犬に生肉を与えても大丈夫?メリットやデメリット、食べる時の注意点を解説

犬に生肉を与えても大丈夫?メリットやデメリット、食べる時の注意点を解説

犬は生肉を食べても大丈夫ですが、与えると良い点と悪い点が存在します。犬の生肉食について賛否両論の意見があり、飼い主さんによって考え方や判断は違います。犬に生肉を与えるメリットやデメリットを知って愛犬にとって与えることが良いのかを飼い主さんが考えましょう。

犬に生肉を与えてもいい?

犬に生肉を与えても大丈夫

犬に生肉を与えても大丈夫です。犬の祖先はオオカミで、オオカミは肉食系の雑食なので生肉も食べられるのです。

しかし、現代の日本における犬の存在はほぼペットとして人間と共に生活しているので、犬の食事は「総合栄養食」いわゆる「ペットフード」が食事の主流になっています。

犬に生肉を与えるのは初めは抵抗があることのように思えますが、犬の歯の並びや消化器官はオオカミだった当時と変わらないので本来の食事である生肉を含む雑食は現代の犬にとっても適した食事と言えます。

犬の生肉食については賛否両論

犬の生肉食に関しての意見は、かなりの賛否両論に分かれます。

現代の獣医学では犬の生肉食は積極的には推奨されていません。絶対に与えてはいけないとはしていませんが、生肉食のメリットと言われる内容が科学的根拠にまだ乏しいと言ったこともあり、デメリットを加味すると勧めるまでには至ないからです。

しかしながら、犬の腸は3mしかなく炭水化物や植物を消化しづらいので、消化しやすい生肉は犬の消化器官に合っている食べ物とも言えます。

いずれにしても、犬の生肉食に関しては飼い主さんによる犬の食事に対しての考え方で判断している現状です。

犬が食べてもいい生肉の種類は限られている

犬が生肉を食べることが大丈夫だからといってどんな生肉でも食べられるわけではありません。

もし、飼い主さんが愛犬に生肉を与えようと考えている場合は、生肉の種類や部位や状態の知識を十分につけてから生肉を選びましょう。

1. 脂肪分が少ない肉を選ぶ

犬は脂肪分を吸収しづらいのでなるべく脂肪分が少ない肉を選びましょう。

例えば、鶏肉の皮をはいで肉の部分を与えたり脂肪分が少ないささみを与えたりするのも良いでしょう。牛の場合は、脂肪部分は切り離して残りの部分を与えるようにしましょう。馬や鹿肉は脂肪分が少ないので安心して与えることが出来ます。

2. 新鮮で衛生処理をされた生肉を選ぶ

犬に生肉を与える時は、新鮮で衛生処理がきちんと行われている生肉を選びましょう。

適切な処理が行われていないと寄生虫やウイルス、最近を含んでいる可能性もあり大変危険です。基準は人間が生食出来る衛生状態の生肉を選ぶようにしてください。

3. 内臓は与えないようにしましょう

レバーなどの内臓は、生肉よりもカロリーが高く寄生虫や菌やウイルスの感染リスクが高まるので与えないようにしよう。また、高カロリーは肥満の原因にもなるので、犬に内臓は与えないようにしましょう。

加熱処理の必要性

犬に肉を与える場合、加熱するかしないかはそれぞれの良さとリスクによって変わってきます。

生肉を加熱すると含まれている「タンパク質」は劣化が進みます。それは「変性」と呼ばれ、犬にとって消化が悪くなるばかりかアレルギーの原因物質になり腸内細菌のバランスが崩れてしまう可能性があります。そのため、過剰な加熱は犬にとっては望ましくありません。

栄養面や消化面では生肉を加熱することは犬にとっては望ましくありませんが、生肉の加熱はウイルスや菌の感染を防ぐと言った意味では加熱をする方が安心といった見方もあります。

安全の確証がとれない生肉に関しては、過剰にならない程度で適度に加熱をすることが望ましいでしょう。

犬に与えていい、与えてはいけない生肉の種類

犬に与えていい生肉と与えてはいけない生肉の種類

牛肉(生食◯)

牛肉は、生で犬に与えても大丈夫な肉です。

生の牛肉にはタンパク質やリンなどの必須栄養素が豊富に含まれており、犬の免疫力を高めたり、肥満を抑制したりする働きをしています。

また、生の牛肉には食べた物の消化吸収を手助けする酵素が豊富に含まれています。酵素は加熱してしまうと数が減ってしまうので、生肉の方が加熱された肉よりも酵素をしっかり摂ることができるでしょう。

鶏肉(生食✕)

鶏肉はできるだけ生では与えない方が良いとされています。鶏の生肉にはサルモネラ菌が付着している可能性があり、食中毒に繋がるリスクが高いからです。

しかし、狩猟犬としてハンターが仕留めた鳥を咥える犬もいるため、必ずしも口に入れると危険というわけではありません。

鶏肉は良質なタンパク質を豊富に含み、低脂肪であることから、ダイエット中の犬にもうれしい食材です。栄養価の高い優秀な食材なので、愛犬に鶏肉を与えたいと考える飼い主さんは念のために加熱してからにすると良いでしょう。

豚肉(生食✕)

豚肉は生で犬に与えてはいけません。生肉のまま与えることは、大腸菌やサルモネラ菌による食中毒、E型肝炎ウイルスによって感染症を引き起こすリスクが高いからです。

また、豚の生肉にはトキソプラズマ原虫という寄生虫が存在しています。犬の命にも関わるため、生で与えるのは控えましょう。

豚肉には、疲労回復などに効果的なビタミンB群や、犬のストレスを緩和させる必須アミノ酸などが豊富に含まれています。高い栄養素を持つ食材ですので、愛犬に与えたいときは十分に加熱してからにしましょう。

イノシシ肉(生食◯)

イノシシ肉は、生で与えて良いお肉です。イノシシ肉のように狩猟で捕獲した野生動物の肉は「ジビエ」と呼ばれ、人工飼料などを食べずに育ったことからアレルギーのリスクが低いと言われています。

イノシシ肉には良質のたんぱく質をはじめ、皮膚の健康や疲労回復、新陳代謝を促すビタミンB郡などが豊富に含まれています。

ただし、他の生肉と同じように菌や寄生虫が存在する可能性を念頭に置いて、必ず生食用として販売されているものを与えましょう。

鹿肉(生食◯)

イノシシ肉同様ジビエの代表である鹿肉も、犬が生で食べても大丈夫な食材です。

犬の祖先が鹿を捕食していたことから、生の鹿肉を消化する働きや、鹿肉からの栄養吸収に順応性があると考えられています。

また、鹿肉は体を作るたんぱく質が牛肉より多く、低カロリーで低脂質であることも特徴です。他の肉類と比べて低アレルゲンの食材という利点もあります。

これらから犬に与えてもよいと肉と言われますが、生肉の場合は寄生虫や細菌が付着している可能性がないとは言い切れません。なるべく鮮度の良い生食用として販売されているものを選びましょう。

犬が生肉を食べた時のメリット

犬が生肉を食べた時のメリット

犬が生肉を食べることについて賛否両論の意見があります。賛否両論ということは、生肉を食べるメリットがあるため賛成意見があるということです。

元々が肉食性の雑食のルーツを持つ犬なので、食べていた生肉には生きていくために必要な栄養分や体に良い理由があったと考えられます。

本来の食事である生肉を食べることによって得られるメリットを説明していきます。

アレルギー対策に良い

現在犬の食事の主流は総合栄養食であるペットフードですが、商品によっては添加物を使用しているために犬が何かしらのアレルギーになってしまう可能性があります。また、犬が消化しづらい穀物を多く含んでいます。

生肉は消化も良くアレルギーの誘発をしづらい食べ物なので、栄養面やアレルギー面では安心して犬に与えることが出来ます。

毛艶、口内環境に良い

生肉には犬の毛艶や口内環境を整える栄養分が入っています。

生肉には良質のタンパク質と適切な脂肪分が含まれるので、毛艶が良好になります。また、ペットフードだと歯石が犬についてしまい歯周病の原因になりますが、生肉は犬に適当な弾力と酵素の働きで歯に歯石がつきにくくなります。

食糞予防になる

「食糞」というのは、犬が自分もしくは他の犬の糞を食べてしまうことです。犬を飼っていない人はほとんど知ることはありませんが、決して珍しくない犬の行動です。

原因としては未消化の炭水化物が糞に含まれているので、その匂いや栄養を摂取するために食糞をすると言われています。生肉は犬にとって消化の良い食べ物なので、未消化の栄養が糞から少なくなるので食糞を予防することが出来ます。

犬が生肉を食べた時のデメリット

犬が生肉を食べた時のデメリット

犬が生肉を食べることはメリットもありますがデメリットも生じます。野生時代に本能で生肉を食べていた時代とは違い、人間の手で与える生肉ですからそれ特有のデメリットがあります。

生肉の良いところも、悪いところも知って、犬に生肉を与えるかを飼い主さん自身が判断してください。

生肉食による食中毒の発生や寄生虫の感染

生肉である以上、加熱して死滅する菌や寄生虫が存在している可能性があります。人間にも言えることですが、生肉用ではない肉や新鮮でない生肉を食べてしまうと安全でない可能性は高まります。

犬に生肉を衛生状態が保証されていて新鮮な生肉を与えましょう。心配な時は生肉を加熱することも良いですが過剰な加熱は控えましょう。

骨付きの場合は歯を破損させたり消化管を傷つけたりしやすい

生肉の骨は、犬にとっては歯磨き代わりになり歯周病の防止にもなりますが、一方で硬い骨を食べてしまうと、歯の破損につながったり、消化管を傷つけたりする可能性があります。

また、骨を食べ過ぎてしまうと消化不良になり下痢を起こす可能性があります。カルシウムの摂取源にもなりえますが、リスクが高いので骨を与えるのは控えるようにしましょう。

生肉だけでは必要な栄養が不足する

野生時代に生肉を食べていた犬は、草食動物の内臓なども食べて植物に含まれる栄養素を摂取していました。しかし、生肉だけを与えてしまうと、生肉以外でしか取れない栄養分が不足してしまいます。

総合栄養食のペットフードは、野菜を含む様々な栄養分が構成されているので、犬に生肉を与える際は生肉だけを与えるのではなく、トッピングとして与えるようにしましょう。

病気や体質によっては体調を悪化させる

通常はペットフードを食事にしている犬ですので、肉だけではなく食べなれない食べ物を摂取することはリスクが高いとも言えます。

特に持病を持っている犬や、肉系のアレルギーを持っている犬、消化器官が弱い犬などはウイルスや細菌に対しての免疫が低い可能性があります。

万が一の危険を避けるため、持病を持っている犬や体調が安定しまい犬、シニア犬などに生肉を与えるのは控えましょう。

犬に生肉を与える時の注意点

犬に生肉を与える時の注意点

犬に生肉を与える際は、注意が必要です。それは野生だった頃とは違い、現在は飼い主が犬に与えるということと、主食が総合栄養食のペットフードになっていることが理由になります。

本来は犬の歯や内臓の作りに生肉食は適していますが、犬に生肉を与える時は注意点を守って与えましょう。

人間が生のまま食べられる品質の肉を選ぶ

犬に生肉を与える場合は、人間も食べられる新鮮で安全な品質の生肉を選びましょう。それはデメリットになった「食中毒」や「感染症」、「寄生虫」の危険があるからです。

野生時代に比べ現在の犬には、以前のような生肉に対しての免疫効果は期待できません。加工して時間がたってしまった生肉は自然に食中毒菌が倍増されますし、時間が経つことによって寄生虫に侵されるリスクが高くなります。

スーパーなどで購入する際は、人間が生食出来るかを確認してから購入しましょう。

初めて与える時は少量にして食後の体調を観察する

犬に初めて生肉を与える際は、少量から試してみてください。食いつきや食べている時、食後の様子を見て異常がないようなら最初の量で何回か与え、徐々に量を増やしていきましょう。

いきなり多く与えてしまうと、噛みきれなくて喉に詰まらせてしまう危険性や、食べなれていなかったことにより体調が悪くなってしまう場合がありますので、注意して与えるようにしましょう。

犬に生肉を与えるのは1才以上から

犬に生肉を与えるのは最低でも1才以上になってからにしましょう。

子犬には成犬のような免疫力や抵抗力はありません。どんなに新鮮な生肉でも菌やは付着しますので、感染や食中毒になる可能性が高くなります。

また、歯や食道についても1才未満は未発達なので、喉に詰まらせる危険もあります。必ず1才以上の成犬になってから与えるようにしましょう。

体の大きさに合わせて与える量を決める

犬に生肉を与える時に1日に体重の1%を目安に与えましょう。

例えば、5kgの犬の場合は50gが1日に与えられる量になります。また、50gの生肉を与える場合は、普段食べているペットフードから肉の量を引いて与えるようにして、1日の食事量を超えないようにしましょう。

まとめ

生肉を食べようとしている犬

犬に生肉を与えることは基本的には大丈夫ですが、与える場合はメリット、デメリット、注意点を考慮して飼い主さんが判断しましょう。

他の犬が毛艶がよくなったといっても自分の愛犬に当てはまるとは限りません。犬の年齢や体質よっては、逆に体調が悪くなる可能性もあるということを念頭にいれて、愛犬に生肉を与えるか与えないかを検討していってください。

はてな
Pocket
この記事を読んだあなたにおすすめ
合わせて読みたい