤などの投薬を用いた内科療法を行います。症状の改善は見られますが完治することは難しく、寛解と再発を繰り返しながら慢性化していく傾向にあります。

5.アナフィラキシー

大きく口を開けて嘔吐しそうな犬

アナフィラキシー反応とは、薬物や異物、食物に含まれる抗原が体内に侵入することによって起きるアレルギーのことです。

症状

  • 呼吸困難
  • 意識障害
  • 嘔吐
  • 血圧の低下

抗原が侵入してから数分~30分以内に症状が現れます。アナフィラキシーショックという大変危険な状態が起こり、命の危険があります。血管から血液が漏れ出て血圧が急激に下がり、興奮状態から嘔吐、脱糞・放尿が起こり、呼吸困難、痙攣から昏睡状態に陥り、死亡する可能性もあります。

原因

原因は、ワクチンなどの薬剤の投与や、アレルギー反応を引き起こす食物の摂取など様々あります。予防接種などの薬剤による反応が1番多くみられるので、予防接種などの後はしばらく犬の様子を見ていてあげてくださいね。接種する回数が増えると、それに伴って発症の危険性が高まるります。

治療・予防法

予防法は、アレルギー反応を起こす抗原と接触しないことが大切になります。一度アレルギー反応を起こしてしまったものは避けるようにしてください。
アナフィラキシー反応が起きてしまった場合は、すぐに射や点滴を行いショック症状に対処していきます。その後は抗生物質やヒスタミンを抑える治療を行います。

まとめ

病院で診察を受けているダックスフンド

いかがでしたでしょうか?免疫系の病気は予防や治療が難しいものが多いので、ふだんから健康診断を行い犬の健康状態をチェックして早期発見・早期治療することが大切になりますよ。

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