「犬は口呼吸ができない」って本当?

「犬は口呼吸ができない」って本当?

人間は鼻がつまったりしたら口で呼吸することがありますよね。実は犬は口呼吸ができないんです。では鼻がつまったらどうなるのでしょうか?口呼吸ができない理由と、鼻づまりの原因などをご紹介します!

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬は口呼吸ができないって本当?

口をあけている柴犬

人間以外の哺乳類は基本的に鼻で呼吸をしていて、口呼吸はかなり特殊なものです。
もともと人類も鼻呼吸だけだったのが、進化を続けて二足歩行をするようになり、言葉を話すようになった結果喉の構造が変化したと言われています。その結果、口呼吸ができるようになったのです。
多くの動物に共通していることは食べ物が通る道である食道と、空気を肺まで送る道が完全にわかれているということです。
そのため空気を肺まで届けるためには、鼻から空気を吸わなければなりません。
人間の場合は鼻と口とがつながっているためどちらからでも呼吸ができます。

鼻づまりの原因は?

犬の鼻

鼻呼吸をする犬ですが、鼻がつまってしまう場合もあります。
ひどくなると呼吸困難を起こす可能性もあるので放置するのは危険です。
しかし、パグやフレンチブルドッグなどの短頭種はすぐに呼吸数が増えたり、口を開けてゼエゼエとするため勘違いしやすくなっています。

病気

鼻での呼吸がしづらくなる病気として、アレルギー、歯周病、腫瘍、副鼻腔炎、ポリープ、感染症などがあります。
アレルギーは、免疫機能が原因物質に過剰に反応することで起こります。その結果として鼻水が増え呼吸しづらくなる可能性があります。
副鼻腔炎は副鼻腔という場所が炎症を起こした状態です。細菌やウイルスなどが原因であることが多いです。
腫瘍やポリープが鼻の周囲や中にできると、空気が通る道を塞いでしまうため鼻づまりが起こります。
歯周病は進行すると上顎から鼻へと炎症が進んでいくため、鼻水が増え鼻づまりの原因となります。
その他にもウイルスや細菌などからの感染症で鼻水が増え鼻での呼吸がしづらくなることがあります。

生理現象

鼻の中になにか異物が入り込むと、鼻の粘膜が炎症を起こします。
異物を追い出そうとする生理現象のひとつでくしゃみを頻繁にするようになります。
ティッシュやおもちゃの破片などが鼻に入り込んでいる場合が多く、異物を取り除けば回復することもあります。
しかしそれでも鼻の違和感が続くようであれば、炎症がひどいかもしれないので病院へ連れていきましょう。
明らかに腫れていたりする場合はすぐに病院へ連れていったほうがいいでしょう。

もし鼻が詰まったら?

少し様子を見て、ひどいようであればすぐに動物病院に連れていきましょう。
動物病院で原因を特定してもらい、その原因にあった対処をしてもらいましょう。
アレルギーではアレルギーをおさえる注射や薬を出してくれますし、もし腫瘍や怪我であればその状態に合わせた説明をしてくれます。
まずは息をさせることが必要なので必ず病院へ連れていきましょう。

息苦しそうにしていたら……

パグ

原因は?

口でハアハアと苦しそうに呼吸することがありますが、呼吸困難という状態にある可能性があります。呼吸をするのが苦しくなる状態のことで、病的なものです。
運動や不安、驚きなどで呼吸の回数が増えていることもあり、それであれば少したつと落ち着きます。これは一時的なので気にしなくても大丈夫ですが、落ち着いている状態でも続くようならすぐに受診しましょう。
呼吸困難の原因として、まず第一に考えられるのは胸やお腹の異常です。
お腹や胸に水がたまっていたり、お腹の中にある臓器が大きくなり肺を圧迫しているため呼吸が苦しくなる場合があります。
他にも喉や鼻、心臓などに原因がある場合もあります。
飼い主さんだけで判断はせず、動物病院に連れて行って獣医さんに診てもらってください。
何か大きな病気の初期症状という可能性もありますので、甘く見ないようにしましょう。

観察のポイント

日頃から呼吸の様子を見ておきましょう。
大体、犬の呼吸は1分間に15回〜30回です。
呼吸の異常を感じたときは回数だけではなく、鼻と口とお腹の動き、そして呼吸にともなってヒューヒュー、ゼェゼェという音が聞こえないかも観察しましょう。
舌や唇、歯茎などが白くなっていたり紫になっていないかも注意してください。

まとめ

茶色い犬の鼻

犬は口呼吸ができません。基本的に人間以外の哺乳類は鼻で呼吸をしています。
そのためなんらかの原因で鼻がつまってしまった場合、息をしにくくなってしまいます。
病気や怪我など原因は様々なので日頃の行動を観察しておくと良いでしょう。日頃の様子がわかっていれば、どういった行動がいつもと違うのかがわかりやすくなります。
ひどくなると呼吸困難などに陥ってしまうので、呼吸が普段と違うなと思ったら病院へ連れていきましょう。

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