ドッグフードを変えた時、犬の腸内細菌は1週間で入れ替わる【研究結果】

ドッグフードを変えた時、犬の腸内細菌は1週間で入れ替わる【研究結果】

与えられるフードが変わると犬の腸内細菌はどのように変わっていくのかを調査した結果が発表されました。ちょっと意外な結果です。

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フードの変更と腸内環境の変化を調査

食事中のビーグル

人間も犬も食事として摂っている食べ物によって腸内細菌の種類や分布が変わることは一般にもよく知られています。生き物の腸内に住んでいる微生物(細菌)そのものだけでなく、それらの微生物が代謝する物質の種類も変化します。

与えているドッグフードの種類を変更する時に「新しいフードを1〜2割くらい混ぜるところからスタートして少しずつ増やしていき、1〜2週間かけて切り替えましょう」と言われるのは、この腸内細菌と代謝物質の変化に体を慣れさせるためという理由が最も大きいものです。

フードを変更した時の腸内環境の入れ替わりがどのくらいの期間で起きるのかについて、今までは推測するのみでした。

この度、アメリカのイリノイ大学アーバン・シャンペーン校の栄養科学の研究者を中心に、ニューヨーク大学アブダビ校、フロリダ大学、ドッグフードメーカーのノムノム社の研究チームが、フードの変更と腸内環境の変化について詳細な調査を行いその結果が発表されました。

違う種類のフードを与えた時の便サンプルを分析

ドライフードと缶詰のウェットフード

調査のための実験に参加したのは、研究室で飼育されている12頭のビーグルでした。全頭がメス犬で年齢は4〜5歳で体重13kg前後の、同じ環境で暮らしている犬たちです。

犬たちは最初の2週間は全員が同じドライフードを与えられました。このフードはAAFCO(全米飼料検査官協会、ペットフードの栄養基準を制定している)の栄養基準を満たす総合栄養食です。

次の2週間は調整期間を置かずにフードの内容が変更されました。12頭のうち半数の6頭は高タンパク高脂肪の缶詰フードが与えられ、残りの6頭にはドライフードに水溶性食物繊維を添加したものが与えられました。

実験は2回行われ、2回目は条件を逆にして初回に缶詰フードを与えられた犬はドライフード+食物繊維に、初回が食物繊維入りフードだった犬には缶詰フードが与えられました。

分析のための便サンプルは、最初の2週間に1回、フード変更2日目、その後4日ごとに採取され、サンプル中の細菌種と代謝物質の分析が行われました。

フード変更後1週間で腸内細菌は安定する

仰向けでお腹を見せる犬

腸内で微生物が代謝する物質には、食物繊維をエサにした細菌が代謝した『短鎖脂肪酸』や『乳酸』(どちらも免疫系を活性化させる)、数種の腸内細菌が合成する『ビタミンB群』や『ビタミンK』などがあります。

それぞれの便サンプルから微生物(細菌)の代謝した物質が抽出され、そのうち犬の健康全般に影響を及ぼす可能性のある物質がリストアップされました。

次に便サンプルに含まれる細菌種をDNA解析によって同定し、細菌の群れがフード変更後の時間と共にどのように変化したかを分析しました。そうしてリストアップされた代謝物質と細菌種の関連付けが行われました。

上記のような工程が明らかにした結果は研究者を驚かせるものでした。フードを変更してから2日以内という速さで腸内の微生物は全く新しい物質を作り始めていました。

さらに、腸内細菌の多様性や分布が変化して安定するまでにわずか6日しかかかりませんでした。これは缶詰フードへの変更でも食物繊維添加フードへの変更でも同じでした。

また犬の健康に良い影響を与える代謝物質は、高タンパク高脂肪の缶詰フードよりも食物繊維を添加したフードを与えた際により多く抽出されました。これは以前の研究結果とも一致しており予想された結果でした。

フードを変更してから1週間以内で腸内細菌の序列が安定するとわかったことは、今後の犬の給餌実験の際にサンプル分析の時間的な間隔を決定するのに大いに役立ちます。

また家庭でフードの種類を変更する際に、移行期間を1週間とすることも適切であるとわかりました。この研究での実験ではフードをいきなり違うものに変更しましたが、家庭での対応は今まで言われている通り少しずつ混ぜながら移行していくことを研究者も勧めています。

まとめ

フードの入ったボウルとジャックラッセルテリア

犬の食事を急に変更した時、2日以内に腸内細菌が新しい代謝物質を作り始め、腸内細菌の多様性や分布に変化が生じるが約1週間で安定したという調査結果をご紹介しました。

家庭でフードの変更を行う時には、フードの内容や犬の体質、また生活環境の違いなどもあるので1週間という安定までの期間には個体差があると考えられますが、実際にデータに基づいた目安があることは大いに参考になりますね。

今後は犬についてのさらに進んだ研究や、犬以外の動物についての研究も拡大していくということですので、新しい報告が届くのを楽しみに待ちたいと思います。

《参考URL》
https://animalmicrobiome.biomedcentral.com/articles/10.1186/s42523-022-00194-9

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