犬の呼吸が早い!考えられる病気とその原因、対処法について

【獣医師監修】犬の呼吸が早い!考えられる病気とその原因、対処法について

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飼っている犬の呼吸が普段よりも早いと感じるとき、何が原因なのか心配になってしまいますよね。運動後や興奮状態のときには呼吸が早くなりますが、これらに該当しない場合は病気の兆候かもしれません。今回は、犬の呼吸が早いときに考えられる呼吸器疾患と病気以外の原因、対処法についてご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

正常な犬の呼吸と異常な犬の呼吸

呼吸の早い犬

正常時の犬の呼吸

犬の呼吸は、1分間に約15回~25回が正常値とされています。小型犬の場合、大型犬と比べて肺が小さいため呼吸が早い傾向にあります。

呼吸数は、お腹が上下に動く回数でカウントできます。正確に計るために、犬が安静にしているタイミングを選びましょう。眠っている犬の鼻先にティッシュの切れ端を垂らし、1分間に揺れた回数をカウントすることでも計測できます。

運動後や眠りが浅いときは、一時的に呼吸が早くなります。これは必要な酸素を取り入れるためであり、唇や舌が健康的なピンク色をしていれば特に心配は要りません。

異常時の犬の呼吸

呼吸が荒い状態が長く続くだけでなく、舌の血色が悪い場合は注意が必要です。また、鼻の穴をひくひくさせる「鼻翼呼吸」や、苦しそうに口をぱくぱく開ける「開口呼吸」が見られる時は、犬の体に異常が現れているサインと考えられます。

呼吸に異音が混ざって聞こえるときは呼吸器疾患の可能性があります。さらに震えや嘔吐、大量のよだれなどを伴う場合は、重大な病気の合併症である場合も考えられます。放置していると呼吸困難など命にかかわる可能性もあるので、様子がおかしいと感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

犬の呼吸器の疾患

ぐったりした犬

肺炎

肺に重度の炎症が起こる病気です。発症すると、呼吸音の異常、発熱、咳、食欲減退といった症状が見られます。酸素をうまく取り込むことができなくなるため、呼吸困難を引き起こす恐れもあります。

原因は細菌やウィルスによる感染症、寄生虫、アレルギー、誤嚥などです。特に、飲食物が食道でなく気管に入ることで起こる誤嚥性肺炎は、免疫力の弱い子犬や老犬にとって命の危険を伴います。

肺水腫

肺水腫は、体外に排出される血液の液体成分が肺に貯まる病気で、呼吸に異常が現れるとされています。犬が発症すると開口呼吸や呼吸数の増加、歯茎や舌が白っぽくなるといった症状が見られます。

原因は2つあり、多くは心不全や僧帽弁閉鎖不全症などの心臓病によって起こる「心原性肺水腫」です。他に気道の圧迫、火事による煙の吸引、感電、事故による外傷などが原因で、肺の毛細血管が変化を起こす場合もあります。これを「非心原性肺水腫」と呼びます。

気管虚脱

気管が変形し、正常な弾力を失うことによって起こる病気です。発症するとガーガーと異音が混ざった呼吸や、激しい咳、ゼーゼーと苦しそうに息を吸う様子が見られます。酸素不足に陥り、軽い運動で失神してしまう犬もいます。

肥満体型の犬は脂肪によって気道が圧迫されるため、気管虚脱を発症しやすい傾向にあります。その他の原因として首輪による強い圧迫、老化による筋力の低下、感染症なども考えられています。

鼻炎

犬の鼻の粘膜が炎症を起こしている状態です。くしゃみや鼻水、目やにが出て、鼻づまりによって苦しそうな呼吸が見られます。原因の多くは細菌感染によるウィルス性鼻炎です。他にも、アレルギー体質の犬に見られるアレルギー性鼻炎、鼻の中の腫瘍や異物が入った場合に起こる鼻炎もあります。

初期段階ではサラサラとした鼻水ですが、進行するとネバネバとした状態になり、黄色や緑色の膿が混ざります。慢性化すると副鼻腔炎を引き起こす場合もあります。

犬の呼吸が早い時の原因

呼吸の早い犬

ストレス

犬が緊張状態にあるときや驚いたときには呼吸が早くなります。早い呼吸と合わせて吠える、噛むといった様子が見られた場合は、ストレスが高まっているサインです。聴覚が優れている犬には大きな音もストレスになります。引っ越しや人の出入り、工事や花火の音など、犬がいる環境に変化があった場合は注意を払いましょう。

過剰なストレスは、自律神経の乱れや免疫力の低下を引き起こします。長く続くと病気の原因にもなるので、できるかぎり原因を取り除いてあげてください。

外傷による痛み

ケガによって体に痛みがある場合も呼吸が早くなります。犬の体を注意深く観察して、痛みを感じている部分を探しましょう。痛みがある部分に直接触れると、大人しい犬でも噛む可能性があるので十分注意して下さい。

ケガを放置すると感染症にも繋がるので大変危険です。目に見えるケガが軽い場合も、外傷によって骨や他の臓器を損傷している可能性もあります。念の為に動物病院でレントゲン検査など受けておくと安心です。

老化

老犬は心肺の機能が衰えることで、呼吸が浅くなります。少しの運動でも疲れやすくなり、散歩を嫌がる場合もあります。同じ時期に食事量やフードの好みが変化した、寝ている時間が長くなったという様子が見られた場合は老化のサインと捉えてよいでしょう。

年齢に応じて必要なカロリーや運動量は変わるので特に心配は要りません。しかし、老化によって起こりやすくなる病気もあります。犬にとって最適な環境を整え、普段と様子が違うときには動物病院を受診するなど素早い対応を心がけましょう。

犬の呼吸が早い時の対処法

酸素吸入を受ける犬

対処法①室温を一定に保つ

犬がいる部屋の温度を快適に保つことが重要です。被毛に覆われている犬にとって、暑さも呼吸困難を引き起こす原因となります。熱中症対策のためにもエアコンなどで室温を調整しましょう。

犬が快適に過ごせる気温は22度程度です。冷房の設定は25度~26度が目安で、人間が快適に感じる温度よりやや低めに保つと呼吸がしやすいと言われています。エアコンでの温度調整が難しい場合、水を入れて凍らせたペットボトルを犬のケージ内に置くことも効果的な対処法となるでしょう。

湿度が高いと呼吸が苦しくなりますので、湿度が50%前後ぐらいになるように除湿器を活用するのも良いでしょう。

対処法②楽な姿勢を取らせる

犬が呼吸をしやすい姿勢を取れるようにしましょう。呼吸の仕方や痛みがある場所を考慮して、犬にとって楽な姿勢を探します。顎の下にタオルや枕を置くことで呼吸がしやすくなる場合もあります。

呼吸が苦しいときには、横になるのを嫌がり、伏せの姿勢を保つ犬もいます。横になるのが辛そうであれば、もたれかかれる場所に寝床を作る、クッションを置いてサポートするといった工夫をしてもよいかもしれません。

対処法③酸素吸入をする

呼吸が苦しそうな犬には、酸素吸入機を導入してもよいでしょう。空気よりも高濃度の酸素を吸うことで、息苦しさを和らげることができます。動物病院で使い方について相談した上で適切に使用しましょう。

口元に酸素吸入機を添えられるのを嫌がる犬もいます。その場合は犬が中に入って過ごせる酸素ハウスや酸素テントがおすすめです。酸素ハウスなどのレンタルを行う業者もあるので、一度サイズや価格などを調べてみてはいいかがでしょうか。

まとめ

呼吸の早い犬

犬が呼吸が早くなる原因はさまざまです。注意深く様子を見て、心配は時は早めに獣医師に相談しましょう。動物病院を受診する際には、いつから、どのように犬の様子に異常が見られたかを伝えることがポイントです。

呼吸に異変が起きる前の犬の行動をメモに残し、呼吸の音を録音しておくと、症状を正確に伝えやすくなります。日頃から過ごしやすい環境を整えて、愛犬の健康維持をサポートできるといいですね。

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