犬用馬肉とは
犬用馬肉とは、人間が食べる新鮮な馬刺しをカットする際に出た馬肉の切れ端を犬が食べられるように角切りやミンチなどに加工したものを製品化しているものです。
馬肉が生で食べられる理由とは
馬肉は馬刺しとして生で食べられますが、豚や牛には慎重になりますよね。生の豚肉には、リステリア菌やサルモネラ菌、E型感染ウイルス(HEV)などによる食中毒のリスクがあるため、必ず中心部まで加熱したものを食べるように厚生労働省が注意喚起しているほどです。
馬肉はなぜ生で食べられるのでしょうか?
馬は豚や牛と比べて体温が4~6℃高いため、寄生虫が住みにくく細菌が繁殖しにくい特徴があります。馬は他の動物と違い、細菌を持っていないことが生で食べられる理由の一つです。
さらに、馬肉を生食用として提供するためには、「生食用食肉の衛生基準」をクリアしなければなりません。厳しい衛生基準をクリアした食肉処理場が、衛生的な取り扱いに注意を重ねて製造された馬肉が提供されています。
このような理由から、犬用馬肉は極めて安全性が高いため生で食べられるのです。
犬用馬肉は本当に安全なのか
野生の犬は元々生の肉を食べる生きものです。ペットの犬に生肉を与えるのは危険とされているのは、細菌や寄生虫による病気のリスクが伴うからです。安全な犬用馬肉であれば、犬に食べさせても問題ありません。
食肉には、ビタミン(A・B1・B2・E)、ミネラル、タンパク質、脂質、トリプトファン、カルニチン、タウリンなど犬に必要な栄養素や消化酵素がバランスよく含まれています。
食肉を加熱すると、ビタミン類をはじめとした栄養素が変化を起こしますし、加熱処理をしたドライフードやジャーキーでは消化時間がかかります。
したがって、本来なら肉は生で与える方が犬の体内に吸収しやすいのです。極めて安全性が高い犬用馬肉は犬に与えても問題ないのです。
犬用馬肉を与えるメリット
ここで、犬用馬肉を与えるメリットを解説しましょう。
体重管理・ダイエット予防に効果的
馬肉に含まれる栄養成分は、豚や牛よりもタンパク質が多く、カルシウムと鉄分は3倍も多く含まれています。さらに脂質は豚肉の約1/10、牛肉の約1/5。カロリーは100gあたり110kcalと低カロリーです。
低カロリー高タンパクでカルシウムと鉄分が豊富な犬用馬肉は、犬の健康を維持するために必要な栄養素が含まれた理想的な食品だといえます。
アレルギー性皮膚炎の犬におすすめ
食物アレルギーを持つワンちゃんは、牛肉・豚肉・鶏肉など肉類に反応することがあります。また、ドッグフードに含まれる添加物がアレルゲンとなり、皮膚の痒みや赤みなどさまざまな症状を引き起こす原因になります。
馬肉は牛・豚・鶏肉に比べてアレルギー性が極めて少ないといわれています。さらに添加物不使用の犬用馬肉は、アレルギー性皮膚炎を持病に持つ犬に獣医師からおすすめされることもあります。
シニア犬に最適
添加物を一切使用していない犬用馬肉は、肉特有の匂いがあります。嗅覚が敏感な犬にとって、新鮮な犬用馬肉の匂いは食欲をそそります。
シニア犬になるとドライフードを食べなくなることがありますが、犬用馬肉の匂いが食欲をそそるため、食いつきを良くし、さらに消化吸収を助ける面からもシニア犬に適しているといわれています。
犬用馬肉のデメリット
犬用馬肉にはメリットばかりではなくデメリットもあります。
ドライフードを食べなくなる
犬は生肉の味や匂いを好みますから、食いつきが良く嗜好性が高いことから、犬用馬肉を主食に与えてしまうとドッグフードを食べなくなる恐れがあります。
犬用馬肉を与える量に注意が必要
犬の健康を維持するために大切な肉類ですが、たんぱく質の過剰摂取が尿路結石の原因になるといわれています。
結石は、尿中のタンパク質やミネラルが過剰になってしまうことで、尿のpHの変化などによって発症しやすいといわれています。
馬肉に含まれるカルシウムが牛や豚の3倍ほど含有率が高いことから、シュウ酸カルシウム結石になりやすいと考えられています。
ただし、犬用馬肉に限ったことではありません。肉類を主食にした偏った食事や、他の食品に含まれるタンパク質の過剰摂取はアレルギーや結石を引き起こす怒れがあります。犬用馬肉を与える量に、注意が必要といえるでしょう。
犬用馬肉の1日あたり推奨量とは
1日あたりの犬用馬肉の摂取量は体重に対し1%が適量として推奨されています。体重3kgの小型犬であれば30gを目安にしましょう。
犬用馬肉をドライフードにトッピングするなどして、まずは少量だけ与えてみましょう。個体によっては、食べ慣れない食品を食べたために軟便や下痢が起こることがあります。
犬用馬肉はアレルギー性が低く安全性の高い食品ですが、ワンちゃんによっては体質に合わなかったり、アレルギー反応を起こす可能性があります。
与えはじめは、飼い主さんが愛犬の便の様子をしっかりチェックしましょう。軟便や下痢の症状が現れた場合は、犬用馬肉の量を減らして便の様子を観察してください。
犬用馬肉の選び方
犬用馬肉をamazonや楽天で検索してみると、さまざまな商品がでてきます。赤身比率と無添加にこだわるドッグフードや厳選した赤身肉を使った犬用馬肉は、馬肉専門店や馬刺し専門店がほとんどです。
どのショップも切り落としや角切り、パラパラミンチや小分けタイプなど、上質な馬肉を犬が食べやすいサイズにカットしているのが犬用馬肉の特徴です。品揃えが豊富で迷ってしまいますね。
ここで、犬用馬肉の選び方について解説しましょう。
産地表示をチェック!
農林水産省の資料によると、2015年の国産馬肉の生産量は「熊本県」が年間2316tで第1位となっており、国内全体の45.3%を占めています。
次に、馬肉の輸入先を見てみると、カナダからの輸入量が年々右肩上がりに増えており、2015年は3020tも輸入していることが分かります。
熊本名物になっている馬刺しですが、実は多くの業者はカナダで生まれた馬を日本で大切に育てあげ馬肉にしています。国内で生まれる馬は年間200頭もいないほど希少だからです。
カナダ産の馬は安全性が高く、厳しい衛生基準をクリアした信頼できる犬用馬肉なのです。「犬用馬肉は国産品に限る!」と安易に判断せずに、産地表示を確認しましょう。
添加物不使用がおすすめ
ドッグフードに含まれる食品添加物は、犬がアレルギーを引き起こす原因になったり、着色料や甘味料は発がん性があるといわれています。
例え微量でも、犬に有害となる物質が入っていない食品にこだわる飼い主さんは少なくないはずです。
一般庶民の感覚では、馬肉は高級品というイメージがありますよね。犬に馬肉は贅沢だという考え方もあります。
できるだけ低価格な犬用馬肉を選びたい方もいらっしゃると思いますが、価格が安い商品には添加物や犬の健康を害する食料が使われている恐れがあります。
やはり、人間が食べられる天然素材にこだわった無添加不使用の犬用馬肉を選びたいものです。犬用馬肉を選ぶ時は、馬肉において信頼と実績がある販売店を選ぶことをおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?馬は他の動物を比べて体温が高く、寄生虫が住みにくいため馬肉は生で食べられることが分かりました。なお、馬肉は豚や牛に比べて安全性が高いですが、すべての馬肉が安全だとは言い切れません。個体によっては馬肉に反応する馬アレルギーを持っているかもしれません。
アレルギー疾患を持つワンちゃんは、犬用馬肉を与える前に必ず獣医師に相談しましょう。