犬のアトピー性皮膚炎について
あなたの愛犬はアトピーに苦しんではいませんか?アトピーという皮膚炎は人間の病気としても認知度が高いものになりますが、その痒さからくる苦痛は測りしれません。
では、愛犬をアトピーから守るために必要な知識とは一体何なのでしょうか?
この記事では、犬のアトピー性皮膚炎について、詳しく解説していきます。愛犬が健康的な毎日を過ごせるように、犬のアトピー性皮膚炎についての正しい知識を身につけましょう。
「うちの犬ならアトピー性皮膚炎になんてならないわよ」なんて過信している方は要注意。病気にかかってからでは遅いので、早期発見のためにも読んでみてくださいね。
犬のアトピー性皮膚炎とは
犬のアトピー性皮膚炎とは、アレルギーの原因となる「アレルゲン」というものが、犬の皮膚や呼吸器を通して体内に侵入してしまい、おこる病気(皮膚炎)です。
アレルゲンが犬の粘膜や皮膚から侵入して、「IgE抗体」という物質の放出をします。そのIgE抗体は肥満細胞とよばれている細胞の表面に付着して、次から入ってくるアレルゲンを待っています。
そのアレルゲンが侵入してきた所で、肥満細胞から生物活性物資を放出していきます。(これを、「脱顆粒」(だつかりゅう)といいます。)
放出された生物活性物質が血管に作用すると、「血圧低下」「血管透過性の亢進」という反応を起こしてしまい、その結果「血流が促進されます」。
血の巡りがよくなるだけならよいのですが、過度に血流が促進されてしまうため、体内に異常がおき、結果として、皮膚のかゆみ、呼吸器官の異常(咳、呼吸異常)など、様々な異常が起こります。これを、「アレルギー反応」といいます。
アレルギー反応の種類
- 気管の粘膜で起きるアレルギー反応・・・アレルギー性喘息
- 鼻の粘膜で起きるアレルギー反応・・・・アレルギー性鼻炎
- 皮膚で起きるアレルギー反応・・・・・・アレルギー性皮膚炎
生物活性物質の種類
- コンドロイチン硫酸
- 腫瘍壊死因子
- プロスタグランジン
- ロイコトリエン
- 血小板活性化因子
- ヘパリン
- ヒスタミン(これが、アレルギーと最も関係が深いといわれている物質)
アトピー性皮膚炎にかかりやすい犬種
以下の犬種は遺伝的にアトピーにかかりやすいと言われています。
- ブルドッグ
- パグ
- ゴールデンレトリバー
- ダルメシアン
- ミニチュアシュナウザー
- スコティッシュテリア
- シェーリハムテリア
- イングリッシュセター
- アイリッシュセター
- ボストンテリア
- ケアーンテリア
- ホワイトテリア
- ウェストハイランドホワイトテリア
- 柴犬
- トイプードル
- ミニチュアダックスフンド
犬のアトピー性皮膚炎の原因
犬がアトピー体質
遺伝的に、アトピー体質である場合、アレルギー抗体IgEをつくりやすい体質をしており、アトピー性皮膚炎を発症しやすくなります。
アレルゲンが多い環境で暮らしている
アレルギーを引き起こす「アレルゲン」が多くある環境では、アレルギー性皮膚炎を発症しやすくなります。
代表的なアレルゲンは以下のような物質です。
- ほこり(ハウスダストマイト)
- カビ胞子
- ダニ(ダニの排泄物や、ダニの死骸も含めて)
- フケ
- 花粉
皮膚のバリア機能異常
皮膚の保湿力が低下することによって、皮膚のバリア機能に異常がおきます。この場合もアレルギー性皮膚炎を発症しやすくなります。
犬のアトピー性皮膚炎の主な症状
- 激しいかゆみ
- 皮膚に発疹やただれ
- 患部の皮膚が荒れる
- 患部が乾燥する
- 患部を激しく掻いたり、舐めたりする
犬のアトピー性皮膚炎の二次障害でおきる病気(合併症)
- 膿皮症
- 結膜炎
- 外耳炎
犬のアトピー性皮膚炎の予防と対策
生活環境を清潔にすること
これが、一番大切な予防方法になります。アトピー性皮膚炎を完全に予防することは、難しいので、毎日の生活環境の掃除をし、清潔を心がけていきます。
しかし残念ながらアトピーの場合には環境を清潔に保つだけでは痒みをコントロールできない場合もたくさんあります。
「アレルギーのコップ」という考え方があり、このコップの中に「ノミ」「食事」「花粉」などの痒みの原因になるものを入れていってあふれなければ痒みが出ないが、あふれてしまうと痒みが出るという考え方です。
アトピーの原因の中には頑張ってもコントロールできないものもありますが、「ノミ」「ハウスダスト」「食事」などある程度コントロール可能なものもあります。
コントロールできるものはできるだけ頑張って取り組み、コップの中に入る痒みの原因を減らしていきましょう。そうすることで痒みが少しでも減っていくかもしれません。
アレルギー検査を行う
アレルギーの検査をすることによって、「何に対して、アレルギー反応を起こしているのか」が分かります。動物病院で、詳しく検査するとよいでしょう。
また、アレルギー症状が「いつ」「どこで」おきるのかが、ポイントになります。
- 外に行った後に症状がでる
- 季節によって症状がでる
- 自宅内にいる時に症状がでる
などの項目を日ごろからチェックしておきましょう。
アレルギーの検査方法
- 【抜毛検査】カビやカイセンダニなど、毛根の状態を検査。
- 【血液検査】アレルゲンを一つ一つ調べることができる検査。
(例:ヨモギ・ニホンスギ・ヤケヒョウダニ・コナヒョウダニなど) - 【試験的イベルメクチン検査】カイセンダニの除外診断をするための検査。
- 【スタンプスメア検査】病変した部分をガラスに擦り付けて、染色液で染めてマラセチアや細菌を顕微鏡で調べる検査。
おすすめの犬のアトピー予防グッズ
さて、アトピーの予防方法で一番重要なことは、生活環境を清潔にすることですが、わんちゃんの皮膚を清潔に保つために具体的にどのような方法があるのでしょうか?
もちろん、お風呂に入れてシャンプーをしてあげることが重要ですが、あまり頻繁にシャンプーを行うと、かえってわんちゃんの皮膚を傷つけてしまい逆効果になってしまうこともあります。
そこでオススメしたいのが、ペット専用化粧水『AVANCE』です。
このAVANCEは、人間の化粧品を開発するメーカーが「わんちゃんにも安全なスキンケアを!」という愛犬家の声に応えて開発した、ペット専用の化粧水です。
ペット専用とはいえ、人用として使っても問題ないほど高い品質基準をクリアした化粧水となっており、さらに天然成分100%で化学薬品は一切使用していないので、特に肌の弱いわんちゃんを飼われている方でも、安心して毎日ケアを行うことができます。
アトピーになってしまうと、強烈な痒みが発生し、大切な愛犬がとてもつらい状況になってしまいます。(それを見ている飼い主さんもとてもつらいです…)
そうなってしまう前に、ぜひわんちゃんにも肌ケア用品を活用して、日頃から清潔な肌を保ってあげましょう! 体質的に合う合わないがありますので、初めて使用するときには小さな範囲で試し、問題がなければ全体的に使うようにしましょう。
犬のアトピー性皮膚炎の治療方法
薬物療法
炎症やかゆみを抑えるための投薬治療。ステロイドや抗ヒスタミン薬があります。ステロイドの薬においては、副作用がありますので、気を付けて治療していかないといけません。
最近新しく行われている治療方法が、「減感作」(げんかんさ)といい、毒素を薄めたアレルゲンを故意に体内にいれて、そのアレルゲンになれさせようとする治療方法があります。
保湿剤の投与
皮膚のバリア機能が悪化するのは乾燥ですので、皮膚が乾燥しないように保湿剤を塗布する。
漢方薬の投与
ステロイドの治療が難しい体質の場合に行います。
犬のアレルギー性皮膚炎を悪化させた元の病気の治療
元の病気の治療をすることによって、アトピー性皮膚炎の症状が軽減することもあります。
脂肪酸の摂取
「アラキドン酸」の生成を抑制するために、リノール酸・リノレン酸を摂取する。そうすることによって、症状が軽減されます。
生活環境を清潔にする
ハウスダスト・ダニ・花粉などを生活環境から、除去することに心がける。部屋の隅などに、ホコリなどが蓄積されやすいので、毎日しっかりと掃除をしていく。
シャンプーを変える
アレルギー性皮膚炎用の、低刺激のシャンプーにする。
まとめ
飼い主がまずできることは、生活環境を清潔にすることです。こまめに掃除をして、アレルゲン物質を少しでも減らしていきましょう。
完全に対処できることではありませんが、毎日の積み重ねで、アレルギー症状を軽減することができると思います。愛犬を守れるのは、飼い主です!愛犬が毎日健康で楽しく過ごせるように、飼い主が生活環境の整備をしっかりしていってください!
愛犬と、楽しい毎日を過ごしていってくださいね!
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犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識
ユーザーのコメント
30代 女性 岸
30代 女性 バニラ
私自身も子供の頃からずっとアトピーで悩まされてきたので愛犬の気持ちがすごくわかります。アトピーは完治することがほぼない皮膚病なので、どのようにアトピーとうまく付き合っていくかが大切だと思います。ステロイドは投与してすぐは痒みが治まりますが、完治したわけではないので一時のことです。
私の愛犬はステロイドはほぼ使わず、家を清潔に保ち、寝床は定期的に洗濯、1週間に2度動物病院で買っている保湿成分の高いシャンプーで洗い皮膚を清潔に保つことでかなり落ち着きました。日々のケアが大切な病気だと思います。
20代 女性 栞
30代 女性 マキ
10代 女性 ぷーちん
30代 女性 あー
女性 ゴン吉
心臓病の薬の影響で水をよく摂るようになったのですが、皮膚は乾燥してフケが見られます。たまに痒がることもあるので、ひば油スプレーで対処しています。適度に油分を与えると乾燥も緩和されるのでいくらか楽になるようです。
冬の特に乾燥が酷くなる季節はワセリンがとても効果的です。夏でもエアコンで乾燥が酷くなることがあるので特に乾燥の酷い部分には、水で少しさらっとさせたワセリンを愛犬の皮膚にプレスしています。
たまにくしゃみをすることがあります。花粉がやや苦手になってきたようなので、部屋の空気の入れ替えや愛犬の寝床の掃除洗濯を徹底して行うようにしています。
女性 ゴジゴジ
20代 女性 ばにら
なので皮膚の炎症や痒みをどうにかしてあげたいと思い、こちらの記事を読みました。
今現在問題なくともアトピーになってしまう事もあるんですね・・外耳炎なんかは、なりやすい犬種なら特に気をつけてあげないと一度なると繰り返したり治療に時間もかかり根気がいると聞いたことがあります。
ペット用化粧水があるんですね。知らなかったので使ってみたいなぁと思いました。普段は蒸しタオルで身体をまめに拭いたり、無添加の竹酢液を薄めたものでお手入れしたり、シャンプーも低刺激の物でリンスも使うなどしています。
人でも痒みや炎症が起きると辛いですよね・・ワンちゃんは喋ることが出来ないので早めに気づいてあげることが大切ですね。ブラッシングの時に皮膚の感じをチェックしたり、いつもと様子が違うところはないかなど見てあげることで異変に早めに気付くことができます。
30代 女性 ひまわり
40代 女性 匿名